2009年12月21日 三菱商事
モンゴルにおけるウラン資源探鉱開発プロジェクトへの参画
三菱商事は、AREVA(本社:フランスパリ市)がモンゴルのDornogobi県およびSukhbaatar県で推進中のウラン資源探鉱開発プロジェクトへの参画につき、同社と合意しました。
既知資源量においては世界第15位、未確認資源を含めると世界最大の資源ポテンシャルを有するとされるモンゴルにおいて、アレバ社は10年以上
前から探査活動を進めており、現在はドルノゴビ県およびスフバートル県に合計14,000km2超、36鉱区の探鉱ライセンスを有しています。
当社は、AREVAが支出した過去の探鉱費用と今後の探鉱及び事前調査費用を按分負担することにより本プロジェクトに参画し、権益を保有するAREVAの完全子会社である
AREVA Mongolの株式の34%を将来時点において取得する権利を保有することになります。
近年、ドルノゴビ県の鉱区において高いポテンシャルが期待される鉱床が発見されており、今後はAREVA
Mongolと当社が協力して、更なる探鉱・調査活動を推進します。
AREVAはフランスに本社を置き、ウランの採掘、精錬・加工から原子力プラント部門、再処理部門までを有する総合原子力企業で
あります。
温暖化ガスの排出レベルが低い原子力発電は、環境負荷の小さいエネルギー源として再評価されております。本プロジェクトは、原子力発電の燃料であるウラン精鉱の将来的な安定供給への貢献を目指すものであり、地球温暖化防止にも貢献するものであります。
当社は、ウラン資源探鉱・開発分野においてカナダと豪州でも探鉱プロジェクトを推進しており、本プロジェクトはこれに続く案件となります。
カナダ・ウラン資源探鉱プロジェクト参画について
〜カナダ・サスカチュワン州ウェスト・マッカーサープロジェクトへの参画〜
三菱商事が100%出資する豪州現地法人である三菱デベロップメント社(Mitsubishi
Development Pty Ltd., 以下MDP 社)は、キャンアラスカ・ウラニウム社(CanAlaska Uranium Ltd.、トロント・ベンチャー市場上場
以下CAU 社)がカナダ・サスカチュワン州アサバスカ盆地に保有するウェスト・マッカーサー・ウラン資源探鉱プロジェクトへの参画に就きCAU
社と合意しましたので、お知らせ致します。
同プロジェクトは世界の一次ウラン生産量の約30%が集中するカナダ・サスカチュワン州アサバスカ盆地に位置しており、高品位且つ大規模なウラン鉱床の発見が期待されています。
同プロジェクトはこれまでCAU
社が単独で探鉱を進めてきましたが、MDP
社が探鉱費用として約11百万カナダドル(約11.4
億円)を負担することにより、同プロジェクトの権益の50%を取得する権利を保有する事になります。
今後世界的にエネルギー需要の大幅な伸長が予想されて居りますが、一方では地球温暖化が深刻な問題となっており、温暖化への悪影響が少ないと思われる原子力発電を再評価する流れが生まれております。本プロジェクトは、原子力発電の燃料であるウラン精鉱の将来的な安定供給への貢献を目指すものであり、地球温暖化防止にも貢献するものであります。
MDP社はこれまで原料炭・一般炭等石炭資産の保有・操業を業務の中核として居りましたが、同社がこれ迄培ってきた鉱山業界に於ける知見・ノウハウを最大限活用し、今後ウラン資源への積極的な展開を図る方針です。
【MDP 社概要】
名称 : Mitsubishi Development Pty Ltd.
所在地: 豪州・シドニー
設立 : 1968 年
資本金: 451 百万豪ドル
株主 : 三菱商事100%
世界最大の原料炭生産企業であるBMA
をはじめとし、豪州における石炭プロジェクトへ出資している。
2008 年7 月10 日
西豪州ウランプロジェクトの権益獲得
三菱商事が100%出資する豪州現地法人の三菱デベロップメント社(Mitsubishi
Development Pty Ltd、以下MDP 社*)は、Cameco
社(本社:カナダ サスカチュワン州
サスカトゥーン)と共にRio
Tinto 社(本社:イギリス
ロンドンおよび豪州 メルボルン)から西豪州キンタイア(Kintyre)ウランプロジェクトの権益を獲得することに合意しました。
MDP 社とCameco 社は合弁事業体(MDP 社:30%、Cameco
社:70%)を組成し、Rio Tinto 社から495
百万米ドルでKintyre プロジェクトを買収します。Cameco
社は、カナダに本社を置くウランの採掘および精錬・加工において業界をリードする会社であり、本プロジェクトでもオペレーターとなる予定です。
MDP 社はCameco 社やKintyre
地区における先住民権を有するマルトゥ(Martu)族との協業を通じてワールドクラスである本プロジェクトの探査や開発を取り進めて参ります。
Kintyre
プロジェクトは西豪州(パースから北東に約1,250km)に位置しますが、一定レベルの探査が既に完了しているウランプロジェクトです。1985
年にウランが発見された後、1988
年まで大規模な探査活動が実施されていましたが、ウランマーケットの低迷を受け、探査は一時中断されていました。その後、ウラン価格の上昇を受け2006
年に追加の検討が実施され、2007 年11 月、Rio Tinto
社による売却プロセスに入りました。本プロジェクトの開発・採掘は西豪州政府およびMartu族による承認が必要となります。現在の西豪州政府はウランの探査は許可しているものの、新規のウラン鉱山開発は政策上禁止しています。一方で豪州連邦政府あるいは各政党ではウラン開発に理解を示す動きも一部には出ており、これを受けて将来的には開発が解禁されることが期待されております。
他の多くの発電方法と比較して大幅に温暖化ガスの排出レベルが低い原子力発電は、環境負荷の小さいエネルギー源と評価されています。Kintyre
プロジェクトが開発に至った際は、日本などへの安定的かつ低コストでの燃料供給を実現するものであり、更なる温暖化防止にも貢献するものであります。
* MDP
社はオーストラリアのシドニーに本社を有する当社の100%子会社です。同社はオーストラリアにおいて石炭や鉄鉱石の事業投資活動を実施しており、世界最大の原料炭供給者であるBMA(BHP
Billiton 社との合弁会社)の50%の権益を保有しています。