公取委、マリンホースカルテルの疑いで、ブリヂストンと横浜ゴム立ち入り
米司法省、marine hose カルテル容疑でブリヂストン部長ら逮捕
2007/12 送油ホース国際カルテル 外国4社に排除命令
平成20年2月22日 公正取引委員会 日経記事
マリンホースの製造販売業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について
公正取引委員会は、マリンホース(注1)の製造販売業者に対し、独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきたところ、同法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして、平成20年2月20日、同法第7条第2項の規定に基づく排除措置命令及び同法第7条の2第1項の規定に基づく課徴金納付命令を次のとおり行った(違反行為については別添排除措置命令書参照)。
なお、本件は、平成19年5月に、米国司法省、欧州委員会等とほぼ同時期に調査を開始したものである。
(注1) タンカーと石油備蓄基地施設等との間の送油に用いられるゴム製ホース(オイル・カンパニー・インターナショナル・マリン・フォーラム(石油会社国際海事評議会)が定める製品規格及び検査基準を満たすものをいい、その付属品が併せて発注される場合には当該付属品を含む。)をいう。
1
違反事業者数、排除措置命令及び課徴金納付命令の対象事業者数並びに課徴金額
(対象事業者名、各事業者の課徴金額等については別表のとおり)
違反事業者数 | 排除措置命令 対象事業者数 |
課徴金納付命令 対象事業者数 |
課徴金額 |
8社 | 5社 | 1社 | 238万円 |
2 違反行為の概要
8社は、平成11年12月10日ころ以降、特定マリンホース(注2)について
(1) | ア | 我が国、英国、フランス共和国及びイタリア共和国の4か国(以下「本店所在国」という。)を特定マリンホースの使用地とする場合には、使用地となる国に本店を置く者を受注予定者とし、複数の事業者がこれに該当する場合には、当該複数の事業者のうちのいずれかの者を受注予定者とする |
イ | 本店所在国以外を使用地とする場合には、あらかじめ各社が受注すべき特定マリンホース(本店所在国を使用地とするものを除く。)の割合を定め、当該割合等を勘案して、コーディネーター(注3)が選定する者を受注予定者とする | |
(2) | 受注すべき価格は、受注予定者が定め、受注予定者以外の者は、受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する旨の合意の下に、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにすることにより、公共の利益に反して、特定マリンホースのうち我が国に所在するマリンホースの需要者が発注するものの取引分野における競争を実質的に制限していた。 |
(注2)
マリンホースの需要者が、複数の者に対して見積価格の提示を求めた上で発注するマリンホースをいう。
(注3)
8社が特定マリンホースの受注予定者の選定等の業務を委任した者をいう。
3 排除措置命令の概要 | |
(1) | 5社は、それぞれ、前記2の行為を取りやめている旨を確認すること及び今後、相互の間において、又は他の事業者と共同して、特定マリンホースのうち我が国に所在するマリンホースの需要者が発注するものについて、受注予定者を決定せず、各社がそれぞれ自主的に受注活動を行うことを、取締役会等の業務執行の決定機関において決議しなければならない。 |
(2) | 5社は、それぞれ、前記(1)に基づいて採った措置を、自社を除く4社及び横浜ゴム株式会社に通知するとともに、我が国に所在するマリンホースの需要者に通知しなければならない。 |
(3) | 5社は、今後、それぞれ、相互の間において、又は他の事業者と共同して、特定マリンホースのうち我が国に所在するマリンホースの需要者が発注するものについて、受注予定者を決定してはならない。 |
4 課徴金納付命令の概要 | |
(1) | 株式会社ブリヂストンは、平成20年5月21日までに、238万円を支払わなければならない。 |
(2) | 課徴金の計算において、独占禁止法改正法の施行日(平成18年1月4日)前に係る売上額に6%の算定率を、同施行日以後に係る売上額に10%の算定率を適用している。また、調査開始日からさかのぼり10年以内に課徴金納付命令(当該課徴金納付命令が確定している場合に限る。)を受けたことがある事業者については、独占禁止法第7条の2第6項の規定に基づき、同施行日以後に係る売上額に15%の算定率を適用している。 |
別表
番号 | 事業者名 | 本店の所在地 | 代表者 | 排除措置命令 名あて人 |
課徴金額 |
1 | 株式会社ブリヂストン | 東京都中央区京橋一丁目10番1号 | 代表取締役 荒川 詔四 |
○ | 238万円 |
2 | ダンロップ・オイル・アンド・マリーン・リミテッド Dunlop Oil & Marine Ltd |
英国イングランドリンカンシャー州ノースイーストリンカンシャーグリムスビーパイワイプ ムーディー・レーン | マイケル・スローン | ○ | − |
3 | トレルボーグ・インダストリーズ・エスエイエス Trelleborg Industrie S.A. |
フランス共和国オーヴェルニュ州ピュイ・ド・ドーム県クレルモン・フェランルー・ド・シャントメルル ラ・コンボールド ゼド・イー | ウルフ・グラデン | ○ | − |
4 | パーカー・アイティーアール・エスアールエル(注1) Parker ITR slr |
イタリア共和国ロンバルディア州コモ県ヴェニアーノ ヴィア ジー・ビー ピレッリ6 | ティチアーノ・ゾーゼラ | ○ | − |
5 | マヌーリ・ラバー・インダストリーズ・エスペーアー Manuli Rubber Industries SpA |
イタリア共和国ロンバルディア州ミラノ県ピアッツァ・デッラ・リパブリカ 14/16 | ダルダニオ・マヌーリ | ○ | − |
6 | 横浜ゴム株式会社 | 東京都港区新橋五丁目36番11号 | 代表取締役 南雲 忠信 | − | − |
7 | コミタル・ブランズ・エスペーアー(注2) |
イタリア共和国ビエモンテ州トリノ県ヴォル ピアノ ヴィア ブランデッゾ 130 |
− | − | |
8 | マヌーリ・オイル・アンド・マリン・ユーエスエー・インク(注3) Manuli Oil & Marine USA |
アメリカ合衆国 フロリダ州 フォートローダデール オークランド・パーク・ブールバード 2755 | − | − | |
合 計 | 5社 | 238万円 |
(注1) アイティーアール・ラバー・エスアールエルが平成14年4月24日付けで商号変更したものである。
(注2) アイティーアール・エスペーアーが、平成13年12月19日付けで、アイティーアール・ラバー・エスアールエルに対し、マリンホースの製造販売に係る事業を承継させ、平成16年12月29日付けで現商号に変更したものである。
(注3) 平成18年12月26日に消滅している。
(注4) 別表中の「○」は排除措置命令の名あて人である。
(注5) 別表中の「−」は排除措置命令又は課徴金納付命令の名あて人とならない違反行為者である。
* 公取委がカルテルで外国企業に同命令を出すのは初めて。
2008年2月22日 ブリヂストン
当社マリンホース販売行為に対する
公正取引委員会からの排除措置命令及び課徴金納付命令について株式会社ブリヂストン(社長 荒川 詔四)は、昨日、当社が1999年12月から2007年5月までに行なったマリンホースの販売行為のうち独占禁止法違反(不当な取引制限)に当たるものがあったとして、公正取引委員会から排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。
当社は、このような命令が出されたことを厳粛に受け止めており、役員ならびに社員一同、高い倫理意識でコンプライアンスを重ねて徹底し、信頼の回復に努めたいと考えております。命令の内容については、これから精査し対応を検討してまいります。2008/2/22 横浜ゴム
コンプライアンス遵守の経営について
弊社は、公正取引委員会から、マリンホースの販売をめぐるカルテルに関して、「課徴金減免制度」の適用を受けた旨、公正取引委員会のホーム・ページ上にて公表されました。
弊社は、かねてより独占禁止法の遵守に取り組み、談合やカルテルに関わる事のない様、社内ではコンプライアンス推進室を設けるなど、その排除に努めてまいりました。
しかしながら、2006年秋、本件に関する社内調査の過程におきまして、当該商品の販売に関するカルテルへの関与が明らかとなりましたので、公正取引委員会に弊社の調査結果をご報告するとともに、課徴金減免制度の適用申請を行いましたので、本日に至るまで公表を差し控えておりました。
お客様はじめ株主の皆様、その他関係各位には多大なるご心配とご迷惑をおかけしました事を心からお詫び申し上げます。
弊社といたしましては、引き続き談合やカルテルへの関与等の独占禁止法違反となる行為の排除はもとより、コンプライアンス遵守の経営の徹底に全社一丸となって取り組んで参りますので、皆様の温かいご理解とご支援を賜ります様、合わせてお願い申し上げます。
平成20年(措)第2号 排除措置命令書
名あて人
別表1の名あて人目録記載のとおり
公正取引委員会は、上記の者らに対し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)第7条第2項の規定に基づき、次のとおり命令する。
主 文
1
別表1の名あて人目録記載の5社(以下主文において「5社」という。)は、それぞれ、
次の事項を、取締役会等の業務執行の決定機関において決議しなければならない。
(1)
別紙記載のマリンホース(以下主文において「マリンホース」という。)であって、
その需要者が複数の者に対して見積価格の提示を求めた上で発注するもの(以下主文において「特定マリンホース」という。)について、5社並びに別表2、別表3
及び別表4記載の3社が、平成11年12月10日ころ以降(別表3記載の事業者にあっては平成13年12月18日までの間、
5社のうちパーカー・アイティーアール・エスアールエルにあっては平成13年12月19日以降、5社のうちマヌーリ・ラバー・インダストリーズ・エスペーアー及び別表4記載の事業者にあっては平成12年9月28日ころ以降)共同して行った、特定マリンホースを受注すべき者(以下主文において「受注予定者」という。)を決定し、受注予定者が受注できるようにする行為を取りやめている旨を確認すること
(2)
今後、相互の間において、又は他の事業者と共同して、特定マリンホースのうち我が国に所在するマリンホースの需要者が発注するものについて、受注予定者を決定せず、各社がそれぞれ自主的に受注活動を行うこと
2 5
社は、それぞれ、前項に基づいて採った措置を、自社を除く4社及び別表2記載の事業者に通知するとともに、我が国に所在するマリンホースの需要者に通知しなければならない。これらの通知の方法については、あらかじめ、当委員会の承認を受けなければならない。
3 5
社は、今後、それぞれ、相互の間において、又は他の事業者と共同して、特定マリンホースのうち我が国に所在するマリンホースの需要者が発注するものについて、受注予定者を決定してはならない。
4 5 社は、それぞれ、
第1項及び第2項に基づいて採った措置を速やかに当委員会に報告しなければならない。
理 由
第1 事実 | |||
1 | (1) | ア | 別表1の名あて人目録記載の5社(以下「5
社」という。)は、それぞれ、「本店の所在地」欄記載の地に本店を置き、別紙記載のマリンホース(以下「マリンホース」という。)の製造販売業を営む者である。 5 社のうち、別表5記載のパーカー・アイティーアール・エスアールエル(以下「アイティーアール」という。)及びトレルボーグ・インダストリーズ・エスエイエスは、それぞれ「商号変更等の状況」欄記載のとおり、商号変更等をしたものである。 |
イ | 名あて人以外の別表2記載の横浜ゴム株式会社(以下「横浜ゴム」という。)は、「本店の所在地」欄記載の地に本店を置き、マリンホースの製造販売業を営む者である。 | ||
ウ | 名あて人以外の別表3記載のコミタル・ブランズ・エスペーアー(以下「コミタル」という。)は、「本店の所在地」欄記載の地に本店を置き、「アイティーアール・エスペーアー」の商号で、イタリア共和国ロンバルディア州コモ県ヴェニアーノ ヴィア ジー・ビー ピレッリ6 に本店を置いてマリンホースの製造販売業を営んでいた者であるが、「期日」欄記載の年月日に、「備考」欄記載のとおり、アイティーアール・ラバー・エスアールエルに対し、マリンホースの製造販売に係る事業を承継させており、以後、同事業を営んでいない。 | ||
エ | 名あて人以外の別表4記載のマヌーリ・オイル・アンド・マリン・ユーエスエー・インク(以下「マヌーリ・マリン」という。)は、5 社のうちマヌーリ・ラバー・インダストリーズ・エスペーアー(以下「マヌーリ・ラバー」という。)が全額出資する会社であって、「本店の所在地」欄記載の地に本店を置き、マヌーリ・ラバーの製造するマリンホースの販売業を営んでいた者であるが、平成18年12月26日に消滅している。 | ||
(2) | ア | 石油備蓄基地施設を運営する事業者等の我が国に所在するマリンホースの需要者は、5 社、横浜ゴム、コミタル及びマヌーリ・マリンの8社( 以下「8社」という。)その他マリンホースの製造販売業者の中から複数の者に対して見積価格の提示を求める方法により、マリンホースを発注していた。この場合においては、見積価格の提示を求めた者の中で最も低い見積価格を提示した者を受注者としていた。 | |
イ | (ア) 我が国に所在するマリンホースの需要者は、前記アの方法によりマリンホースを発注するに当たっては、8社に代えて、 8社がそれぞれ見積価格を提示する者として認める販売代理店(以下「販売代理店」という。)に対し、見積価格の提示を求める場合があった。この場合においても、見積価格の提示を求めた者の中で最も低い見積価格を提示した者を受注者としていた。 | ||
(イ) 8 社は、 我が国に所在するマリンホースの需要者が発注するマリンホースについて、自社の販売代理店が見積価格の提示を求められた場合には、自社が見積価格及び当該見積価格を考慮した自らの販売価格を定めた上で、当該販売代理店をして、当該見積価格を提示させ、当該販売代理店を介して受注していた。 | |||
ウ | 我が国に所在するマリンホースの需要者は、受注者の見積価格を審査し、受注者に当該見積価格の修正を求めた上で発注価格を確定させることがあったが、平成11年12月10日ころ以降、当該見積価格の修正は、おおむね、わずかな幅にとどまっていた。 | ||
2 | (1) | 8社は、平成11年12月10日ころ以降(8 社のうち、コミタルにあっては平成13年12月18日までの間、アイティーアールにあっては平成13年12月19日以降、マヌーリ・マリン及びマヌーリ・ラバーにあっては平成12年9 月28日ころ以降)、マリンホースの需要者が前記1 (2)ア及びイの方法により発注するマリンホース(以下「特定マリンホース」という。)について、受注価格の低落防止を図るため | |
ア | (ア) 8 社のうちマヌーリ・マリンを除く7社が本店を置く我が国、英国、フランス共和国及びイタリア共和国の4 か国(以下「本店所在国」という。)を特定マリンホースが使用されることとなる地(以下「使用地」という。)とする場合には、使用地となる国に本店を置く者を受注すべき者(以下「受注予定者」という。)とし、複数の事業者がこれに該当する場合には、当該複数の事業者のうちのいずれかの者を受注予定者とする | ||
(イ) 前記(ア)以外の場合には、あらかじめ特定マリンホース(本店所在国を使用地とするものを除く。)のうち各社が受注すべきものの割合(以下「受注割合」という。)を定めた上、受注予定者の選定等の業務をコーディネーターと称する者(以下「コーディネーター」という。)に委任し、8社又は各社の販売代理店の中から複数の者が特定マリンホースの見積価格の提示を求められた場合には、受注割合に基づき算出される各社が当該見積価格の提示を求められた日の前月末までの間に受注すべき特定マリンホース(本店所在国を使用地とするものを除く。)の金額と各社が同期間に受注した金額との過不足、当該見積価格の提示を求めたマリンホースの需要者に係る特定マリンホースの過去の各社の受注実績の有無、各社の受注希望の有無等を勘案して、コーディネーターが選定する者を受注予定者とする | |||
イ | 受注すべき価格は、受注予定者が定め、受注予定者以外の者は、受注予定者がその定めた価格で受注できるように協力する旨の合意の下に、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにしていた。 | ||
(2) | ア | 前記(1)の合意に基づき、8社は、英国ルースに本店を置くピーダブリュー・コンサルティング・インターナショナル・リミテッドの代表者であった者をコーディネーターとし、特定マリンホース(本店所在国を使用地とするものを除く。)について、コーディネーターに対して受注割合を報告した上、
8社の特定マリンホースに係る営業担当幹部及びコンサルタント(以下これらを「営業担当者」という。)は、それぞれ、コーディネーターに対して、自社の特定マリンホースの受注実績を報告するとともに、
自社又は販売代理店がマリンホースの需要者から特定マリンホースの見積価格の提示を求められた場合には、その旨、当該見積金額の提示を求めたマリンホースの需要者に係る特定マリンホースの過去の自社の受注実績の有無、自社の受注希望の有無等を報告し、コーディネーターは、これらの報告を基に、受注予定者を選定し、受注予定者の営業担当者に対し、受注予定者である旨を通知していた。 これらの報告、通知その他の連絡を行うに当たっては、営業担当者及びコーディネーターは、違反行為の発覚を防止するため、各社の商号に代えて、5社のうち株式会社ブリヂストンについては「A1」、横浜ゴムについては「A2」、5 社のうちダンロップ・オイル・アンド・マリーン・リミテッドについては「B1」、5 社のうちトレルボーグ・インダストリーズ・エスエイエスについては「B2」、コミタル及びアイティーアールについては「B3」、マヌーリ・ラバー及びマヌーリ・マリンについては「C」のコードネームを使用していた。 また、営業担当者及びコーディネーターは、タイ王国バンコク、アメリカ合衆国キーラーゴ及び英国ロンドンにおいて会合を開催し、各社が委任した前記(1)ア(イ)の業務についてコーディネーターから報告を受けるなどしていた。 |
|
イ | 前記(1)の合意に基づき、5社のうち株式会社ブリヂストン及び横浜ゴムの2社(以下「2社」という。)は、我が国を使用地とする特定マリンホースについて、 各需要者に係る特定マリンホースの過去の2社の受注実績等を勘案し、2 社の間の話合いにより受注予定者を決定していた。 | ||
3 | 8社は、前記2により、特定マリンホースのうち我が国に所在するマリンホースの需要者が発注するもののすべてを受注していた。 | ||
4 | アメリカ合衆国において、平成19年5 月2日、同国政府によりコーディネーター及び5社の営業担当者が逮捕されたことから、前記2 (1)の合意に基づき受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにする行為は取りやめられている。 | ||
第2 法令の適用
前記事実によれば、
8社は、共同して、特定マリンホースについて、受注予定者を決定し、受注予定者が受注できるようにすることにより、
公共の利益に反して、特定マリンホースのうち我が国に所在するマリンホースの需要者が発注するものの取引分野における競争を実質的に制限していたものであって、これは、独占禁止法第2条第6項に規定する不当な取引制限に該当し、独占禁止法第3条の規定に違反するものである。また、違反行為が長期間にわたって行われていたこと、違反行為の取りやめがアメリカ合衆国政府によるコーディネーター及び5社の営業担当者の逮捕を契機とするものであること等の諸事情を総合的に勘案すれば、8社のうち横浜ゴム、コミタル及びマヌーリ・マリンの3
社を除く5社については、
特に排除措置を命ずる必要があると認められる。
よって、
5社に対し、独占禁止法第7条第2項の規定に基づき、主文のとおり命令する。
平成20年2月20日
別紙
タンカーと石油備蓄基地施設等との間の送油に用いられるゴム製ホース(
昭和45年4 月に設立された英国ロンドンに所在するオイル・カンパニーズ・インターナショナル・マリン・フォーラムが定める製品規格及び検査基準を満たすものをいい、その付属品が併せて発注される場合には当該付属品を含む。)