January 8, 2007 Daikin
America
Daikin America, Inc. Announces Decatur EFEP Plant Expansion Start
Up
Daikin America, Inc announced today the start up of their
recently completed EFEP plant expansion in Decatur
Alabama. “EFEP (perfluoronated
ethylene-propylene copolymer) is a truly unique fluoropolymer
manufactured only by Daikin” according to Cliff Adams,
Chairman of the Board of DAI. “It’s exciting to be involved with the
commercial growth of a new polymer like EFEP. I am pleased that
Daikin made the multimillion dollar investment to increase our
capacity and even more pleased that construction and start up of
the new unit has been so successful.”
EFEP can be co-extruded with Nylon, modified Nylon, EVOH, ETFE,
and glass. The unique bonding properties of EFEP make it well
suited as components for automotive fuel systems and oil
transport equipment. EFEP’s excellent clarity makes it an
ideal candidate for protective film for solar panels and
semiconductor handling equipment.
According to Tison Keel, Vice President of Sales and Marketing
for Daikin America, Inc. “EFEP is an exciting new product
that expands our current product line and demonstrates Daikin’s global commitment to new
technologies and products to support our customers and the
markets that require fluorinated materials.”
Daikin America Inc., one of the largest fluoropolymer suppliers
in the US, is a wholly owned subsidiary of Daikin Industries Ltd.
of Osaka, Japan. Daikin Industries has been in the fluorine
chemistry business since 1933 and is Japan’s leading manufacturer of air
conditioning and refrigeration equipment, as well as Japan’s largest producer of
fluorochemical products.
2003年3月25日 ダイキン工業
世界初、接着性を兼ね備えた新しいフッ素樹脂 “ネオフロンEFEP”を開発
【要旨】
ダイキン工業株式会社(本社:大阪市)は、世界で初めて接着性を兼ね備えた新規フッ素樹脂“ネオフロンEFEP”の開発に成功しました。
ネオフロンEFEPは、フッ素樹脂の特長である優れた耐薬品性・非粘着性・電気絶縁性・耐侯性に加えて、従来は他素材(エンプラ・金属)に直接接着することが出来なかった欠点を世界で初めてクリアーした画期的な素材です。
用途としては、環境規制の強化から急速に需要が拡大している米国での自動車の樹脂製燃料配管を中心に、化学工業や半導体産業の薬液配管部材・容器、電線被覆材料、太陽電池・建材・内装材向けフィルム等、幅広い分野に展開して参ります。
生産は、米国での需要拡大に対応すべく、ダイキンアメリカ社ディケーター工場(アラバマ州)で行ない、日本・米国・欧州・中国等、グローバルに供給していきます。
2003年4月から本格販売を開始し、初年度10億円、2005年50億円の販売を見込んでおります。
【ネオフロンEFEPの特長】
1. 他素材(エンプラ・金属)と直接接着
2. 低い温度で加工
3. 透明性の向上(RP-4000系)
【開発の背景】
米国の自動車産業においては環境規制の取組み強化から、燃料配管材料について燃料透過性を低減するニーズが出てきております。【説明1】
現在、樹脂製燃料配管材料にはナイロンなどが採用されていますが、燃料透過性を低減するためにナイロンチューブの内層にフッ素樹脂を積層することで燃料透過量を1/100以下に削減でき、この規制に対応する事ができます。【図1】
しかし、一般的なフッ素樹脂では融点が高いために高温(330〜420℃)での成形が必要となり、ナイロンなど他素材との共押出しが出来ないことや、貼り合わせが出来ないという問題点がありました。
このニーズに応えるべく、接着性と低温加工性を兼ね備えた“ネオフロンEFEP”を開発しました。
これにより、ナイロンとネオフロンEFEPの同時成形(共押出し成形)を実現すると共に、ナイロンとの強固な接着性を付与し、配管材料としての信頼性を大幅に向上させることが出来ました。【図2】
【説明1】環境規制の内容
環境規制が最も厳しいアメリカのカリフォルニア州では、法律で車一台あたりから排出されるハイドロカーボンの総量が1995年から強化され、2g/1日に制限されました(LEV I)。2004年からさらに強化され、0.5g/1日に規制される計画になっております(LEV II)。
そのため、ハイドロカーボンであるガソリンが燃料配管から漏れるのを防ぐため、燃料透過量の非常に小さいフッ素樹脂を内層に積層する要望が出てきました。
※排出ガス規制
LEVI:米国カリフォルニア州にて1995年から施行された自動車排出ガス規制
LEVII:同州にて2004年から施行される新・自動車排出ガス規制
【ネオフロンEFEPの特長】
1. 他素材(エンプラ・金属)と直接接着
ネオフロンEFEPは表面処理や接着剤を用いなくても強固な接着を得ることができ、ナイロン・変性ポリエチレン等と多層チューブ、多層フィルムなどの複合成形を行なうことができます。
また、金属板(ステンレス、アルミ、銅板など)やガラスとの貼り合わせにおいても熱融着によるラミネート加工のみで強固な接着強度を得ることができます。
(ネオフロンEFEPのエンプラとの接着性)
EFEP/他素材
(厚み、μm) 接着条件 接着強度
方法 条件
ナイロン6 (250/750) 共押出し 240℃/250℃
40N/cm以上
ナイロン12 (250/750) 共押出し 240℃/240℃
40N/cm以上
ナイロンエラストマー (500/500)
ヒート・プレス 230℃プレス 35N/cm
EVOH (300/300) ヒート・プレス 250℃プレス
35N/cm
※ 一般的なフッ素樹脂(PFA,ETFE,FEP)において同様の試験では接着強度は5N/cm以下
(用途例)
自動車分野:樹脂製燃料配管(ナイロン積層チューブ)
塗装ライン用チューブ(ナイロン積層チューブ)
化学工業分野:各種薬液配管、薬液バッグ
建材分野:フィルムラミネート鋼板
内装材分野:壁紙
2. 低い温度で加工
ネオフロンEFEPの融点がRP-4000系で165℃と低い温度での成形が可能になり、ナイロン等のエンプラと同時成形(共押出し成形)もできることから、成形加工の能率向上とコストダウンができるようになります。
RP-4000系 RP-5000系 PFA ETFE ETFE
融点(℃) 165 195 305 265
成形温度(℃) 200〜240 220〜260 350〜400 290〜320
金型温度(℃) 30〜80 30〜100 180〜220 130〜150
(用途例)
半導体・化学工業分野:薬液配管部品(パイプ、継手・バルブ・ポンプなど)
電気・電子部品:電線被覆、コネクター
3. 透明性の向上(RP-4000系)
従来のフッ素樹脂の特長を持ちながら、光透過性が30%以上(500μmシート厚みで評価)向上しました。
薬液配管や液面計などの用途において目視による液管理が容易になります。
耐久性、耐侯性が求められる太陽電池向けの表面フィルム、オーバーレイフィルム等の用途展開を図ります。
(用途例)
半導体・化学工業分野:薬液配管、液面計、流量計、薬液槽、覗き窓
食品分野:紫外線ランプカバー
太陽電池:表面カバーフィルム
建材分野:オーバーレイフィルム
【 参考 】
1. 共押出し
二種類以上の材料を溶融状態で接着させながら成型する方法で、フィルムやチューブ、ボトルなどの成型品を得る事ができます。別々の機能をもつ樹脂材料を組み合わせる事で、一種類の樹脂で成型した場合に得られない高機能で低コストな成型物を得る事が可能となります。
2. 接着強度
二種類以上の材料が接着している場合に、その間を引き剥がす力を測定したもの。接着力が弱い場合には、熱や薬品の影響で剥がれてしまうような不具合が生じる事があります。
3. 変性ポリエチレン
ポリエチレンを化学的に変性し他材と接着するようにした樹脂で、食品包装や自動車の燃料タンクなどの用途で幅広く使われています。
4.
EVOH(エチレンビニルアルコールコポリマー)
ガスバリアー性に優れ、食品・医薬包装材、自動車の燃料タンクなどに広く用いられている高機能エンプラです。