「燃える氷」実用化へ 深海資源・メタンハイドレート

メタンハイドレート:新潟・上越市沖の海底で確認

 

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メタンハイドレートの問題点

 


朝日新聞 2006/2/19

「燃える氷」実用化へ 深海資源・メタンハイドレート

 日本近海に100年分の埋蔵量があり、石油代替エネルギーとして期待される「メタンハイドレート」の実用化に向け、経済産業省が本腰を入れ始めた。1月には初めて生産コストの試算をまとめ、今年末にはカナダで抽出実験に乗り出し、採掘技術を確立したうえで、10年後の実用化を目指す。生産コストが高いことがネックだったが、原油価格の急騰で採算ラインに乗る可能性が出てきたとしている。



 ただ、これまで生産コストに関する試算はなかった。このため、経産省が今年1月に初めてシミュレーションをまとめ、メタンハイドレートから抽出したガスの取引価格が1バレル当たり54〜77ドルになることが分かった。

 採掘技術も進んできた。01年のカナダでの実験では氷塊を掘り出すのではなく、掘った穴に温水を注入して解かし、分離したメタンガスを吸い取る「加熱法」による採掘に成功。今年末のカナダでの実験では、加熱法よりもコストが低い新たな「減圧法」を試す。経産省はこの実験を通じて、減圧法の採掘技術を確立したい考えだ。


メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム http://www.mh21japan.gr.jp/japanese/

 メタンハイドレート Methane hydrate は石油・天然ガスに代わる次世代資源として脚光を浴びています。エネルギー資源に乏しい日本周辺にも、相当量のメタンハイドレートが分布していると推測されています。

 この新しく未知なメタンハイドレートを資源として開発するため、経済産業省の検討委員会である「メタンハイドレート開発検討委員会(委員長 田中彰一 東京大学名誉教授)」が「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」を作成しました。
 そして、その計画に沿った研究を行うため立ち上げられた機関が「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」通称「MH21研究コンソーシアム」です。このホームページでは「メタンハイドレートとは何か」「MH21はどんな研究を行っているのか」をご紹介いたします。

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(1)熱刺激法

坑井からメタンハイドレート層に水蒸気や温水など温度の高い流体を注入してメタンハイドレートを分解させ、分解したメタンガスを回収する方法です。

(2)減圧法

坑井内の圧力を下げることにより、メタンハイドレートを分解させ、メタンガスを回収する方法です。ポンプによって、メタンハイドレート層周辺の圧力を下げる方法や、坑井内に存在する掘削流体である泥水(でいすい)の量を減らすことにより減圧する方法などがあります。

(3)インヒビター注入法

坑井を通して、分解を促進するインヒビター(メタノールなど)をメタンハイドレート層に注入して、分解したメタンガスを坑井から回収する方法です。


日本近海でメタンハイドレートが見つかっている海域の図
http://www3.kcn.ne.jp/~accent/checkup021020.html


毎日新聞 2006年2月20日 

メタンハイドレート:新潟・上越市沖の海底で確認

 新たなエネルギー資源として注目される「メタンハイドレート」が新潟県上越市沖の海底上(水深約900メートル)に存在することを確認したと20日、東京大や海洋研究開発機構などの研究グループが発表した。秋田沖にかけての日本海に分布する可能性があり、研究グループは「詳細な調査が必要だ」としている。


 研究グループは無人潜水艇などで、04年から日本海を調査。上越市から北西約30キロの地点で、メタンハイドレートが海底面上に露出していることを確認し、採取も成功した。海底面上にハイドレートがあるのは、東アジアでは初めてという。

 周辺の地質構造を調べたところ、ハイドレートと見られる物質が海底下約100メートルまで柱状に存在している場所が2カ所あった。深部にメタンガスが大量に存在し、噴き上げる過程でハイドレートになっている可能性があるという。

新潟県上越市沖の海底で採取したメタンハイドレート=東京大提供