日本経済新聞 2007/1/8
EU 新旧加盟国で経済格差3倍
1日に欧州連合(EU)に新規加盟したルーマニア、ブルガリアと、他のEU加盟国との経済格差が3倍に達することがEU統計局の調査でわかった。1人あたり国内総生産(GDP、物価調整後)はEU平均を100とすると、ブルガリアが33、ルーマニアが34。2004年加盟の中・東欧など10カ国と比べても半分程度で、西欧への移民急増などが懸念される。
主要なEU加盟国である英独仏の1人あたりGDPは110前後。中・東欧などは単純平均で65で、経済格差から西欧に流入する低賃金の労働者が急増し、西欧では賃金下落や雇用悪化の懸念が強まった。今年加盟した東欧2カ国は04年の加盟国をさらに下回っており、英国は両国からの労働者の移動を認めない方針を決めている。
加盟候補国のうちトルコは1人あたりGDPが28とさらに低水準。イスラム教大国であるうえに経済格差が大きく、加盟には慎重論が根強い。
主要なEU加盟国の1人あたりGDP
(EU統計局まとめ、EU平均=100、購買力平価で調整後)
ルクセンブルク | 251 |
オーストリア | 123 |
英国 | 117 |
スウェーデン | 115 |
ドイツ | 110 |
フランス | 108 |
イタリア | 100 |
スペイン | 98 |
チェコ | 74 |
ポーランド | 50 |
ルーマニア | 34 |
ブルガリア | 33 |