2011年11月1日 三菱商事
豪州クイーンズランド州BMA原料炭事業の大規模拡張意思決定
三菱商事は、本日、100%出資子会社のMitsubishi Development Pty
Ltd、本社:豪州シドニー(MDP)を通じ、同社と資源メジャーであるBHPビリトン社が各々50%の権益を保有する豪州クイーンズランド州 BMA原料炭事業の大規模拡張に関する投資意思決定を行いました。
BMA(BHP Billiton Mitsubishi Alliance)はオーストラリア最大の石炭生産企業。原料炭の海上輸送シェア世界一。オーストラリア国内で事業展開。資源メジャーBHP Billiton(BHPビリトン)と日本の商社最大手である三菱商事の完全子会社MDP(Mitsubishi Development)の折半出資によるJV。2001年にMDPがBHP Billitonから権益を取得することにより発足している。BHP Billitonの原料炭事業における中核。
オーストラリア・クイーンズランド州の大規模石炭埋蔵地域であるBowen Basin(ボーエン盆地)で北部の都市Moranbahから南部Blackwaterまで広域にわたって複数の露天堀及び坑内堀炭鉱から生産を行っている他、生産された石炭を出荷するための港湾施設Hay Point(都市Mackay近隣)の操業も行っている。
年間5000万トンクラスの原料炭及び一般炭を生産しており、その大半をHay Point港湾施設より出荷している。また一部をその近隣のDalrymple Bay港湾施設や南部にある主要資源積出港であるGladstone(グラッドストーン)より出荷している。
本日投資意思決定を行ったのは、クイーンズランド州中央部のボーエン炭田北部に位置するCaval
Ridge炭鉱の新規開発およびPeak Downs炭鉱の拡張で、投資総額は約21億豪ドル(約1,700億円、MDP社負担分)となります。
キャバルリッジ炭鉱は、ピークダウンズ炭鉱の北部に隣接する新規露天掘炭鉱で、年間550万トンの生産を計画しており、同時に、ピークダウンズ炭鉱は、現行能力から年間250万トンの増産を計画しております。キャバルリッジ炭鉱の新規開発とピークダウンズ炭鉱の拡張により、2014年から約60
年間に亘り、合計で年間800万トンの輸出用高品位原料炭を増産する計画としております。尚、両炭鉱共に必要な全ての政府許認可を取得しております。
当社は、本年3月にもBMA生産能力拡張に関する約31億豪ドル(約2,530億円、MDP社負担分)の投資意思決定を行っており、現在、Daunia炭鉱の新規開発(2013年より年間450万トンの原料炭を生産予定)および自社保有の石炭積出港であるHay
Point港の第三次拡張(2014年に出荷能力を年間5,500万トンに拡張予定)を実行中で、また、これに対応する鉄道能力も確保しております。本日投資意思決定を行ったキャバルリッジ炭鉱の新規開発およびピークダウンズ炭鉱の拡張によって増産される年間800万トンの原料炭も、ヘイ・ポイント港より出荷する計画としております。
ヘイ・ポイントにはヘイ・ポイントとダーリンプル・ベイ(Dalrymple Bay)の2つの積み出し港がある。
当社は、MDP社保有資産の更なる拡大を図る事に加え、中長期的に見込まれる原料炭の世界的な需要拡大に対応し、今後ともBMAを通じ、本邦の製鉄会社をはじめとした世界の需要家に対する原料炭の安定供給に努めて参ります。
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[キャバルリッジ炭鉱(Caval Ridge)およびピークダウンズ炭鉱(Peak Downs)所在地図]
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当社がオーストラリアにMDPを設立したのは、日本が高度経済成長に沸く1968年までさかのぼります。鉄の需要が飛躍的に高まる中、製鉄原料として欠かせない原料炭の安定供給源確保という時代のニーズに応えるために、オーストラリア北東部のクイーンズランド州においてアメリカ企業とパートナーシップを組み、原料炭の炭鉱開発を行うことが目的でした。その後1970年代から1990年代初頭にかけて、世界の鉄鋼生産が増大したことに伴い、原料炭の需要も増加しました。しかし、1990年代のバブル崩壊やアジア通貨危機により状況は一転し、製鉄業界の収益は悪化、原料炭業界も大きな痛手を負い、原料炭の安定供給も危ぶまれる状況となりました。
このような環境下、当社は原料炭需要が将来にわたって継続的に増加するとの判断の下、原料炭の安定供給を確実なものとするため、 2001年、従来のマイノリティーとしての権益比率を50%まで引き上げ、世界最大手の資源会社BHP Billitonと対等の立場で石炭合弁事業BMAを立ち上げたのです。
BMAは、クイーンズランド州中央部のボーエン炭田において、21億トンにも上る埋蔵量を保有し、7つの炭鉱において高品位の原料炭を中心に年間約5,000万トンを現在生産しています。これは世界の原料炭海上貿易量の約3割に相当し、BMAは、世界各地の需要家に良質の原料炭を供給する世界最大規模の原料炭事業者となっています。
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2007 年1 月9 日
三菱商事による豪州最大級の炭鉱開発について
〜豪州クイーンズランド州Clermont一般炭炭鉱の開発意思決定〜
クレアモント炭鉱
豪州クイーンズランド州ボーエン・ベースン北部(Blair Athol 炭鉱の南東約13km)
積出港のDalrymple Bay Coal Terminal(Hay Point)まで278km (鉄道)
三菱商事は、今後の世界的に堅調なエネルギー需要に応える為、今般、当社の豪州現地法人である三菱デベロップメント社を通じ、同社が34.9%の権益を保有する豪州クイーンズランド州クレアモント一般炭炭鉱の開発意思決定を、資源大手のリオ・ティント社及び電源開発株式会社の豪州現地法人であるJ-POWER
オーストラリア社と共に行いました。
クレアモント炭鉱は2010 年からの出炭開始を予定しており、年間1,200
万トン規模の発電用一般炭の生産を見込む豪州最大級の露天掘炭鉱で、高いコスト競争力が期待されています。さらに、近隣のBlair
Athol 炭鉱の終掘スケジュールに合わせて炭鉱を開発することにより、同炭鉱が現在使用している貨車積み設備、鉄道、港湾等のインフラを利用することが可能となり、初期開発投資金額が抑制され、経済性の向上が図られる見込みです。
ブレアソール炭鉱は1984年から出炭を開始し、以来、年間1,000万トンから1,200万トンを生産してまいりました。
2009年度は生産量1,123万トンのうち日本の電力会社向けに547万トン(うち当社取扱分204万トン)を販売、これは日本の電力会社の使用する石炭の約 7%に相当し、生産開始以来、長らく日本向け電力用海外炭の安定供給に寄与してまいりました。
一方で、ブレアソール炭鉱は2010年代の生産終了が予定
当社は、本炭鉱開発を通じて三菱デベロップメント社保有資産の拡大を図ることに加えて、今後リオ・ティントがプロジェクトマネジャーを努める本炭鉱の販売戦略の下、プロジェクトの販売代理店として、主要な石炭販売先となる日本市場向けマーケティング活動をサポートすべく努力して参ります。
尚、三菱デベロップメント社は、今後必要な手続きが完了次第、石炭資源開発株式会社の子会社であるJCD オーストラリア社に対して3.5%の権益を譲渡し、JCD
オーストラリア社が新たにパートナーとしてプロジェクトに参画する予定となっております。
JCD オーストラリア社のプロジェクト参画後のパートナー別権益比率は以下の通りとなります。
三菱デベロップメント社 (三菱商事グループ) :31.4%
クイーンズランド・コール社 (リオ・ティントグループ) :50.1%
J-POWER オーストラリア社(電源開発グループ) :15.0%
JCD オーストラリア社 : 3.5% Blair Atholには3.4167%
2010年4月27日
豪州最大級の炭鉱操業開始
〜豪州クイーンズランド州クレアモント一般炭炭鉱の操業開始〜三菱商事が100%出資する三菱デベロップメント社(Mitsubishi Development Pty Ltd、以下:MDP社、本社:豪州シドニー)を通じ、同社が31.4%の権益を保有する豪州クイーンズランド州クレアモント一般炭炭鉱が、今般、港への出荷設備のあるブレアソール炭鉱に輸出用一般炭を運搬し、その操業を開始しました。クレアモント炭鉱は、2006年に開発が決定され、2010年5月には第1船を日本向けに出荷し、2010年の生産量は491万トンとなりました。
今後、クレアモント炭鉱は、年間1,200万トン規模まで生産を伸ばす。
カナダ オンタリオ州マラソンPGM鉱山プロジェクトの権益取得合意
〜北米最大のPGM生産者と契約締結〜
三菱商事株式会社と、スティルウォーター マイニング カンパニー(Stillwater Mining
Company、本社:アメリカ合衆国モンタナ州、以下:SWC)は、当社がSWCの保有するカナダPlatinum Group
Metals(白金族金属(白金、パラジウムなど)、以下:PGM)資源権益保有会社スティルウォーター カナダ社(Stillwater Canada
Inc.、以下:SCI社)の株式25%を94.9百万米ドルで取得することに合意しましたので、お知らせ致します。
SCI社はカナダオンタリオ州にマラソンPGM鉱山プロジェクトを保有しております。鉱区の南方約10kmにはマラソン町、南東約1,000kmには州都トロントがあります。
本鉱山からは主にパラジウム、及び白金が採掘され、生産量は年間約20万オンス、山命は、11.5年です。生産開始時期は、2016年を見込んでおります。本鉱山からは、パラジウムや白金以外にも銅など副産物が採掘されます。銅は年間約1.7万トン生産が見込まれます。本鉱山はPGM鉱山としては稀有な露天掘りで、コスト競争力の高い鉱山です。
当社は本プロジェクトで生産されるPGM地金の100%の引取り権を取得しております。
SCI社は、この他にマラソンPGM鉱山に隣接するバーミューダ鉱区及びジョーディーレイク鉱区の二つの有望探鉱プロジェクトを保有し、マラソンPGM鉱山の開発と併行し、探鉱活動を行っております。PGM
は、車の排ガス中の有害物質を浄化するために使用される自動車用触媒など、環境ニーズを支える貴金属で、石油精製触媒や電子産業、燃料電池など、工業用途に幅広く活用されています。
当社は、優良資源事業への投資の拡大と持続的に成長可能な資源ポートフォリオの拡充を重点分野と位置付けております。今回の株式取得を通じて、事業の継続的成長、PGMの安定供給を図って参ります。
<参考資料>
1. マラソンPGM鉱山プロジェクト
所在地:カナダ オンタリオ州中央部
資本構成:スティルウォーター カナダ社 100%
事業内容:PGM鉱石の採掘、選鉱によるPGM精鉱の生産
年間生産量:PGM(白金、パラジウムなど)約20万オンス、銅約1.7万トン
生産開始予定:2016年
2. スティルウォーター カナダ社
本社所在地:カナダ オンタリオ州
事業内容:マラソンPGM鉱山並びに周辺探鉱鉱区の開発
株主構成(株式取得後): スティルウォーターマイニングカンパニー75%、三菱商事 25%
3. スティルウォーターマイニング カンパニー
本社所在地:アメリカ合衆国 モンタナ州
事業内容:北米最大のPGM生産企業。 ニューヨーク証券取引所及びトロント証券取引所に上場。北米最大のPGM鉱山であるスティルウォーター鉱山と西部近隣にあるイースト・ボルダー鉱山の操業を行っている。
The Company conducts mining operations at the Stillwater
Mine near Nye, Montana and the East Boulder Mine South of McLeod, Montana.