韓国 Hanwha  2017/1/1

韓国Samsung Groupは2014年11月26日、Samsung General Chemical や、防衛産業を手掛ける Samsung Techwin などを韓国Hanwhaに1.9兆ウォン(約2000億円)で売却すると発表した。
Hanwha Groupは今後、経営成果によって、1000億ウォンを追加で払うオプション契約も交わした。

石油化学については、Hanwha Chemical とHanwha Energy が共同で買収する。

Samsung General、Samsung Total の所有権は2015年4月30日にHanwhaに変更され、同日付で社名を変更した。

新社名:Hanwha General Chemicals
                 Hanwha Total Petrochemical Co., Ltd.  (従来のPetrochemicals からPetrochemical に)

2014/12/1   Samsung Group、防衛、石化事業をHanwhaに売却 

 

ハンファケミカル

ハンファケミカルは、1965年に設立された総合化学企業であり、PE(ポリエチレン)からPVC (ポリ塩化ビニル)、 CA(塩素・苛性ソーダ)にいたる一貫生産システムを構築しています。韓国の石油化学部門において先導企業の位置づけにあるハンファグループのケミカル部門の中核系列会社であり、韓国で初めてPVC、CA、LDPE(低密度ポリエチレン)などを生産し、韓国の化学産業をリードしてきました。現在、製品の高付加価値化と原価競争力の向上で、業界では最高のビジネス競争力を確保しています。

2012年、韓国初の高含量EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)の商業生産に成功したハンファケミカルは、2016年 PVCの機能を向上させたCPVC(塩素化塩化ビニル樹脂)技術の国産化に成功し、年間3万トン規模の生産ラインを建設しています。その他にも多様な汎用製品の機能を向上させる一方、高付加価値製品の開発のためにKAISTと共同で未来技術研究所を設立するなど、R&D強化に集中しています。グローバル市場の需要に応じ、原価競争力を高めるための生産現場の効率化と戦略投資も着実に推進しています。ハンファケミカルが2011年中国浙江省の寧波市に建設した年産30万トン規模のPVC工場は、持続的な工程改善を通して生産力を増大し、現在は年産36万トンの生産力を保有しています。独自で開発した技術をもとにタイのバンプリー工業団地に建設された年産1.7万トン規模のアルカリ水溶性樹脂の工場も東南アジア市場拡大の中核基地としての役割を果たしています。韓国の石油化学企業としては初めて中東地域の石化市場へ進出し、2011年サウジアラビアの民間石油化学企業と合弁投資契約を締結したハンファケミカルは、2015年 IPC(International Polymers Company)がEVAとLDPEを、GACI(Gulf Advanced Cable Insulation)がW&C(電線用樹脂)の商業生産をスタートし、原価削減と規模の経済を実現しました。2016年には、ハンファファインケミカルを戦略的にM&Aし、ハンファケミカルのCA、VCM(塩化ビニルモノマー)の生産工程とのシナジーを最大化しました。一方、ポリウレタン製品の原料であるTDI (トルエンジイソシアネート)の生産効率も向上させました。

将来の成長産業分野にも投資を続け、グローバル化学企業として成長しています。世界的な太陽光企業を買収して早期に競争力を確保し、成長している太陽光市場に積極的に取り組んでいます。太陽光のアップストリーム分野の競争力の確保のためヨス国家産業団地内に年産1万トン規模のポリシリコン工場を完成し、2014年初頭に商業生産をスタートし、関連する系列会社とのシナジーをもとに、太陽光分野のグローバル先導企業として飛躍するための投資を続けています。

ハンファ総合化学

韓国総合化学は、1974年に設立されたケミカル企業であり、2015年にハンファグループの一員になりました。国の基幹産業であり経済発展の原動力であったPTA(高純度テレフタル酸)を韓国では初めて国産化し、現在年産200万トン規模の生産力を有しています。PTAは各種ポリエステル(Polyester)素材の主な原料として、アパレル用繊維、産業用繊維、フィルム、塗料に使われており、その用途はさらに拡大しています。

ハンファ総合化学は、世界トップレベルの競争力で国内生産およびマーケットシェア1位の地位を今後も維持するのはもちろん、これまで蓄積してきた経験と専門性をもとに2010年、PTA工程技術を中東に輸出し、その技術力が世界で認められました。ハンファグループのM&A後、化学系列会社のシナジーを活用して原価競争力を強化する一方、市場多角化のための経営と営業革新を推進しています。最近は、中国以外の欧州、中東および米国市場を対象に輸出先の多角化戦略を積極的に模索しています。ハンファ総合化学は、40年間蓄積してきたPTA関連技術とバリューチェーン内の関連事業に対する研究開発に集中し、新しい競争力を確保していきます。

ハンファトタル

ハンファトタルは、1988年の創立以来、たゆまない技術革新とグローバル市場拡大に拍車をかけ、韓国の石油化学産業の発展を牽引しています。ハンファトタルは、2003年に世界的なエネルギー・ケミカル企業であるフランスのトタルグループと合弁によって、グローバルエネルギー・ケミカルカンパニーとして成長するための土台をつくり、2015年ハンファグループの系列会社として新しく加わって以来、創立後最大規模の営業利益を実現し、新たな発展の転機を迎えました。

忠南・瑞山(チュンナム・ソサン)市の大山(デサン)石油化学団地に18の単位工場で構成された総合エネルギー・石油化学コンプレックスを有しているハンファトタルは、エチレン、プロピレンなどの基礎原料からスチレンモノマー(SM)、パラキシレン(PX)、エチレングリコール(EG)などの化成製品(Base Chemical)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など、暮らしの中で使われている多様な素材の原料である石油化学製品をはじめ、ガソリン、軽油、航空油、LPGなど様々なエネルギー製品を生産しています。

韓国の石油化学会社としては唯一、石油化学工場の中核設備であるNCC(ナフサ分解センター)と精油会社の石油精製設備であるCFU(コンデンセート分解設備)および芳香族工場(BTX生産設備)を有しており、石油化学原料の需給から最終製品生産にいたるまでの垂直系列化を達成しました。ハンファトタルは、これらによって原材料・エネルギー・物流・設備を有機的に連係・運営する生産効率の最適化と製品ポートフォリオの多角化を実現し、安定的な成長基盤を確保しました。また、2010年に精製業として登録してから本格的にエネルギー事業を展開しています。2014年、創立以来最大規模の投資に踏み切り、第2芳香族工場、CFU工場、EVA工場の新・増設プロジェクトを成功裏に完了し、エチレン生産能力は年産100万トン、PXは年産177万トン、SM年産105万トンなど、主力製品において規模の競争力を確保しました。

品質革新によるマーケットの支配力も強化し、太陽電池用EVA製品は、世界市場のシェア1位を占め、2015年には産業通商資源部の選定する「世界一流商品」にも選ばれ、その技術力が認められました。保護フィルムや包装材フィルム、ボトルキャップ素材など、各種の高付加価値製品が韓国市場でトップシェアを占めています。ハンファトタルは、ハンファグループの石油化学部門の主力系列会社として関連系列会社とのシナジーを最大化し、グローバル競争力の強化に一層力を入れる方針です。

 

ヨチョンNCC

麗川(ヨチョン)NCCは、世界最高の競争力を備えたナフサ分解施設です。 

1999年ハンファとデリム(大林)が各社のナフサ分解施設(NCC)を50:50の持分で統合して設立したヨチョンNCCは、年間エチレン191万トン、プロピレン97万トンとベンゼン、トルエン、キシレン、スチレンモノマー、ブタジエンなど、石油化学供給原料232万トンを生産しています。自動化・最適化されたナフサ分解設備で生産される高純度の石油化学基礎原料は、ハンファの石油化学関連系列会社が生産する製品が品質競争力を備えるための土台となります。