2011.4.20
ソフトバンク孫社長 「自然エネルギー財団」設立へ 科学者100人集めて政府に提言
ソフトバンクの孫正義社長は20日、太陽電池など環境エネルギーの普及を促進するため、「自然エネルギー財団」を設置すると発表した。世界中の科学者ら約100人に参加を促し、政府への政策提言などを行うという。
同日午後、開かれた民主党の復興ビジョン会合で明らかにした。
孫社長は福島第1原発の事故を受け、自然エネルギーへの転換を主張。東日本大震災の被災地域を中心に「東日本ソーラーベルト」を作る構想などを提案したほか、普及促進策として自然エネルギーで発電された電力の全量買い取り制度の導入も求めた。
孫社長は「太陽電池の輸出国として世界最大のソーラーベルトを作ろう。もう一度日は昇る。希望あふれるビジョンを作ろう」と語った。
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2011.5.22
孫社長、メガソーラー10カ所検討 埼玉、関西連合が協力名乗り
ソフトバンクの孫正義社長が、東京電力福島第1原子力発電所事故を受け、全国10カ所程度で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設を検討し、埼玉県や近畿などの7府県でつくる関西広域連合が協力に名乗りを上げていることが21日、分かった。
埼玉県の上田清司知事は21日、記者団に、ソフトバンクが79億円、県が1億円を拠出して県内に建設する方針で調整を進めていることを明らかにした。孫社長は関西広域連合のほか、神奈川県など10都県が参加する関東地方知事会との連携も模索している。総事業費は800億円規模に上り、各自治体に一部の負担を要請する意向だ。
孫社長は同事故を受け、脱原発を訴え、再生可能エネルギー事業への参入に意欲を示していた。
孫氏の太陽光発電計画、関西広域連合が協力検討
近畿などの2府5県でつくる関西広域連合が、ソフトバンクの孫正義社長が提唱する大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設計画への協力を検討していることがわかった。
孫社長と交流のある大阪府の橋下徹知事の仲介で、26日に大阪市内で開かれる広域連合の会合に孫社長を招き、協議する方向で調整している。
関係者によると、孫社長はメガソーラーを全国に10か所建設する計画を検討。総事業費計800億円の一部を自治体に負担してもらう意向で、4月20日の講演で、「安全対策などでコストが高くなる原発より、クリーンで、将来のコスト低下が見込める自然エネルギーに転換すべきだ」と主張していた。
一方、橋下知事は同26日に孫社長と会談。その2日後に開かれた広域連合の会合で、各府県知事に孫社長への協力を提案した。孫社長を招く予定の今月26日の会合では、広大な面積が必要になる用地の確保などを協議するという。
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2011年04月25日
「生まれてきた使命を果たす」ソフトバンク・孫正義氏
http://news.livedoor.com/article/detail/5514784/
「知って行動せざるは罪である」ソフトバンクの孫正義氏はそう言い放った。
"原発は安全ではなかった"日本国民だけならず、世界中の人がその事実を知ることとなった、東日本大震災。孫氏の取った"行動"は、ポケットマネー10億円で"自然エネルギー財団"を設立し、エネルギー政策転換を図ること。ソフトバンク本社で行われた自由報道協会主催の会見で、そのプランが明らかになった。
エネルギー政策の転換に向けて
説明資料 http://minnade-ganbaro.jp/res/presentation/2011/0422.pdf
日本はまさに国難の時
孫正義:福島に行き、現状を見てきた。津波で受けた被害とはまた別の悲劇、悲しみ、があった。今後さらに原発の被害は悪化する可能性もあり、現在進行形で続いている。原発は止めるべきなのか、止められるのか。考えなければならない。震災が起きる前は、原子力発電について、賛成、反対の意見も持っていなかった、考えたこともなかった。恥ずかしい話だが、電気はあって当たり前だと思っていた。
ちょうど1年ほど前、運転開始から40年を迎える福島第一原発1号機について、さらに20年間安全に運用できると東電が判断、国に受理された。この事実をどれだけの日本人が知っていたのか、どんな検査が行われたのか。その時に運転を止めていれば、今回の事故は起こらなかった。
40年中性子を浴び続けると圧力容器はもろくなる。世界平均では22年の使用で廃炉にしている。40年以上使い続けるということがどれだけ危険か、認識する必要がある。
今すぐ全ての原発を止めろというのではない。稼動開始後、30年が経過している原発の再点検、再評価を厳密にする必要がある。法令でも稼動30年を経過する原発は運転年数が長期間経過していることから、再評価を行うことが義務付けられている。
今後は稼動40年で原子炉を廃炉していくとして、原発の新規建設も凍結するとなれば、当然、電力は足りなくなる。その代替エネルギー案を考えなければ、建設的な議論はできない。
国のエネルギー白書には原子力の発電コストがKw当たり5〜6円で一番安いと書いてあるが、原発の設置許可申請書に書かれた発電原価は15円前後。これは電力会社が申請した数字だ。矛盾している。今回の事故を受けて保険コストも跳ね上がる、地域対策費も上がる。原子力発電は割高な発電方法なのだ。
原子力発電は安いと刷り込まれていた。原子力で利益を得る者からの洗脳、プロパガンダだ。我々は、高くて危険なエネルギーを使わされているのだ。
これについては下記参照
エネルギー政策転換の年
孫正義:2011年をエネルギー政策転換の年と位置付け、個人としての寄付10億円で自然エネルギー財団を設立いたします。10億で足りないことはわかっていますが、これはスタートの原資として、世界100名のトップ科学者との意見交換の場を作る。議論のきっかけを作るための財団。シンクタンクのようなもの。自然エネルギー発電にはいろいろある。どれがいいのかはこれから勉強して行く。
太陽光発電だが、電気使用のピークは日中。電力の消費量が最も多いときに太陽は出ている。そこに当ててはどうか? 太陽光発電を否定する意見の多くは、曇りや雨のとき、発電出来ないというもの。しかし、天気の悪いときには、火力発電を使えばいい。バッファとして考えている。
他国では太陽光発電がどんどん伸びている。なぜか。それは電力会社が作った電気を買い取るから。政府の方針で、電力会社に買取の義務を負わせた。作った電気を全て買い取る、全量買取制度の制定が今何より優先されなければいけない。
奇しくも、震災のあった3月11日の午前中、全量買取制度が閣議を通過した。一日も早く、これを国会で通してもらいたい。電力会社は買い取りたくないという姿勢で今まで来たが、電気が足りなくて計画停電を行う今、まさか電気がいらないとは言えないだろう。
風力発電も世界では伸びている。日本ではまったく伸びない。これも、電力の買い取り価格を低く設定し、採算が合わないようにしている電力会社の思惑のせいだ。北海道や東北、九州の潜在的発電能力は、日本全国の電力需要を満たすほどの量がある。
世界の地熱発電設備の75%は日本製。なのに日本で地熱発電が進まないのも、電力会社の買い取り価格が不当に安いため。地熱資源地の82%は国立・国定公園内にあり、自然公園法で開発を制限している。国がその気になれば、開発はすぐに始められる。
自然エネルギー財団では、日本の風土に一番合った発電方法を精査し、提言して行く。
電力会社が買い取り価格を上げることによって、各家庭の電気代は一時的に500円ほど高くなる。しかし、化石燃料の高騰、原発コストの上昇は続く。自然エネルギー発電が普及すれば、量産効果でコストは下がり始める。先のことを考えれば、電気代は安くなる。安心安全も手に入る。
40円/Kwhでの電力の買取を20年間の全量買取。この1行の法案で、日本の電力は解決する。2011年エネルギー政策転換の年、批判に終わらない、建設的な議論をしましょう。
質疑応答
Q:「構想はすばらしかった。しかし、着地させなければ絵に描いた餅。自民党は電気事業連合会の言いなり、民主党は電力総連に骨抜き。メディアは電力会社から接待・広告で抑えられている日本の政治の現状、この難しい状況でどのように実現するのか?」
ー 本質的な質問だと思います。私は政府に対して、何ら強制力を持っていません。しかし、この問題については、全国民の関心事。政治家も国民に選ばれた代表。
この問題を啓蒙し、みんなの力で説得して行くほかない。やらなければいけないことだと信じている。
Q:政界には進出しないのか?
ー それはありません。
Q:政治家にならず、在野にいる意味は?
ー 私は事業家。事業家としての角度から、できることがあれば、精一杯やりたい。
Q:震災直後、携帯がつながっていれば助かった命もたくさんあったのでは。災害にも対応可能な携帯、コミュニケーションツールは開発しないのか?
ー 携帯は、電波の周波数が許認可で限られているため、一度に多くの電話が殺到するとパンクする。これはどの携帯会社でも、固定電話でも同じ。解決策は光ファイ
バーを全世帯に普及させ、電話をIPでつなぎ、そこから携帯端末を無線でつなげば、電話が殺到してもつながる。電波は限られた資源。いろいろな通信方法を
組み合わせることが必要。
Q:電力会社を買収しないのはなぜ? 東京電力と東北電力をセットで買っても、ボーダフォンを買収した額よりも安い。
ー あまりそそらないでください(笑) 私も上場会社の社長なので、うかつにコメントできません。次!
Q:独立発電事業者にはならないのか?
ー まだ、わからない。まず制度改革あり気。全量買取制度ができ、諸問題を解決し、日本中の意欲がある人が発電事業に名乗りを上げることが大切。
Q:100億の寄付や財団設立は孫さん個人の活動、ソフトバンクの事業として本気度が伝わってこない。事業としてどう取り組んで行くのか?
ー この1ヶ月間、毎日悩んでいる。まだ心が定まらないのが正直なところ。ソフトバンクという情報革命を本業としている会社がここまで手を広げていいのかと。
他の誰かがやってくれるなら本業でないところに首を突っ込むべきではない。しかし今、見るに見かねる状態。正義感がムラムラとしている。会社に迷惑をかけない範囲、個人で出来る範囲で踏み出そうと。
Q:孫さんの正義感とはどういった言葉の定義?
ー ソフトバンクの長期的な理念は「情報革命で人々を幸せに」 それに向けて情報革命を一直線にやってきた。今、日本の人が一番不幸せだとおもっているのが原発問題ではないか。究極の選択として、「情報革命」「人々の幸せ」どちらを追い求めるかを選べと言われたら、平時であれば両方追い求める。国難の時に、情報革
命だけ追っていればいいのか。それで生まれてきた使命を果たせるのか、正義はあるのか。毎日悩んでいる。お前に政府は動かせるのか、力を過信しているので
はと言われる。だけど、できるかできんかわからんけど、やらないかんことがある。
我々は国策としての原子力発電推進、「原発は安全だ」というまやかしを、教育やマスメディアによって刷り込まれてきた。その裏には多くの天下りや関連事業
で甘い汁を吸ってきた人々がいる。そのことを知ってしまった。安全に絶対はないことも思い知らされた。「知って行動せざるは罪である」と孫氏は言う。一人
ひとりが行動する時が来たのではないだろうか。
原子力は今現在、最も効率の良いエネルギーだ。自然エネルギーは原子力に比べ非効率でコス
トもまだ高い。(ウランも自然のエネルギーだが)ならば、発電効率を上げ、コストを下げる方法を考え出すというのが、人類が進化してきた道ではないのか。
放射性物質を無害にする方法を見つけてもいい。
馬車はハイブリッド車になり、汽車がリニアモーターカーになったのだ。原子力は優れているから使うという思考停止から抜け出し、人は前へと進まねばならない。
孫正義氏によれば「太陽光発電コストが原子力発電コストを下回った」そうだ。他方で、彼は「これから20年間、再生可能エネルギーを全量買い取りで補助すべきだ」という。なぜ原発より安いエネルギーに補助金が必要なのだろうか。
そもそも彼の引用しているNC WARNなる反原発団体のパンフレットの数字には、何の客観性もない。たとえばアメリカのエネルギー省の予測では、2016年でも太陽光(Solar
PV)のコストは原発(Advanced Nuclear)のほぼ2倍だ。
しかもこれはワットアワーの比較である。原子力はコンスタントに電力を供給できるが、太陽光発電の稼働率は12%。今回の計画停電のような
夜間のピークには役に立たない。数字を見ればわかるように、もっとも有望なのは非在来型の天然ガス(Advanced
Combined Cycle)で、太陽光の1/3以下である。
したがって孫氏の話の前提が間違っているのだが、かりにそれが正しいとしても、アメリカで起こったことが日本で起こる保証はない。再生可能エネルギーには
広い土地が必要で、日本の面積はアメリカの1/25。しかも平地がその3割しかなく、アメリカのような砂漠はない。いくら補助金を出しても、日本の面積を
広げることはできない。