台湾TSMC、日本に2番目の工場建設を検討

半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)は1月12日、日本で2番目となる半導体工場の建設を検討していると明らかにした。魏哲家・最高経営責任者(CEO)が同日、オンラインで開いた2022年12月期決算の記者会見で述べた。

魏氏は会見で「現在、日本で2番目となる工場の建設を検討している」と述べた。詳細については明らかにしなかった。

TSMCは現在、日本で初となる半導体工場を熊本県に建設している。同工場は24年末までに量産を始める計画だ。

魏氏は同日、欧州でも工場の建設を検討中と明らかにした。「建設を検討中だが、まだ決定はしていない」と述べた。工場の立地場所については言及しなかったが、ドイツが有力視されている。

TSMCは台湾を中心に半導体の新工場建設を急いでいる。一方で、各国の誘致に応える形で海外での工場建設も進め始めた。昨年12月には米西部アリゾナ州に先端工場の建設も発表し、400億ドル(約5兆3000億円)を投じる計画だ。

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TSMC、超先端2ナノ品「最高性能の技術に」 25年量産

半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)は2022年8月30日、本社のある台湾北部の新竹市で顧客向けの技術説明会を開いた。魏哲家・最高経営責任者(CEO)は2025年の量産を予定する超先端半導体「2ナノメートル品」について「最高の性能を持つ技術になる」と述べ、開発の進捗をアピールした。

2ナノ品は現行の5ナノ品の2世代先にあたり、次世代の3ナノ品に比べ処理速度が10〜15%高まる。消費電力は25〜30%抑制でき、スマホなどの「電池持ち」を長くできる。今年中に量産するとしていた3ナノ品についても「間もなく量産が始まる」と明らかにした。

魏氏は電子機器が一段と多くの半導体を搭載することで、半導体の先端品・成熟品の両方で需要が拡大するとの見通しを示した。一方、世界各国が半導体工場の誘致を進めていることに触れ、「供給網をグローバルで効率化する時代は終わり、コストが急激に上昇する。顧客と密接に連携してリスクを低減する」と語った。

説明会には魏氏以外の幹部も登壇し、今後の生産計画について述べた。回路線幅3〜7ナノメートルの先端半導体について、TSMCの生産能力は18年から22年にかけ年率70%のペースで増えるという。センサーや通信といった用途で需要が伸びる成熟品についても、台湾南部や熊本県の新工場で24年に量産を始め、増産する計画だ。

 

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