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「サウディ石油化学 20年のあゆみ」から

 

創立前史(〜1979年)

随伴ガスを利用する石油化学プロジェクト

官民協カによるサウディ石油化学開発の設立

SPDC、SHARQの設立(1979年〜82年)

共同FSの結果、投資会社SPDCの誕生

SHARQの設立とダウの合弁撤退

SHARQの操業(1982年〜87年)

困難を乗り越えてプラント完成、次のステップヘ

SHARQ第2期計画(1987年〜95年)

SHARQ第2期計画と両パートナーの折衝

SHARQ第3期計画(1995年〜)

SHARQの第3期計画に対し最低必要条件を申し入れ

3条件の合意で計面の実行、順調にスタートアップ

 

1970 7 サウディアラビア王国(以下「サ国」)の石油化学事業具体化のため、石油鉱物資源公団(ペトロミン)ターヘル総裁が三菱(商事および油化)に対し協力の希望を表明。
1971 8 来日中のサ国ペトロミン、ターヘル総裁に対し、三菱は石油化学事業化のためのFS実施を提案。
1973 6 三菱とペトロミン間で、FSに関する覚書を交換
  11 三菱・ペトロミンは、米国ルーマス社に第1次F/Sを発注
1974 訪日中のサ国ヤマニ石油相に対し、三菱は、サ国の工業化計画への貢献につき積極的意向を表明
  2 三菱首脳(商事、油化、三菱石油、鹿島石油、千代田化工)のミッションがサ国を訪問し、第1副首相ハリド皇太子(後の国王)等に対し、上記意向を表明。
  6 三菱・ペトロミン、ルーマスに第2次FS発注。
    この頃、石化事業への外国出資会社に対し、原油を優先供給する(いわゆるインセンティブ原油)旨のターヘル発言の風説
この頃から、三菱内部に、プロジェクトに対し慎重論が生じる。
  11 ペトロミンから合弁契約書草案送付あり。三菱側は、時期尚早を理由に辞退。
1975 ルーマスの第2次FS報告書入手(巨額の赤字発生が結論)。
1976 1 河本通産大臣、第1回日・サ合同委員会出席のため訪サ。サ国側、三菱の石化合弁計画参加が、日・サ経済技術協カ協定の主要協カ案件であるべきと表明。
  8 FS三菱案を提出するも、サウディ側(ISDC:SABICの前身)は同意せず(三菱案は、プロジェクト条件の未確定要素が多いこと等を理由に、計画延期を申し入れた内容)。
1977 2 産油国向けプラント輸出促進のため、中近東使節団(団長=永野重雄日本商工会議所会頭)訪サ。サ側は三菱の対応の遅さを非難。
  4 サ国ナーゼル企画大臣来日。田中(龍夫)通産大臣に対し、三菱グループの対応の遅れにつき苦言。
  6 田中通産大臣が、三菱に対しプロジェクト推進を要請。政府は、ナショナルプロジェクトとして支援する旨言明。
  7 増田通産審議官訪サ。工業電力省・SABIC首脳に対し、三菱グループが本プロジェクトに取り組む体制を整備するとともに、政府もナショナルプロジェクトとして可能な限り支援する旨説明。
  10 サウディ石油化学会社設立準備委員会の名で、予備調査(インハウススタディー)の実施を決定。
  12 通産省杉山経済協力部長、三菱商事山田副社長等訪サ。SABIC総裁に対し、サウディ石油化学プロジェクトを三菱中心のナショナルプロジェクトとして推進することを前提に予備調査の開始を申し入れ。
1978 1 園田外務大臣訪サ。サ国の石油化学プロジェクトに対する日本政府の協力を確認。
  12 「サウディ石油化学開発梶v発起人会開催。
1979 1 三菱商事・三菱油化・三菱化成外51社の共同出資により、資本金5億円(授権資本10億円)をもって、調査会社「サウディ石油化学開発梶vを設立。
1980 9 SABICとUCCの間で、ポりエチレン(LLDPE)製造技術契約締結。
  10 事業規模を、エチレン年産25万トン、エチレングリコール(MEG)同15万トン、ポリエチレン(LLDPE)同13万トンと決定
  12 調査会社SPDC、SABlC、ダウケミカルの三者間で、エチレン(E)、エチレングリコール(EG)両プラント共同所有・共同生産につき合意。
1981 5 臨時株主総会にて投資会社への移行を決議。社名を「サウディ石油化学株式会社(SPDC Ltd.)」に変更。授権資本金20億円。
  5 政府、閣議においてサウディ石油化学事業の推進のため政府関係機関から所要の支援を行うことを了解。これを受けて、関係省庁間で日本側出資480億円のうち45%を海外経済協力基金が出資することを了承。
  5 リヤドにて、SABICアル・ゴセイビ総裁、SPDC山田社長間でサ国における石油化学事業合弁契約書(合弁会社定款を含む)に調印。
イースタン・ペトロケミカル・カンパニー(SHARQ)設立合意。本社アル・ジュベイル、授権資本金14億リアル。
  5 ダウケミカルとSABICの合弁会社アラビアン・ペトロケミカル・カンパニー(ペトロケミヤ)設立合意。
  6 SPDC、資本金を12億5000万円に増資(民間引受)。
民間株主による出資者協定書調印。
  6 資本金を18億5200万円に増資(海外経済協力基金引受)。
  6 SHARQへ第1回資本金の払い込み。
  11 SHARQ、ペトロケミヤとエチレン(E)およびEGプラントに係る共同所有・共同生産契約(JOPA)を締結。
SPDC、ペトロミンとインセンティブ原油供給契約を締結。
1982 12 ダウケミカル、SABICとの合弁会社(ペトロケミヤ)から撤退。
1983 3 SHARQ定礎式挙行。
1984 2 SPDC取締役会、原油の市場価格下落によりインセンティブ原油引取りが困難になったため、引き取りの一部中止を決意。
ペトロミン、ノンペナルティでの引取量削減を了承(引取り権はそのまま)
  12 SHARQ、ユーティリティ設備完成。
1985 3 SHARQ、プラント完成。千代田化工建設より引渡し。
  5 ペトロケミヤ、エチレン年産50万トンプラントの運転開始。
  7 SHARQ、PEプラント運転開始。8月EGプラント運転開始。
  11 日本向けMEG第一船、波方ターミナル入港。
  12 SHARQ製LLDPEの日本市場引取り開始。
1989 2 SABIC、ペトロケミヤ2Eプラント建設方針を決定。
1991 12 SHARQ取締役会および出資者総会において第二期計画を決定。
1993 8 2EGプラント完工。
  12 2PEプラント完工。
1996 9 SHARQ出資者総会でエチレン(3E)、3EG、PEデボトルネッキング各プロジェクト(第三期計画)合意。
2000 6 3EGプラント完工。
  7 PEデボトルネッキング完工。
  10 ペトロケミヤ3Eプラント完工。

 

SPDC出資比率

 海外経済協力基金 45%
 三菱商事        6.73%
 三菱油化        4.37%
 三菱化成        3.42%
 住友化学        0.65%

 その他

株主一覧(40社)(平成16年12月31日現在)
http://www.spdc.co.jp/J/company/frame/frame01.htm

国際協力銀行、三菱商事、三菱化学、新日本石油、東京三菱銀行、三菱重工業、
東京海上日動火災保険、出光興産、三菱信託銀行、東京電力、鹿島石油、
関西電力、三菱倉庫、みずほコーポレート銀行、中部電力、山陽石油化学、
昭和シェル石油、新日本石油化学、住友化学、大成建設、日本触媒、
日本トランスシティ、富士石油、三井化学、西部石油、大阪瓦斯、東京瓦斯、
東北電力、九州電力、中国電力、四国電力、北海道電力、北陸電力、新日本製鐵、
トヨタ自動車、JFEスチール、神戸製鋼所、住友金属工業、日産自動車、日新製鋼

2005/5
サウジ石化合弁事業 三菱商事、出資比率21% 日本側の2位株主に


ダウの撤退と善後策 

予定どおりにSHARQプロジェクトを推進


日本経済新聞 2005/5/25

サウジ石化合弁事業 三菱商事、出資比率上げ 21% 日本側の2位株主に

 三菱商事は日本とサウジアラビアの国家プロジェクトである石油化学合弁事業の日本側投資会社への出資比率を7%から21%に引き上げた。サウジ産石化製品の競争力に着目、少数株主10社以上から保有株式を買い取った。三菱商事は三菱化学を抜いて国際協力銀行に次ぐ第二位株主に浮上、同事業での三菱商事の主導色が一段と鮮明になった。

 サウディ石化は有力産油国のサウジとの関係強化を目的に、三菱商事や三菱化学など三菱グループを中心に国際協力銀行や自動車、製鉄、電力、石油など日本企業約60社が出資してきた。しかし、昨年以降コスモ石油やジャパンエナジー、東ソー、三菱電機など10−20社が株式を手放し、三菱商事がこれらを入手したもよう。