トランプ大統領、3期目について実現する「手段はある。冗談ではない(本気だ)」(3/30 NBCの電話インタビューで)

米国憲法修正第22条 (1951年2月27日 )

1) 2回を超えて大統領の職に選出されてはならない。 No person shall be elected to the office of the President more than twice

2) 他の者が大統領として選出された場合、その任期内に2年以上にわたって大統領の職にあった者又は大統領の職務を行った者は、何人であれ1回を超えて大統領の職に 選出されてはならない。
   no person who has held the office of President, or acted as President, for more than two years of a term (to which some other person was elected President) shall be elected to the office of the President more than once.


前大統領が任期途中で退任した場合、後任は順序が決まっている。@は副大統領

   この場合は選挙による「選出」ではなく、「選任」である。

後任が前大統領の残り任期を2年以上引き継いだ場合、1期務めたとみなし、残りは1期のみ

 

 

引き継いだ期間が2年未満の場合は、1期務めたとはみなさず、残り2回選任可能

 

トランプの3期目実現の一つの案:憲法改正

    Andy Ogles 下院議員:2025年1月、連続の任期でない場合に限って大統領が最長3期まで務められるよう、改憲要求の決議案を提出 

             トランプの場合、3期連続でない。

  憲法改正手続き  連邦議会上下両院で3分の2以上の支持を得て、州議会の3分の2以上が憲法制定会議を招集して提案、さらに50州のうち38州以上(2/3以上)の議会が承認する必要がある。

          実際には現時点で、上院が共和党53  対 民主系47、下院が共和党218 対 民主党 214 で、いずれも3分の2以上の支持は無理
          州議会では50州のうち、共和党優勢は28州で、これも3分の2以上の支持は無理

トランプ陣営の戦法

 憲法が禁止するのは2回を超えての「選出」(選挙による)のみである。→選挙によらない「選任」は問題でない。     

2028年の大統領選でJ・D・ヴァンス副大統領 を大統領候補をとし、トランプは副大統領候補になる。

ヴァンスが勝った場合、ヴァンスは大統領の宣誓就任した直後に辞任し、継承順位1位のトランプ副大統領が代わりに大統領になる。

選挙による「選出」でないため、憲法修正第22条に違反しない。

ただし憲法修正第12条が問題となる。

  「何人といえども、憲法上大統領職に就く資格のない者は、合衆国副大統領の職に就くことができない 」

 (But no person constitutionally ineligible to the office of President shall be eligible to that of Vice-President of the United States.)

これには2つの解釈がある。

1)トランプは大統領候補として立候補する資格がないため、副大統領に就けず、大統領辞任による大統領就任はできない。

2)資格とは、憲法第2条第1節に規定するもので、トランプの場合は問題にならない。

   何人も、出生による合衆国市民又はこの憲法確定時における合衆国市民でなければ、大統領となることはできない。
   35歳に達しない者、また14年以上合衆国の住民でない者は、大統領となることはできない。

   これには副大統領は規定していないが、副大統領は大統領の第一継承者であり、大統領となる可能性があるため、この条項で資格を規定したものと考えれば、この説が有力と思われる。
 

最終的には、最高裁が判断することになるが、現在の最高裁の陣営は保守系が多数であり、トランプには有利と思われる。
 

トランプ大統領は、ヴァンス副大統領が大統領選挙に立候補して、当選後に引き継ぐシナリオかと問われると「それも1つの方法だ。でもほかにも方法はある」と述べ た。