2011年11月10日 三菱商事
アングロ・アメリカン社保有 チリ国銅鉱山・製錬所運営会社 24.5%株式の取得
三菱商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林健)は、アングロ・アメリカン社(Anglo American
plc、本社:英国ロンドン、以下「アングロ社」)からの打診を受け、同社が100%保有するチリ国銅資産権益保有会社アングロ・アメリカン・スール社(Anglo
American Sur S.A.、本社:チリ国サンチャゴ、以下「アングロスール社」)の株式24.5%の取得に関して協議を進めて参りました結果、本日、当該株式を取得致しました。株式取得価格は、53.9億米ドル(約4,200億円)となります。
アングロスール社は、チリ国内にロスブロンセス銅鉱山、エルソルダド銅鉱山、チャグレス銅製錬所、並びに大型の未開発鉱区などの優良資産を保有しており、現在年間約26万トンの銅を生産しています。更に、ロスブロンセス銅鉱山は、現在進行中の拡張工事を経て、2012年にはフル生産となり、アングロスール社合計で年間約44万トンの生産量となる見通しです。
今回の株式取得により、当社はアングロスール社の銅資産権益の24.5%を保有することとなり、現在の銅の年間持分生産量14万トンが、2012年には25万トンに引き上げられる見込みです。
当社は、優良資源事業投資の拡大と持続的に成長可能な資源ポートフォリオの拡充を重点分野と位置付けております。今回の株式取得を通じて、事業の継続的成長を図って参ります。
また、当社は、チリ国に於いて、Escondida
銅鉱山プロジェクト、
Los Pelambres銅鉱山プロジェクトの権益を各々8.25%、5%、鉄鉱石生産販売会社Compañía
Minera del Pacifico(CMP)の株式を25%保有しており、これらの資源プロジェクトを通じて、チリ国の経済発展と資源の安定供給に貢献します。
なお、本株式の取得に伴う、当社の今期連結業績への影響は軽微です。
<参考資料>
1. Anglo American Sur S.A.
1) 会社概要
本社所在地: チリ国 サンチャゴ
事業内容:
@ Los Bronces銅鉱山の開発・操業及び銅精鉱・銅地金・副産物(モリブデン等)の生産
A El Soldado銅鉱山の開発・操業及び銅精鉱・銅地金の生産
B Chagres銅製錬所に於ける銅アノードの生産
株主構成: アングロ社(100%子会社)
銅生産量: 約26万トン(2010年実績)
2) 主な保有資産
・ロスブロンセス銅鉱山
ロスブロンセス銅鉱山は、首都サンチャゴから北東65キロメートル、標高3500メートルに位置しており、現在は年間約22万トンの銅精鉱・銅地金を生産しています(2010年実績)。更に、現在推進中の拡張工事を経て2012年にはフル生産となり、年間銅生産約40万トン(今後10年間平均)を達成し、近年中には年間生産量で世界第5位の銅鉱山となる見通しです。生産規模だけでなく、埋蔵量、コスト競争力についても世界有数の優良鉱山です。
更に、近隣にロスサルファトス鉱区及びサンエンリケモノリト鉱区の有望未開発鉱区が存在しており、長期的な成長が見込まれております。
・エルソルダド銅鉱山
エルソルダド銅鉱山は、首都サンチャゴから北132キロメートル、標高600メートルに位置し、年間約4万トンの銅精鉱・銅地金を生産しています(2010年実績)。
・チャグレス銅製錬所
チャグレス銅製錬所は、首都サンチャゴから北100キロメートル、標高400メートルに位置し、ロスブロンセス銅鉱山・エルソルダド銅鉱山の銅精鉱を主原料として、年間約14万トンの銅アノード(*)を生産しています(2010年実績)。
(*) 銅アノード: 銅精鉱から銅地金を製造する工程の中間製品
2. Anglo American plc
1917年に南アフリカで設立されて以降、世界各国で鉄鉱石や石炭、銅、ニッケル、プラチナ、ダイヤモンド等の鉱山事業を展開する資源メジャーの1社です。同社は2002年に現在のアングロスール社株式を取得しました。
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三菱商事は、日鉱金属、三菱マテリアルの合弁会社(三菱商事50%、日鉱金属40%、三菱マテリアル10%の比率で出資)を通じて、米国インターナショナル・ファイナンス・コーポレーションが保有するチリのエスコンディダ銅鉱山プロジェクトの2.5%の権益を取得した。
三菱商事は1988年より、同3社にて運営し、三菱商事が70%(三菱マテリアル10%、日鉱金属20%)の出資をおこなっているジェコを通じて、間接的に同プロジェクトの7%の権益を保有している。今回の追加取得で三菱商事が保有する間接持分権益は8.25%となる。
当初 追加 合計 三菱商事 7% 1.25% 8.25% 三菱マテリアル 1% 0.25% 1.25% 日鉱金属 2% 1.00% 3.00% 合計 10% 2.50% 12.50%
ロス・ペランブレス鉱山の60%は英国Antofagasta PLC(事業はチリ主体)が出資し、40%を日本の株主が所有している。ルックシックグループはチリ最大の地場財閥の一つであり、ヨーロッパでの投資を通じ主にラテンアメリカで事業を展開。40%を所有する日本の企業は、日鉱金属(15%)、三菱マテリアル(10%)、丸紅(8.75%)、三菱商事(5%)、三井物産(1.23%)である。
1997年5月に日本企業がアントファガスタ・ホールディングス社から40%のシェアを取得した。銅山は2000年1月より本格生産を開始した。
問題点 この銅山と処分場の拡張に対し、地下水や農業用水の汚染の危険から地元住民らはプロジェクトの修正を訴えていたが、2000年1月より本格生産を開始した。
またこのプロジェクトには日本輸出入銀行が多額の融資を行っている。世界第2位の銅消費国である日本は銅を資源を殆ど輸入に依存しており、輸入先第一位がチリである。欧州の各銀行と協調融資で、輸銀分は315百万ドル(融資総額の70%)である。
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CAP accepts Mitsubishi's offer for 25% of Compañía Minera del Pacífico
Chilean
steel group CAP(チリの資源大手:旧Compañía
de Acero del Pacífico S.A. de Inversiones)
said Wednesday he accepted an offer
from Japan's Mitsubishi for
25% of the subsidiary Compania
Minera del Pacífico (CMP), in a
deal valued at the equivalent of
about U.S. $ 924 million.
CAP said in a note
to the stock market that MC
Investments (MCI), a subsidiary of
Mitsubishi, will
receive 15.9%
of the shares of CMP
in exchange for half
of the property has
Compañía Minera Huasco S.A
joint venture.
Los Colorados(ロス・コロラドス)鉱山はSantiagoの北約700kmの位置にある鉄鉱山。
チリの鉄鉱石生産企業Compania Minera del Pacificoと、M.CIのJVであるCompañia Minera Huasco S.A.が所有。
In addition,
MCI will subscribe a capital
increase of U.S. $ 401
million in CMP
to increase their direct involvement
in that company to 25%.
"In addition,
MCI's offer
amounts to $ 924 million
for 25% of CMP,"
said CAP.