2008年09月09日 マツダ

マツダ、樹脂の使用量を30%削減できるプラスチック成形技術を開発

 マツダ株式会社(以下、マツダ) は、車両軽量化の技術として、自動車用に使われるプラスチック部品の質量を大幅に削減できるプラスチック成形技術を開発した。この製造技術により、材料と なる樹脂の使用量を約20−30%削減でき、大幅な材料軽減、軽量化を実現することが可能となる。

 自動車プラスチック部品の主な製造法である射出成形法において、材料となる樹脂に混ぜる発泡剤に、窒素や二酸化炭素などの一般的な不活性ガスを超臨界流体*1させたものを利用し、超臨界流体の、物質に分子レベルで混ざりやすい特性を活かし、溶かした樹脂の流動性を高め、より少ない材料を金型内に速く広範囲に充填することができるようにした。

*1 超臨界流体:
  臨界点と呼ばれる物質によって固有の温度・圧力以上の状態にある流体のこと。
  気体の拡散性と、液体の溶解性の両方の性質をもつ状態。
  「超臨界流体化」した窒素や二酸化炭素は気体状態よりも樹脂に溶解しやすい特性を持ち、微細で均一な発泡形成を行うことが出来る。(常温、常圧ではほとんど溶けない)

 また製造工程においては、材料となる樹脂量を減らしても製品の厚みを増すことができるコアバック膨張成形*2を採用

*2 コアバック膨張成形:
 発泡性の樹脂を金型に充填した後に、金型の容積を拡大して樹脂を膨張発泡させる工法。
 見かけ体積を増加させ、低密度でありながらも剛性のある成形品が得られる。

【コアバック膨張成形工法】

コアバック膨張成形工法

超臨界流体を発泡剤として混ぜた溶解樹脂をすばやく広範囲に金型に注入
          ↓
一定時間後にコアバック(金型を引く)することにより複層構造を形成