2002/09/18 堺化学工業
共同薬品株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ
当社は、平成14年9月18日開催の取締役会において、住友化学工業株式会社などの株主より共同薬品株式会社の株式を取得し、同社を子会社化(連結対象)することを決議いたしましたので、下記の通りお知らせいたします。
1. 株式取得の理由
(1) | 当社は、無機系や有機系、錫系の樹脂安定剤、各種金属石鹸、難燃剤など様々な性状の樹脂添加剤を取り揃える"総合樹脂安定剤メーカー"として、樹脂添加剤事業を重要なコア事業の一つと位置づけ、販売拡大は勿論、高付加価値の新製品開発など、事業の拡大と基盤強化に注力してまいりました。 |
(2) | 一方、樹脂添加剤の事業環境は、公共投資や住宅建設の長期に亘る低迷により、需要の減少、主力需要先である塩ビパイプ業界のアライアンス、脱塩ビによる市場構造の転換等々、極めて厳しいものがあります。従って、事業の強化や一層の発展を図るには、弛まざる独自の努力に加え、秀でた営業力や技術力を有するパートナーを得ることが、不可欠であると認識しております。 |
(3) | 住友化学工業の連結子会社である共同薬品株式会社は、オクチル錫系、液状安定剤を主体とし、軟質ビニル向け用途に強みをもつのが特徴であります。鉛系やメチル錫系、粉状安定剤が主力で、硬質ビニル向けに強みをもつ当社と、営業・技術的に相互に補完しあいながら、発展できるパートナーであります。 |
(4) | 添加剤事業をコア事業とする当社が、共同薬品の自主性を尊重しながら、両社の販路や営業資源の相互活用、コストダウンメリットの追求、添加剤や両社が注力している電子材料関連分野での共同開発などを推進すれば、シナジー効果により、当社のみならず、共同薬品にとっても、事業基盤の強化、拡充が期待できるものと確信しております。 |
(5) | 今般、上記の事由で、共同薬品の株式取得が、当社グループの総合力強化にもつながるものと考え、決議いたしました。 |
2.異動する子会社(共同薬品株式会社)の概要
(1)商号 | 共同薬品株式会社 | ||
(2)代表者 | 高椋新吉(たかむくしんきち) | ||
(3)所在地 | 東京都世田谷区経堂五丁目38番5号 | ||
(4)設立年月日 | 昭和14年4月3日 | ||
(5)主な事業の内容 | 合成樹脂用各種添加剤・化学薬品等の製造販売 | ||
(6)決算期 | 毎年3月末日 | ||
(7)従業員数 | 73名(平成14年3月末現在) | ||
(8)主な事業所 | 本社、東京営業部、大阪営業部、世田谷研究所、秦野工場 | ||
(9)資本の額 | 60,000千円 | ||
(10)発行済株式総数 | 1,200千株 | ||
(11)大株主構成 および所有割合 |
住友化学工業株式会社 昭和興産株式会社 丸石化学品株式会社 その他 |
607,680株(50.64%) 268,320株(22.36%) 100,000株( 8.33%) 224,000株(18.67%) |
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(12)提出会社との関係 | 資本関係 該当事項はありません。 人的関係 該当事項はありません。 取引関係 一部の製品で、両社相互に販売実績があります。 |
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(13)最近事業年度における業績の動向 |
平成12年3月期 | 平成13年3月期 | 平成14年3月期 | ||||
売上高 | 4,892百万円 | 4,924百万円 | 4,698百万円 | |||
営業利益 | 162百万円 | 179百万円 | 88百万円 | |||
経常利益 | 182百万円 | 195百万円 | 103百万円 | |||
当期利益 | 38百万円 | 38百万円 | 56百万円 | |||
総資産 | 3,305百万円 | 3,410百万円 | 3,325百万円 | |||
株主資本 | 1,831百万円 | 1,848百万円 | 1,885百万円 |
3.株式の取得先
・ 住友化学工業株式会社 | 487,680株 |
・ 他株主 | 180,000株 |
※ 住友化学工業株式会社のほか、他の株主からも計180,000株程度を譲受けることを予定しております。
4.取得株式数および取得前後の所有株式の状況
(1) 異動前の所有株式数 | 0株(所有割合 0%) | ||
(2) 取得株式数(予定) | 667,680株(所有割合 55.64%) | ||
(3) 異動後の所有株式数(予定) | 667,680株(所有割合 55.64%) |
5.日程
平成14年 9月18日 | 取締役会決議 | |
平成14年10月初旬 | 株券の取得(予定) |
6.今後の見通し
共同薬品株式会社の子会社化に伴う第108期(平成15年3月期)の連結の業績に及ぼす影響につきましては、2−(13)「最近事業年度における業績の動向」にお示しした通りの実績が、加わる予定ですが、詳細については、明確になった段階でお知らせ致します。
化学工業日報 2002/8/22
品川化工、塩ビ安定剤・金属石鹸、インドに生産拠点
現地社と合弁、年5000トン、増強視野に 南ア、中国でも計画
品川化工は、インドに塩化ビニル樹脂用安定剤および金属石けんの生産拠点を確保した。現地メーカーのバイニールケミカル(所在地・ハイデラバード)に資本出資して合弁会社にしたもので、成長余地の大きいインド市場開拓の足掛かりにする。インドを加えた同社の海外生産拠点は5カ国にまたがるが、今年末をめどに南アフリカでも塩ビ安定剤の生産を開始する予定。2003年中には中国での現地生産も具体化させる方針だ。
品川化工の海外事業はシンガポールのサンエース・カコー(通称・SAK)が中軸になっており、SAKがバイニール・ケミカルの新規発行株式を引き受けて49%の株式を8月に取得。先週には社名も「サンエース・バイニールケミカル」に変えた。3年以降に過半株式を持てるというオプションも契約につけており、権利を実行すれば経営主導権を握れる。サンエース・バイニールケミカルの工場は、塩ビ安定剤と金属石けんの合計で年間約5千トンの生産能力がある。SAKの出資金を工場の効率生産投資や研究開発施設の充実に充てて事業基盤を強化していく。生産能力についてもアップする見通しだ。
インドではこれまで、SAKの支店を拠点にして市場開拓を進めてきたが、関税が高いことから輸入販売での市場参入は難しかった。現地生産拠点の確保により、中国と並んで高い成長が見込めるインド市場の開拓を本格化する。
中国では上海にSAKの支店があるが、来年末までに生産拠点を確保する方針。独資あるいは経営主導権を握るかたちで現地法人を設けたい考え。中国は東南アジアの生産拠点からの最大の出荷先になっていることもあり、現地生産拠点が必要と判断している。ただ、一度に大きな投資をするのではなく、段階的に進める方針だ。
品川化工の現在の海外拠点は8力国におよび、シンガポール、豪州、マレーシア、サウジアラビアおよびインドの5カ国に工場がある。南アフリカの合弁販売会社でも今年末をめどに塩ビ安定剤の生産を開始する予定のため、生産拠点を置く国は6カ国に増える。これに中国が加われば、SAKの支店のあるバーレーンを除いた7カ国に生産拠点が配置されるという体制になる。
品川化工、南アで塩ビ安定剤生産 年3000トン、年内にも稼働
世界6.4万トン体制に
品川化工は、南アフリカで塩化ビニル樹脂用安定剤の生産に乗り出す。現地の合弁販売会社が工業団地内に土地と工場建屋を確保、そこに塩ビ安定剤の生産設備を導入して今年末にも生産を開始する。当初の年産能力は3000トンを計画。同社は日本を除いて海外4カ国に塩ビ安定剤の生産拠点を保有している。アフリカは市場規模としては小さいものの、これまでの市場開拓成果や塩ビ市場の拡大を受け、現地生産に踏み切ることにした。
品川化工は、シンガポールのグループ会社・サンエースカコーを通じて南アフリカで96年に現地実業家との折半出資合弁販売会社「サンエース・サウスアフリカ」を設立。塩ビ安定剤と金属石けんなどの販売のほか、技術サービスの体制も整えてアフリカ南部を中心に市場を開拓してきた。南アフリカでの生産拠点については、工業団地内にある建屋付き土地(5千平方メートル)を借り、生産設備・機器を導入するというかたちで確保。鉛系とCalZn(カルシウムー亜鉛)系の塩ビ安定剤を現地生産し、アフリカ南部の市場に供給していく。現地生産の開始を機に、合弁会社の出資比率は品川化工グループがマジョリティをとるかたちにする計画だ。 アフリカの塩ビ消費量は世界全体の2.5%に過ぎないが、1995年から2000年までの間の伸び率は25%に達しており、市場での先駆的ポジションや将来的な市場成長余地をにらんで現地生産体制を整える。
同社の主力事業は塩ビ安定剤と金属石けんで、グループ売上高の約7割を海外が占める。塩ビ安定剤の現有年産能力は、日本が14,400トン、シンガポールが24,000トン、マレーシアが7,000トン、豪州が12,200トン、サウジアラビアが7,000トンで世界全体で約61,000トン。南アフリカの3,000トンが加わると64,000トン体制と、世界大手の基盤が一段と強化される。
サウジアラビアでは現地の合弁会社「サンエース・ガルフ」が昨年に商業生産を開始。また、今年に入ってシンガポールでCaIZn系塩ビ安定剤で年産2400トンの生産設備を追加して6月に立ち上げたほか、マレーシアでは5月に設備手直しで年産1000トンを増強。豪州では5月に米フェローの現地法人から樹脂添加剤事業を買収し、CalZn系塩ビ安定剤で年産5000トン、液状複合系塩ビ安定剤で同1200トンの能力が加わった。
昭和初期、日本では石油や油脂の精製に使用される活性白土はすべて輸入に頼っていました。 そこで、1937年(昭和12年)、国内生産に踏みきるために、武田薬品工業株式会社の出資によって設立されたのが武田白土工業株式会社、現在の水澤化学工業株式会社です。
(武田薬品工業(株)53.1%、三井物産(株)10.0%)
その後も、塩化ビニル成型時に使用する樹脂用安定剤、ノーカーボンペーパー用発色剤、湖沼汚染の原因となっていたリン酸塩にかわる無リン洗剤の助剤など画期的な製品の開発に成功。技術とともに、一歩いっぼ確実に発展の道を歩んできました。
1990年には、タイに Siam Stabilizers and Chemicals Co.,Ltd.をタイ・プラスチック社および三井物産他1社と(合弁)で設立、塩ビ樹脂用複合安定剤を製造・販売しています。
化学工業日報 2003/7/23
水澤化学 塩ビ樹脂用安定剤、非鉛系中国で拡販 タイ拠点の稼働で
水澤化学工業は、塩化ビニル樹脂用非鉛系安定剤の中国市場開拓に乗り出す。タイの合弁拠点サイアム・スタビライザーズ・アンド・ケミカルズ(SSC)において年間1,200トンの新設備が稼働したのを機に、新規ユーザー開拓を本格化するもの。すでに鉛系安定剤では中国市場で高い実績を有しているが、今後の需要拡大をにらみ、拡販体制を強化する。中国では当面、非鉛系で月間20−30トンの販売を目指していく考えで、2008年をめどに新設備をフル稼働する計画。
水澤化学は1990年、タイの塩ビ最大手メーカーであるTPCなどとの合弁でタイにSSCを設立。バンコクに本社を置き、94年からラヨン県のマプタプット工業団地で塩ビ樹脂用鉛系安定剤の生産を開始した。現在の生産能力は年間9500トンで、パイプ、電線被覆向けを中心に、タイをはじめとした東南アジア諸国、中国などに製品を供給している。
昨年には非鉛系安定剤の生産棟を新設、年間1200トン規模でカルシウムー亜鉛系塩ビ安定剤の新設備を導入した。東南アジアで使われる塩ビ安定剤は鉛系が主流だが、電線被覆用を中心に非鉛系の需要も着実に増えていることから、水澤化学でも早期に現地生産体制を構築、新規ユーザーの開拓に着手した。
現在中国市場では、鉛系で年間1200トン程度の販売実績を有している。電線被覆向け非鉛系の需要増加が見込まれることから、SSCを通じ同市場への参入を本格化している。SSCでは今後、水澤化学と協力しながら中国でのシェア拡大を目指す考えで、まずは年間1200トン設備をフル稼働としている。