2009/10/30

新日本石油株式会社と新日鉱ホールディングス株式会社との経営統合契約の締結および株式移転計画の作成について

 新日本石油株式会社(以下「新日石」という。本社:東京都港区 西新橋一丁目、社長:西尾進路)と新日鉱ホールディングス株式会社(以下「新日鉱」という。本社:東京都港区虎ノ門二丁目、社長:高萩光紀)とは、 2008年12月4日に「経営統合に関する基本覚書」を締結し、両社グループの経営統合に向けた協議を進めてまいりました。
 両社は、株式移転に
より統合持株会社を設立のうえ、その傘下において両社グループの事業を全面的に統合することについて最終的な合意に達し、本日、それぞれの取締役会の決議 に基づき、経営統合契約(以下「本契約」という。)を締結するとともに、統合持株会社設立のための株式移転計画を作成しましたので、下記のとおり、お知ら せいたします。
 なお、本経営統合は、両社株主総会および関係当局の承認等を前提としております。

I.経営統合の目的・基本コンセプト
1.経営統合の目的

 両社グループは、エネルギー・資源・素材の各分野において、事 業環境の構造的変化に先手を打ち、激化する競争に勝ち抜くために、両社グループの経営基盤を一層強固なものとするとともに、新たな経営理念の下で飛躍する ことを目的として、両社グループの全面的な経営統合を行うこととし、もって、国内外におけるエネルギー・資源・素材の安定的かつ効率的な供給の使命を果た します。

2.経営統合の基本コンセプト

  (1) 両社グループは、対等の立場において、各事業にわたる全面的な統合を実現し、両社グループの経営資源を結集してこれを最大限活用することにより、石油精製販 売、石油開発および金属の各事業を併せ持つ世界有数の「総合エネルギー・資源・素材企業グループ」へと発展することを目指します。
  (2) 統合グループは、積極的かつグローバルに成長戦略を展開することとし、「ベストプラクティス」をキーワードとして、収益性の高い部門に経営資源を優先配分することにより企業価値の最大化を図ります。
  (3) 統合グループは、石油精製販売事業について、経営統合により初めて可能となる劇的な事業変革を早期に実現します。

II.経営統合の方法および日程
1.経営統合の方法

  (1 統合持株会社
新日石と新日鉱は、共同して株式移転を行うことにより統合持株会社を設立し、その後、両社グループの全事業を統合持株会社の傘下に統合・再編・整理します。
     
  (2) 各中核事業会社
統合持株会社の直接子会社として、次の中核事業会社を置きます。
@ 石油精製販売事業会社
石油精製販売事業会社については、新日石、新日本石油精製株式会社(現在、新日石の100%子会社)および株式会社ジャパンエナジー(現在、新日鉱の
100%子会社)が合併することにより設立します。なお、石油精製販売事業会社は、会社分割の方法により、統合持株会社が行う子会社管理機能については統 合持株会社に、同社の石油開発事業については石油開発事業会社に、それぞれ承継します。
A 石油開発事業会社
石油開発事業会社については、新日本石油開発株式会社(現在、新日石の100%子会社)およびジャパンエナジー石油開発株式会社(現在、株式会社ジャパンエナジーの100%子会社)が合併することにより設立します。なお、石油開発事業会社は、石油精製販売事業会社から、会社分割の方法により、同社の石油開発事業を承継します。
B 金属事業会社
金属事業会社については、新日鉱および日鉱金属株式会社(現在、新日鉱の100%子会社)が合併することにより設立します。なお、金属事業会社は、会社分割の方法により、統合持株会社が行う子会社管理機能を統合持株会社に承継します。
     
  (3) その他のグループ会社
@ 石油精製販売、石油開発または金属の各中核事業に属するグループ会社は、それぞれ当該中核事業会社の子会社とします。
A 上場子会社、共通機能会社(グループ各社の共通機能をサポートする会社)および独立事業会社は、統合持株会社の直接子会社とします。
B 両社グループにおいて共通の事業、機能または事務を行っている会社・組織については、一つに統合することを原則とします。
     
  (4) 統合持株会社への資産・負債の承継
新日石および新日鉱は、保有する資産および負債のうち、統合グループ全体の運営に関連するものについて、原則として、統合持株会社に承継することとします。

【中核事業会社設立までのイメージ】

 

 

2.株式移転比率

     
  (1) 株式移転にかかる割当ての内容(株式移転比率)

(注1)     新日石の普通株式1株に対して統合持株会社の普通株式1.07株を、新日鉱の普通株式1株に対して統合持株会社の普通株式1.00株をそれぞれ割当て交付 します。なお、新日石の株主に交付する統合持株会社の普通株式の数に1株に満たない端数が生じた場合には、会社法第234条その他関係法令の定めに従い、 当該株主に1株に満たない端数部分に応じた金額をお支払いします。ただし、上記株式移転比率は、新日石および新日鉱の事業、資産または負債の状況に重大な 変更が生じた場合などにおいては、両社協議の上、変更することがあります。
 また、統合持株会社の単元株式数は、100株とします。
     
(注2)    統合持株会社が発行する新株式数(予定):普通株式 2,495,485,929株
 上記は2009年3月31日現在における両社の発行済株式総数から算定した株式数であり、実際に統合持株会社が発行する新株式数は変動することがあります。
     
  (2) 株式移転にかかる割当ての内容の算定根拠等
@ 算定の基礎
    新日石は、株式移転に用いられる株式移転比率の算定にあたって公正性を期すため、みずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」という。)、JPモルガン証券株 式会社(以下「J.P.モルガン」という。)および野村證券株式会社(以下「野村證券」という。)に対し、株式移転比率の算定を依頼しました。
 
新日鉱は、株式移転に用いられる株式移転比率の算定にあたって公正性を期すため、UBS証券会社(以下「UBS」という。)を主に、メリルリンチ日本証券 株式会社(以下「メリルリンチ」という。)および大和証券エスエムビーシー株式会社(以下「大和証券SMBC」という。)に対し、株式移転比率の算定を依 頼しました。
 これらによる割当ての内容の算定の概要については、「添付資料1.」をご参照下さい。
   
A 算定の経緯
    新日石は、みずほ証券、J.P.モルガンおよび野村證券の算定結果を参考に、新日鉱は、UBS、メリルリンチおよび大和証券SMBCの算定結果を参考に、 それぞれ両社の財務の状況、資産の状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案し、両社で株式移転比率について慎重に交渉・協議を重ねた結果、本日、最終的 に上記株式移転比率が妥当であるとの判断に至り、上記株式移転比率を合意・決定しました。
 なお、新日石は、2009年10月29日付にて
J.P.モルガンおよび野村證券から、また、2009年10月30日付にてみずほ証券から、「添付資料1.」の前提条件その他一定の前提条件のもとに、合 意された株式移転比率が新日石の株主にとって財務的見地から妥当である旨の意見書を取得しています。
 また、新日鉱は、UBS、メリルリンチおよび大和証券SMBCから、2009年10月30日付にて、「添付資料1.」の前提条件その他一定の前提条件のもとに、合意された株式移転比率が新日鉱の株主にとって財務的見地から妥当である旨の意見書を取得しています。
   
B 算定機関との関係
   新日石の算定機関であるみずほ証券、J.P.モルガンおよび野村證券、新日鉱の算定機関であるUBS、メリルリンチおよび大和証券SMBCは、それぞれ新日石および新日鉱の関連当事者には該当せず、本組織再編に関して記載すべき重要な利害関係を有しません。

3.経営統合の日程

2009年10月30日(本日)   本契約締結および株式移転計画作成承認の取締役会(両社)
2009年10月30日(本日)   本契約の締結および株式移転計画の作成(両社)
2009年10月31日(予定)   臨時株主総会の基準日公告(両社)
2009年11月15日(予定)   臨時株主総会の基準日(両社)
2010年 1月27日(予定)   株式移転計画承認の臨時株主総会開催(両社)
2010年 3月29日(予定)   上場廃止日(両社)
2010年 4月 1日(予定)   統合持株会社設立登記日(本株式移転効力発生日)
2010年 4月 1日(予定)   統合持株会社の上場日
2010年 7月 1日(予定)   各中核事業会社設立日

(注)上記日程は、経営統合の手続きの進行その他の事由により必要な場合は、両社協議のうえ、変更することがあります。

 

4.完全子会社となる会社の新株予約権および新株予約権付社債に関する取扱い

 統合持株会社は、株式移転に際して、新日鉱が発行している新株 予約権(株式報酬型ストックオプション)の新株予約権者に対し、当該新株予約権に代わる統合持株会社の新株予約権を交付しません。新日鉱は、本契約締結 後、統合持株会社の設立までに、一切の新株予約権を消滅させる予定です。
 なお、新日石は、新株予約権および新株予約権付社債を発行しておりません。また、新日鉱は新株予約権付社債を発行しておりません。

5.統合持株会社の上場申請に関する事項

 新日石および新日鉱は、新たに設立する統合持株会社について、 東京証券取引所、大阪証券取引所および名古屋証券取引所に新規上場申請を行う予定です。上場日は、2010年4月1日を予定しています。なお、本株式移転 により、新日石の株式については、東京証券取引所、大阪証券取引所、名古屋証券取引所、札幌証券取引所および福岡証券取引所において2010年3月29日 をもって、また、新日鉱の株式については、東京証券取引所、大阪証券取引所および名古屋証券取引所において2010年3月29日をもって、それぞれ上場廃 止となる予定です。

III.統合グループの概要

1.統合グループの名称、統合持株会社・各中核事業会社の商号および本店所在地

  (1) 統合グループの名称および統合持株会社・各中核事業会社の商号
統合グループ JXグループ
(英文:
JX Group
統合持株会社 JXホールディングス株式会社
(英文:
JX Holdings, Inc.
石油精製販売事業会社 JX日鉱日石エネルギー株式会社
(英文:
JX Nippon Oil & Energy Corporation
石油開発事業会社 JX日鉱日石開発株式会社
(英文:
JX Nippon Oil & Gas Exploration Corporation
金属事業会社 JX日鉱日石金属株式会社
(英文:
JX Nippon Mining & Metals Corporation
(注1)    「JX」は、グループの基本的な理念を象徴する名称です。「J」は、日本を代表する世界有数の「総合エネルギー・資源・素材企業グループ」を、「X」は、未知への挑戦、未来への成長・発展、創造性・革新性などを、それぞれ表しています。
 なお、「JX」は、「ジェイエックス」と発音します。
     
(注2)    統合持株会社および中核事業会社のシンボルマークおよびブランド(商標)については、決定し次第、公表します。
     
  (2) 統合持株会社および各中核事業会社の本店所在地
いずれも「東京都千代田区大手町二丁目6番3号」とします。

 

2.統合持株会社・各中核事業会社の役員体制

3.統合持株会社・各中核事業会社の基本的役割・機関設計等

 

IV.経営統合の理念・事業戦略等

1.統合グループの基本的な理念

  (1) 統合グループは、「エネルギー・資源・素材」の事業領域において、将来にわたり、地球環境との調和および社会との共生を図り、健全で透明なコーポレートガバナンスと適正かつ機動的な業務執行体制を確立し、もって、持続可能な経済・社会の構築・発展に貢献します。
     
  (2) 統合グループは、「エネルギー・資源・素材」の上流から下流までの一貫操業体制のもと、安定的かつ効率的な供給と事業全般にわたる創造性・革新性を追求します。

2.統合グループの基本戦略・事業戦略

  (1) 統合グループの基本戦略
@ 世界有数の「総合エネルギー・資源・素材グループ」へと発展することを目指します。
A 収益性の高い部門に経営資源を優先配分することにより、企業価値の最大化を図ります。
B より良い地球環境づくりに役立つ事業・技術革新を推進し、持続可能な経済・社会の発展に貢献します。
     
  (2) 各中核事業の個別事業戦略
@ 石油精製販売事業
今後の事業環境変化に先んじ、抜本的な構造改革を推進します。
お客様のニーズに応える総合エネルギー企業を目指します。
A 石油開発事業
事業環境の変化に柔軟に対応しながら、持続的な成長を目指します。
技術の蓄積と産油国政府・事業パートナーとの信頼関係を通じてグローバルな事業基盤を強化します。
B 金属事業
銅事業を軸としたグローバルな一貫生産体制の確立を目指します。
高い成長が見込まれる分野において、トップシェア企業を目指します。

4.石油精製能力の削減

 統合グループは、2010年7月の石油精製販売事業会社の設立後、2011年3月末日までに、昨年12月4日(基本合意日)を基準として日量約40万バーレルの石油精製能力を削減することとし、その具体的な内訳および方法については、決定し次第、公表します。
 また、遅くとも2015年3月末までに、さらに日量20万バーレルの石油精製能力を削減する予定です。

5.経営統合によるシナジー効果

 2010年4月の統合持株会社設立後、2013年3月末日までに、年額600億円以上の経営統合によるシナジー効果(売上原価低減、経費削減等を通じた損益改善)を実現します。その具体的内訳は次のとおりです。

@ 精製部門   140(億円/年)
A 調達・需給・物流部門   130
B 購買部門   100
C その他のコスト削減   230

 また、2015年3月末日までに、さらに年額400億円を積み増し、合計年額1,000億円以上のシナジー効果を追求します。

添付資料1. 株式移転にかかる割当ての内容の算定根拠等(193.6KB)

添付資料2. 株式移転により新たに設立する統合持株会社の状況(106.1KB)

添付資料3. 各中核事業の個別事業戦略(116.7KB)

添付資料4. 新日本石油株式会社および新日鉱ホールディングス株式会社の概要 @(69.8KB)

添付資料5. 新日本石油株式会社および新日鉱ホールディングス株式会社の概要 A(65.7KB)

添付資料6. 新日本石油株式会社および新日鉱ホールディングス株式会社の概要 B(82.8KB)