2009年12月25日 出光興産
二又風力開発株式会社の資本提携および共同事業について
日本風力開発株式会社(本社:東京都港区、社長:塚脇 正幸、以下、「JWD」)と出光興産株式会社(本社:東 京都千代田区、社長:中野 和久、以下、「出光」)は、JWDの子会社である二又風力開発株式会社(以下、「FWD」)の第三者割当増資を共に引き受け、 共同で事業を推進することを本日決定しましたので、お知らせします。
JWDと出光は、2009年3月30日に「共同事業に関する協定書」を締結して以来、CO2フリーのエネルギー供給を拡大す
ることを目的として、蓄電池を併設した風力発電所の共同事業について協議を進めています。その成果のひとつとして、12月8日に「二又風力開発株式会社に
関する株主間協定書」を締結し、これに基づいて本日、第三者割当増資を引き受けることが決定しました。さらに、出光はFWDが発電する電力と環境価値を初年度は40%(出資比率相当)、2年目以降は全量を引き取り販売していきます。
三菱地所の新丸の内ビルディングに販売
FWDは、世界で初めて大型蓄電池を併設した風力発電所です。2010年4月からは、出光がCO2ゼロの電力を新丸の内ビルディングに供給することで三菱地所株式会社と合意しています。
自然エネルギーは、出力が不安定で取り扱いが難しいため、電力会社への送電量が制限されてきました。しかし、蓄電池を併設することにより、需要に応 じて出力させることが可能となり、送電線への負担を大幅に減少させることができます。このように、需給調整ができる風力発電所が増えれば、電力会社への送電量も増やすことができ、CO2フリーのエネルギー供給の拡大に繋がります。JWDと出光では、今後も共同事業について協議を進めてまいります。
1.二又風力開発株式会社 出資概要
資本金 | 38億円(出資総額75億円のうち、37億円は資本準備金) |
---|---|
出資比率 | JWD 59.96% 出光 40.00%(出資金額 30億円) 青森県六カ所村 0.04% |
2.今後の事業展開について
(1)FWDにおける取り組み
JWDと出光は、電力の需給調整機能を果たす蓄電池の特徴を活かし、スマートグリッドなどでの活用方法を共同で検討してまいります。
(2)JWD、出光の取り組み
先に締結した「共同事業に関する協定書」に基づき、CO2フリーのエネルギー供給の拡大をめざし、蓄電池を併設した新たな風力発電所の開発および発電した電気・環境価値の販売に両社で協力して取り組んでまいります。
3.当事会社の概要
【日本風力開発株式会社】
商号 | 日本風力開発株式会社 |
---|---|
代表者 | 代表取締役社長 塚脇 正幸 |
本社所在地 | 東京都港区新橋2-5-5 |
設立 | 1999年7月26日 |
上場 | 東証マザーズ(証券コード 2766、2003年3月14日上場) |
資本金 | 95億5百万円(2009年11月末) |
売上高 | 71億9千8百万円(連結、2009年3月末) |
従業員数 | 128名(2009年9月末) |
事業概要 | 風力発電所の建設と発電事業 |
設備
KWx 基発電容量
KW運転開始 六ヶ所村風力開発 青森県六ヶ所村 @1500x20 30,000 2003/12 A1425x 2 2,850 2004/11 二又風力開発 青森県六ヶ所村 1500x34 51.000 2008/5 珠洲風力開発 石川県珠洲市 @1500x10 15,000 2007/5 A1500x20 30,000 1/2 2008/3 1/2 2008/12 銚子屏風ヶ浦風力開発 千葉県銚子市 銚子屏風ヶ浦風力発電所 1500x 1 1,500 2001/9 銚子小浜風力発電所 1500x 1 1,500 2003/9 銚子風力開発 千葉県銚子市 銚子風力発電所 1500x 9 13,500 2004/11 八木風力発電所 1500x 6 9,000 2006/7 南房総風力開発 千葉県鴨川市 1500x 1 1,500 2007/4 千葉県館山市 1500x 1 1,500 2004/10 MJウィンドパワー市原 千葉県市原市 1500x 1 1,500 2004/3 三浦ウィンドパーク 神奈川県三浦市 400x 2 800 1997/5 渥美風力開発 愛知県田原市 1500x 7 10,500 2006/12 由良風力開発 和歌山県日高郡由良町 2000x 5 10,000 2011/8予 大山ウィンドファーム 鳥取県大山町 大山風力発電所 1500x 6 9,000 2005/11 名和風力発電所 1500x 3 4,500 2007/3 中山風力発電所 1500x 5 7,500 2007/3 平生風力開発 山口県熊毛郡平生町 1500x 6 9,000 2008/12 肥前風力発電 佐賀県唐津市 肥前風力発電所 1500x 8 12,000 2005/3 肥前南風力発電所 1500x12 18,000 2008/1 江差風力開発 北海道江差町 1500x13 19,500 2010/5予 エヌエスウィンドパワーひびき 北九州市若松区 1500x10 15,000 2003/3 胎内風力開発 新潟県胎内市 2000x10 20,000 2012/1予 えりも風力開発 北海道えりも町 400x 2 800 1996/6 銭函風力開発 小樽市銭函 2000x20 40,000 開発中 松前風力開発(2009/11設立) 北海道松前町 2000x20 40,000 未 吹越台地風力開発(2009/11設立) 青森県六ヶ所村吹越地区 2000x10 20,000 未 日本風力開発 東伯風力発電所 鳥取県東伯郡琴浦町 1500x13 19,500 2007/3 JWD Till-Moyland Windpark GmbH ドイツ ザルツベルゲン市 2500x 1 2,500 2001/6 MITOS Windpark GmbH ドイツ ザルツベルゲン市 1500x 2 3,000 2004/12 JWD Rees Windpark GmbH ドイツ ザルツベルゲン市 1500x 1 1,500 2001/3
【二又風力開発株式会社】
商号 | 二又風力開発株式会社 |
---|---|
代表者 | 代表取締役社長 松島 聡 |
本店所在地 | 青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字弥栄平1-87 |
設立 | 2003年9月12日 |
資本金 | 38億円(増資後予定) |
事業概要 | 風力発電所の運営・発電 |
設備概要 | (1)発電設備 51,000kW(1,500kW×34基) (2)蓄電池容量 34,000kW |
【出光興産株式会社】
商号 | 出光興産株式会社 |
---|---|
代表者 | 代表取締役社長 中野 和久 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内3-1-1 |
設立 | 1940年3月30日(創業1911年6月20日) |
上場 | 東証一部(証券コード 5019、2006年10月24日上場) |
資本金 | 1,086億6百万円(2009年3月末) |
売上高 | 3兆7,984億8千9百万円(連結、2009年3月末) |
従業員数 | 7,826名(連結、2009年3月末) |
事業概要 | 石油精製と油脂製造・販売、石油、石炭、地熱その他鉱物資源の調査・開発並びに採取 |
ーーーーーーーーーーーーーーー
風力発電量
2006年度の国内の風力発電量は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査によると、149万527KWで、前年度比38.2%増加した。出力が10キロワット以上の風力発電機は1314基となり、2005年度末から264基増えた。
温暖化対策が喫緊の課題となり、政府は風力発電量を2010年度までに300万KWへ引き上げる目標を掲げる。ただ欧米に比べると、導入速度は遅い。日本は風車の立地条件に恵まれておらず、政府の環境整備も不十分といった指摘がある。
1位。
首位は東京電力と豊田通商が出資するユーラスエナジーホールディングスだった。1999年、北海道苫前町に2万KWの発電所を初めて設置して以来、北海道や青森県を中心に大規模な施設を運営する。他社をリードしているが、2006年度に稼働した発電所はなく、シェアは低下した。
設立年月日 2001年11月1日(2002年9月30日に現商号に変更) 株主 東京電力株式会社: 60% / 豊田通商株式会社: 40% 操業中の設備容量
アジア 577,054KW うち韓国 138,994W
アメリカ 523,960KW
ヨーロッパ 726,240KW スペイン 507,740、イタリア 169,200、イギリス 38,100
合計 1,827,254KW +建設中 84,050KW(日本)
2位。
二位は電源開発株式会社(Jパワー)で順位は変わらなかったものの、2007年2月に発電量が6万5980KWの「郡山布引高原風力発電所」(福島県郡山市)の稼働でシェアを伸ばした。2千キロワット級の風車を33基備える国内最大のウインドファームで、一般家庭約3万5千世帯の年間消費量に相当する電力を供給できる。
国内13地点で合計出力264,380kWの風力発電所が営業運転しており、海外ではポーランドにて2008年9月、ザヤツコボ風力発電所(48,000kW)が営業運転を開始した。
これらに 続く有望な地点開発に向けて、国内外において風況調査等を実施している。(2009年8月現在)
3位。
2005年度は四位だった東証マザーズ上場の日本風力開発が三位に浮上。発電量が1万9500KWの「東伯風力発電所」(鳥取県琴浦町)など同県内の3施設、愛知県田原市と千葉県銚子市に設けた発電所が相次ぎ運転を始めた。
2009年9月末の日本国内外における当社グループの風力発電所の設備容量は、272,450kWとなり、当該風力発電所がほぼ順調に稼動した結果、当中間連結会計期間における風力発電による売電収入は1,937百万円(前年同期70.9%の増加)となりました。
4位。
四位は荏原子会社のエコ・パワー。2006年度に発電所の新設がなく、順位を下げた。
エコ・パワーの風力発電所は、北海道、東北をはじめ、九州に至るまで、年間を通じて風の状態が風力発電に適した土地を選び、すでに20地域で119基を稼動中。その総発電容量は、130,510KWに達しています。
五位は2005年度同様、丸紅が入った。2007年3月に発電量2万キロワットの「三崎ウインドパーク」(愛媛県三崎町)が四国電力へ電力供給を始めた。
日本初・CO2排出量ゼロのエネルギー「生グリーン電力」の活用スタートへ
〜出光興産が三菱地所所有の新丸ビルへ供給〜
三菱地所株式会社(本社:東京都千代田区、社長:木村 惠司、以下、三菱地所)と出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:中野 和久、以 下、出光)は、出光が供給する「生グリーン電力」を三菱地所所有の「新丸の内ビルディング」(千代田区丸の内1-5-1)において受電することを本日合意 しましたのでお知らせします。
これまで、グリーン電力証書システム※1の事例はありますが、再生可能エネルギー100%の「生グリーン電力」※2を直接需要地が受電する取り組みは日本で初めてとなります。
出光は、二又風力開発株式会社(所在地:青森県上北郡六ヶ所村)などによって発電した生グリーン電力を2010年4月から託送※3により、直接新丸ビルに供給します。三菱地所は、新丸ビルで使用する電力すべてを「生グリーン電力」で賄い、これにより、新丸ビルのCO2排出量が年間約2万t削減されることとなります。
なお、三菱地所と出光は、東京都、千代田区ならびに青森県が進める「再生可能エネルギー地域間連携」の仕組みに参加することを今後検討して参ります。
発表日:2009.12.04
東京都、再生可能エネルギー地域間連携を開始し、その民間パートナーを募集
東京都は、青森県及び千代田区と、再生可能エネルギー地域間連携に関する協定を締結した。これは、都市の旺盛なエネルギー需要に対し、自然エネル ギーの豊かな地域が創り出す再生可能エネルギーを活用することで、都市のCO2削減と地域の経済活性化及び雇用拡大とを同時に達成することを目指すもの。 今回の協定はその第一歩となる。同協定を踏まえ、都は、その民間パートナーを平成21年12月4日(金)から募集する。参加要件は、再生可能エネルギー地 域間連携の趣旨に賛同し、再生可能エネルギーの需要と供給に関する具体的なプロジェクト案件を有する二者以上の企業又は団体の共同参加であることとし、その取組内容は、
1)再生可能エネルギーの積極的な発電、
2)再生可能エネルギーの積極的な供給、
3)再生可能エネルギーの積極的な利用、
4)再生可能エネ ルギー地域間連携を促進する金融に係る活動、
5)その他1)から4)の取組を支援する活動とする。
※1 グリーン電力とは、風力、太陽光、バイオマス(生物資源)などの再生可能エネル ギーにより発電された電力のことで、「電気そのものの価値」の他に「環境付加価値」を持つ電力と考えられる。この「環境付加価値」を、電力と切り離して 「グリーン電力証書」という形で購入し、通常使用する電気と組み合わせることで、再生可能エネルギーにより発電されたグリーン電力を使用しているとみなす ことができるシステム。
※2 発電所から需用者に直接送られたグリーン電力。需用者はグリーン電力を「みなし」ではなく、直接電気として使用する。
※3 他の電力会社が保有・運用している送配電網を使って、発電所から需用者に電気を送ること。