◇日産自動車・伊藤祐樹内野手(30)

 代表決定戦。1点を追う九回裏、2死二、三塁で打席が巡ってきた。「今度こそ、自分が決める」という強い思いは、迷いのないスイングを呼び起こし、右中間を真っ二つに割る逆転サヨナラ打へとつながった。

 よく似た場面が頭をよぎった。今夏の都市対抗、札幌市・サンワード貿易との1回戦。1点を追う九回裏、1死二塁で空振り三振に倒れた。「悔しい思いはもうしたくなかった」

 8年目を迎え、試合全体を見通した上で自分の役割を考えられるようになったという。集中力が好不調の波をなくし、この3年は本大会で無安打だった試合がない。

 今季は1番に定着。「これが日産、というあいさつ代わり」と久保監督が言う“くせ者”は今、心身ともに充実している。

 【2次予選成績】
 7―3 ローソン
 5―4 日本通運