日本経済新聞 2002/11/25 日揮発表
石化プラント 中国で大型受注 日揮など3社、総額1000億円
日揮と千代田化工建設、横河電機は、ロイヤル・ダッチ・シェルと中国海洋石油総公司が広東省に計画する大型石化プラントの建設を受注した。総額約1千億円の事業で中国でのプラント受注額としては過去最大。2005年稼働を目標に、エチレン生産ラインなどを建設する。原油掘削などの需要が停滞する中、プラント各社の中国シフトが鮮明になってきた。
英蘭系メジヤーであるシェルの子会社、シェル・ペトロケミカルズと中国海洋石油総公司が出資する中海シェル石油化工公司が25日に正式発注する。同社は広東省恵州で43億ドル(約5160億円)を投じて中国最大の石油化学コンビナートを建設する計画。今回は第1期分として、3つの建設プロジェクトの発注先を内定、日本勢がそのすべてを独占する格好になった。
日揮が受注したのはプラントの中核設備となるエチレンやプロピレンの生産ラインで、受注額は約600億円。1985年、96年稼働の石化工場建設など、これまで約70件のプラントを中国で建設した実績や、設計や資材調達まで包括した総合力が評価されたようだ。
千代田化工は仏テクニップ、三菱商事とともに、機能性ポリマー、合成ゴム、ポリウレタンの原料などの製造設備を約350億円強で受注。横河電機はプラント全体の生産管理などを統轄する制御システムを約60億円で請け負う。
中国のSHELL社/CNOOC社向け大型エチレンプラントの受注確定
このたび、日揮株式会社(社長:森本省治)は、SHELL社と中国の大手石油メジャーの一つであるCNOOC社(中国海洋石油総公司)が中国広東省恵州市に計画しているエチレンプラントプロジェクトの受注が確定しましたので、お知らせいたします。
本プロジェクトの契約調印は、11月25日に広東省恵州市で行われる予定です。
現在、中国では三大石油化学コンプレックス建設プロジェクトが進行していますが、今回受注するエチレンプラントは、その一つであるSHELL社とCNOOC社の合弁会社CNOOC
& SHELL PETROCHEMICALS社が建設する石油化学コンプレックスの中核をなすものです。この石油化学コンプレックスの建設には、三大石油化学コンプレックス建設プロジェクトの中で最大となる総額43億USドルが投資され、2005年後半の完成後は年間230万トンの石油化学製品を生産し、売上額は年間17億ドルに達すると期待されています。
プロジェクトの詳細は次の通りです。
1. 契約先 | : CNOOC & SHELL
PETROCHEMICALS社(中国法人) SHELL南海社とCNOOC石油化学投資公司との合弁会社 |
2. 建設場所 | : 中国 広東省恵州市 大亜湾経済技術開発区 |
3. 契約内容 | : 提供役務:
エチレンプラントの設計、機材調達、建設工事および試運転役務
契約形態: ランプサム契約 |
4. 受注金額 | : 約 5億USドル(約600億円) |
5. 納 期 | : 2005年末 |
6. プロジェクトの概要: |
このエチレンプラントの生産能力は年産80万トンであり、ナフサから重質油までの多様な原料に対応するフレキシビリティを有しているとともに、世界最新鋭の通信制御システムを採用します。
本プラントは、エチレン製造装置(年産80万トン)、熱分解ガソリン水添装置(年間処理量85.7万トン)、ベンゼン抽出装置(年産25.5万トン)、ブタジエン抽出装置(年産13万トン)から構成されており、生産されるエチレン、プロピレン等は同コンプレックスの下流設備として建設されるポリエチレンプラント、ポリプロピレンプラント等の原料として使用されます。
なお、本プロジェクトの受注にあたっては、エチレンプロジェクトのアライアンスパートナーであるSTONE & WEBSTER社の協力を得ております。
7. その他 :
日揮は、これまで中国においては1985年に大慶で、1996年に茂名でエチレンプラントを建設したのをはじめ、本年10月にはBASF社/SINOPEC社向けエチレンオキサイド/エチレングリコール製造プラントを受注し、また医薬品分野では、上海津村製薬有限公司向け医薬品工場を建設中であるなど、石油化学、石油精製、医薬分野において70件以上のプラント建設実績を有しています。
SHELL社向けとしては、本年シンガポールでSHELL社/BASF社の合弁会社向けにスチレンモノマー/プロピレンオキサイド製造プラントを完成させるとともに、現在ナイジェリア等でLNGプラントを建設中です。また、CNOOC社向けとしては,本年1月に LNG受入ターミナルの基本設計役務を受注しています。
現在、中国では欧米オイルメジャー、ケミカルメジャーによる石油、ガス、石油化学関連の投資計画が数多く予定されており、日揮は今後もこうしたプロジェクトに対して積極的な受注活動を展開いたします。