2006-5-1

久保田 宏 (東京工業大学名誉教授)著書            参考 週刊朝日 原発ゼロでも石炭火力発電

  科学技術の視点から 
  原発に依存しないエネルギー政策を創る

    石炭火力発電を当面利用すれば、経済的な負担のない原発代替は可能だ

 

前書き

  自然エネルギーでは電力需要を賄えない。

平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書


導入ポテンシャルは太陽光(非住宅系に限る)が最大で1.5億kW、風力が19億kW、中小水力(河川部と農業用水路、3万kW以下)が1,400万kW、地熱が1,400万kWと推計された。

これらの値だけをみると、風力発電の大きな導入ポテンシャルが目立つが、そのポテンシャルは北海道、東北、九州エリアに集中しており、特別高圧送電線の新増設などによる系統連系対策が課題となる。
これに対して、太陽光発電等でも系統連系対策が必要となるが、その対象は低圧配電線や高圧配電線で済む。
ただし、太陽光についてはシナリオ別導入可能量が小さく、PIRRが8%未満でも一定程度は普及すると考えられるが、現状のコストレベルでは事業用発電事業として大々的に普及していく可能性は高いとは言いにくい。

自然エネルギー源の発電可能量の計算値と、2009年度の発電量(1,112,622百万kWh)に対する比率
  導入ポテンシャル
(万kW)
設備利用率 発電可能量
(百万kWh)
現状比
経済性考慮
発電可能量*1 現状比
太陽光(除家庭)*2 14,929 0.090 117,700 10.6% 0 0%
太陽光(家庭)*3 4,000 0.090 31,536 2.7%    
風力(陸上) 28,294 0.282 713,824 60.1% 347,249 29.2%
風力(洋上) 157,262 0.354 4,876.758 4.11倍 9,303 0.78%
中小水力*4 1,444 0.65 82,221 6.9% 17,310 1.45%
地熱*5 1,420 0.70 87,074 7.3% 29,188 2.46%
*1  再エネ法買取価格 太陽光48円、ほか20円、買取期間20年で計算
*2 低・未利用地、耕作放棄地などの合計
*3 1000万戸の屋根に4kW設置とした試算
*4 河川部、農業用水路、上下水道・工業水道の合計
*5 熱水資源開発、温泉発電の合計

 

 当面の代替は石炭

日本は発電用石炭の2.9%  
温暖化説?

日本の技術提供がはるかにCO2削減効果

 自然エネルギーの限界

一次エネルギーで電力は約半分
残りで化石燃料代替はバイオマスのみ(可能量ははるかに少ない)

 対策  

省エネの徹底
当面、石炭で

 

 

 

 

 

 

 

 

中国の石炭消費量は全世界の43.4%

電源構成(電力発生のためのエネルギー源別、一次エネルギー投入ベース)では、中国では
石炭が90%近い。(日本は27.8%)

 


J-Power

http://www.jpower.co.jp/bs/karyoku/sekitan/sekitan_q01.html