参考 渤海湾の新油田
日本経済新聞 2005/9/20
東シナ海の中国ガス田、採掘開始か・経産相
中川昭一経済産業相は20日の閣議後の記者会見で、中国が日中境界線(中間線)近くの「天外天」と呼ばれるガス田でガスなどの採掘作業を始めた可能性が高いとの見方を示した。施設の煙突から採掘を始めたことを表す火が上がっていることが確認されたという。経産相は「対応を政府内で協議している」としており、中国側に作業中止などを求める考えだ。
東シナ海のガス田問題をめぐっては、中間線に隣接する「春暁ガス田」でも中国海洋石油(CNOOC)が今月にも天然ガスの採掘を始める意向を表明。日本政府がガス田の開発データ提供と作業中止を再三求めているのに対し、中国側が応じない状態が続いている。日本側は事態打開に向け中国に早期の局長級協議再開を要請。中国側は今月中の再開に応じる意向を内々に日本側に伝えており、具体的な調整が進むとみられていた。
日本も試掘権設定手続き | |
2005/07/14 The Sankei Shimbun 東シナ海ガス田の試掘権許可 経産省 中川昭一経済産業相は14日午後、緊急記者会見し、帝国石油から申請のあった東シナ海のガス田の試掘権を許可することを正式に表明した。東シナ海でのエネルギー権益確保への意思を、日本政府として明確にする狙いがある。ただ、中国側が強く反発するのは必至で、エネルギー権益をめぐる日中の対立はさらに深まりそうだ。 試掘権を許可しても、実際に試掘を実施するかどうかは明確ではなく、政府と帝国石油は、中国との関係などを考慮しながら慎重に判断する。 東シナ海のガス田は、日本が主張する排他的経済水域(EEZ)の境界線(日中中間線)にまたがった海域の海底に埋蔵されており、これまで日中が政府間協議を進めてきたものの、境界線は確定していない。 日中の対立が続く中、中国はガス田の開発を続けており、早ければ今夏にも生産が可能になる見通しだ。日本は開発の中止と埋蔵量などのデータの提出を求めているが、中国側は応じない姿勢だ。(共同) 2005/07/15
The Sankei Shimbun 毎日新聞 2005/9/28 |
中国・東シナ海周辺地域 海洋資源(ガス・石油)の開発状況
http://www.iijnet.or.jp/IHCC/seiiki-jukei-city-map01-gas07-kaiyo01.html
「人民網」、2003年8月20日
2003年8月19日、中国海洋石油総公司、中国石油化工集団公司、英ロイヤル・ダッチ・シェル社(*)と米ユノカル社(*)は、東海(東中国海)大陸棚にある窪地・西湖海域での天然ガス5事業に関する契約書の調印式を行った。総面積25万km2に及ぶ東海大陸棚のうち、契約が取り交わされた5事業の対象海域は計2万2,000km。同海域が位置するのは上海市の南東沖約500kmにある大陸棚の窪地・西湖海域で、東海大陸棚の中でも天然ガス資源が最も豊富とされる。20年余りにわたる調査で、「平湖」「春暁」など7カ所の天然ガス田が見つかるなど、豊富な天然ガス層が発見されており、確認埋蔵量と推定埋蔵量の合計は2,000億m3に達する。そのうち「平湖」天然ガス田は1998年から生産を開始し、上海市に年4億5,000m3の天然ガスを供給している。
*ロイヤル・ダッチ・シェルとユノカル撤退
(004年9月30日、日本経済新聞) 英蘭系石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルと米石油大手ユノカルは9月29日、中国海洋石油総公司などと共同で進めていた東シナ海の天然ガス田開発プロジェクトから「商業上の理由」で撤退すると発表した。このプロジェクトには日本と中国の中間線付近に位置し、日中が鋭く対立している「春暁」ガス田が含まれている。中国海洋石油総公司は、両社が撤退しても「計画に大きな影響はなく、予定通り2005年半ばに生産を開始できる見通しだ」との声明を発表した。ユノカルのハンセン副社長は同社のウェブサイトに掲載した声明で、「過去一年にわたり調査と分析を進めたが、商業上の理由でこれ以上プロジェクトを進めないことになった」としたが、判断の根拠は示していない。 |
今回契約された5事業のうち、3事業が調査事業、2事業が開発事業。出資比率は中国海洋石油と中国石油化工集団がそれぞれ30%、シェルとユノカルが
20%ずつ。中国海洋石油が5事業の運営を担当する。契約によると、最初に着手する事業は浙江省寧波市三山沖約350kmにある「春暁」天然ガス田群の開発(投資額90億元)。2005年上半期の生産開始を目指し、生産から2年後には年間24億9,600万m3の天然ガスを生産する予定。主に浙江省の銭塘江以南地域に工業用・民用として供給され、一部は上海市の予備天然ガス源とする。価格は「西気東輸」プロジェクト(中国西部地方の天然ガスを沿海地域に輸送するパイプライン建設事業)で供給される天然ガスより安くなる見込み。
契約を行った4社は共同調査・開発の目標について「5〜10年の調査・開発で、同海域の確認埋蔵量と推定埋蔵量の合計をさらに倍増させ、年生産量40〜50億m3を目指す」と発表している。このほか、中国海洋石油の責任者は、上海市の天然ガスへの急激な需要の伸びに対応するために中国海洋石油、中国石油化工と上海市が共同開発を進めている「平湖」天然ガス田の2期プロジェクトが9月に完工し、上海市への天然ガス供給量が年間7億
5,000m3に引き上げられることを明らかにした。
中国が東シナ海で開発を進めている「春暁ガス田」プロジェクトが 2005年10月に竣工すると、一部の報道が伝えた。同油田の1日当たりの天然ガス処理能力は910万m3に達する見込み。「春暁ガス田」は、「春暁」「残雪」「断橋」「天外天」の4つのガス田から構成される総面積2万m2に及ぶ区域。なお、海底パイプラインの敷設とパイプラインのテスト運転は、韓国の現代工業が手がける。
上海:東シナ海の天然ガス田からの供給拡大
東シナ海天然ガスプロジェクトの「平湖天然ガス田」第一期工事が竣工し、10月16日より正式に供給が開始した。同ガス田からの1日当たりの供給量は、これまでの135万m3から180万m3に拡大する。17億元を投資して行われる同プロジェクトの拡張工事は、2期に分けられている。今回の第1期工事は、平湖石油ガス田における総合プラットフォームの拡張工事となった。第2期工事では、産出ポイントの拡大を計画している。「平湖」プラットフォームから7km離れた地点に新たなプラットフォームを建設、完成後は1日当たりの生産量80万m3、160万世帯への供給を可能にする。この第2期工事の竣工は 2006年1月を予定。「平湖」石油・ガス田は浦東国際空港、GM社など4,500の企業と一般住宅75万世帯に天然ガスを供給している。
進展する中国の東シナ海石油開発と海洋調査 平松茂雄・杏林大学教授上海に輸送する石油と天然ガスの2本のパイプを敷設する工事は、1997年10月30日上海浦東地区で、翌1998年4月15日の完成を目指して着工された。1本は石油用で 306キロメートル、舟山諸島 山島に建設される原油給油所に送られる。ここには2万トン級タンカーが停泊できる原油中継埠頭、2,000トン級の工作船埠頭、5万立方メートルの原油貯蔵タンクなどの施設が建設された。もう1本は天然ガス用で、375キロメートル。山原油供給所を経て、上海南匯天然ガス処理場に送られる。
進展する中国の東シナ海石油開発と海洋調査 平松茂雄・杏林大学教授
http://www.cnfc.or.jp/j/proposal/asia00/hiramatu.html
東中国海「中間線」断じて受け入れず 外交部
外交部の孔泉報道官は13日の定例記者会見で、東中国海問題をめぐる中日協議について質問を受け、いわゆる「中間線」は断じて受け入れないと表明した。
孔報道官は会見の中で、次のように述べた。
わたしは前回の会見で、十数日前に行われた第3回中日局長級協議の雰囲気が実務的で率直かつ誠意あるものだったことを、すでに伝えた。双方には当然ながら対立点があり、その1つは日本側のいわゆる「中間線」だ。この「中間線」について双方はこれまで協議したことがなく、日本側がいわゆる「中間線」一方的に押し付けているのであり、中国は断じて受け入れられない。われわれは、双方が実務的かつ建設的姿勢に基づいて引き続き協議を進めることができるよう望む。最終目的は、平和的方法により、交渉・協議・対話を通して、適切な解決策を見出すことだ。
春暁ガス田開発問題について 外交部報道官
外交部の定例会見で12日、秦剛報道官が記者の質問に答えた。
――春暁ガス田の実際の開発・生産状況はどのようなものか。春暁ガス田の開発について、中国は日本側に通知したのか。中日双方が東中国海でのガス田の共同開発の意向を示しているが、中国は中間線より西の海域には係争は存在しないとしている。では、この海域での共同開発の可能性はあるのか。東中国海問題に関する次回の協議はいつ行われるのか。
中国の春暁ガス田開発は、日本と係争のない中国近海で行われているもので、主権を行使する正常な活動である。あなたの質問の本質は「中間線」を前提に共同開発を議論するかどうかということだ。いわゆる「中間線」は日本側が一方的に持ち出したものであり、中国はこれまでにこれを受け入れたことはないし、現在も受け入れていないし、今後も受け入れることはない。中国は「中間線」を前提とした共同開発の議論は受け入れない。中国が日本と係争のない中国近海でガス田開発を進めるのは、完全に中国の主権内の事柄である。われわれには、日本側に事前の通知、あるいは開発状況を通知する義務もないし、その必要もない。
東中国海に関する中日間の協議はすでに6回行われた。第6回協議で双方は、協議の継続で合意した。次回協議の開催時期については、双方がさらに意思疎通を図り、協議を進める必要がある。
渤海湾の新油田、生産スタート 海洋石油
中国海洋石油公司は22日、渤海湾海域に位置する新たな海底油田「旅大5-2」が生産を開始したことを明らかにした。現在4つの油井が原油を生産しており、一日当たり生産量は2200バレルを超える。
計画によると、同油田は油井を22カ所に拡大し、一日当たりの最大生産量を9600バレルまで引き上げる。
現在、旅大油田群の3油田――「旅大4-2」、「旅大10-1」、「旅大5-2」はいずれも生産に入っている。海洋石油は3油田の共同開発を行うと同時に、同じく渤海湾海域に位置する海底油田「綏中36-1」の生産設備の一部利用も進めており、高い経済効果が見込まれる。
中国、東シナ海で新ガス田開発に着手 日本政府が抗議
東シナ海のガス田開発問題で、中国が「八角亭」と呼ばれる新たなガス田開発に本格的に着手していることがわかった。8月に入り掘削やぐら(プラットホーム)の上に生産施設が立てられているのが見つかったため、日本政府は中国政府に抗議。八角亭は、日本が主張する中間線から離れた中国側の海域にあるが、日本の排他的経済水域(EEZ)内に含まれており、政府は開発の動きを注視していた。
八角亭ガス田は、中国が98年に生産を開始し、中間線より50キロ以上離れた「平湖」ガス田の北東約6キロ内にある。