2003/3/12 旭化成                           

新増強シクロヘキサノール・プラントの商業運転開始について

 弊社は、水島支社(岡山県倉敷市)における独自開発のシクロヘキセン法によるシクロヘキサノール製造プロセス(年産10万トン)について、5万トンの能力増強を完成し、本日、商業運転を開始しましたのでお知らせいたします。今回の能力増強により、アジア地域のアジピン酸市場における当社の事業ポジションがますます強固なものとなり、当社のナイロン66事業の拡大が図られます。

◇趣 旨

(1)  アジピン酸及びカプロラクタムの主原料であるシクロヘキサノールは、アジアを中心としたウレタン原料市場におけるアジピン酸の拡販、自動車部品および家電OA向けのナイロン66樹脂の拡販を背景に、フル生産で製造を行なってきました。
(2)  アジピン酸について、弊社は、ローディア社の韓国温山(蔚山廣域市蔚州郡)における年産6万5千トンの増設分から、年5万トンの引取権を実施することにより(2001年2月9日契約調印)、レオナ樹脂・原料工場(宮崎県延岡市)の生産能力と併せ、供給能力を年17万トンとします。ローディア社より引き取ったアジピン酸は、本年4月より当社のチャネルのもと韓国国内をはじめアジアに販売いたします。
 このため、当社は、昨年12月、当社100%出資の関係会社である旭化成アジピン酸(韓国)株式会社(ソウル市、ナイロン・ウレタン原料事業部長 亀井啓次が社長兼任)を設立しています。
(3)  今回のシクロヘキサノール・プラントの増強は、このアジピン酸の生産に必要となるシクロヘキサノールを供給するため建設を進めてきたものです。
(4)  当社のシクロヘキサノール及びアジピン酸のプラントは、初年度よりフル稼働を予定しております。

(参考)
旭化成シクロヘキセン法シクロヘキサノール プラント開発経緯及び製品特徴
 <経緯>
  1980年 基礎研究を開始
  1988年 プラント建設に着手
  1990年 商業運転開始( 60,000トン/年)
  1996年 増強第T期  ( 80,000トン/年)
  1997年 増強第U期  (100,000トン/年)
<特徴>
 ・カーボン収率がほぼ100%であり、副生品は外販可能なシクロヘキサンである。
 ・水素消費量は従来の3分の2である。
 ・省資源型、無公害型かつ安全(反応は水溶液中)なプロセスである。

旭化成ナイロン66事業フロー概要