「人民網日本語版」 2011629

米国 中国を貿易利便化措置の対象から排除

 米商務省はこのほど、貿易の利便化措置trade facilitation measures を適用する44の国と地域から、 中国を排除した。これについて商務部の姚堅報道官は22日、米国が依然として中国に対してこのような差別的なやり方を続けていることは、中米の相互に尊重 しあう相互利益の協力パートナー関係構築という位置づけに合致しない、との見方を示した。

 姚報道官によると、米国は対中貿易に赤字が存在することを強調する一方、対中輸出を制限し、中国企業が関連の貿易利便化の恩恵を享受することを拒絶している。これは自己矛盾したロジックであり、やり方だといえる。

  ここ数年来、米国の対中輸出は急速に増加しているが、ハイテク製品は農産品などの商品に大きく後れを取っている。中国の広大な市場は米企業の対中輸出拡大 に巨大なビジネスチャンスをもたらしており、不合理な輸出管理制限政策が両国の貿易の発展を制約しているだけでなく、米国企業の利益を直接損ない、米国の 雇用機会を減少させている。中国側は米国側が実務的な行動を取り、中米間のハイテク貿易の実質的な発展を推進し、中米貿易のバランスを促進することができ るよう願っている。

Earlier this month the U.S. Commerce Department issued a final rule that relaxed export licensing requirements on many shipments to countries deemed not to pose a national security risk.

 

June 16, 2011 Commerce Department

Commerce Department Implements New Export Control Rule to Enhance National Security, Facilitate Trade

Major step forward in Presidents reform initiative to modernize export control system

U.S. Commerce Secretary Gary Locke today announced the next step in President Obamas export control reform (ECR) initiative aimed at strengthening U.S. national security and ensuring the competitiveness of American companies abroad.  The Department will implement today a new license exception, Strategic Trade Authorization (STA), that will facilitate exports between the United States and partner countries while enhancing the competitiveness of key industrial base sectors.

The Export Control Reform Initiative aims to build higher fences around a core set of items whose misuse can pose a national security threat to the United States.  By facilitating trade to close partners and allies, the Commerce Department can better focus its resources ensuring the most sensitive items do no end up where they should not.

This is an important first step towards creating a system that addresses the serious threats we face in todays changing economic and technological landscape. This new license exception will eliminate the need for U.S. exporters to seek licenses in nearly 3,000 types of transactions annually, affecting an estimated $1.4 billion in goods and technology,Commerce Secretary Gary Locke said. The new license exception will allow us to focus our resources on items that pose a significant national security risk and help facilitate U.S. exports.

This is a significant step in President Obamas Export Control Reform Initiative which enhances our national security and makes U.S. exporters more competitive by easing their licensing burden for exports to partners and allies,said Under Secretary of Commerce for Industry and Security Eric L. Hirschhorn.

Items such as electronic components for use on the International Space Station, cameras for search and rescue efforts for fire departments, components for civil aviation navigation systems for commercial aircraft, airport scanners, and toxins for vaccine research will be eligible for the new license exception.

At the same time, the license exception establishes new safeguards designed to ensure Department of Commerce approval is obtained before controlled items exported under the exception are re-exported outside of authorized destinations.

To see a copy of the regulation published in the Federal Register Notice, go to http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2011-06-16/pdf/2011-14705.pdf.

Background

The President has directed a broad-based interagency reform of the U.S. export control system with the goal of strengthening national security and the competitiveness of key U.S. manufacturing and technology sectors by focusing on current threats and adapting to the changing economic and technological landscape.

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Jun 30 2011 人民網日本

米国は輸出新規定で中国を排除 ツケは自分に返る

 米商務省のゲーリー・ロック長官はこのほど、米国の輸出管理制限の新た な政策である「戦略的貿易の許可の例外規定」を発表した。新規定では引き続き、貿易の利便化措置を適用する44の国と地域から中国を排除している。これに ついて商務部の姚堅報道官は、米国が依然として中国に対してこのような差別的なやり方を続けていることは、中米の相互に尊重しあう相互利益の協力パート ナー関係構築という位置づけに合致せず、中国側は深い失望を感じていると述べた。「人民日報」海外版が伝えた。

 ▽米国は中国に市場を奪われることを懸念

  中国は米国にとって
3番目の貿易輸出先であり、ある資料によれば、中国はすでに9年連続で米国の最も急速に成長する輸出市場となっている。昨年、米国の輸 出額は前年比2%の増加にとどまったが、対中輸出額は同50%増加した。予測によれば、2011年に中米貿易総額は4500億ドルに増加する。ある業界関 係者によれば、中米双方が相互利益の協力パートナー関係を一層強化することは、両国と両国民の利益になることだという。

 米国はなぜ対中 輸出管制をゆるめないのだろうか。商務部研究院の白明研究員の説明によると、実際、米国は一貫して対中輸出に制限を設けてきた。かつては、米国国内に冷戦 思考が存在し、中国がハイテク技術を掌握すれば
軍事転用するというのが主な理由だった。今では、米国は中国が先端の技術を掌握して、米国の産業界と競争す るようになることを懸念しており、商業的要因への配慮がより大きなものになっている。米国では次のような見方がなされる。中国は今、経済のモデル転換に力 を入れている。もともと産業の集積という優位点がある上に、米国由来の技術がさらに加われば、非常に強大な競争力を備えることになり、競争力ある商品をよ り多く米国に送り込むようになる可能性がある、という見方だ。

 中国社会科学院(社会科学アカデミー)国際経済・政治研究所世界貿易研究 室の宋泓主任によると、輸出管制の問題は米国の歴史の中で根深い問題であり、短期間で中国への管制をゆるめることは難しい。輸入できないなら、自ら生み出 すことを大いに奨励すればよい。中国は自主イノベーション開発、知的財産権の保護などの面で米国としのぎを削れるという。

 ▽矛盾したロジック・やり方

  実際のところ、米国が対中輸出管制をゆるめないことにより、最終的に被害を被るのは米国自身だ。白研究員によると、米国の貿易保護主義の考え方は、経済が ますますグローバル化する今日にあっては、ますます通用しないものとなっている。どの国も独自の優位点と特徴を備えており、相互に関連し合い、依存し合っ ているからだ。対中輸出への制限が本当に実施されれば、これ以降、米国は中国と一連の分野で協力することが難しくなり、中国は方向を転換して別のやり方を 探すことになる。

 姚報道官がずばりと指摘するように、米国は一方では対中貿易に赤字が存在することを強調しながら、一方では対中輸出制 限を設けて、中国企業が関連の貿易利便化措置の恩恵を享受することを拒んでいる。これは自己矛盾したロジックであり、やり方だ。対中輸出制限が真っ先にも たらすものは、米国の対中貿易の持続的な赤字だ。

 中国商務省のデータによると、
2010年に中国の輸出入貿易額は3兆ドルに迫った。貿易黒字は1831億ドルで、うち対米貿易黒字は全体の約99%を占める1813億ドルだった。中国と米国以外の国との間の貿易黒字は限りなくゼロに近いことがわかる。

  商務部の陳徳銘部長は中米貿易の不均衡を形成する主な原因を分析する中で次のように述べた。米国は貿易をめぐり、中国に対して差別的であり、中国を制裁す る法案を常に持ち続けている。軍需用品を中国に輸出することは禁じられ、軍民両用品も厳格な審査を通過しなければ中国に輸出できない。米国がこうした政策 を改めさえすれば、中米貿易はもっとバランスがよくなる。

 実際、対中輸出の制限は、最終的には米国企業の利益を損なうことになる。姚報 道官によると、ここ数年来、米国の対中輸出は急速に増加しているが、ハイテク製品は農産品などの商品に大きく後れを取っている。中国の広大な市場は米企業 の対中輸出拡大に巨大なビジネスチャンスを与えており、不合理な輸出管制政策は両国の貿易の発展を制約しているだけでなく、米国の雇用機会を減少させてい る。

 中国米国商会がさきに呼びかけたように、米国は現在、既存の法律による制限と輸出管制によって貿易環境を保障しているが、行き過ぎ た法律および政策による制限は管制を無効にし、思いも寄らない結果をもたらすことになる。たとえば米国企業の輸出機会の損失や米国企業の収入減などだ。

 陳部長によると、米国側がハイテク製品の対中輸出制限を徐々に解除できれば、米国企業は金融危機で失業率が高い時でも、大規模な中国市場に進出する公平な機会を得ることができる。

 ▽米国は自ら行った承諾に背いている

  米国は
20098月から、現行の輸出管制システムの全面的な評価活動をスタートし、昨年831日に輸出管制システムの改革プロセスを正式に発動させ た。米国の輸出管制の重点的な制限を受ける国として、中国はこの改革に常に極めて大きな関心を寄せ、二国間戦略対話などの場面で米国側に対中輸出管制をゆ るめ、二国間貿易のバランスを促進するようたびたび呼びかけてきた。

 米国もこれまでたびたび、「中米貿易の中で長年にわたって行われて きたハイテク製品の対中輸出制限をゆるめることを検討している」として制限の緩和を承諾してきた。ロック長官もかつて、米国が安全への配慮に基づき、対中 輸出を制限している一連のハイテク製品は、世界各地ですでに非常にオープンに取り扱われており、対中管制を無意味なものにしていると述べた。よって米国は 現在、「輸出管制」政策を検討中だといえる。

 だが米国が新たにうち出した「戦略的貿易の許可の例外規定」は米国自身が過去に行った承諾 に完全に背くものだ。米国が信用を守らないことに中国は大きく失望している。白研究員の分析によると、米国は自分たちが利益とみなすものをいつも中心に据 える。今回うち出した制限は、言うはやすく、行うは難しで、一定の時間が立ってからまた開放すると言い出す可能性がある。当然のことながら、米国人は利益 を手にした後に部分的な開放を行うだけだ。

 姚報道官は、対中輸出管制の緩和は一貫して中国の重大な関心事だと改めて訴えるとともに、米 国側が実務的な行動を取り、中米戦略・経済対話および中米商業貿易連合委員会で達した共通認識を着実に実施し、中国に対する差別的なやり方を改め、中米ハ イテク貿易の実質的な発展を推進し、中米貿易のバランスを促進し得ることを願うと述べた。