中国における「ベンベルグ」裏地加工合弁会社設立について
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2004/fi050202.html
旭化成せんい株式会社(社長:坂本正樹、本社:大阪市)及び旭陽産業株式会社(社長:藤田 保、本社:福井市)は、この度、中国・寧波市の寧波宜科科技実業股イ分有限公司(董事長:石 東明)と合弁にて「ベンベルグ」裏地の染色・加工・販売会社を設立しましたので、お知らせします。
中国において、高級衣料品向け資材の生産・販売の拡充をめざす宜科と「ベンベルグ」を使用した高級裏地のグローバル戦略強化を計画中であった旭化成せんいグループとの基本的考え方が合致したことから、昨年末に合意書の締結、合弁会社の設立に至りました(中国当局による計画の批准、営業許可も昨年末に取得済み)。
合弁会社は、社名を寧波宜陽賓覇紡織品有限公司とし、登録資本金800万米ドル(授権資本2,000万米ドル)、出資比率は宜科が75%、旭陽産業が25%で、中国国内向けに「ベンベルグ」100%の紳士裏地を生産・販売しますが、将来的には対象を婦人裏地、交織裏地に拡大することも射程に入れています。
旭化成せんいは、同社に技術指導を行い、また「Bemberg」・「賓覇※」商標の使用を許諾することで、合弁会社をサポートします。
本年第1Q(四半期)の工場建設着工、本年第4Qの操業開始をめざして、現在、工場建設計画の具体化に着手しています。
合弁相手の宜科は、いわゆるヤンガー※※グループの一員であり、縫製品の製造・販売についての知見を十分に有しています。さらに、同社とは既に旭陽産業と芯地等の生産・販売の合弁の実績も有していることからも、極めて適切かつ強力なパートナーであると認識しています。
この工場建設により、急速に高級化する中国国内向け需要に加え、WTO繊維協定失効によるクォータ(輸入割当)制度撤廃に伴い、今後一層の拡大が予想される欧米向縫製品需要に対応する体制が整備・強化できるものと確信しています。
さらに、着実に進行しつつある欧州における直販体制との連動も期待され、日・欧・中3極を中核とする「ベンベルグ」のグローバル展開は、一層充実したステージに移行することになります。
合弁会社及びその計画の概要は以下をご参照下さい。
※賓覇 「賓覇」は、簡体字では**の表記となります。
※※ヤンガー
寧波雅戈爾集団股イ分有限公司。中国国内最大のアパレル企業で、紳士スーツでは年間150万着を製造・販売する最大手。董事長:李 如成。本社:寧波市。
(1) 会社名 : 寧波宜陽賓覇紡織品有限公司
英文名:NINGBO YAK-YO
BEMBERG TEXTILE CO., LTD.
(2) 資本金 : (a)
総投資額(授権資本に相当)2,000万米ドル
(b) 登録資本800万米ドル
(3) 出資比率 : 宜科 75%、旭陽産業 25%
(4) 本社・工場 : 中国浙江省寧波市
(5) 役員構成 :
宜科側(董事長含め)3名、旭陽側(副董事長含め)2名
(6) 生産品目 : (a) 当面、「ベンベルグ」100%紳士裏地を生産・販売する
(b)
将来的には、「ベンベルグ」100%婦人裏地や交織裏地にも拡大する予定
7) 生産能力 : 月産30千疋(平成20年フル稼働を目標)
(8) 販売先 : 中国内のアパレル及び縫製工場
(9) 商標ライセンス :
旭化成せんいが所有する商標「Bemberg」及び中国語商標「賓覇」の使用を許諾する
(10) 技術指導 : 旭化成せんいが実施する
<ご参考>
1. ベンベルグ
コットンリンター(綿花の種子を包むうぶ毛状の短繊維)を原料とする再生セルロース繊維。素材名はキュプラで、ベンベルグは旭化成せんいの商標。
一本一本の繊維が細く、断面が真円に近いため、シルクのようななめらかさと光沢を有する一方、 表面は多孔質なので、発色性や吸放湿性等の優れた機能性を併せ持つ。
そのため、高級裏地、アウターを始め、インナー、肌着、ホームテキスタイル等の幅広い用途に使用されている。産業用途についても、高機能ワイパー用途を中心に不織布が需要を伸ばしており、高い生分解性を活かした新しい用途の開発を積極的に進めている。
旭化成せんいは、長繊維・短繊維を合わせて年産18千トンの生産能力を持ち、国内唯一のメーカーであると同時に、世界でも95%以上のシェアを有する。
2. 各社の概要
<寧波宜科科技実業股イ分有限公司>
本 社: 中国浙江省寧波市江東周宿渡
資 本 金:
289百万人民元(ヤンガー13%)
代 表 者: 菫事長 石 東明
事業内容:
芯地等の服装補助材料の製造・販売