2009/10/7 公取委
テレビ用ブラウン管の製造販売業者らに対する排除措置命令及び課徴金納付命令について
公正取引委員会は、外国事業者を含むテレビ用ブラウン管の製造販売業者らに対し、独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきたところ、次のとおり、同法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして、本日、同法第7条第2項の規定に基づく排除措置命令及び同法第7条の2第1項の規定に基づく課徴金納付命令を行った。
なお、本件は、平成19年11月に、米国司法省、欧州委員会等とほぼ同時期に調査を開始したものである。
別表記載の11社は、我が国ブラウン管テレビ製造販売業者(オリオン電機、三洋電機、シャープ、日本ビクター、船井電機)が現地製造子会社等に購入させるテレビ用ブラウン管について、遅くとも平成15年5月22日ころまでに、2か月に1回程度、CPTミーティングを継続的に開催し、おおむね四半期ごとに次の四半期におけるその現地製造子会社等向け販売価格の各社が遵守すべき最低目標価格等を設定する旨を合意することにより、公共の利益に反して、特定ブラウン管の販売分野における競争を実質的に制限していた。
排除措置 命令 |
課徴金納付 命令 |
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◎MT映像ディスプレイ | 大阪府 | ○ | − | 旧
松下東芝映像ディスプレイ →パナソニック子会社 |
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△MT Picture Display (Malaysia) Sdn. Bhd. | 子会社 | Malaysia | − | 650,830千円 | 清算手続き中 | ||
△PT. MT Picture Display Indonesia | 子会社 | Indonesia | − | 580,270 | 清算手続き中 | ||
△MT Picture Display (Thailand) | 子会社 | Thailand | − | 566,140 | 清算手続き中 | ||
◎Samsung SDI | Korea | ○ | − | 事業譲渡 | |||
△Samsung SDI (Malaysia) BERHAD | 子会社 | Malaysia | − | 1,373,620 | |||
◎LG Philips Displays Korea |
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Korea | − | 151,380 | |||
△P.T. LP Displays Indonesia | Indonesia | − | * | *意見申述・証拠提出の機会を付与 | |||
◎Chunghwa Picture Tubes | Taiwan | ー | − | 自主申告 | |||
△Chunghwa Picture Tubes (Malaysia) Sdn Bhd. | 子会社 | Malaysia | ー | − | |||
◎Thai CRT | Thailand | − | − | 解散消滅 | |||
合計 | 2社 | 3,322,240 |
◎価格等の取引条件の交渉及び決定
△指示に基づき販売
公取委が国際カルテルで海外企業に課徴金納付を命じたのは初めて。
このような外国法人間の取引では日本の独禁法は適用できないが、公取委は今回、買い手である日本の電機大手の親会社が価格などを交渉していたため、日本の親会社と現地法人は一体だとして、日本の市場にも悪影響を及ぼしたと認定。同法が適用できると判断した。
サムスン系2社は同日、同委に国内代理人の解任を伝えたため、海外送達手続の完了まで命令の効力は発しない。台湾とタイのメーカーも関与したが、違反を自主申告したり、会社が解散したりしたため命令対象から外れた。
LG(韓国)系のインドネシア子会社にも10億円以上の課徴金納付を命じる方針だが、同社は日本で代理人を選任しておらず、外交手続きが必要になる。
各社は遅くとも03年5月から07年3月、日本の大手電機メーカーの現地法人向けに販売するブラウン管の最低価格について合意した。
パナソニック
MT映像ディスプレイ株式会社はブラウン管事業からの撤退を決定しておりますが、今回の排除措置命令および課徴金納付命令に関する公正取引委員会の判断については、これまでの独占禁止法の考え方並びに運用と異なる点もあることから、今後、審判請求も視野に入れて慎重に対応を検討してまいります。
MT映像ディスプレイ株式会社概要】
所在地 大阪府門真市松生町1-15 資本金 100億円 社長 飛永 龍生 沿革
2003年4月1日 松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)と株式会社東芝の事業統合会社として発足。(社名:松下東芝映像ディスプレイ株式会社) 2007年3月30日 松下電器産業株式会社が100%子会社化し、社名をMT映像ディスプレイ株式会社に変更。 事業内容 ブラウン管の補修サービス
エムティー・ピクチャー・ディスプレイ(マレーシア)・エスディーエヌ・ビーエイチディーは,平成19年10月8日に,解散の決議を行い,同日付けで清算手続を開始しており,事業活動の全部を取りやめている。
(注5)
ピーティー・エムティー・ピクチャー・ディスプレイ・インドネシアは,平成19年9月28日に,操業を停止し,同日付けで清算手続を開始しており,事業活動の全部を取りやめている。
(注6)
エムティー・ピクチャー・ディスプレイ(タイランド)・カンパニー・リミテッドは,平成21年5月13日に,解散の決議を行い,同日付けで清算手続を開始しており,事業活動の全部を取りやめている。
(注7)
エルジー・フィリップス・ディスプレイズ・コリア・カンパニー・リミテッドは,平成21年7月21日付けで,大韓民国ソウル特別市所在のMeridian
Solar & Displayメリディアン・ソーラー・アンド・ディスプレイ・カンパニー・リミテッドに対し,テレビ用ブラウン管の製造販売に係る事業を譲渡している。
(注8)
タイ・シーアールティー・カンパニー・リミテッドは,平成19年6月29日に,解散の決議を行い,事業活動の全部を取りやめ,その後,消滅している。
(注9)
独占禁止法第50条第6項において準用する第49条第3項及び第5項の規定に基づき,課徴金納付命令の内容等について,意見申述・証拠提出の機会を付与するための手続を行っているところである。