16年ぶりに復活した日産自動車が2−7で東芝に敗れ、都市対抗本戦出場切符を逃した。5回まで2−2と接戦を演じたが、勝負どころで精彩を欠いた。6回1死一、三塁から2本の適時打など3点の勝ち越しを許すと、さらに8回に2点を与えて万事休すだった。一方、勝った東芝は2年ぶり45度目の本戦出場を決めた。

活動拠点となっていた同社の追浜工場は車両生産を27年度末に終了し、子会社の日産自動車九州に生産を移管、統合すると発表されていた。今後の動向に注目が集まる中で、この日も大勢の社員がまばゆいブルーのユニホームを着用し、熱のこもった応援で盛り上げた。

40代の男性社員は「私たちの希望です」と感慨に浸り、09年の休部前にも絶えず観戦に訪れていたという50代女性社員は「選手の姿に勇気づけられる。一体感を持てるのが社会人野球の魅力です」と力説した。

リーマン・ショックの影響もあって09年に休部となったが、今回16年ぶりに復活。新入部員22人は大卒1年目が大半を占めるが、チームスローガン「再翔」を掲げて全国の舞台に挑戦した。都市対抗本戦出場の最後の枠はあと1歩のところで逃したが、名門復活を示すには十分の戦いだったに違いない。

 

中日スポーツ

本社が経営再建中の日産、都市対抗出場は逃すも伊藤祐樹監督「試合は続く」