カーライル・キャピタル、資金調達できず破たんの恐れ
信用危機でまた犠牲者が出た。米未公開株投資会社カーライル・グループ傘下のカーライル・キャピタルは米東部時間の12日夜、借入先が同社の資産を差し押さえる見通しで、同社清算を余儀なくされる可能性があると明らかにした。同社は声明で「借入先と精力的に交渉しているが、資金調達の安定化に向けた合意には至っていない」とした。
同社が破たんの危機にあることは、カーライル・グループにとって大きな打撃となる。カーライル・グループはワシントンに本拠を置き、幹部が同社株の15%を保有している。カーライル・キャピタルは、登記地が英ガーンジー島でユーロネクスト・アムステルダムに上場しているが、運営はニューヨークのカーライル・グループ幹部が担っている。
1週間前にはカーライル・グループが一部の金融大手に、追加担保の差し入れ期限と住宅ローン債権の売却を先送りするよう要請したばかり。ドイツ銀行(NYSE:DB)やJPモルガン・チェース(NYSE:JPM)など一部の貸し手はこの要請を聞き入れず、12日夜、多額の融資の担保としていた217億ドル相当の住宅ローン債権の売却を始めた。
これらの貸し手は10日までに、この担保のうち57億ドル分をすでに売却していた。
事情に詳しい筋によると、カーライル・キャピタルの担保を売却したのはこのほか、メリルリンチ、ベアー・スターンズなど。一方、シティグループなどは、カーライル・キャピタルの危機が平穏に解決することを期待し、担保を売却していないという。