2008年06月25日 住友商事
住友商事株式会社、南アフリカ共和国へ約300億円を投じ、
鉄鉱石、マンガン、クロム資源会社Assmang(アソマン)の権益を追加取得
住友商事株式会社(社長:加藤 進、以下住友商事)は、今般、南アフリカ共和国(以下南アフリカ)の鉄鋼原料資源会社であるAssmang社の権益保有持ち株会社であるOresteel
Investments Limited(以下 Oresteel(オアスチール))の株式20%を、同国のOld
Mutualグループ(以下Old Mutual)より総額約300億円にて追加取得します。
本件により2007年1月以降これまでに取得したOresteel株29%と合わせ、49%の権益取得となります。総額で約450億円の投資となり、日本企業による同国への投資額としては最大規模となります。
なお、本件により当社のAssmang社への持分権益は約8%から約13%に増加します。
Assmang社は、南アフリカにて鉄鉱石、マンガン鉱石、クロム鉱石、マンガン系合金鉄及びクロム系合金鉄の生産を行っている有力な資源鉱山会社で、OresteelはAssmang社の権益保有持株会社です。
今回の当社による株式取得の結果、Assmang社の創業家の一つであるSacco(サッコ)家が51%、当社が49%の資本構成となります。(Assmang社を巡る資本関係は、下記のグループ組織図を参照)
Assmang社は、高品位鉄鉱石、高品位マンガン鉱石及びクロム鉱石の3つの鉄鋼原料資源を保有する世界でも類を見ない資源鉱山会社です。
昨年までAssmang社の鉄鉱石の生産は年産600万トンでしたが、2008年に新規クマニ鉄鉱山の生産を開始し、2010年には1000万トン、2013年には1400万トンまで増産を予定しており、今後鉄鉱石事業の飛躍的拡大が見込まれます。クマニ鉄鉱山開発は、既存の鉄道及び港湾の拡張を行い、開発コスト及び操業コスト面での相対的競争力のある案件です。
また、現在高騰を続けるマンガン関係においては、同社の高品位マンガン鉱石の埋蔵量は、世界でも最大規模で、今後も生産量を拡大する予定であり、鉄鋼業には不可欠なマンガン鉱石を保有する同社の将来のマンガン事業のポテンシャルに大いに期待できます。
クロム資源と併せレアメタルの権益を南アフリカにて拡大する意義は大きいと考えます。
<Assmangグループの事業拠点位置図>
本追加出資により当社の持分権益はAssmang社の埋蔵量ベースで鉄鉱石において約85百万トン、マンガン鉱石において約75百万トン、クロム鉱石において約13百万トンとなります。
住友商事はAssmang社とは、過去30年以上に亘り、鉄鉱石の日本向け輸入を皮切りに、マンガン鉱石及び合金鉄のビジネスがあり、今回の追加投資を機に今後更に供給を加速させる予定です。当社は鉄鉱石、マンガン、クロムの安定供給を通じて日本を始め、成長するアジア地域の鉄鋼業に貢献することを目指します。
1994年には黒人新政権となった新生南アフリカ共和国への日本からの最初の投資としてAssmang社の株式を1%取得し、その後の同国の経済発展に注目し、今後の更なる経済成長地域であると捉え、今回の追加投資の実現となりました。
今回の株式取得により、創業家と戦略的パートナーシップを強化し、今後もAssmangグループと多岐に亘る事業分野での展開を図っていきます。
(注)BEE企業 :Black Economic Empowerment の略。南アフリカ政府は黒人の経済力向上を目的として、業種ごとに一定比率でのBEE企業の所有権の保有を義務づけています。
参考 http://www.jogmec.go.jp/mric_web/current/07_36.html