活動拠点となっていた同社の追浜工場は車両生産を27年度末に終了し、子会社の日産自動車九州に生産を移管、統合すると発表されていた。今後の動向に注目が集まる中で、この日も大勢の社員がまばゆいブルーのユニホームを着用し、熱のこもった応援で盛り上げた。
40代の男性社員は「私たちの希望です」と感慨に浸り、09年の休部前にも絶えず観戦に訪れていたという50代女性社員は「選手の姿に勇気づけられる。一体感を持てるのが社会人野球の魅力です」と力説した。
リーマン・ショックの影響もあって09年に休部となったが、今回16年ぶりに復活。新入部員22人は大卒1年目が大半を占めるが、チームスローガン「再翔」を掲げて全国の舞台に挑戦した。都市対抗本戦出場の最後の枠はあと1歩のところで逃したが、名門復活を示すには十分の戦いだったに違いない。
中日スポーツ
本社が経営再建中の日産、都市対抗出場は逃すも伊藤祐樹監督「試合は続く」
休部した2009年以来16年ぶりに活動を再開した日産自動車が敗れ、今夏の都市対抗出場を逃した。
茨城日産から移籍した石毛大地主将(筑波大)を除いて新人ばかりのチームで戦い、1回に朝岡慶外野手(愛工大)が先制打、5回までは2―2と強敵にくらいついたが、6回以降は突き放された。
経営再建中の本社は15日に、チームが活動拠点としている横須賀市にある追浜工場での車両生産を27年度末で終了することを発表。石毛主将は「GMから、目の前の野球に集中してほしいと言われた。野球を通じて従業員に元気を与えるのが使命と思って集中した。前半はいい感じだったが、東芝さんの執念が上回った。実力不足と痛感した」と振り返った。
スタンドでは、応援団最優秀賞にも輝いた約3200人の社員らが大声援。敗れはしたが、大きな拍手で選手らをたたえた。
伊藤祐樹監督は「これだけ応援に来ていただいて、勝利を届けたかったが残念です。日本選手権に向けて、試合は続くので、この経験を生かしてステップアップしたい」と前を向いた。