2010/7/1 住友商事
ブラジル ウジナス・シデルジカス・デ・ミナス・ジェライス社の鉄鉱山子会社への新規出資の件
住友商事は、ブラジル鉄鋼大手ウジナス・ジデスジカス・デ・ミナス・ジェライス(Usinas
Siderurgicas de Minas Gerais S.A.:ウジミナス)社が設立する鉄鉱山会社ミネラソン・ウジミナス社(MUSA)の第三者割当増資を引き受けることにつき、ウジミナス社と基本合意に達しました。
付記
2010年9月28日、最終合意
住友商事は、過去数年来、ブラジルにおける優良鉄鉱山案件の発掘に努めてきており、今回、ウジミナスの戦略的パートナーとして、同社の既存鉱山事業およびその拡張事業に参画することに基本合意したものです。本件は、鉱山、鉄道、港の鉄鉱石一貫プロジェトとなる案件です。
従来より住友商事は、「日本および世界の持続的成長のために、資源・エネルギーの安定供給に貢献すること」を目標に、資源権益の拡充を基本方針として取り組んでいます。また、資源権益のポートフォリオ構築にあたっては、商品、地域、時間軸などの要素を考慮して、判断してきました。
本件は、最重要商品の一つと位置付けている鉄鉱石であること、現在住友商事が資源権益を有していないブラジルという地域性、すでに操業段階にあり早期の収益貢献が期待でき、かつ将来の成長が見込まれるという時間軸の観点から、住友商事の資源権益のポートフォリオ戦略に合致した優良案件と考えています。
ウジミナス社との基本合意事項:
1)ウジミナス社が有する次の鉄鉱山事業関連資産をMUSAに移管する。
@ミナスジェライス州セーハアズール地域の鉄鉱山資産
Aウジミナス社保有の民間鉄道会社エムアールエス・ロジスティカ(MRS)株式の一部
Bリオデジャネイロ州イタグアイ地区の輸出港湾プロジェクト用地
Cセーハアズール地域の鉄道積込駅の株式
2)住友商事は、MUSAの第三者割当増資を引き受けることで、同社の30%株式を取得する。増資引受額は最大1,929百万米ドル、うちクロージング時点での支払額は1,350万米ドルの予定。
3)両社は、本年8月末をめどに最終契約書への調印を目指す。
プロジェクト概要 | |
1) | 鉄鉱山所在地: ブラジル ミナスジェライス州の「鉄四角地帯」と呼ばれる鉄鉱石が豊富に賦存している地域の北西に位置するセーハアズール(Serra Azul)地域。 |
2) | MRS鉄道路線および鉄道積込駅: ベロホリゾンテ市からリオデジャネイロ州イタグアイ地区の鉄鉱石輸出港湾地域およびサンパウロ州のウジミナス社クバトン製鉄所まで延伸している民間鉄道会社の路線 |
3) | イタグアイ港湾用地: リオデジャネイロ州イタグアイ地区にある鉄鉱石輸出港湾プロジェクト用地 |
4) | 想定可採量:約24億トン |
5) | 年間生産量: 現在年産700万トンベースで生産中 将来的には年産3000万トンの鉄鉱石一貫プロジェクトを目指す。 |
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日本経済新聞 2010/7/1
住商、1700億円で鉄鉱石権益 ブラジルの鉱山 国内輸入1割分
住友商事は19億3000万ドル(約1700億円〉を投じ、ブラジル鉄鋼大手のウジミナスから同国南東部の鉄鉱石鉱山の権益30%を取得する。住商は日本の鉄鉱石輸入の1割弱にあたる年間約200万トンの権益を確保し、ウジミナスの筆頭株主である新日本製鉄など国内鉄鋼大手に長期契約で安定供給することを目指す。日本が全量輸入に頼る鉄鉱石は資源メジャーによる寡占が進んでおり、鉄鋼メーカーや商社は海外での権益取得を急いでいる。
住商はウジミナスと基本合意した。1日に発表する。住商が権益を取得するのは、ブラジル南東部のミナスジェライス州セーハアズール地域の鉱山。ウジミナスが7割、住商が3割を出資する新会社を立ち上げ、現在の年産700万トンを2014年をメドに3千万トンに拡張する。採掘可能量は約24億トンで今後、30〜40年間にわたり、生産が可能という。
住商は同鉱山で生産する鉄鉱石を日本を中心としたアジア地域に輸出する考え。日本向けは14から15年の鉱山拡張後に、本格的な輸出を始める。住商は国内製鉄大手と長期契約を結び、安定的な供給を目指す。
住商は現在、南アフリカに鉄鉱石権益を持っており、今回は2カ所目。現在の権益量は年間100万トン強で、今回の投資で約10倍の1千万トンとなる見通しだ。
従来、日本の鉄鋼大手や商社は資源大手と共同で鉄鉱石の権益を確保してきた。これらの案件では価格決定権が資源大手側にあり、価格引き上げに対抗できない。このため08年には新日鉄、韓国ポスコなど日韓の鉄鋼大手と伊藤忠商事などの連合が、ブラジル鉄鋼大手CSNが持つ鉱山子会社の株式40%を3120億円で取得した。資源大手に価格決定権を握られない案件としては、今回の住商のプロジェクトがこれに次ぐ規模になる。
日本の鉄鋼メーカーは今年度から英豪資源大手のBHPビリトンなどとの鉄鉱石の価格改定を、従来の年1回から四半期ごとに切り替えることで合意した。スポット価格に連動する新方式の導入を受け、7〜9月期は4〜6月期に比べ約23%値上がりした。09年度に比べると2.4倍に高騰したことになる。
鉄鉱石や石炭など鉄鋼原料の急激な値上がりは鋼材価格の高騰につながる。鋼材値上げが続けば、大口ユーザーである自動車や造船大手の収益を圧迫する。こうした事態を緩和するため、鉄鋼メーカーはブラジル、豪州、チリなどで権益を取得し、安定した価格で鉄鉱石を確保できる体制を目指している。
海外で鉄鉱石権益を持つ主な日本企業
国 | 鉱山 | JV名 | 出資 | JV相手 | |||||||||||||||
ブラジル | ミナスジェライス州 Serra Azul 地区 |
Mineracao Usiminas | 住友商事 30% | Usiminas 70% | |||||||||||||||
ミナス・ジェライス州 | Nacional Minerios S.A. (Namisa) | 共同体 40%
|
Companhia
Siderurgica Nacional(CSN) 60% |
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ミナス・ジェライス州 ファブリカ・ノバ鉱山 (当初はカパネマ鉱山) |
Minas da Serra Geral S/A (M.S.G) |
JFEスチール 50% | CVRD (Vale) 50% | ||||||||||||||||
Tubarao
complex の 2つのペレット工場 (Espirito Santo 州) |
Companhia
Nipo Brasileira de Pelotizacao (Nibrasco) |
日本側 49% 新日鉄 25.4% JFEスチール 住友金属工業 神戸製鋼所 日新製鋼 双日 |
CVRD (Vale) 51% | ||||||||||||||||
豪州 | 西豪州 Pilbara Robe River 鉱山 West Angelas鉱山 |
Robe River | 三井物産 33% 新日鉄 10.5% 住友金属工業 3.5% |
Rio Tinto 53% | |||||||||||||||
西豪州 Pilbara Mt Newman Yandi Goldsworthy |
BHPB J/V | 伊藤忠 8% 三井物産 7% |
BHP Billiton 85% | ||||||||||||||||
西豪州中西部 Jack Hills 鉱山 |
Crosslands Resources | 三菱デベロップメント (三菱商事) 50% |
Murchison
Metals Ltd 50% |
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西豪州 Pilbara Beasley River 鉱山 |
Beasley River JV | Beasley
River Iron Associates 47%
|
Hamersley
Iron 53% (Rio Tinto group) |
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2008/10/17 伊藤忠
日韓企業連合 ブラジル鉄鉱石権益買収基本合意
伊藤忠商事は、このたびブラジル鉄鋼大手Companhia
Siderurgica Nacional(CSN)より、同社100%子会社の鉄鉱石生産・販売会社であるブラジルNacional
Minerios S.A. (Namisa)の株式16%を買収することを決定しました。株式買収は、国内鉄鋼大手5社、及び、韓国鉄鋼最大手POSCO社とともに構成する共同事業体を介して実施。Namisa社株式40%の対価は約3,120百万米ドル。
共同企業体構成
伊藤忠 | 40.00 |
JFEスチール | 16.20 |
新日本製鉄 | 16.20 |
住友金属工業 | 6.57 |
神戸製鋼所 | 3.08 |
日新製鋼 | 1.75 |
韓国POSCO | 16.20 |
合計 | 100.00 |
Namisaはブラジル南東部ミナス・ジェライス州において、自社鉄鉱山、選鉱設備から成る鉄鉱石プロジェクトを運営しており、2009年の予定販売数量は1800万トン、その後拡張を経て2013年の販売数量を3,800万トンまで拡大する予定。
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JFEスチール(当初、川崎製鉄)とCVRD社は、日本企業6社(野村貿易・川鉄商事他) とともにブラジル南部・カパネマ鉱山の開発を目的にM.S.G.社(Minas da Serra Geral S/A)を設立、1982年に操業開始。
2003年のカパネマ鉱山終掘に伴い、M.S.G.社の株主構成をJFEスチール50%、CVRD社50%に改編、カパネマの鉱山設備・重機をCVRD社次期主力鉱山であるファブリカ・ノバ鉱山(年産1500万t)に移設・リースする新プロジェクトを2004年より開始。
当社は05年までの第1次中期経営計画において原料関係で50億円の投融資枠を設定しており、本件はその内数として実施します。中国を中心に鉄鉱 石需要が急伸するなか、当社は本プロジェクトを通じてCVRD社の行う新規大型鉱山開発を支援するとともに、当社がフィリピンに保有する焼結工場向けの鉄 鉱石の長期・安定確保を行います。
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Brazil's iron ore miner Vale said on Wednesday(2008/4/30) it signed a 30-year contract to lease two iron pellet plants to Companhia Nipo Brasileira de Pelotizacao (Nibrasco).
The contract for the two plants at Vale's Tubarao complex in Vitoria in the state of Espirito Santo will take effect on May 1.
Vale did not reveal the value of the contract.
Vale holds a 51 percent stake in Nibrasco, while Nippon Steel Corporation (NSC 25.4%), JFE Steel Corporation (JFE), Sumitomo Metal Industries (Sumitomo), Kobe Steel Ltd. (Kobe), Sojitz Corporation (Sojitz) and Nisshin Steel Co. Ltd. (Nisshin) hold the remaining 49 percent stake in the company.
Nibrasco produces and sells iron ore pellets. In 2007, its output reached 9 million tonnes of pellets and it registered a net profit of $24 million, Vale said in a statement.
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資源大手Rio Tinto 等と共同で運営する西豪州鉄鉱石ローブリバーJV
権益比率:リオ・ティント・グループ53%、新日鉄10.5%、三井物産33%、住友金属3.5%
三井物産、新日本製鐵、及び、住友金属工業は、世界有数の鉱物資源会社リオ・ ティント社(豪・英)と西豪州で共同運営を行う鉄鉱石事業 ローブ・リバー ジョイントベンチャー(以下Robe J/V)において、Mesa A・Warramboo(メサエー・ワランブー)鉱区(埋蔵量約250百万トン)での鉄鉱山開発を決定しました。
Mesa A・Warramboo鉱区から既存インフラがあるMesa J鉱区まで49kmの鉄道を新設し、生産開始は2010年、最大25百万トン/年の生産を予定しています。これにより、既存のMesa J鉱区等とあわせローブ・リバー鉄鉱山の現行生産能力32百万トン/年を維持する計画です。操業予定期間は11年間で、開発総投資額は約9億米ドル(約 1,000億円)を見込んでいます。Robe J/Vは、引続き鉄鉱石の供給能力の拡充を進め、世界的にタイトな需給状況に対応していきます。
<Robe River J/V概要>
1. 設立沿革:
1970年 Robe River J/V設立(三井物産資本参加)
1972年 Robe River 鉄鉱石出荷開始
1977年 新日鉄/住友金属が資本参加
2000年 Rio TintoがNorthを買収し資本参加
2002年 West Angelas 鉄鉱石出荷開始
2. 出資比率: リオ・ティント社53%、三井物産33%、新日鉄10.5%、住友金属3.5%
3. 鉄鉱石生産実績:
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伊藤忠商事と三井物産はBHPビリトン社と共に、西豪州でマウント・ニューマン、ヤンディ、ゴールズワージィの3つの鉄鉱石JVを運営しており(各々の権益持分は、BHPビリトン社85%/伊藤忠商事8%/三井物産7%)、2007年にはアジア向けを中心に約111百万トンを出荷しております。
Mt Newman(マウント・ニューマン)、Yandi(ヤンディ)、Goldsworthy(ゴールズワージィ)鉱山はオーストラリア・西オーストラリア州北西部のPilbara(ピルバラ)地域にある鉄鉱山。
本鉄鉱石事業は、段階的な拡張計画(Rapid
Growth Projects:RGP)を推進しており、現在、マウント・ニューマン鉱山での増産を柱とし、2010年の年間出荷能力を155百万トンとする拡張工事
(RGP-4)を実行中です。今回の決定は、RGP-4と平行して、更に50百万トンの出荷能力を追加し、年間の合計出荷能力を205百万トンに増強する
RGP-5の実行に対するものです。RGP-5の主な投資内容は、ヘッドランド港(フィニュケン・アイランド)における積込設備の増設、鉱山と港湾を結ぶニューマン鉄道の複線化、並びにヤンディ鉱山での新たな鉱石処理設備の増設及びエリアC
(ゴールズワーズィJV)での設備増強です。RGP-5の増産分は2011年下期からの出荷開始を目指しています。
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三菱商事が100%出資する資源会社である三菱デベロップメントと豪州Murchison
Metals Ltdは、MML社が西豪州中西部地区に保有するジャックヒルズ鉄鉱床をはじめとする鉄鉱石資源、及び、新規鉄鉱石輸送インフラ(鉄道・港湾)を含めた、総事業開発費30
億豪ドル(約3,000 億円)を超える規模での事業開発を進める事につき、基本合意に至りましたので、下記の通り、お知らせします。
1. 合意内容
MDP 社とMML
社は、鉄鉱石事業並びに輸送インフラ事業、それぞれの事業主体(Crosslands
Resources) を50%:50%の出資比率で設立します。ジャックヒルズ鉄鉱床の開発では、年間26
百万トンの高品位鉄鉱石を産出する大規模な操業を想定しており、堅調な需要の伸びが期待されるアジア市場向けを中心に2011
年頃出荷開始の予定です。
2.
ジャックヒルズ鉄鉱床概要
ジャックヒルズ鉄鉱床には、約3 億8,000
万トンの高品位鉄鉱石の埋蔵が見込まれていますが、この高品位鉄鉱石は、加工工程を必要としない為、採掘後、直ちに出荷販売することが可能です。これによ
り良好な事業採算性が期待でき、同地区のその他多くの鉄鉱石資源案件に比して優位性を持っています。
年産150
万トン程度の小規模な試験操業が昨年末から開始されており、今後2011
年頃を目処に、年産2,600 万トン規模への拡張、及び、約420km
に亘る鉄道の新規敷設並びにケープサイズ級の大型船型も受入可能なオーカジー港(ジェラルトン市の北方23km)の建設を目指しております。
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新日鉄とリオ・ティント社との包括的提携に関する基本合意に基づく最終契約調印について
新日本製鐵株式會社(社長:三村明夫)は、リオ・ティント・グループ(リオ・ティント(Rio
Tinto)社、本社ロンドン・メルボルン、社長:リー・クリフォード)他との間で、同グループの豪州鉄鉱石会社であるハマスレー社(Hamersley
Iron Pty Limited、以下HI社)所有ビーズリー・リバー(Beasley
River)鉄鉱山の権益取得(28.2%)と共同開発を行うことで最終合意に達しました。
具体的には、当社、三井物産株式会社(社長:槍田
松瑩、以下三井物産)、住友金属工業株式会社(社長:下妻
博、以下住友金属)の3社がパートナーシップ(ビーズリー・リバー・アイアン・アソシエイツ(Beasley
River Iron Associates)、以下BRIA:当社60%・三井物産20%・住友金属20%)を設立し、BRIAとHI社の100%子会社であるビーズリー・リ
バー・マイニング社(Beasley River Mining Pty Limited、以下BRM社)がビーズリー・リバーJ/V(BRIA47%・BRM社53%)に参画いたします。
また、ヤンディー鉄鉱石の長期 売買(総量約1.5億トン、2004〜2025年度:基準数量700万t/年、期間20年超)・拡張支援につき、最終契約を締結いたしました。
以
上は、「当社とリオ・ティント社との包括的提携に関する基本合意」(平成16年4月既発表)に基づく両社の共同検討の成果です。両社は、本基本合意に基づ
き、「ブラジル鉄鉱石輸送におけるリオ・ティント社とのコンビネーション輸送」(平成16年6月既発表)、「豪州ヘイルクリーク炭鉱権益取得および15年
長期売買契約の締結」(平成16年7月既発表)を既に最終合意いたしております。今般鉄鉱石に関する最終合意により、主原料調達の一層の安定化を図るもの
と確信しております。
今後につきましても、両社は、長期的な観点から劣質資源の有効活用に向けた利用技術に関し技術交流を行うなど、更なる関係強
化を図ってまいります。
なお、ビーズリー・リバー鉄鉱山関連の権益取得、開発投資は、当社豪州新日鉄(シドニー)を通じて行います。
ま た、当社、三井物産、住友金属の3社は、リオ・ティント・グループとの間で、ローブ・リバーJ/V(Robe
River J/V:上記日本側3社が各豪州子会社を通じ、リオ・ティント・グループと共に形成)とHI社が各々保有しているインフラ(鉄道・港湾・電力)の共同利用
につき、最終合意いたしました。これは、「リオ・ティント社とのローブ・リバー
インフラ共同利用に関する基本合意」(平成16年1月既発表)に基づき鋭意進めてきた関係者間協議の成果です。インフラの共同利用による効率向上により、
中国を中心とする世界鉄鉱石需要の増大により的確に対応し、ひいては日本の鉄鉱石調達に資するものと確信しております。