日本経済新聞 2003/3/18
花王、独社の香料事業買収 発表
47億円 海外強化へM&A加速
花王は17日、化学メーカーの独コグニス(デュッセルドルフ)から香料事業を買収すると発表した。製造設備は除き、営業権、製法特許、商標権など無形資産を約47億円で取得し、花王本体が手掛ける香料事業と連携していく。花王は昨夏にも米ヘアケア用品メーカーを買収しており、積極的なM&A(企業の合併・買収)戦略で海外事業を強化する。
買収費用はすべて自己資金で手当し、4月中に手続きを終える予定。コグニスの香料事業の年間売上高は約39億円で、そう快感のあるアンバー系香料「アンブロキサン」を全世界に供給している。花王もスペイン工場と和歌山工場で香料生産や調合を手掛けており「買収で相乗効果が期待できる」(後藤卓也社長)と判断した。
買収後はアンブロキサンを花王のスペイン工場で生産し、自社利用するとともに、内外の家庭品メーカーに外販する。花王の香料事業の売り上げは2002年3月期で約100億円だったが、2005年3月期には200億円まで伸ばしたい考え。
花王にとってはM&Aで海外事業を強化する狙いもある。同社は2002年3月期で20%強の海外売上高比率を2006年3月期までに3割に高める目標を掲げている。昨年9月には米ヘアケアメーカーのジョン・フリーダを540億円で買収しており、今後も消費財の家庭品から中間財の化学品まで幅広くM&Aを検討する。
花王が手掛けた主なM&A案件
時期 企業・ブランド 分野 金額 1988/5 アンドリュー・ジヤーゲンズ(米) スキンケア 375億円 89/5 ゴールドウェル (独) 美容室向け 198億円 98/5 「キュレル」(米)※ スキンケア 178億円 2000/9 「バン」(米)※ 制汗剤 176億円 01/5 クレイロール(米) ヘアケア 買収失敗 02/9 ション・フリーダ (米) ヘアケア 540億円 03/3 コグニス香料部門 (独) 香料 47億円 (注)※はブランド名
花王が独コグニス社の香料事業を買収
花王株式会社(社長・後藤卓也)は、ドイツの世界的な化学品メーカーのコグニス社より、香料事業を買収することで合意に達したことを、お知らせいたします。買収金額は3
,600 万ユーロ(約47 億円*)にのぼり、当局の承認を得て、4月中には買収手続きを完了する予定です。
花王は化学品事業を、家庭用品や化粧品などの事業とともにコア・ビジネスの一つとして位置づけており、特徴のある油脂製品や化成品の分野で着実に業績を上げてきました。とくに今後の成長が見込める香料事業については、日本とスペインを生産拠点として積極的に設備投資を進めるなど、グローバルな事業展開を強化してまいりました。
今回の事業買収は、コグニス社の香料事業全般にわたっており、営業権、技術、ノウハウなどが対象となっています。とくに技術面では、環境や身体への安全性が高いとされる香料素材のアンブロキサンが中心となっており、アンブロキサンは化粧石鹸やシャンプー、衣料用洗剤、衣料用柔軟剤など家庭用品の香料素材として広範に使用されていることから、今後とも大きな成長が見込めます。
2001年におけるコグニス社の香料事業の売上高は、3000
万ユーロ(約39 億円*)であり、今回の買収によって、花王の香料事業の売上高は、グローバル・ベースで150
億円規模に近づくことになります。
また、既存の香料事業とのシナジー効果により、将来的に、花王の香料事業の収益性改善が図れる見通しであり、花王の化学品部門の活動全般に対しても、「利益ある成長」を目指すうえでプラスの効果を及ぼすことが期待できます。
*1 ユーロ=130 .86
円で換算
[コグニス社の概要]
(1 )社名 | Cognis Deutschland GmbH &Co KG | |
(2 )代表者 | CEO アントニオ・トリウス | |
(3 )所在地 | ドイツ、デュッセルドルフ | |
(4 )業務内容 : | 食品やヘルスケア、化粧品、トイレタリーなどの原料となるスペシャリティケミカルズを世界50
ヶ国に供給しており、従業員は9100
人にのぼります。 2001年の売上高は31 億ユーロ(約4057 億円*)、営業利益は1 億7400 万ユーロ(約228 億円*)を記録しています。 |
[ 花王の化学品事業の概要]
2001
年度の化学品事業の売上高は、連結ベースで1
,388 億円にのぼり、花王全体の売上げの約17
%を占めています。ヤシ・パーム系の天然油脂原料からつくる油脂製品や、さまざまな産業に向けて1000
種類を超える特徴のあるスペシャリティケミカルズをグローバルに供給しています。ヨーロッパではスペイン、ドイツに生産拠点があります。
2001/11/30 Henkel Cognis: Henkelが投資家集団に売却
Henkel: Sale of Cognis
successfully completed
The Henkel Group has successfully completed the sale and transfer of
ownership of its independent chemicals business Cognis on November 30, 2001 as planned. The
transaction is based on an enterprise value of 2.5 billion euro.
The purchaser is the investors consortium of funds advised by
Permira, GS Capital Partners and Schroder Ventures Life Sciences.
States Dr. Ulrich Lehner, President and CEO of the Henkel Group:
"Our focus is now on our two strategic businesses Brands and
Technologies. With the proceeds from the sale of Cognis we will
strengthen our existing businesses and ensure our long-term
growth."
Henkel is a specialist in brands and technologies operating
worldwide with affiliates in over 75 countries. The Company is
the market leader in Adhesives and Surface Technologies. In
Laundry & Home Care and in Cosmetics/Toiletries Henkel holds
a leading position in Europe. With 60,475 employees, Henkel
generated sales of 12.8 billion euro in 2000. In the first nine
months of 2001, the Company realized sales of 10.0 billion euro.