2009/4/27 積水化学工業 Celanese発表
米国企業からの中間膜原料の事業買収について
積水化学工業株式会社(代表取締役社長:根岸修史、以下積水化学)は、本日開催の取締役会において、新たに設立予定の子会社がこの度米国化学会社Celanese Corporation([セラニーズ コーポレーション]、CEO:David N. Weidman、本社:テキサス州。以下、セラニーズ社)のグループ会社からポリビニルアルコール樹脂(以下、PVA樹脂)事業を買収することを決議いたしましたので、お知らせいたします。
1.背景および譲受けの理由
積水化学の高機能プラスチックスカンパニー(プレジデント:松永髑P)では、合わせガラス用中間膜(以下、中間膜)の事業を戦略事業と位置付け、グローバルに展開しております。特に自動車向けの中間膜は世界で42%(2008年度、当社推測)のトップシェアを誇ります。
中間膜は、ポリビニルブチラール樹脂(以下、PVB樹脂)を製膜化することにより製造しますが、この度PVB樹脂の原料であるPVA樹脂事業を買収することにより、安定的な原料供給体制を構築するとともに、需要地生産の促進、原料面での技術シナジーの発揮等、サプライチェーンの強化を図ります。
【中間膜の原料サプライチェーン】
酢酸 → 酢酸ビニルモノマー → PVA樹脂 (今回買収)→ 〔PVB樹脂 → 合わせガラス用中間膜〕
2.事業の譲受けの内容
1)設立する子会社
セラニーズ社のPVA樹脂事業を譲受けるため、米国およびスペインに2009年5月に設立予定。
2)譲受け部門
@内 容
セラニーズ社のPVA樹脂事業に係る資産(設備、棚卸資産および知的財産権等)
A生産拠点
パサデナ(米国テキサス州)、カルバートシティ(米国ケンタッキー州)、タラゴナ(スペインカタルーニャ州)
B生産能力 約120千トン/年
3)譲受け部門の経営成績
売 上 高
US$296百万(2008年12月期実績)
4)譲受け価額
約US$173百万(約168億円)
3.セラニーズ社の概要
1)社名 Celanese Corporation
2)本店所在地 米国テキサス州ダラス市
3)代表者 David N. Weidman
4)大株主 FMR LLC 16.1%
Adage Capital Partners LP 10.2%
UBS AG 6.9%
Bank of America Corporation 6.1%
Wellington Management Company LLP 5.3%
5)事業の内容
酢酸、酢酸ビニルモノマーおよびPVA樹脂の製造・販売等
6)売上高
US$6,823百万(2008年12月期実績)
7)当社との関係
資本的関係、人的関係、取引関係はありません。
8)その他
資産の譲受けについては、セラニーズ社のグループ会社であるCelanese
Ltd(米国)および
Celanese Chemicals Iberica S.L.(スペイン)から行います。
4.事業譲受け日程 2009年6月予定
5.会計処理の概要
のれんおよびその他資産に関しては、第三者の評価を踏まえ決定いたします。
6.その他
今後の業績その他未決定事項につきましては、詳細が決まり次第お知らせいたします。
《ご参考》
1)中間膜の生産拠点一覧
工場名 | 場所 | 稼動時期等 | 生産品 | |
製膜 | 滋賀水口工場 | 滋賀県甲賀市 | 1960年 | 通常膜、遮音膜、 遮熱膜、遮音・遮熱膜 |
SEKISUI S-LEC Mexico S.A. de C.V | メキシコ・クエルナバカ市 | 1971年 | 通常膜 | |
SEKISUI S- LEC B.V. | オランダ・ルールモンド市 | 1997年 | 通常膜、遮音膜 | |
SEKISUI S-LEC (THAILAND) CO.,LTD. | タイ・ラヨン県 | 2002年 | 通常膜 | |
積水中間膜(蘇州)有限公司 | 中国・江蘇省蘇州市 | 2004年 | 通常膜 | |
SEKISUI S-LEC AMERICA, LLC. | アメリカ・ケンタッキー州 | 2007年 | 通常膜、遮音膜 | |
原料 | 滋賀水口工場 | 滋賀県甲賀市 | 1960年 | PVB樹脂 |
SEKISUI S- LEC B.V | オランダ・ヘレーン市 | 2007年 | PVB樹脂 | |
アメリカ工場 | アメリカ・テキサス州 | 今回買収 | PVA樹脂 | |
アメリカ工場 | アメリカ・ケンタッキー州 | |||
スペイン工場 | スペイン・カタルーニャ州 |
2)当社の自動車向け中間膜事業について
当社の中間膜事業は、アジアにおける自動車生産台数の増加や、自動車1台あたりのガラス面積の大型化に対応して生産量が拡大しています。また、日本や欧米での車内快適性向上のニーズにあわせて開発した、遮音膜、遮熱膜、遮音・遮熱膜など高機能中間膜の需要も増えてきています。
現在、当社の遮音膜は、世界の新車の7台に1台の割合(2007年度、当社推測)で採用されており順調に拡大しています。また、通常膜においても中国を中心としたアジアでの需要が順調に拡大しています。
今後は、高機能中間膜の開発と拡販をより積極的に進め、さらなる事業の拡大を図ります。
事業目標として、2010年度におけるグローバルシェア44%を目指します。
クラレ ポバール(ポリビニルアルコール=PVA)は、ビニロン繊維の原料としてクラレが世界に先駆けて工業化しました。合成樹脂としては珍しく水に溶ける特長を持っています。
優れた接着性、乳化性、耐油性、耐薬品性を生かして、繊維や紙の加工剤、木工ボンドや合板用の接着剤、塩ビの重合添加剤、自動車のフロントガラス用中間膜原料などに用途を広げています。シェア世界1位(中国を除き 35%)
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PVAフィルムの生産ではクラレが世界シェア85%です。残りの15%が日本合成化学なので、世界でこの2社だけが作っています。
Celanese Enters Into Agreement to Sell PVOH Business to Sekisui
Celanese Corporation, a leading global chemical company, today announced it has entered into an agreement to sell its polyvinyl alcohol (PVOH) business, which had 2008 annual sales of approximately $300 million, to Sekisui Chemical Co., Ltd. for a purchase price of approximately $173 million, excluding the value of accounts receivable and payable retained by Celanese. This transaction is expected to be completed by mid-year 2009.
“Celanese continues to execute our strategy to optimize our business portfolio where we have sustainable competitive advantages,” said David Weidman, chairman and chief executive officer. “This transaction increases our flexibility and further focuses our leading, globally integrated acetyl chain to provide long-term shareholder value.”
The transaction includes the facilities in Calvert City, Ky., Pasadena, Texas, one unit within the complex at Tarragona, Spain, and resources from the company’s Houston Technology Center. In total, approximately 220 employees located at these operations, supported by personnel in administrative, technical and sales functions, will join Sekisui. In addition, the transaction includes long-term supply agreements between both companies.
Consummation of the transaction is subject to satisfaction of customary closing conditions including receipt of regulatory approvals.
2009/11/11 電気化学/積水化学
ポリビニルアルコール樹脂の製造合弁会社の設立について
電気化学工業株式会社(代表取締役社長:川端世輝、以下電気化学)
と、積水化学工業株式会社(代表取締役社長:根岸修史、以下積水化学)
は、ポリビニルアルコール樹脂
(以下PVA樹脂)の製造を目的とする合弁会社を設立することで合意いたしましたので、お知らせします。
1. 合弁会社設立の目的
電気化学では、近年PVA樹脂事業の競争力強化のため、特長ある製品に特化した戦略を進めつつ、さらなる事業体質強化に向けた戦略補強を模索してきました。
積水化学では、自動車用途を中心とする合わせガラス用中間膜の需要増加に伴い、その原料となるPVA樹脂の安定確保を目的に、米国セラニーズ社からPVA樹脂事業を買収(2009年7月)し、欧米での生産拠点を取得しました。一方で、アジアにおいても供給パートナーの拡大を検討してきました。
以上の経緯から、両社は新たにPVA樹脂の製造を目的とした合弁会社の設立に合意しました。
新会社は電気化学青海工場(新潟県)内の製造設備を譲り受け、両社にPVA樹脂を供給します。
また両社は新会社設立を契機として、それぞれが保有するPVA樹脂に関する技術を相互に活用し、製品競争力の向上を目指したコストダウンや新製品の共同開発など、発展的な協力関係の可能性を検討します。
2. 合弁会社の概要
(1)本社所在地
東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号
(2)工場所在地
新潟県糸魚川市大字青海2209
(3)資本金 10億円(予定)
(4)出資比率 電気化学 51%、積水化学
49%
(5)事業内容 PVA樹脂の製造
(6)設立時期 2010年4月
(7)その他
会社名及びその他の具体的事項については今後両社間で協議の上決定する。
ポリビニルアルコール樹脂の製造合弁会社の事業開始について
電気化学工業株式会社 (代表取締役社長:川端世輝、以下電気化学)と積水化学工業株式会社 (代表取締役社長:根岸修史、以下積水化学)は、2009年11月11日に発表いたしました通り、ポリビニルアルコール樹脂(以下PVA樹脂)の製造合弁会社の設立にむけて準備を進めてきました。今般、予定通り4月1日に設立、事業を開始いたしますので、お知らせいたします。
≪合弁会社の概要≫
(1)会社名 DSポバール株式会社
(2)本社所在地 東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号
(3)工場所在地 新潟県糸魚川市大字青海2209
(4)代表者 代表取締役 松下 三四郎
(5)設立日 2010年4月1日
(6)資本金 10億円
(7)出資比率 電気化学 51%、積水化学 49%
(8)事業内容 PVA樹脂の製造
ポリビニルアルコール樹脂の製造合弁会社解消のお知らせ〜デンカが100%子会社化し、スペシャリティー化を加速〜
デンカは、2010年4月に積水化学工業との共同出資で設立したポリビニルアルコール(PVA樹脂)の製造会社「DSポバール(出資比率:デンカ51%、積水化学49%)」の積水化学保有の全株式を3月末日にて買い取り、積水化学との合弁を解消することで合意いたしました。
経営計画「Denka Value-Up」において、当社は基盤事業のスペシャリティー化を成長戦略のひとつに位置付けております。
PVA樹脂は水溶性、ガスバリア性、乳化性、生分解性、生体適合性など様々な特長を持つことから幅広い用途に使用でき、環境負荷低減をはじめとする社会的な課題に対応できる素材です。
当社は、これまで培ってきた高分子樹脂の精密重合・合成技術等の基盤技術を活かし、塩ビ分散剤や油井セメント用逸水防止剤用途等の高付加価値品の開発に注力し、外部環境の影響を受けにくいスペシャリティーグレードの比率拡大を進めてまいります。
【DSポバール株式会社概要】
(1)
会社名
DSポバール株式会社
(2)
本社所在地 東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号
(3)
工場所在地 新潟県糸魚川市大字青海2209
(4)
代表者代表取締役
田渕浩記
(5)
設立日
2010年4月1日
(6)
資本金
10億円(7)
出資比率
デンカ
100%
(2020年4月1日以降)
(8)
事業内容
PVA樹脂の製造
◎ JVは電気化学青海工場(新潟県)内の製造設備を譲り受けたもの、デンカに戻る。
◎ 積水化学は米国にSekisui Specialty Chemicals America, LLC.を持つ。
米DuPont 社のビニルアセテート関連事業の譲受について
クラレとE. I. du Pont de Nemours and Companyは、本日、DuPont
社の「パッケージング&インダストリアルポリマーズ」の一部であるビニルアセテート関連事業(「VA 関連事業」)をクラレが543
百万ドルおよび当該事業に付随する在庫相当額にて買収することにつき合意し、そのための契約に調印いたしました。
なお、本件は所管当局の正式な承認を経て、2014 年前半の完了を目指します。
DuPont 社のVA 関連事業は、安全ガラスの中間膜として使用されるポリビニルブチラール(PVB)シートのほか、ビニルアセテートモノマー(VAM)、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂など、建築分野・自動車分野等広範な産業分野において使用される製品群を有しており、有数の実績があります。当該事業の年間売上高は500
百万ドル以上(2012 年12 月期実績)です。また、当該事業には約600 人の従業員、アメリカ、ヨーロッパ、アジアにおいて計6 か所の製造拠点、そして350
社以上の顧客を世界中に有しております。
世界に先駆けてPVA の工業化に成功したクラレは、VA 関連事業のパイオニアとして、PVA 樹脂、PVB
樹脂・フィルムのほか、液晶ディスプレイや洗剤個包装などに使用されるPVA フィルム、食品包装やガソリンタンクなどに使用されるEVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)樹脂(クラレ商標<エバール>)、アスベスト代替のセメント補強材料などに使用されるPVA
繊維ビニロンを世界的に展開しています。
クラレにとって、DuPont 社のVA 関連事業に携わる世界中の優秀な人材、そして長年当該事業を支え続けてきた技術力・開発力および生産・販売網は、今後VA
関連事業を持続的に成長させる上で大きく貢献するものです。
また、DuPont 社にとっても、PVA を中心とするVA
関連事業をコア事業の一つに据え、さらなる投資を続けているパイオニアであるクラレへの事業移管は最適の選択と考えられます。
2.本買収の概要
DuPont 社より、同社の高機能材料セグメントの一部であるVA 関連事業に属する事業用資産を取得いたします。
その概要は以下の通りです。
(1) 対象事業 | DuPont 社が保有するビニルアセテート関連製品(VAM,PVA,PVB等)の製造・販売に関する事業 |
(2) 事業拠点 | 工場所在地 米国: 3ヵ所(テキサス州、ノースカロライナ州、ウエストバージニア州) 欧州: 2ヵ所(ドイツ、チェコ) アジア:1ヵ所(韓国) その他、北中南米、欧州、日本、韓国、中国等に販売等の拠点あり。 |
(3) 従業員数 | 約600 人 |
(4) 対象事業の経営成績 | 売上高約550 百万ドル(2012 年12 月期) (注1)先方より開示されている数値であり、監査を受けておりません (注2)利益額については、対象事業が先方の財務報告セグメントの一部分であることから有意な額の算定が困難であるため、記載しておりません。 |
(5)買収価格および 決済方法 |
543 百万ドルに在庫相当額を加えた金額を予定しております。 決済は全額手元の現金にて実施する予定です。 |
(注)DuPont
社の事業所内生産ラインの一部など、現時点で算定困難なものが取得資産の大半を占めるため、資産額および負債額は記載しておりません。算定可能になりましたら開示いたします。
4.今後のスケジュール
(1) 契約締結日 2013
年11 月21 日
(2) 事業譲り受け期日 2014 年前半(予定)
(注)本件の実行には米国等の独占禁止法の審査等、所管当局の正式な承認が前提となります。
5.会計処理の概要
企業会計基準上の取得として処理を行う予定です。
また、正ののれんが発生する見込みですが、金額は算定中です。確定しましたら開示いたします。
6.今後の見通し
事業譲受の完了期日を2014 年前半に見込んでいるため、当社の2014 年3
月期の連結業績に与える影響は発生しない見込みです。また、次年度以降の当社の連結業績に与える影響につきましては、現在精査中です。
2012年6月5日クラレ
〜酢ビ・ポバール系事業のグローバルな拡大へ〜
米国におけるポバール樹脂生産設備の新設について
株式会社クラレ(社長:伊藤文大、本社:東京都千代田区)は、米国現地法人クラレアメリカ(クラレ100%間接出資子会社、所在地:アメリカ
テキサス州)によるポバール樹脂生産設備の新設を下記概要にて決定しましたのでお知らせします。
設備新設の背景
クラレグループのコア事業である酢ビ(酢酸ビニル)・ポバール系事業の世界戦略の一環。
日本、シンガポール、欧州(ドイツ)に続き、シェールガス等による原燃料メリットがある北米に第4の生産拠点を確保。
当社が保有する生産技術をベースに、高品質な製品を4拠点からグローバルに安定的に供給。
北米および経済成長の著しい中南米の需要に対応。
設備新設の概要
場所 米国 テキサス州ハリス郡ラ・ポルテ市(工場用地は先行取得済)
生産能力 第一期 40,000トン/年
時期 2014年9月完工予定
備考 本投資およびこれらに伴う新規雇用創出に対して、テキサス州(知事:Mr. Rick Perry)より助成金(Texas Enterprise
Fund)の交付を、同州ハリス郡コミッショナーズコートより固定資産税減免措置の適用をそれぞれ認可いただいております。