カナダ鉱山大手Aclara Resources、中国に頼らないレアアース供給体制確立 

カナダの鉱山企業アクララ・リソーシズは2028年にも中国企業に頼らないレアアースの供給体制を整える。ブラジルやチリの鉱山を使い、米国で使う電気自動車(EV)の磁石材料で約半分を賄う方針で、日本企業にも販売する。

レアアースは採掘後に不純物を分離したり精製したりする工程で知見を持つ中国企業に委託するケースが多かった。

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アクララ・リソーシズ(Aclara Resources)

カナダに拠点を置く鉱山開発企業

環境に配慮した独自の抽出技術を活用し、電気自動車(EV)や風力発電機などに欠かせないレアアースの中国依存を脱却する重要な供給源として注目を集めている。

Aclara Resourcesは、重希土類(Heavy Rare Earths)を中心としたサプライチェーンの構築を目指すカナダ上場の希土類開発企業

特に、電気自動車(EV)や風力発電向け永久磁石に不可欠なジスプロシウム(Dysprosium:Dy)やテルビウム(Terbium:Tb)の供給源として注目されている。

現在は鉱山開発だけでなく、分離精製、金属・合金製造まで含めた「Mine to Magnet(鉱山から磁石まで)」の垂直統合モデルを推進している。

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Aclaraの起源はチリの希土類ベンチャー BioLantánidosである。

2018年〜2019年

  • 英国系貴金属会社 Hochschild Mining が BioLantánidosへ出資。
  • 2019年に残りの株式も取得し完全子会社化。

2021年

  • BioLantánidosを「Aclara Resources」へ改称
  • トロント証券取引所へ上場。

2024年

  • チリ鉄鋼・鉱業大手の CAP S.A. が資本参加。両社は希土類金属・合金事業の合弁会社設立にも合意。
現在の大株主の構成比率
  • Hochschild Mining (ホッチルド・マイニング): 19.2%    当初のBioLantánidoへの出資会社→完全子会社化→BioLantánidをAclara Resourcesに改称→同社を上場
  • CAP ( Compañía de Acero del Pacífico ): 10.0%  上場後、Aclara Resourcesに参加  希土類金属・合金事業の合弁会社設立にも合意。

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  • New Hartsdale Capital Inc.: 36.1%   一般出資
事業と戦略のポイント
  •  脱中国のレアアース供給体制: チリやブラジルでイオン吸着型のレアアース鉱山を開発しており、早ければ2028年頃からの本格的な供給開始を目指す。
              
    イオン吸着型:花崗岩が熱帯・亜熱帯の雨水で風化し、粘土層にレアアースがイオンの状態で吸着した鉱床
                     
    ジスプロシウムなどの貴重な「重レアアース」を豊富に含む一方、放射性元素をほとんど含まず、低コストで採掘・精錬できるのが特徴。

     米国での分離精製プラントの建設も計画しており、中国への依存度が高いサプライチェーンの再構築を牽引
     

  •  環境配慮型の抽出技術: 「Circular Ion Exchange」と呼ばれる技術を採用し、使用する水のほぼすべて(95%以上)を循環利用し、副産物を出さない持続可能なレアアース採掘を行っているのが大きな特徴。
      • 尾鉱ダム不要    tailings damとは、鉱石の採掘・選鉱・製錬の過程で発生する不用な鉱物(尾鉱)や廃水などを沈殿・分離し、貯留するための産業廃棄物貯蔵施設
      • 爆薬不要
      • 水の95%以上再利用
      • 試薬の99%再利用
      • CO2排出削減
      • 採掘後の植林実施
  •  市場の評価: 業界や投資家からも高い期待が寄せられており、ウォール街のアナリストからも好意的な投資判断が示されている。

主力プロジェクト

@ Penco Module(チリ)

   チリ中部のビオビオ州ペンコ地区に位置する重・軽希土類鉱床です。

 特徴:

  • イオン吸着型粘土鉱床(中国南部と類似)
  • 爆薬を使用しない採掘計画
  • ジスプロシウム、テルビウム、ネオジムなどを含有
  • 環境影響評価(EIA)の承認取得が重要課題
  • 商業生産目標は2028年前後

A Carina Project(ブラジル)

   ブラジル・ゴイアス州の重希土類プロジェクト。




 特徴:

  • 重希土類に特化
  • イオン吸着型粘土鉱床
  • Aclaraの旗艦案件
  • 世界でも数少ない中国以外の重希土類供給候補


事業モデルの特徴

 @ 鉱山開発

   チリ・ブラジルで希土類原料を採掘。

 A 分離精製

  米国ルイジアナ州で「Project Dynamo」と呼ばれる分離工場を開発中。

  ここで混合希土類炭酸塩(MREC)を個別の希土類酸化物へ分離する。

Aclara is advancing a rare earth separation pilot plant in the United States in partnership with Virginia Tech to demonstrate a solvent extraction process specifically tailored to the ionic clay composition of its deposits.
In parallel, Aclara is collaborating with Argonne National Laboratory to develop an artificial intelligence-enabled digital twin for its heavy rare earth separation process. The company's planned commercial separation facility will be located in Louisiana.

 B 金属・合金製造

   チリ鉄鋼・鉱業大手の CAP S.Aの合弁を通じて永久磁石用の金属・合金を製造予定。

技術面の特徴

Aclaraが強調しているのは、

Circular Mineral Harvesting

という独自技術です。

主張しているメリット:

  • 尾鉱ダム不要
  • 爆薬不要
  • 水の95%以上再利用
  • 試薬の99%再利用
  • CO₂排出削減
  • 採掘後の植林実施

特に環境負荷が大きいと批判されがちなレアアース開発で差別化を図っている。

 

Aclaraは、

  • チリ
  • ブラジル
  • 米国

を結ぶサプライチェーンを構築し、中国依存を低減することを目指している。会社は将来的に中国以外の重希土類供給の重要な一角を担う可能性があると主張。

 

日本の自動車、モーター、磁石メーカーにとって特に重要なのは、

  • ジスプロシウム(Dy)
  • テルビウム(Tb)
  • ネオジム(Nd)
  • プラセオジム(Pr)

の供給源になり得ること。

これらはEV駆動モーターや高性能永久磁石に不可欠であり、中国以外の供給先確保は日米欧共通の戦略課題となっている。Aclaraはその候補企業の一つとして注目されています。