2007年7月21日 日本経済新聞

無線LANの導入

 無線LANを利用するためには、現在使っているADSLモデムまたは光回線の終端装置側に接続する「無線LANルーター」と、パソコン側には無線LANアダプターが必要です。プロバイダーによっては無線LANなどを使用禁止にしているところもありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
 私が自宅で使うパソコンは2台。1台はデスクトップで、もう1台はノートパソコンです。2台とも、無線LANアダプターを内蔵したパソコンだったので、購入したのは無線LANルーターのみでした。
 内蔵していない場合は、デスクトップパソコン用にはUSBタイプの無線LANアダプター、ノートパソコン用にはPCカードタイプがおすすめです。親機(無線LANルーター)と、パソコン側で使う子機(無線LANアダプター、PCカード型)がセットになった初級者向けパッケージなら、家電量販店で1万円前後で入手できます。後から3千円くらいの子機を買い足せば、無線ネットワーク内のパソコンを増やせます。
 無線LANルーターはまず「通信規格」で選びます。パッケージには「802.11a/b/g」などと書いてありますが、これは3つの通信規格に対応しているという意味です。普通にメールやネットを利用するのであれば、通信速度が毎秒54MBの「802.11g」と書かれた製品でいいでしょう。同じ規格のものなら、違うメーカーの製品同士でもつながります。
私はマンションの同一フロア内で使いますが、一階と二階で通信するなら、さらに高速で多少の障害物にも強い「802.11n」タイプを検討してもいいでしょう。ネットテレビを大画面で視聴する、といった場合さらに快適です。
 次は「設定」をしましょう。大部分はセキュリティー関連です。無線LANは、電波の届く範囲内なら、隣の部屋や建物の外からも、誰でも受信できます。誰かが勝手に自分の無線LANアクセスポイントに接続してきて、インターネットを無断で利用したり、パソコンの中にある文書を勝手に見たり、文書を消してしまうことも不可能ではありません。
 これを防ぐためには、まず自分のアクセスポイントに第三者が勝手に接続できないようにすること、また通信を暗号化することが必須です。
 第三者からのアクセスを禁止するには、SSIDと呼ばれるアクセスポイントの「名前」を他人からわかりにくくします。名前を知っている人しか使えませんから、自分の名前など推測しやすい言葉を使わず、できるだけ長めの英数宇にしておけば安心です。また暗号化は、最新の製品であれば複数の暗号化機能を備えています。
 ちよっと難しそうですが、親機と子機のボタンを同時に押すだけのもの、機器の記載されている数字をメニューから入力するだけのものなど、非常に簡単な操作で、初心者でもセキュリティー設定ができるものが増えています。購入時「セキュリティー設定が簡単なもの」とお店に相談してみてください。設定が終わると通信可能になります。画面にアイコンなどで電波の強さが表示されるはずですが、離れた場所や、階が違う場合は電波が少し弱くなることもあります。機器の位置などを変えてみてください。

入門者向け無線ルーターセット

製品(メーカー) 対応規格
(実勢価格)
▽晋及している802.11g製品
CG-WLBARGPXW-P(コレガ)
・最安値だが豊富な機能をもつ
11b/g
(7,980円)
PA-WR6650S/SC(NEC)
・障害物に強い11aが使える
11a/b/g
(10,300円)
WHR-G/P(バッファロー)
・ワンタッチでセキュリティー設定が行える
11b/g
(10,800円)
WN-WAG/R-S(アイ・オー・データ機器)
・クイックボタンで簡単にセキュリティーが設定できる
11a/b/g
(12,800円)
▽高性能な802.11n製品
WZR-G144X/P(バツファロー)
・ワンタッチでセキュリティー設定が行える
11b/g/n
(20,800円)
WN-GDXR-S(アイ・オー・データ機器)
・次世代の通信規格「IPv6」に対応している
11b/g/n
(25,800円)

(注)いずれも無線LANルーター1台と子機1台のセット、価格は東京都内の量販店で調査