CVGベナルム
アルミニウム製錬 年産:430,000トン
C.V.G.(ガイアナ開発公団) | 80% | |
昭和電工 | 7% | |
神戸製鋼 | 4% | |
住友化学 | 4% | |
三菱マテリアル | 3% | |
三菱アルミニウム | 1% | |
丸紅 | 1% |
(住友化学社史より)
1973年、当社はアメリカのレイノルズ社から南米ベネズエラのガイアナ地区での共同製錬計画に参加の勧誘を受け、12月、レイノルズ社の現地での子会社アルカサ(Aluminio Del Caroni S.A.)と基本点について覚書を締結した。
一方、三菱グループも三菱金属鉱業が代表となってアルカサと同じ内容の覚書を結んでいたので、これを1つのプロジェクトにまとめ、年28万トン計画として進めることになり、74年5月、当社と三菱金属鉱業とアルカサ、レイノルズの4社で資本金1億ドルの新会社を設立することになった。当社と三菱金属鉱業はそれぞれ25%を負担することにした。
また、同じベネズエラで昭和電工が同国のガイアナ開発公団の要請によって、神戸製鋼所・丸紅と協同して、日本側80%、開発公団20%の出資で、インドゥストリア ベネソラーナ デ アルミニオ社(ベナルム社・資本金20億5700万円)を73年9月に設立し、ガイアナ地区で15万トン工場の建設を計画していた。
その後、ペレス新大統領の重要産業国有化政策により、74年4月から外国系企業の国有化が進められた。アルミニウムについても、74年10月、当社などのアルカサ計画と昭和電工のベナルム計画を白紙に還元し、その一本化と、同時に同開発公団の出資割合を80%にするよう求めてきた。これは同国が世界有数の産油国であり、前年10月からの石油価格の引上げによって外貨保有高が激増し、もはや外国資本に依存する必要がなくなったためであった。
日本側5社は世界的に資源ナシヨナリズムの台頭のおりから、この要求をのむのもやむを得ぬものと認め、先に昭和電工などにより設立されていた現地合弁会社インダストリア・ベネソラーナ・デ・アルミニオ社(Industria Venezola De Aluminio C.A.略称VENALUM、以下、ベナルム社)の改組、増資が行われ、76年3月、当社は4%の出資を行った。他の出資者と出資比率はガイアナ開発公団80%、昭和電工7%、神戸製鋼所4%、三菱化成工業および三菱金属鉱業(現、三菱マテリアル)各2%、丸紅1%であった。
製錬能力は年産28万tとされ、建設費は約4億4000万ドル(約1320億円)と見込まれた。日本側の引取量は年間16万tで、丸紅を除く5社が出資比率に基づいて引き取ることに決定した(うち住友アルミニウム製錬分3万4000t)。引取価格はアルキャン国際建値べ一スが採用された。
同社の製錬工場(年産能力28万t)は78年2月から生産を開始、同年12月、同社地金の第1船が日本に到着した。
84年10月のアルキャン社の地金の国際建値撤廃に伴い、85年1月、地金の引取価格についてLME相場をべ一スとする新しい算式が決定された。
2002/11/13 昭和電工
CVGベナルム社とのアルミニウム地金契約最終合意について
CVGベナルム社(ベネズエラ、レニン・ベルエタ社長:以下ベナルム)の日本株主バイヤー5社[昭和電工梶A叶_戸製鋼所、住友化学工業梶A三菱マテリアル梶A三菱アルミニウム
]はベナルムとの間で、今般、「アルミニウム地金売買契約の更新」に関して最終合意に達しました。これにより、本年4月より中断されておりましたベナルムから日本向けのアルミニウム地金出荷は、本年12月に再開されることとなりましたのでお知らせいたします。
更新される契約の有効期間は、2002年11月より2006年3月であり、その期間内に合計360千d(年間90千dの4年間相当量)がベナルムより日本に出荷されることとなります。
今回の契約更新交渉は本年2月より数度にわたり行われましたが、双方の主張に隔たりが大きく、難航しておりました。
10月31日、ベナルムのベネズエラ側株主であるガイアナ開発公団(CVG)のフランシスコ・ランヘル・ゴメス総裁と、日本側株主交渉団を代表して昭和電工叶齧ア取締役古澤
昭 アルミニウム事業部門長との間で行われた会談において、日本向けアルミニウム地金出荷が中断している現状を早期に解決すべきとの考えで一致いたしました。
さらにこの会談では、双方より歩み寄りの提案が示されました。ベネズエラ側の提案は「株主バイヤー」である日本側5社の立場を考慮した内容であることを評価し、日本側交渉団は契約更新の基本条件に合意いたしました。
この基本合意に基づき、翌週(11月4日以降)実務レベルで詳細条件について詰めの協議を行い、「アルミニウム地金売買契約の更新」の最終合意がなされました。
2009/6/10 日本経済新聞
ベネズエラのアルミ合弁 日本の6社撤退 昭電や神鋼 現地政府と溝
昭和電工や神戸製鋼所など日本企業6社は合計2割を出資するベネズエラのアルミニウム精錬事業から撤退する方針を固めた。国内アルミ地金需要の5〜10%を賄う日系最大級の拠点だったが、合弁相手のベネズエラ政府系企業が地金の日本向け価格引き上げを要求。加工用に地金を輸入してきた日本側は採算がとれなくなると判断した。各社は不足分を市場での購入に切り替えているが、アルミ需給が逼迫する場合は安定調達しにくくなるおそれもある。
撤退するのは「CVGベナルム社」でほかに住友化学、三菱マテリアル、三菱アルミニウム、丸紅が出資する。原料のボーキサイト鉱石を採掘、精錬してアルミ地金を年約45万トン生産する能力を持つ。
このうち日本側が年9万〜16万トンを加工用に輸入してきたが、6割を出資する相手側が2004年から国際価格を上回る水準への値上げを要求してきた。
価格交渉がまとまらずに08年から対日輸出を停止。このほど日本側が合弁解消とベネズエラ側への株式売却の意向を伝え、大筋で合意を得た。月内にもベネズエラ政府と正式な交渉に入る。売却額は、日本側が持つ株式の資産価値などを基に計算すると、500億円以上になるとみられる。