平成19年2月8日  三菱ケミカルホールディングス

機能材料分野の再編・統合及び三菱樹脂株式会社株式に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

 株式会社三菱ケミカルホールディングスとその完全子会社である三菱化学株式会社は、三菱ケミカルホールディングスグループの機能材料分野の再編・統合を目的として、本日開催されたそれぞれの取締役会において、以下の諸施策を行うことを決議しましたので、お知らせいたします。

(1) 三菱化学は、三菱樹脂株式会社(三菱化学は同社の発行済株式の52.61%を保有)のすべての発行済株式を三菱化学が公開買付けにより取得いたします。
(2) 本公開買付け後に、三菱化学は、平成19年9月下旬を目途として、三菱化学の完全親会社である三菱ケミカルホールディングスに対し、三菱化学が保有する三菱樹脂のすべての株式の移管を行い、三菱ケミカルホールディングスが三菱樹脂の株式を直接保有する予定です。
 なお、本公開買付けによって、三菱化学が三菱樹脂のすべての発行済株式を取得できなかった場合、取得できなかった株式については、三菱ケミカルホールディングスが、平成19年10月1日を株式交換の効力発生日として、三菱樹脂との間で三菱ケミカルホールディングスの株式を対価とする株式交換を行い、同日付で三菱ケミカルホールディングスが、三菱樹脂を完全子会社とする予定です。

(3) また、三菱ケミカルホールディングス、三菱化学及び三菱ケミカルホールディングスグループの機能材料事業子会社4社(三菱樹脂、三菱化学ポリエステルフィルム株式会社、三菱化学産資株式会社、三菱化学エムケーブイ株式会社(総称して「機能材料事業子会社4社」)は、上記(2)において三菱ケミカルホールディングスが三菱樹脂を完全子会社とした後、平成20年4月1日を目途として、三菱化学が行っている機能材料分野の事業も含めて、機能材料事業子会社4社を三菱ケミカルホールディングスの全額出資子会社として、再編・統合し、その詳細については今後関係当事者が協議の上決定することについて本日基本合意いたしました。


他に 三菱化学、アプコ社を100%子会社化

機能材料分野の再編・統合及び本公開買付けの目的等については下記の通りです。

1 機能材料分野の再編・統合及び本公開買付けの目的等
(1) 本公開買付けの背景
 三菱化学は、三菱化学の子会社であった三菱ウェルファーマ株式会社とともに、平成17年10月、株式移転により共同持株会社である株式会社三菱ケミカルホールディングスを設立いたしました。三菱ケミカルホールディングスグループは、現在、3ヵ年(平成17年4月1日から平成20年3月31日まで)の中期経営計画である「革進−Phase2」に沿って、石油化学、機能商品、ヘルスケアの3つの事業セグメントを柱として、事業の選択と集中を一層徹底し、将来の成長と飛躍に向けた諸施策を遂行しているところであります。

@ 三菱ケミカルホールディングスグループにおける機能材料事業の再編・統合の必要性
 三菱ケミカルホールディングスグループにおいて、機能商品セグメントは、新商品化を加速し、事業展開力の充実・強化を行い、三菱ケミカルホールディングスグループの成長を牽引するとともに、グループ全体の約半分の営業利益を担うことが期待されています。機能商品セグメントは、大きく分けて機能化学と機能材料の2つの事業分野から構成されますが、そのうち機能材料分野の事業を行っている三菱ケミカルホールディングスグループの主要な連結対象子会社としては、三菱化学のほか、三菱化学の直接出資子会社であり、かつ本公開買付けの対象者である三菱樹脂(なお、三菱化学は、同社の発行済株式総数の52.61%を保有しております。)、並びに三菱化学の直接全額出資子会社である三菱化学ポリエステルフィルム、三菱化学産資及び三菱化学エムケーブイがあります。機能材料事業を行っているこれらの各社は、情報・エレクトロニクス、自動車、住宅・建築、土木、各種パッケージング、生活資材等幅広い分野のお客様のニーズにお応えすべく、これまで培ってきた各種材料の加工技術や事業ノウハウをベースに開発・製品化した各種部材や商品あるいはサービスを提供しております。
 近年、各種材料の加工分野では、お客様のニーズがますます多様化、高度化、複合化してきており、これらのニーズに的確にお応えする製品あるいはサービスを一層タイムリーに提供していくことが求められております。こうした事業環境の中で、三菱ケミカルホールディングスグループの機能材料分野においては、樹脂をはじめとする各種材料の加工技術をベースに、異種素材複合化をはじめ、表面制御機能化、環境適合化等の技術開発力を高めるなど、
お客様の課題を解決するために必要な「価値を複合化し形にしてご提供する」ための事業展開力を強化してまいりました。
 この機能材料分野において今後ますます多様化、高度化、複合化していくことが予想されるお客様のニーズにより的確にお応えし続けていくためには、迅速な意思決定と柔軟かつ効率的な経営施策の実施を通じてグループシナジーの最大化を図ることにより、事業展開力・課題解決力をより一層強化していく必要があり、三菱ケミカルホールディングスグループは、この目的を達成するために、これまで三菱化学及び機能材料事業子会社4社がそれぞれ行っていた機能材料分野の事業並びに各社の経営資源を再編・統合(以下「本再編・統合」といいます。)することが不可欠であると考えるに至りました。

A 本再編・統合の内容とその効果
 本再編・統合の実現のため、三菱化学、三菱ケミカルホールディングス並びに三菱樹脂、三菱化学ポリエステルフィルム、三菱化学産資及び三菱化学エムケーブイは、下記(2)に記載する手続により、三菱ケミカルホールディングスが三菱樹脂を完全子会社とした後、平成20年4月1日を目途として、三菱化学が行っている機能材料分野の事業を含めて、機能材料事業子会社4社を三菱ケミカルホールディングスグループの機能材料分野を担う三菱ケミカルホールディングスの全額直接出資子会社(以下「統合新社」といいます。)として再編・統合し、その詳細については今後関係当事者が協議の上決定することについて、平成19年2月8日付で基本合意いたしました。
 本再編・統合の結果、統合新社は、共同持株会社である三菱ケミカルホールディングスの統括の下で、機能材料分野を担う事業子会社となります。統合新社は、これまで三菱化学及び機能材料事業子会社4社がそれぞれ行っていた三菱ケミカルホールディングスグループにおける機能材料分野の事業並びに経営資源の集約を図り、各社がこれまで独自に培ってきた事業ノウハウを相互に積極的に活用することでシナジーを最大化し、事業展開力・課題解決力をさらに強化することが可能になります。それにより、統合新社は、三菱ケミカルホールディングスの事業子会社として、お客様のニーズによりスピーディーかつ的確にお応えし、これまで以上に幅広い分野でお客様の良きパートナーとしての役割を担える企業となることを目指してまいります。本再編・統合は、三菱ケミカルホールディングスグループが志向する成長戦略に沿ったものであり、三菱樹脂が培ってきた事業を中心に機能材料分野を名実ともに三菱ケミカルホールディングスグループの中核事業の1つとして位置付け、より発展させていこうとするものであります。

(2) 三菱ケミカルホールディングスによる三菱樹脂の完全子会社化について

以下略

  http://www.mitsubishichem-hd.co.jp/newsreleases/2007/pdf/20070208-1.pdf

2007年02月08日 Chemnet Tokyo
 
冨澤社長「機能材料統合は将来発展への布石」
 
 三菱ケミカルホールディングスの冨澤龍一社長は8日、記者会見し「機能材料分野の再編・統合」について要旨次の通り語った。

 「現在、機能材料事業子会社4社と三菱化学機能材料分野の事業は、いずれも順調に伸びている。しかし、需要業界のニーズは今後ますます多様化、高度化、複合化する見通しにあり、競争も激しくなる。引き続き安定成長を遂げていくには、子会社4社と三菱化学の機能材料部門の統合は不可欠と判断した。今後は幅広い範囲のユーザーのニーズに、より的確に対応していけることになる。今回の統合は、合理化を目的としたものではなく、あくまで将来大きく発展していくための布石だ。今後シナジーの最大化が図れるよう努力していきたい」
 
 なお、統合新会社は2008年4月1日付で設立の予定。社名は「三菱樹脂株式会社」とし、社長などは未定。従業員は約6,800人。売上高約3,880億円、営業利益約260億円(07年3月期予想)規模となるが、冨澤社長は会見で「5年後には売上高5,000億円、営業利益500億円を達成したい」と語った。