2010/5/12 朝鮮日報
サムスン、新事業は「エコ」と「健康」
今年3月に経営の第一線に復帰したサムスングループの李健煕(イ・ゴンヒ)会長が新事業戦略を打ち出した。テーマは「エコ」と「健康」だ。
同グループは、10日に李健煕会長主宰で新事業関連社長会議を開き、未来の新事業戦略を確定したと11日、発表した。同日発表された未来の新事業は、太陽電池、自動車用電池、発光ダイオード(LED)、バイオ製薬、医療機器 の五つで、2020年まで23兆ウォン(約1兆9000億円)を投資する計画だ。
太陽電池事業には10年間に6兆ウォン(約4900億円)を投資し、売上高10兆ウォン(約8100億円)を目指す。自動車用電池には、サムスン SDIとドイツボッシュ社との合弁会社・SBリモティブが5兆4000億ウォン(約4400億円)を投資し、売上高10兆2000億ウォン(約8300億 円)を目指す。
LEDについては、ディスプレーばかりでなく一般照明と自動車用部品(ヘッドランプ、室内灯、計器盤など)にも事業を拡大する。このために10年 間に8兆6000億ウォン(約7000億円)を投資し、売上高17兆8000億ウォン(約1兆4000億円)を目指す。
バイオ関連事業に関しては、サムスン電子が昨年新事業として発表したバイオシミラー(ジェネリック生物製剤)が中心となる見込みだ。同グループは5つの新事業を通じて 2020年まで売上高50兆ウォン(約4兆円)を達成し、4万5000カ所の新規雇用を創出する。
【社説】10年後の韓国経済とサムスンの先導的役割
サムスングループは11日、太陽電池、バイオ製薬など5分野に総額23兆3000億円(約1兆9000億円)を投資し、将来的な成長分野とし て育成する方針を示した。分野別の投資額は太陽電池が6兆ウォン(約4900億円)、自動車用電池が5兆4000億ウォン(約4400億円)、発光ダイ オード(LED)が8兆6000億ウォン(約7000億円)、バイオ製薬が2兆1000億ウォン(約1700億円)、医療機器が1兆2000億ウォン(約 1000億円)だ。サムスンは「投資が完了すれば、2020年に5つの新事業で4万5000人分の雇用効果と50兆ウォン(約4兆円)の売り上げが見込ま れる」と説明した。
サムスンは世界経済が低迷する中、昨年は過去最高の業績を上げ、今年も その勢いを持続している。しかし、一方では半導体、液晶テレビ、携帯電話、家電製品などサムスンの主力事業の寿命がそれほど長くはないとの懸念が浮上して いる。李健煕(イ・ゴンヒ)会長は今年3月、経営の一線に復帰し、「今後10年以内にサムスンを代表する事業、製品は大半が消える」と危機感を示した。
こうした危機感から生まれたサムスンの未来戦略は、環境へのやさしさと健康に焦点を合わせている。両分野はともに世界各国が争って参入している分 野ではあるが、サムスンがこれまで本格的な投資を行ったり、業績を上げたりしたことがない新分野だ。サムスンが世界的なライバルと争おうとしていることを 示すもので、現在多額の利益をもたらしている既存事業には安住しないという闘志もうかがえる。
サムスンの今回の決定は、グループ次元では10年後の事業構造再編を狙ったものだが、他の企業に先駆けて投資の方向性を示したという点でも意味が ある。財界を代表するサムスンが未来事業に果敢に投資すれば、経済全体に及ぼす波及効果は少なくない。また、経済回復や雇用創出にもつながる。
無論残念な側面もある。例えば、スマートフォン(多機能携帯電話端末)の開発遅延で明らかになったように、サムスンにとって最大の弱点はソフトウ エア開発に関する戦略が目立たないことだ。製薬業界の世界最大手ファイザーが年間8兆ウォン(約6500億円)を超える資金を研究開発(R&D)に投資す る中、サムスンがバイオ製薬事業に投入する資金は10年間で2兆1000億ウォンにすぎない。これではどれだけ成果が上がるか疑問だ。投資計画をさらに具 体化し、実行過程で絶えず補完していく必要がある。
日本経済新聞 2010/5/11
サムスン、電池など1.9兆円投資 10年で
成長分野、日本勢と競合激化へ
韓国のサムスングループは11日、リチウムイオン電池や発光ダイオード(LED)などの成長5分野で、2020年までに設備投資や研究開発に23兆3000億ウォン(約1兆9000億円)を投じる計画を発表した。20年までに新分野で
50兆ウォンの売上高を目指す。いずれも日本メーカーが成長を見込む分野で、競合が激しくなるのは確実だ。
電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)向けに需要が急増しているリチウムイオン電池には傘下のサムスンSDIを通じて5兆4000億ウォンを投資。独ボッシュとの合弁会社で受注を獲得し、20
年に10兆2000億ウォンの売上高を目指す。
太陽電池は既に研究開発用の生産ラインを稼働中。市況を見ながら20年までに6兆ウォンの量産投資に踏み切り同年の売上高を10兆ウォンに引き上げる。
このほかに液晶テレビのバックライトに使うLEDに8兆6000億ウォンを投資。医療関連では後発薬の「バイオシミラー」などバイオ製薬に2兆1000億ウォン、血液検査器などの医療機器に1兆2000億ウォンを投じる。
新事業への具体的な計画を打ち出すのは薄型テレビなどの主力事業が台湾や中国企業の追撃を受け、長期的な安定成長が見込みにくいためだ。三洋電機が12年度までに電池分野で2000億円前後の設備投資を計画するなど、新規参入分野はいずれも日本勢が新成長産業と位置付けている。日韓に米欧メーカーを加えた先陣争いが激しくなりそうだ。
東亜日報 MAY 12, 2010
三星、未来のキーワードは「エコ」と「健康」
三星(サムスン)グループは20年まで、エコや健康増進(ヘルスケア)など5つの分野の新事業に、計23兆3000億ウォンを投資する計画だ。三星はこれ を通じ、売り上げを50兆ウォンに増大し、4万5000人を新たに雇用する見通しだ。
三星は10日夕、ソウル龍山区漢南洞(ヨンサング・ハンナムドン)の承志園(スンジウォン)で、三星電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長が経営 復帰後、初めての公式的社長団会議を開き、太陽電池や自動車向け電池、発行ダイオード(LED)、バイオ製薬、医療機器の5つの分野を、新たな収益源産業 として決定したと、11日に明らかにした。
太陽電池産業は、生産コストが多くかかるが、効率の高い結晶系太陽電池から先に開始し、その後は単価が割合安い薄膜系事業を進めることにし た。計6兆ウォンを投資し、10兆ウォンの売り上げを上げ、1万人を雇用するという目標を掲げた。
自動車向け電池事業には、5兆4000億ウォンを投資し、10兆2000億ウォンの売り上げを期待している。LED事業は、従来の電子分野 から、照明や自動車向け電気装置部品へと領域を拡大する。8兆6000億ウォンを投資し、17兆8000億ウォンの売り上げを上げる計画だ。
バイオ製薬分野では、計2兆1000億ウォンを投資し、売り上げ1兆8000億ウォンと710人の雇用を作り出す予定だ。また、医療機器産 業では1兆2000億ウォンをつぎ込んで、売り上げ10兆ウォンと9500人の雇用を創出する方針だ。
May 11 2010 .ft.com
Samsung to spend $21bn as it diversifies
South Korea’s Samsung Group will invest $21bn in renewable energy and healthcare during the next decade, seeking new growth drivers to help the world’s biggest electronics maker diversify from its computer chip and mobile phone businesses.
The ambitious investment plans are expected to clear years of uncertainty over the group’s future business direction.
Samsung, South Korea’s biggest conglomerate, makes everything from computer chips to ships and generates one-fifth of the country’s exports.
The investment plans are also aimed at challenging rivals such as General Electric, Philips Electronics and Sanyo Electric in the long term. The strategic investment decision comes less than two months after Lee Kun-hee returned as chairman after receiving a presidential pardon for corruption.
Samsung on Tuesday identified five businesses ? solar cells, rechargeable batteries for hybrid cars, light emitting diode (LED) technology, biopharmaceuticals and medical equipment ? as its future growth drivers.
Samsung expects these businesses to generate $44bn of annual sales by 2020 and create 45,000 jobs.
The group reported Won191,000bn ($168bn) in 2008 sales with 276,000 employees. Samsung has yet to release full-year figures for 2009.
“Governments around the world are investing in green industries to address the issues of depleting energy resources?.?.?.?We must move ahead decisively to take this opportunity while other global companies hesitate,” Mr Lee told the presidents of the group’s leading units.
The three main investment areas are not new to Samsung’s affiliates. About Won11,400bn will be invested in solar cells made by Samsung Electronics and rechargeable batteries produced by Samsung SDI, while Won8,600bn will be spent to expand its LED business. The group will also invest about Won3,300bn on new businesses such as “biosimilars” - versions of biopharmaceuticals whose patents have expired - and medical devices.
Samsung Electronics said last year it would invest Won5,400bn by 2012 to reduce greenhouse gas emissions by developing energy-saving technologies.
The company signed a letter of intent with the government last year to invest in a biosimilar industry development initiative. It also began research and development for crystalline solar battery cells last year.
Mr Lee predicted in March that most of the group’s current businesses and products would disappear in 10 years.
His warning came as Samsung Electronics was riding the dramatic recovery in global chip prices and LCD TV demand. The company built up market share even during last year’s downturn by investing heavily in its main business.
Last month Samsung Electronics reported a seven-fold increase in first-quarter operating profit to Won4,405bn on sales of Won34,638bn.