2001/1/19 東レ 

中国におけるポリエステル長繊維織物事業2社の合併について

 東レ(株)とサカイオーベックス(株)が中国江蘇省南通市において、共同で事業展開しているポリエステル長繊維織物の染色会社「東麗酒伊印染(南通)有限公司」と織布会社「東麗酒伊織布(南通)有限公司」は、昨年4月に合併についての申請を中国政府に行いましたが、昨年12月25日に正式に認可されました。新会社名は「東麗酒伊織染(南通)有限公司」(社長:御法川紘一、略称:TSD、資本金660百万元、東レ66.9%、サカイオーベックス33.1%)となります。

 中国の市場経済が進展するに伴い、繊維需要が飛躍的に拡大する中、主要衣料(外衣)素材であるポリエステル長繊維中肉厚地織物の生産・販売拠点として、「東麗酒伊印染」は96年4月、「東麗酒伊織布」は97年3月にそれぞれ設立されました。両社は同じ敷地内にあって実質的に一体運営されており、今回の合併により、経営の合理化を進めることによって、より一層の競争力強化が見込まれます。

 なお、旺盛な中国内需に対応するため、現在織機及び染色・後加工設備の増設を実施しており、本年4月には織布で月産220万m(現在170万m)、染色で月産250万m(現在200万m)の生産能力になる予定です。

 本件に関する詳細は下記の通りです。

新会社の概要

会社名 : 東麗酒伊織染(南通)有限公司
  (TORAY SAKAI WEAVING & DYEING (NANTONG)Co., LTD)
資本金 : 660百万元(約92.4億円)
株主構成 : 東レ66.9%、サカイオーベックス33.1%
社長 : 御法川 紘一
主要設備 : AJL120台、WJL130台、仮撚り機4台及び染色機・乾燥機
生産能力 : ポリエステル長繊維織布 170万m/月
 ポリエステル長繊維織物染色 200万m/月
 加工糸 250t/月
従業員数 : 536名(内日本人16名、2000年12月15日現在)

2000/3/7 東レ

ポリエステルフィルム事業の「グローバル・リエンジニアリング」戦略について

 東レ(株)は、このたび、ポリエステルフィルム事業のグローバルな事業体制を再編成する「グローバル・リエンジニアリング」戦略を策定し、実行に入りました。昨年12月に東レグループに取り込んだ東レセハン(TSI、韓国)社を併せ、中期的に激変する世界的な市場構造の変化に対応して、得意とする磁気材料用途での世界トップシェアの維持・拡大と、包装・工業材料用途での一層の事業拡大を目指し、高効率かつ高収益な最適の生産・販売体制を構築してまいります。この戦略を遂行することにより、東レグループの高収益なコア事業としての位置付けを確固たるものといたします。

 汎用包装・工業材料用途においてはコスト競争力を有するペンファイバー(PFR、マレーシア)社とTSI社での集中生産・全世界拡販を行い、またホームビデオ用途や感熱転写リボン(TTR)用途では日・米・欧・韓世界4極体制の再編を進め、世界的な価格競争に打ち勝つべくフル生産・コスト競争力強化に努め、より強固な収益基盤を確立いたします。
 一方、特品分野においては各地域、各ユーザーのニーズに的確に応える営業・技術開発体制及び生産体制の強化・拡充を進めてまいります。具体的には、磁気材料用途ではDVC(デジタルビデオカム)、データ・バックアップ、プロビデオ向けなど、工業材料用途では光学、工程離型紙、電子部品材料、コンデンサ用極薄品など、包装材料用途ではハイバリア蒸着品などの高成長・高採算用途への投資・技術開発の重点化により、新規需要の確実な取り込みを図っていきます。

 この再編においては、日米欧でのホームビデオ用設備の包装・工業材料用途への転換を最小の投資で行うことを軸とし、特に、米国トーレ・プラスチックス・アメリカ(TPA)社については包装・工業材料用途中心の生産に構造転換します。あわせてTSI社をホームビデオ用途の世界拠点として強化し、当該用途での東レグループとしての競争力を強化いたします。
 また、DVCやデータ・バックアップ、プロビデオ用など磁気材料用途における高機能品については、ユーザー業界が集中する日本国内において技術開発を含めて対応を強化してまいります。
 こうしたグローバルな生産・販売体制の再編を確実なものとするため、日本をヘッドクォーターとして技術開発・支援体制を強化し、グローバルな要素技術のレベルアップと生産技術力の向上を図ってまいります。

 当社ポリエステルフィルム事業は、1959年の“ルミラー”生産・販売開始以来、40年に亘り技術開発、生産、販売に努め、高い収益力と共に成長を続け、グローバルに拡大してまいりましたが、この世界的な業界再編・需要構造変化の時期を乗り越え、さらなる発展を継続するために、今回の「グローバル・リエンジニアリング」戦略を決定いたしました。


2000/3/6 東レ

ポリエステル長繊維の「グローバル・リエンジニアリング」マスタープランについて

 東レ(株)は、このたび、ポリエステル長繊維事業のグローバルな事業体制を再編成する「グローバル・リエンジニアリング」マスタープランを策定し、実行に移すことといたしました。本計画では、グローバルな事業環境の変化を先取りし、ポリエステル長繊維の生産拠点である国内3工場、タイ・インドネシア・韓国・中国の4カ国5工場の合計8工場を対象として移設、廃棄・新設、品種移管などを行い、生産・販売体制を最適化してまいります。

 本計画は、98年の中国南通におけるポリエステル長繊維事業一貫体制の確立、99年の韓国における東レセハン(TSI)社の設立で、アジアを中心とするグローバルな事業拠点の確保が一段落したのを契機に、改めてグローバル・オペレーションの一層の深化により、東レグループ繊維事業の収益力の高いコア事業としての位置付けをより確かなものとすることを目指すものです。

 本計画は、1.国内外生産設備の移設、廃棄・新設、品種移管等による、東レグループ全体のトータルコスト競争力の強化、2.設備近代化等による個別生産拠点のコスト競争力の強化、3.世界の潮流に乗り、FOY(なま糸)からPOY/DTY(加工糸)へのウエイトアップに、特に注力するものです。なお本計画の前提として、(1)ポリエステル長繊維の世界需要の伸びは年率6%前後の成長が期待できる、(2)アジアを中心とする需給ギャップは110-170万トン/年で当面継続する、などの事業環境認識に立脚いたしました。

 具体的に、国内の三島・石川・岡崎各工場では、近代化によるコストダウン、高付加価値化等で競争力を強化し生産数量を維持する一方、事業規模は非衣料分野の開拓、海外移管品のグローバルオペレーションによって拡大します。

 また、海外では、(1)韓国TSI社を、定番品を中心に韓国内需と輸出の双方を手がける事業拠点とする、(2)中国のTFNL社は膨大な中国内需へ対応する事業拠点とする、(3)タイのTNT社は産業用ポリエステル長繊維の海外事業拠点とするなど、各工場の役割をより明確にし、事業運営に当たっては、生産・販売とも日本のヘッドクォーターと海外事業拠点が緊密に連携して推進いたします。


1999/10/21 東レ

イースタンテックス社における紡績設備の増設について

 東レ(株)および当社の海外関係会社であるイースタンテックス社[社長:山本光義、資本金:5,229百万ルピー(約1億5千万円)、出資比率:東レ70%、現地30%、英文名:P.T. EASTERNTEX、略称:ETX]は、このたび、インドネシア国東ジャワ州スラバヤ近郊の工場内に、投資額約1,600億ルピー(約24億円)をかけ、ポリエステル綿混紡績糸約3万2千錘の生産設備を増設(現状約6万2千錘)することといたしました。
 工場の建設には直ちに着工し、2000年11月の稼動を目指します。この増設によりETX社の紡績糸生産能力は約50%増の約9万7千錘になります。
 資金調達はETX社の自己資金および借入金でまかなわれます。
 増設により生産する紡績糸は、1997年6月に焼失したマレーシアのPENTEX社(東レ100%出資、11万錘)の紡績糸生産能力の一部を補うもので、アセヤン地域の当社グループ織布会社向けを中心に販売され、旺盛な糸需要と高品質糸の要求に対応するものです。
 東レグループは、高効率で高収益な最適生産・販売体制をグローバルに再構築する「グローバルなビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)」を推進しています。今回の紡績設備増設も、当社海外事業の中核の1つであるポリエステル綿混織物事業のコスト競争力強化と品質向上を目指し、この世界戦略の一環として行うものです。


  P.T. EASTERNTEX

紡績生産量 : (現 行) 1.4百万LBS/月
  (増設後) 2.2百万LBS/月
資本金 : 5,229百万Rp
設立 : 1973年6月
操業開始 : 1975年9月
出資比率 : 東レ70%、現地30%
社長 : 山本光義
所在地 : インドネシア共和国
 東ジャワ州パンダアン
従業員 : 1,145名

1999/10/20 東レ          交渉

韓国/セハン社との新規合弁会社設立について

 東レ(株)は、このたび、韓国の大手合繊メーカーであるセハン社と、韓国における新しい合弁会社である東レセハン株式会社(Toray Saehan Inc. 略称TSI社)を設立いたしました(10月15日付)。今後TSI社は、11月末までにセハンから、セハン亀尾第1工場の一部の事業及び第2工場の全事業(ポリエステル長繊維 年産5万トン、ポリエステルフィルム 年産9万トン、ポリプロピレン及びポリエステル長繊維不織布 年産2万4千トン)を買収し、12月1日より営業を開始いたします。また初期の所要資金(総額約6,000億ウォン 約550億円)を資本金、および国際協力銀行からの直接融資と、いわゆる「新宮澤構想」の一環として同行から供与されている韓国産業銀行向け資金に基づくツー・ステップ・ローン等により調達する予定です。本件は昨年末より日韓両国で推進されています日韓投資交流強化のための官民合同投資促進協議会の主旨に沿ったものであり、また「新宮澤構想」具体化の先駆的大型案件となります。

 今回の新規合弁会社の設立は、本年6月11日に両社の間で締結された基本合意に基づくものであり、TSI社の資本金3,000億ウォン(約270億円)のうち、東レが60%、セハンが40%を出資いたします。本社は、ソウル特別市におき、代表理事会長に東レ常務取締役の中嶋弘隆が非常勤として就任し、また代表理事社長には現セハン社代表理事副社長の李泳官(常勤)が就任いたします。また、新規設備投資案件として、2001年初頭稼働開始予定でポリプロピレン長繊維不織布の最新鋭設備の増設(年産1万トン増能力、投資額280億ウォン 約27億円)を実施いたします。

 東レは、TSI社の設立により、ポリエステルフィルム事業において、日本、アメリカ、フランス、マレーシアに次いで世界5ヶ国に生産拠点を持つこととなり、続いて予定されている中国/儀化集団公司との合弁会社と併せて年産30万トンの生産能力を持つ世界最大のポリエステルフィルム・メーカーとなります。また、ポリエステル長繊維事業では、日本、中国、タイ、インドネシアの既存の生産拠点と併せて年産26万トン、長繊維不織布事業においても、増設後で年産4万トンの能力を持つ、世界有数のメーカーとなります。
 
 今後、世界的にポリエステル長繊維、ポリエステルフィルム、また長繊維不織布は、日本、韓国を中心に成長が見込まれています。特に、ポリエステル長繊維、ポリエステルフィルムについては世界的規模での事業再編が進行しつつある中で、東レはさらなる高効率かつ高収益な最適の生産・販売体制をグローバルに再構築する「グローバルなビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)」を積極的に推進しております。本プロジェクトはこの世界戦略の一環として、TSI社を品質及びコスト競争力を有する定番品の生産拠点と位置づけ、さらに東レの生産技術及び生産管理技術を積極的に導入することで一層の品質及びコスト競争力の向上を図っていくものです。
 また本件実施の東レの連結決算に対する影響は、TSI社の収益貢献に加えてグローバルなBPR進捗によるグループ全体事業の利益極大化により、スタート初年度から連結売上、利益面で大きく貢献できると考えています。

<ご参考>
    合弁会社の概要

1. 社 名 : 東レセハン株式会社(Toray Saehan Inc.)
2. 本社所在地 : 大韓民国 ソウル特別市麻浦区
3. 工場所在地 : 第1工場:慶尚北道亀尾市臨洙洞93-1
  第2工場:慶尚北道亀尾市工団洞287
4. 代表者 : 代表理事会長 : 中嶋弘隆(非常勤、東レ常務取締役)
 代表理事社長 : 李泳官(リー・ヨングァン、常勤、セハン出身)
 代表理事副社長 : 扇原浩志(常勤、東レ出身)
5. 資本金 : 3,000億ウォン(約270億円)
6. 出資比率 : 東レ 60%
 セハン 40%
7. 事業内容 : 下記製品の製造・販売                       
  ポリエステルフィルム (年産9万トン)
  ポリエステル長繊維 (年産5万トン)
  長繊維不織布:  
    ポリエステル (年産4千トン)
    ポリプロピレン (年産2万トン
                    2001年1月から年産3万トン)
8. 売上高 : 約4,500億ウォン(約430億円)/2000年度見通し
9. 総資産 : 約6,000億ウォン(約550億円)
10. 設立・営業開始 : 1999年10月15日/12月1日
11. 従業員 : 約800名
   

1999/6/14 東レ

韓国における合弁会社の設立について

 東レ(株)と韓国の(株)セハン(本社:慶山(キョン・サン)市、代表理事:李在寛(リー・ジャエ・クァン))は、このたび、韓国にて合弁会社を設立し、セハンがポリエステルフィルム事業と不織布事業のすべて、並びにポリエステル長繊維事業の一部を新しい合弁会社に譲渡することで、基本的な合意に達し、6月11日に意向書に調印いたしました。現在、両社は意向書に沿って本契約に向けた交渉を進めており、本年秋には合弁会社を設立し、年内に営業を開始する予定であります。

 合弁会社は、ソウル市の南約250kmの慶尚北道(キョン・サン・プッド)亀尾(クミ)市に所在する、セハンの亀尾第1工場の一部及び第2工場の全事業の譲渡を受けて、生産・販売の両機能を備えた独立会社として運営してまいります。出資比率は東レ60%、セハン40%で、同社は東レグループのグローバルオペレーションの一翼を担う関係会社となります。代表理事社長にはセハン出身者が就任します。社名は未定です。

 東レは、今回の合弁会社の設立によって、ポリエステルフィルム事業においては、
日本、アメリカ、フランス、マレーシア、中国に韓国が加わり、世界6ヶ国に生産拠点を有することになり、合計で年産約30万tの生産能力となります。
 ポリエステル長繊維事業においては、合弁会社を日本、中国、タイ、インドネシアに次いで5ヶ国目の、特に品質・コスト競争力に優れた定番糸の生産拠点と位置付け、繊維事業のグローバルな展開を一層拡大して参ります。
 不織布事業においては、既存のポリエステル不織布事業に加えポリプロピレン不織布事業に参入する機会を得て、総合的な展開が可能となります。

 セハンは、今回の合弁会社設立により、財務体質が抜本的に改善されるだけでなく、事業領域がポリエステル短繊維、ポリエステル織物、スパンデックス繊維等に特化され、経営資源の集中化が可能となります。今後、21世紀を見据えた事業戦略を強力に推進してまいります。

 東レとセハンは、
1972年旧第一合繊(現セハン)の設立以来、27年にわたり良好な関係を維持して参りました。本合弁計画は、東レのグローバルな総合力とセハンの有するコスト競争力など、両社の特徴を活かした日韓両国企業によるビジネスアライアンスであり、一層の「協働」を目指して、グローバルな新たな事業運営の枠組みを構築するもので、両社の友好のさらなる発展に資するものと考えます。
 なお、昨年10月の日韓首脳会談で21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップの構築が表明されました。本事業計画は、この精神に基づいて設けられた日韓投資交流強化のための官民合同投資促進協議会の趣旨に沿った大型プロジェクトであると考えております。  

<ご参考>

合弁会社の概要
1. 社名   未定
2. 本社所在地   大韓民国慶尚北道亀尾市
3 工場所在地   同 上
4. 社長及び役員   未定
5. 資本金   未定
6. 出資比率   東 レ :60%
セハン:40%
7. 事業内容   ポリエステルフィルム(年産9万t)
ポリエステル長繊維(年産5万t)
不織布(PET 年産4,000t、PP 年産2万t)の製造と販売
8. 売上高   約4,500億W(約450億円)/2000年度予測
9. 総資産額   約6,000億W(600億円)
10. 営業開始   1999年秋頃
11. 従業員   約900名
     
(株)セハンの概要
1. 社名   SAEHAN INDUSTRIES INC.
2. 設立   1972年7月
3. 本社所在地   大韓民国慶尚北道慶山市中山洞1番地
4. 資本金   576億W(1998年末)
※東レ出資比率 20.2%
5. 代表者   代表理事副会長 李 在寛(リー・ジャエ・クァン)
同           韓 亨洙(ハン・ヒョン・スー)
6. 事業内容   ポリエステル短繊維及びポリエステル長繊維の製造・販売、
ポリエステルフィルムの製造・販売
不織布の製造・販売
ポリエステル長繊維及び短繊維織物の製造・販売
7. 売上高   12,020億W(約1,200億円)/1998年実績
8. 従業員   3,100名

2002/8/27  クラレ

ポリエステル短繊維事業の再構築について

 当社は、構造的に収益が悪化しているポリエステル短繊維事業について、不採算素材の販売を取止め、高次差別化素材の販売および自家使用分の生産に集中する方向で再構築を実施することを本日の取締役会で決議致しました。
概要は下記の通りです。

1 .背景・実施理由

 当社のポリエステル短繊維事業は、韓国・台湾の増設に続く急激な中国の大増設により、大幅な供給過剰が慢性化する環境下で、特に定番品の競争力低下、収益悪化が急速に進行するなど構造的問題に直面しており、将来的にもその改善が期しがたい状況となっています。
 しかしながらこの間、当社はポリエステルにさまざまな機能を付与した高次差別化素材の開発を推進し、市場に一定の地歩を確立しています。また当社の主力事業である人工皮革、不織布などに自家使用する差別化原綿を生産しており、それぞれの事業の競争力を支えています。
 こうした状況を踏まえ、当社は02 年度末をもって不採算素材の販売から撤退し、高次差別化素材および自家使用素材に集中することで、事業収益性の改善を図ることとしたものです。

2 .事業再構築の概要

 @販売構成の再編
  ・不採算の定番品は02 年度末をもって外販を取り止める。
  ・外販は衣料・産業資材・リビング資材の高次差別化素材に特化する。
  ・自家使用素材(人工皮革・不織布向けなど)は継続・拡大する。

 A生産規模の縮小
  ・上記に伴い03 年度より倉敷事業所(玉島)の生産量を12 千t/年に縮小する。
   01 年度実績:生産量 25 千t/年

 B組織・人員の再編
  ・02 年度末までに倉敷事業所(玉島)の要員を約50 %減員し、120 名体制とする。
  ・03 年4 月に間接部門を含む倉敷事業所(玉島)全体を分社し、生産子会社を設立する。
   分社時の在籍社員は全員転籍とする。
  ・02 年度末までに販売・開発要員を約40 %減員する。


[生産子会社の概要]

 社 名 :クラレ玉島株式会社(仮称)
 設立日 :2003 年4 月1 日(予定)
 所在地 :岡山県倉敷市玉島乙島 7471
 代表者 :未定
 資本金 :未定
 人員数 :約120 人



2001/5/21 クラレ

衣料用テキスタイル事業の移管、及びポリエステル長繊維生産部門の分社化

 当社は、本年度より開始した中期経営計画「G-21」で挙げた収益改善策の一環として、衣料用テキスタイル事業をクラレトレーディング株式会社に移管(02年4月)するとともに、西条事業所(愛媛県 西条市)内のポリエステル長繊維生産部門を分社化(01年10月)します。

概要
1. 背景・目的

 当社のポリエステル長繊維事業(クラベラ事業)は、1969年の生産開始以降、当社繊維事業の中核としての地位 を占めてまいりましたが、近年は国内消費の不振、輸入製品の増加による影響を受け、1998年度及び2000年度には赤字になるなど、厳しい状況が継続しています。しかしその一方で、従来当社が進めてきたポリエステルでの機能性の追求、独自ポリマー製品の展開は、ひかり消臭繊維<シャインアップ>やEVOH繊維<ソフィスタ>などを生み、市場でも高く評価されています。
 クラレトレーディング(株)は当社が100%出資する専門商社で、当社製品全般 に亘り最大の取引先です。中でも衣料関連事業では、当社製品の販売と同時に、当社ポリエステルと他繊維との複合素材や、2次製品を独自に巾広く展開し実績を上げています。

 現在、日本のポリエステル事業は、その開発力において世界でも高い評価を受けており、中でも当社はトップレベルの能力を持つと市場からの評価を頂いています。しかしながら輸入製品の増加など、縮小している国内製品市場においては、更なる競争力の強化無くして当事業の維持・収益改善は困難と判断するとともに、中期経営計画「G-21」で掲げる“マーケットイン指向”を実践すべく、テキスタイル事業を移管し、2次製品の展開を含めた体制でより市場に密着した運営を進めます。

 この度の事業移管の目的は次の通りです。

;;   テキスタイルから2次製品までを含めた総合展開。
クラレにおけるテキスタイルと、クラレトレーディングが国内外で培ったアパレルなど、双方のノウハウを一体化し、より巾広いコンバーター機能を強化します。
    トータル的なコストダウン。
グループ内での原糸からテキスタイル・2次製品までの一貫生産によるトータルコストの合理化を進め、コスト面 で定着・拡大が図れなかった商品や分野での積極的な展開を進めます。
    人材の統合によるシナジーの追求と、商社機能を生かしたマーケットイン指向の強化。
2社に別れていた人材を1ヶ所に集めることにより、両社の持つ相互のノウハウ(クラレの素材開発力とクラレトレーディングの直販力・2次製品の展開力など)を共有し、より強化していきます。

 またこの事業移管に併せ、西条事業所のポリエステル長繊維生産部門を分社化します。分社化の目的は次の通りです。

;;   変化を続ける市場に対応する機動力向上。
独立した組織とし、意思決定のスピードアップや小回りの効く生産体制を築き、刻々と変化する市場への対応力の強化を図ります。
    更なるコスト合理化。
間接部門コストやユーティリティー(固定費部分)などの変動費化、及び独立採算によるコスト意識の強化などにより、更なるコスト合理化に繋げます。


2. クラレトレーディングへの事業移管の概要

;;   実施時期 :2002年4月
    移管対象 :衣料用テキスタイル事業全般。
 (原糸の開発・生産・販売については、クラレが継続)
    移管人員 :約70人
    移管売上 :約250億円


3. ポリエステル長繊維生産部門分社化の概要

;;   設立時期 :2001年10月
    社 名 :クラレ西条株式会社(仮称)
    住 所 :愛媛県西条市朔日市892(現 クラレ西条事業所内)
    社 長 :二見 毅(現 クラレ西条事業所長 予定)
    資本金 :未定
    従業員数 :約260名


(ご参考)
クラレトレーディング株式会社

;; 本 社 :大阪市中央区平野町2丁目5番4号 TEL. 06-6226-9011(代表)
  社 長 :牧 野 充 伸
  資本金 :15億円(クラレ100%)
  全社売上 :780億円(2001年3月期)
  繊維関連売上 :約400億円(2001年3月期)
  従業員数 :220人(2001年3月末)
  事業内容 :衣料関連製品、繊維資材、化学関連製品等の専門商社

 


2003/4/22 東レ

ペンファブリック(マレーシア)グループ4社の事業統合について

 東レ及び、東レのマレーシア地域統括会社であるトーレ・マレーシア(TML)社は、このたび、綿/ポリエステル混織物事業を総合的に展開しているペナン州の紡績・織物及び染色事業関係会社4社を今年6月末に事業統合し、一層の企業体質強化とブランド戦略を含めた地域・顧客別事業体制の一体的強化を図ることを決定いたしました。統合するのは、ペンファブリック(PAB)社及び、その100%子会社であるペンテックス(PTX)社、ウッダード・テキスタイル・ミルズ(WDD)社、ペントレー(PLY)社で、統合後の存続会社をPAB社として、PTX、WDD、PLYの3社の事業・要員及び資産をPABに移管あるいは売却します。

 紡績、糸染め、織布、染色、プリントなど現行のオペレーションはそれぞれPAB工場、PTX工場、WDD工場、PLY工場として継続し、事業移管後の3社は清算手続きに入ります。
 統合後のPABの資本金は約86百万マレーシア・リンギット(約26億円)、売上規模は約6億マレーシア・リンギット(約180億円)で、従業員数は約2,200名となります。この4社は従来から経営などの面で一体的な運営を行って参りましたが、今後、間接部門の集約や重複業務の解消、及び統合的な生産・販売システムやSCMの導入を図ると共に、4工場間で従業員のフレキシブルな配置を行い、より機動的な事業運営を行っていきます。また、グループ内取引にかかわるマレーシア国内移転価格税制問題も回避できることから、今回の統合は事業構造の体質強化に加えて、様々な経営リスクへの対処にも大きなメリットがあります。

 PABグループによるマレーシアでの綿/ポリエステル混織物事業は欧米輸出向けシャツ地が8割ほどを占めていますが、今回の統合を契機に、トータルコストの一層の削減はもとより、長繊維、スパンデックスなど素材の高度化によるスポーツ・カジュアル、ワーキングウェア用途の開拓を図りながら、アセアン地域や中国向けのマーケティングを強化していきます。
 さらに、“New Value Creator”への事業構造転換を目指して、グローバルに展開するSPA(製造小売業)との取り組み強化や東レグループの強みであるグローバル・オペレーションの強化などにも注力して参ります。

 東レは、経営改革プログラム“プロジェクト NT21”において、世界の成長地域に即した事業展開を主体的に運営するため「地域本部制への転換」を掲げ、中国、インドネシア、タイ、マレーシアにおいて国別の統括会社を設立し、事業・収益の拡大を図っています。今回のPABグループ4社の統合も昨年4月に設立されたマレーシア統括会社TMLによるマレーシアでの事業拡大に向けた経営の構造改革の一環です。


2003/8/28 帝人

虫を寄せ付けないポリエステル織編物  「スコーロン®」の開発と販売について
 (アース製薬との技術提携)

 帝人株式会社のグループ会社でポリエステル長繊維の衣料用織編物・カーシートの染色仕上および機能加工を行なっている帝人ネステックス株式会社(本社:石川県加賀市、社長:関根 捷史)は、このたびアース製薬株式会社との技術提携により、耐久性に優れた防虫加工ポリエステル織編物「スコーロンR」を開発しました。
 「スコーロン
®」は、衣料用途に向けて、洗濯耐久性と安全性に優れた防虫加工織編物というコンセプトで開発したもので、アース製薬による耐久性に優れた防虫製剤の開発と、帝人ネステックスの独自の安定固着加工技術により、業界初となる接触忌避型の高い防虫効果を実現したポリエステル後加工織編物です。また、帝人ネステックスの加工技術により、防虫機能だけではなく、用途に応じた要求特性に合わせて複合機能を付与することも可能です。

 詳細は下記のとおりです。

1.開発の経緯
(1) 昨年の北米における西ナイルウィルスの拡大に見られるように、「防蚊」というのは長く注目されている研究テーマであり、最近の自然回帰ブームによるアウトドアライフへの関心の高まりや、農薬無添加栽培への志向の加速により、特に農作物栽培地区で防蚊需要が拡大しています。
(2) こうした中、帝人ネステックスは、昨年アース製薬と技術提携し、安全性と耐久性のある防虫機能の付加を目的に、衣料用途で広範囲に展開できる加工設計の検討を開始しました。
(3) その後、約1年をかけ、衣料用途として初めて、昆虫類の神経系に作用することによって行動錯乱を起こさせ、吸血を阻害する接触忌避型の製薬剤を開発しました。これを独自の製剤固着加工技術によって安全にポリエステル織編物に固着させ、併せて耐久性及び織編物特性(風合い、撥水性など)を持った「スコーロン®」の開発に成功しました。
   
2.技術内容と性能について
(1) 技術内容について
 @ 防虫剤の開発
  従来の揮発性が高いDEET(ジエチルトルアミド)製剤によらず、有機エステル系化合物を主体にしているため、高い洗濯耐久性を発揮します。本製剤は昆虫類に特異的に作用するもので、哺乳類などへの作用は鈍く、また万一体内に入っても毒性は弱いとされています。このため、既にアース製薬では、多くの殺虫剤、防虫剤としての使用実績があり、安全性に関するトラブルは生じていません。
 A 防虫製剤固着技術
  アウトドア向けなど、高い複合耐久機能(撥水+防蚊など)が求められる用途に対しては、印捺方式と帝人ネステックス独自の耐久バインダー加工技術によって高耐久性を実現します。一方、ファッション性が求められる用途では、耐久バインダー加工技術のみでポリエステル織編物の表裏面にしっかりと固着された防虫製剤薄膜が形成され、素材風合いを維持することができます。 このように用途に応じた最適な固着技術を用いることにより、ファッション衣料から農業・工場作業衣料やアウトドア衣料、テント・シュラフなどの資材類に至るまで対応が可能になりました。
   
(2) 性能について
  「スコーロン®」は、蚊の触角を刺激する接触忌避型防虫加工によって忌避剤処理面に接触した蚊の神経系に作用し、行動錯乱を起こさせて吸血を阻害します。「スコーロン®」の防虫機能(ヒトスジシマカのメス成虫30匹を入れたケースに、試験用布の袋で覆った手を入れ、経過時間ごとの「吸血阻止率」を測定)および、その他性能は下表のとおりです。
   
 
商品
(用途)
吸血阻止率(%) 撥水性(級*)
洗濯0回
 → 洗濯20回
風合
(未加工品との対比)
未加工 未洗濯 洗濯
10回
洗濯
20回
撥水タフタ
(アウトドア)
0 100 100 100 5級 → 5級 やや硬いが許容範囲
二重GC
(婦人アウター)
0 100 100 撥水機能不要 やや硬いが許容範囲
天竺
(インナー)
0 100 100 撥水機能不要 やや硬いが許容範囲
 * 撥水性は、試験布に300ccの水をシャワー状に角度45度より滴下した場合の水滴残存状況を評価するJIS1092、シャワー法であり、水滴が皆無の状態を5級とし、3級以上を撥水性機能として評価している。
   
3.展開計画
(1)販売ブランド 「スコーロンR」「SCORONR」
(2)展開時期 2004年度春夏シーズンから展開開始
(3)販売計画 2004年度: 約4,500万円(約3,000反)
          2005年度:     約1億円(約6,000反)
(4)展開用途アイテム
 
用途 商品アイテム
アウトドア用途 パーカー、テント、シュラフ
ファッション衣料 シャツ、浴衣、パンツ、スカート、ジャケット
ユニフォーム衣料 ワーキングウェア(農業・園芸・工業)
小物・グッズ 手袋、ソックス、腕抜き、ペットウェア
   
4.特許出願
  2件申請
  防虫製剤及び防虫加工特許(アース製薬/帝人ネステックス)出願中
  複合機能加工に関する実用新案特許(帝人ネステックス)取得済


【参考資料:会社概要】

◆帝人ネステックス株式会社
  設立 : 2001年12月1日
  所在地 : 石川県加賀市大聖寺上福田町口−131
  資本金 : 4億9000万円
  代表者 : 代表取締役社長 関根 捷史
  売上高 : 63億円(2003年3月期実績)
  従業員数 : 273名(2003年3月末現在)
     
◆アース製薬株式会社
  設立 : 1925年
  所在地 : 東京都千代田区神田美土代町9−1
  資本金 : 8億
  代表者 : 代表取締役社長 大塚 達也
  売上高 : 698億円(2002年12月期実績)
  従業員数 : 827名(2002年12月末現在)

 


日本経済新聞 2003/11/30

ポリエステル繊維 クラレ、生産6割減へ 特殊繊維に設備転用

 クラレは3年後をメドにポリエステル繊維の生産を6割減の年4千トンに縮小する。耐熱性ポリアミド繊維など付加価値の高い特殊繊維の生産に設備を転用する。一般衣料向けの汎用品を中心に不採算製品の取引はやめ、既存の設備を有効活用し収益性を高める。
 同社はポリエステル繊維で年1万3千トンの生産能力を持つ。しかし今年度の生産量は1万トン程度にとどまり、残る3千トン分をすでにエチレンビニルアルコール重合体樹脂を使った「ソフィスタ」など特殊繊維の生産に充てている。ポリエステル繊維を一段と縮小する一方でソフィスタなどを拡大。また新開発した耐熱性ポリアミド繊維などを加えて特殊繊維の割合を7割まで高める。
 ポリアミド繊維の生産方式はポリエステルと同様の溶融紡糸のため、生産設備の転用も容易だ。


2004年12月1日 帝人ファイバー

カネボウ合繊(株)新規市場開発事業の営業譲受に関する契約締結について
http://www.teijin.co.jp/japanese/news/2004/jbd041201_2.html

 帝人ファイバー株式会社(本社・大阪市中央区、社長・野口 泰稔)とカネボウ合繊株式会社(本社・大阪市北区、社長・清末 健太郎)は、本年10月20日にカネボウ合繊の所有する事業のうち、新規市場開発事業の営業譲渡についての基本合意を結んでいましたが、その後交渉を重ねた結果、本日、同事業の営業譲渡契約を締結しました。
 詳細は以下の通りです。

1.経緯
(1) 帝人グループの衣料繊維事業の中核会社である帝人ファイバーは、衣料用ポリエステル繊維の総合メーカーとして、ファイバー事業、テキスタイル事業をグローバルに展開しており、ファイバー事業ではポリエステル長繊維と短繊維を製造、販売しております。
(2) カネボウ合繊の新規市場開発事業は、ポリエステル短繊維の不織布製品の製造、販売、商品開発を、用途別に3つの分野(ヘルスケア、エコケア、ニューメディア)で進めており、その展開方向が帝人ファイバーの短繊維事業競争力強化方針(不織布領域取扱商品および商品開発フィールド拡大など)に沿うものと判断し、本年10月20日に基本契約を結びました。
(3) その後、両社間で協議を行い、今次の最終契約締結となりました。
   
2.買収の範囲
  カネボウ合繊新規市場開発事業の保有する設備、商権
*以下の【現状の新規市場開発事業の概要】をご参照ください。
   
3.営業譲受後の事業運営について
(1) 【現状の新規市場開発事業の概要】に記載した商品の商権は全てカネボウ合繊から帝人ファイバーに譲渡され、帝人ファイバーのファイバー事業部短繊維販売グループで取り扱うこととなります。
(2) 生産については、カネボウ合繊の各種業務の委託先である(株)田島商店を生産委託先とします。その上で、カネボウ合繊防府工場の不織布設備は2005年3月末をめどに田島商店敷地内に全て移設し、2005年4月中旬から生産を開始する予定です。また、カネボウ合繊防府工場不織布製造課の従業員は(株)田島商店に全員転籍予定です。
(3) 帝人ファイバーでは新たに設備投資を行い、これまでの商品構成では展開が難しかった車両用シートなどの新商品開発を積極的に進めます。
(4) 営業および研究開発関係の従業員については、一部が帝人ファイバーに転籍する予定です。

4.営業譲渡実行予定日    2005年3月1日


【現状の新規市場開発事業の概要】
(1)新規市場開発事業の経営内容
  1.主たる事業の運営場所 : 東京、防府
  2.売上高(2004年3月期) : 19億円
(2)新規市場開発事業の事業内容
  1.営業関連: 新規市場開発推進部(ヘルスケア課、エコケア課、ニューメディア課)
  2.製造及び研究開発:
    防府合繊不織布製造課
    合繊研究センター繊維グループ(不織布応用商品開発担当)が営むヘルスケア事業、
    エコケア事業、ニューメディア事業
  3.具体的商品:
    ヘルスケア課(主に高齢化対応商品の販売)
     − マットレス「ファイバークッション」
       吸水・吸湿繊維製品「ベルオアシス」
       (布団除湿マットなどに使用)
    エコケア課(ポリエステルリサイクル綿使用の環境対応商品の販売)
     − 吸音材「セパトーン」(車両、防音壁などに使用)
       住宅用断熱材「パーフェクトバリア」
    ニューメディア課(情報化対応商品の販売)
     − シート状乾燥剤「ベルサニー」
       (デジタル機器用の結露防止剤として使用)


2005年1月12日 帝人

TMI Europe S.p.A.(イタリア)の事業撤退に関するお知らせ
http://www.teijin.co.jp/japanese/news/2005/jbd050112.html

 当社は、イタリアにおいて欧州向けポリエステル長繊維差別化織物の生産・販売を合弁会社TMI Europe S.p.A.で行ってきましたが、このたび事業撤退をすることを決定しました。
詳細は、以下の通りです。

1.背景
(1) 欧州圏は、世界のファッションの発信地でもあり、90年代初頭においてはポリエステル差別化織物(新合繊)も高く評価され、需要も旺盛で顧客からは納期の短期化が強く求められていました。一方、欧州ではポリエステルの差別化織物を製造する川中は少なく、また日本からの輸出は、輸送コスト、関税、納期等で不利な面がありました。このような状況をふまえ、帝人株式会社、伊藤忠商事株式会社、マンテロ社の3社合弁でポリエステル長繊維差別化織物の生産・販売を行うため、TMI Europe S.p.A.を1993年に設立し、1996年より操業を開始いたしました。
(2) しかし、90年代後半には、アジア特に中国からのテキスタイル及び製品流入が欧州でも拡大し、その結果テキスタイル市場全体の価格ゾーンは押し下げられ、顧客の低価格指向も強まりました。さらに、欧州でのポリエステル差別化織物に対する需要は、ファッショントレンドの多様化や根強い天然繊維指向もあり低迷傾向が続いています。
(3) このような欧州テキスタイル市場の環境変化により、当初想定した事業計画との乖離が発生し継続しており、また、今後もポリエステル差別化織物の需要及び価格ゾーンの改善を期待できないことから、TMI Europe S.p.A.による欧州での事業から撤退することを決定いたしました。

2.事業撤退が業績に与える影響及び撤収スケジュール
 事業撤退に伴い発生する損失の引き当てを当期に計上することにより、当社において約50億円、連結決算において約50億円の特別損失が発生する見込みですが、平成16年11月2日に公表いたしました当期の業績予想及び連結業績予想数値には織り込み済です。
また、撤収時期については現在調整中で、商品供給義務が履行され、また従業員の取扱い等が決定し実施された後、撤収を行うこととなります。

【 参 考 】
TMI Europe S.p.A. 概要
1.設      立  1993年11月18日
2.本社所在地  Via Ettore Ara 1, 13100 Vercelli Italy
3.資  本  金  4.27百万ユーロ(2004年6月末現在)
            (帝人株式会社85.69%、伊藤忠商事株式会社14.31%)
4.代  表  者  代表取締役社長 福島 敏秀(ふくしま・としひで)
5.従 業 員 数  266名(2004年6月末現在)
6.売  上  高  27.8百万ユーロ(2003年度)
7.経 常 利 益  −5.2百万ユーロ(2003年度)
8.事 業 内 容  欧州でのポリエステル長繊維衣料用テキスタイルの製造、販売を展開している。