具体的な内容は下記の通りです。
1.ブリヂストンの環境長期目標
【環境長期目標の考え方】「100%サステナブルマテリアル化」:当社グループの技術力・開発力を活かし、重点的に取り組む領域
「(CO2削減に向けた)グローバル目標への貢献」:既に取り組みを進めており、一定の成果も見られる領域
「生物多様性 ノーネットロス」:上記2つの領域において取り組みを進めた結果として実現を目指す領域
2.「100%サステナブルマテリアル化」に向けた具体的なアクション
3.「100%サステナブル化」を達成するために追求する技術
(1)「新しい再生可能資源に『拡げる』」取り組み
@天然ゴム生産地域の多様化熱帯での天然ゴム資源に加えて、新たに乾燥帯や温帯で育つ天然ゴム資源となる植物を栽培し活用する技術です。天然ゴム生産の地域的集中を緩和することを目指します。グアユール (米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯が原産の低木で、その幹部などに天然ゴムを含んでいる植物)やロシアタンポポ(一般的なタンポポとは全く異なる植物で、カザフスタンおよびウズベキスタン原産の多年草で、その根部に天然ゴムを含んでいる)がその例です。A植物由来補強繊維の多様化・拡充
タイヤ用補強繊維は現在、ポリエステルやナイロンなどの原油由来繊維とレーヨンのような植物由来繊維を使用していますが、植物由来繊維の供給性を大幅に向上させることができる「新セルロース※1繊維」の実用化に向けた取り組みをスタートします。※1 植物細胞の細胞壁および繊維の主成分。天然の植物質の1/3を占め、地球上で最も多く存在する炭水化物。
(2)「化石資源を再生可能資源に『換える』」取り組み@バイオマス由来合成ゴムの開発バイオマスから作った中間原材料を用いて合成ゴムを得る技術です。これまで蓄積した原材料合成技術を生かして再生可能資源化することを目指します。バイオエタノール由来のブタジエンを用いた合成ゴムがその例です。Aバイオマス由来カーボンブラックの開発バイオマスから作った中間原材料を用いてカーボンブラックを得る技術です。これまで蓄積した原材料合成技術を生かして再生可能資源化することを目指します。植物油脂類を原料油として用いたカーボンブラックがその例です。
Bバイオマス由来新規ゴム材料の開発バイオマスから得られる基本化合物は糖質からのバイオエタノール、植物油脂類からの脂肪酸 (パーム油から採れる油脂を分解したもの)、木材からのセルロース、リグニン(木材の内、セルロース以外の主成分)など炭素と水素に加えて酸素が多く含まれるものがあります。この多様性を生かして、新規に高性能ゴム材料を開発することに取り組んでいます。