Amazon、革新的な原子力プロジェクトに関する契約を締結し、増大するエネルギー需要に対応
私たちはカーボンニュートラルの目標に向けた取り組みを続けており、最近、2030年目標を7年も前倒しして、グローバルな事業で消費するすべての電力を100%再生可能エネルギーでまかなったことを発表しました。事業や顧客のエネルギー需要が増加し続ける中、再生可能エネルギーへの投資を継続する一方、運営を支え、電力網に新たなエネルギーを提供できるカーボンフリーのエネルギー源も模索しています。その一環として、原子力エネルギーに注目しています。原子力は大規模な導入が可能であり、安全でカーボンフリーなエネルギーを何十年も提供してきた実績があります。
本日、Amazonは原子力プロジェクトの開発を支援するための3つの新しい契約を締結したことを発表します。これには、いくつかの小型モジュール炉(SMR)の建設を可能にする契約も含まれます。SMRは従来型の原子炉に比べ、物理的な設置面積が小さく、電力網の近くに建設できることが特徴です。また、建設期間が短いため、従来型の原子炉よりも早く稼働を開始できます。
AWSのCEOであるマット・ガーマン氏は次のように述べています。
「原子力は、私たちの運営を支え、顧客の需要に応えるための安全なカーボンフリーエネルギーであり、2040年までにネットゼロを達成するというClimate Pledge(気候変動対策誓約)に向けた取り組みを進めるのに役立ちます。気候変動に対処するための最速の方法の一つは、社会をカーボンフリーエネルギーへ移行させることです。原子力はその条件を満たし、大規模に展開できるため、Amazonにとって重要な投資分野です。私たちの契約は、新しい原子力技術の建設を促し、何十年にもわたってエネルギーを供給する基盤となります。」
米ワシントン州では、州立公共事業の連合体であるEnergy Northwestと契約を結び、4基のSMRを開発します。この原子炉はEnergy Northwestが建設・所有・運営し、第一段階では約320メガワット(MW)の電力を供給する予定です。さらに、最大960MWに増強でき、これは77万世帯以上に相当する電力をまかなうことが可能です。このプロジェクトは、2030年代初頭からの太平洋岸北西部のエネルギー需要に応えることを目指します。
また、次世代SMR技術の開発者であるX-energyにも投資を行い、Energy Northwestのプロジェクトに同社の原子炉設計が採用されます。この投資には、X-energyの技術を活用した5ギガワット以上の原子力プロジェクトのための製造能力も含まれます。
バージニア州では、Dominion Energyと契約を結び、同社の既存のノース・アンナ原子力発電所の近くでSMRプロジェクトの開発を検討します。このプロジェクトにより、バージニア地域に少なくとも300MWの電力を供給し、今後15年間で85%の電力需要増加が見込まれる地域に対応します。
さらに、ペンシルベニア州では、Talen Energyの原子力発電所の隣にデータセンター施設を併設する契約を締結しました。これにより、私たちのデータセンターが直接カーボンフリーエネルギーを使用できるようになるだけでなく、既存の原子炉の維持にも貢献します。
これらのプロジェクトは、カーボンフリーエネルギーの創出や維持に加えて、地域経済の活性化にも寄与することが期待されています。Energy Northwestとの契約により、最大1,000人の一時的な建設雇用が生まれ、プロジェクトが完全稼働すると100人以上の恒久的な雇用が創出されます。ペンシルベニア州のTalen Energyとの共同プロジェクトでは、データセンターキャンパスの建設が進められ、地域の電力インフラの強化も図られます。また、同発電所の900人の現地雇用を維持することにもつながります。
Amazonは、これらの安全でカーボンフリーなエネルギー源の開発と維持を通じて、今後のエネルギー需要に対応し、持続可能性目標を前進させ、全米の地域社会を支援します。今後も進捗を共有し、カーボンフリーエネルギーへの取り組みに関する情報をお届けします。
提携先 | 事業 | 能力 | 供給開始 | |
ワシントン州 | Energy
Northwest (州立公共事業の連合体) |
4基のSMRを開発 |
第一段階では約320MW 最大960MW |
2030年代初頭 |
X-energyに投資 | SMRを上記に提供 | 5ギガワット以上 | ||
バージニア州 | Dominion Energy | SMR開発 (同社のNorth Anna 原発の近くで) |
300MW | |
ペンシルベニア州 | Talen Energy原発 | 隣にデータセンター施設を併設 |