エラストマー

 

2005/1/25 三井化学

新規機能性エラストマー(商標名:タフマー(R)XMシリーズ)の販売開始について
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/050125.pdf

 当社(社長:中西宏幸)は、自動車・家電部品や食品包装材等に使用されるエラストマー(軟質高分子素材)の製造、販売を行っておりますが、この度、メタロセン触媒を用いたプロピレン系の機能性エラストマー(商標名:タフマー(R)XMシリーズ)を新たに発売することと致しました。

<新製品の概要>
1.製品:メタロセン触媒を用いたプロピレン系の機能性エラストマー
2.商標名:タフマー(R)XMシリーズ
3.製造設備:市原工場メタロセン専用タフマープラントの設備改造
4.生産能力:30,000トン/年
5.技術:自社技術(メタロセン触媒)
6.販売開始:2005年4月
7.売上高:06年度10億円以上

 今回販売を開始するタフマー(R)XMシリーズは、従来のチーグラー触媒により製造されたプロピレン系タフマーに比べて均質性が極めて高い画期的なポリマーで、高性能樹脂改質材としての用途が期待できます。例えば、ポリプロピレンとブレンドしてポリプロピレンフィルムのヒートシール(熱融着)層に用いる場合、従来のタフマーを用いて製造した場合に比べて、20℃低温でヒートシールすることが出来、食品等の包装工程を効率化することが出来ます。また、優れた耐ブロッキング性により、フィルムの貯蔵・輸送過程におけるブロッキング(フィルム同士が粘着してしまうこと)を防ぐことが出来ます。加えて、本新製品は、樹脂改質材以外の多様な用途への展開を推進しています。

 当社は、中期経営計画(04年度〜07年度)において、機能性材料分野の拡大・成長を目指しております。機能性ポリマーズ分野の一つであるエラストマー事業では、今般販売を開始するメタロセン触媒技術を活かした新製品に加え、ナノ構造制御技術を駆使した新型エラストマー、特殊液状ポリマー等の新製品の開発に積極的に取り組んでおります。このように当社は、機能性材料分野の拡大・成長に向け、更なる新製品開発・新規用途開発の加速を図っていきます。


2005/04/11 三井化学

ナノ結晶構造制御型エラストマー「ノティオ(TM)」の事業化について
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=97963&lindID=4

 当社(社長:中西宏幸)は、自動車材、包装材、建材等に使用されるエラストマー製品(軟質高分子素材)の製造、販売を行っておりますが、この度メタロセン触媒を利用し、結晶構造をナノオーダーで制御した新型エラストマー(商品名:ノティオ(TM)、英文名NOTIOTM)を、新製品として事業化することを決定いたしましたのでお知らせいたします。

<ノティオ(TM) の概要>
1.製品:結晶構造をナノオーダーで制御した新型α−オレフィン系エラストマー
2.商標:ノティオ(TM)
3.製造設備:市原工場内既存プラントを改造
4.技術:自社技術(メタロセン触媒)
5.スケジュール:販売開始2005年11月
6.売上高:10億円以上(08年度)

 新製品「ノティオ(TM)」は、メタロセン触媒を利用して結晶構造をナノオーダーで制御した、これまでにないα−オレフィン系エラストマーです。従来のエラストマーでは結晶サイズがミクロン(μm=10−6m)オーダーに留まっていましたが、本製品では構造をナノ(nm=10−9m)オーダーで制御することに成功しました。これにより、透明性とともに耐熱性(軟化点で70℃高い)、柔軟性、ゴム弾性全てに優れる従来品では得られなかった高次元の性能バランスが実現し、改質材としてはもちろん主材としての用途も格段に広がりました。
 主材用途としては、ナノ構造制御によって実現した、優れた透明性、耐熱性、柔軟性、ゴム弾性、耐傷付性の高次元の特性バランスにより、電子・光学材料分野等でのプロテクトフィルムや各種シール材への利用が見込まれています。また改質材用途としても、ポリプロピレン樹脂との混合において、透明性を損なわずに耐衝撃性および耐傷付性を同時に高いレベルで保持できるなど、ナノ構造制御の特長を活かした画期的な性能を発揮します。さらに本製品の耐熱性に見られる特長は、食品包材等の高機能フィルムへの利用を可能とし、耐傷付性を活かしては自動車・建材用の表皮材での利用が拓ける等、非常に多岐に亘る分野での利用が期待されています。このように当社は、本製品の用途開発を積極的に押し進め、本製品をエラストマー事業における次世代の基幹製品に育成していく方針です。

 当社は、中期経営計画(04年度〜07年度)において、機能性材料分野の拡大・成長を目指しております。先に発売を開始した「タフマーRXMシリーズ」に続く今回の「ノティオ(TM)」の事業化により、機能性材料分野の中核を担うエラストマー事業での製品ラインアップが一層充実しました。
 当社は、これからも触媒技術をベースにした先端ポリマー材料の創出を通じて高品質の製品を市場に提供し、事業の拡大・成長を図っていきます。