1997/2/25 東レ発表

液晶ポリマ−“シベラス”の本格量産開始について

 東レは、愛媛工場における液晶ポリマ−(以下LCP)“シベラス”の新重合設備(ベ−スレジンの生産能力:1,000トン/年)の設置がこのたび完了し、3月の試運転を経て、4月から量産を開始します。なおコンパウンドは、名古屋工場内のナイロン、PBT、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂用設備で年産1,500トンまで可能です。
 近年、AV機器やパソコン、携帯電話などの薄肉化・軽量化・小型化と、基盤の自動実装化を背景に、コネクタ−を中心とする電子部品の表面実装化(SMT)が急速に進展しており、LCP市場は毎年20%以上の拡大が見込まれます。
 東レは“シベラス”の薄肉流動性や成形安定性の特長を生かし、コネクタ−を中心とした電子部品用途や、OA機器の機構部品(ハウジングやシャ−シ)用途に販売を拡大し、2000年に30億円の売上を目指します。

 “シベラス”は芳香族系の原料にエチレングリコ−ル(脂肪族)を共重合した半芳香族系液晶ポリマ−です。特殊な共重合成分の選択によって分子配列を制御することにより、従来の半芳香族系液晶ポリマ−では耐熱温度が低いため使用できなかったSMT部品分野に、世界で初めて対応可能になりました。
 また“シベラス”は、SMT対応可能な全芳香族液晶ポリマ−に比べ、流動性・滞留安定性・低ソリ性等の成形性を大幅に改善しており、ウエルド強度は従来のLCPより約30%向上しています。
 そして価格面においては、安価で汎用的な原料を使用し、低コストで重合可能なプロセスであることや、東レ内の既存設備の一部を利用できることによって、各社LCP樹脂の中で最もコスト競争力を有しています。
 加えて、東レはこの“シベラス”に関し200件以上の特許を出願中もしくは権利化しています。

 東レは“シベラス”の優れた機能やコストパフォーマンスだけでなく、ナイロン、PBT、PPSなどのエンプラでの知見を生かし、ユ−ザ−のLCPへの期待に応えていきます。

【御参考】
●LCP市場について

   日本のLCP市場は、95年で1500トン/年の市場規模であり、タイプ別にはI型LCP(荷重たわみ温度280℃以上)が30%、II型LCP(同240〜270℃)が60%、III型LCP(同230℃以下)が10%という比率になってます。

●東レLCP樹脂“シベラス”の新グレード

   東レはこれまでSMTコネクタ−等の電子部品、ビデオデッキ等の機構部品などにガラス繊維35%強化標準グレ−ド(L204G35)を中心に展開してきましたが、幅広いニ−ズに対応するために新たに各種グレ−ドをラインアップしました。

 低ソリグレ−ド(L204M50)はガラス繊維と無機フィラ−を高充填したグレ−ドで、従来LCP樹脂の欠点である成形収縮率の異方性を大幅に改良したグレ−ドです。液晶表示の支持枠、PCカ−ドのフレ−ムなど平面度を要求されるテ−マに最適です。
 またガラス繊維35%強化グレ−ドについても薄肉で複雑な形状の製品に対応すべく超良流動グレード(L204G35 Hタイプ)を開発し用途展開をおこなっています。ファインピッチ基盤対基盤コネクタ、ノ−トパソコン用SO-DIMMソケットなどに採用されています。

1997/7/30 住友化学

LCP(液晶ポリマー)プラントの増強について

 住友化学は、このほど、スーパーエンジニアリングプラスチックスであるLCP(全芳香族液晶ポリマー:商品名=「スミカスーパーLCP 」)の需要拡大に対応するため、来年4月完成を目途に、ニートレジンの生産能力を1000t/年から2000t/年(コンパウンド換算で1500t/年から3000t/年に相当)に増強するとともに、生産体制の効率化を図ることといたしました。
 LCPは、高い耐熱性に加え、優れた薄肉流動性を有するスーパーエンプラで、これまで電子部品用途を中心に、高い需要の伸びを示してきました。住友化学は1983 年、愛媛工場に日本で初めて独自技術による50t/年のプラントを設置して以来、1991年、関係会社である三建化工株d磨製造所内に本格プラントを設置、その後需要増加にともなう逐次増強により、現在の生産能力は、1000t/年の規模となっています。
 近年LCPは、リレー、ボビン、コネクターなどの電子部品の表面実装化の普及にともない年率20 %強の伸びで推移しており、高品質を誇る住友化学の「スミカスーパーLCP」は、輸出も好調で、販売量はここ2 〜3 年で倍増しています。さらに今後は、プリンターなどのOA 機器部品、電子オーブンレンジ用の容器、自動車部品、フィルム分野などの新しい需要の拡大も見込まれています。
 こうした国内外での需要の伸びに対応するため、住友化学はこのほど、愛媛工場内に新たに1000t/年の設備を設置し、既存設備と合わせて2000t/年の能力にすることにしたものです。また、増強後は、愛媛工場でメイングレードのE6000 を集中生産するとともに、三建化工のプラントではE5000 、E4000 、E7000などのグレードの効率生産を図り、2つの生産拠点での競争力あるプラント運営を行っていく考えです。
 住友化学は、スーパーエンプラとして、LCP のほかに、平成6年に愛媛工場で国産化したPES(ポリエーテルサルホン)をはじめ、PEEK (ポリエーテルエーテルケトン:ビクトレックス社からの輸入販売)、さらには、これらPES 、PEEK のアロイである高機能性コンパウンド「スミプロイシリーズ」など、豊富な品揃えときめ細やかなテクニカルサービスで多様なニーズに対応しておりますが、今回のLCPの増強を機に、スーパーエンプラ事業の総合的な展開を一層強化していく方針です。


化学工業日報 2002/10/24

住友化学、LCPの新製造法を開発

 住友化学工業は23日、液晶ポリマー(LCP)の機能と生産効率を大幅に向上できる新プロセスを開発したと
発表した。塩基性有機触媒を使用する方法を初めて見いだしたもので、この製法で生産するLCPは、高耐熱性を維持したまま従来品に比べ流動性が40%向上するほか、ハンダ工程での表面発泡(ブリスター)を著しく低減できる。ポリマー重合時の触媒の高活性により反応速度が高まるため、同社では少額の設備投資で愛媛工場の生産能力を現在の年2000トンから4000トンに倍増できるとしている。1年以内に現行グレードの7割を新グレードに切り替える予定。環境に配慮したコスト競争力のある新製法の確立で、世界2位のポジションを一段と高める。


2002/10/23 住友化学

液晶ポリマーの新プロセスを開発

 住友化学は、このたび液晶ポリマー(スミカスーパーLCP 、以下LCP )について、有機触媒を用いた斬新な製造プロセスを開発し、製品機能と生産効率を大幅に向上することに成功しました。今後、需要家の協力を得て、順次、現行グレードを新グレードに切り替え、液晶ポリマーの事業拡大を図ってまいります。
 この新製法は塩基性有機触媒を使用する方法で、従来の触媒を使用しない生産方法と比較し、モノマー間の反応速度が著しくアップし、かつ副反応を大幅に抑制することができます。また、この触媒は重合時の昇温過程で副生成物とともに系外に排出されるので、ポリマー中に残らないという利点があります。
 新プロセスにより生産するLCP は、特徴である高耐熱性を維持しつつ、通常のLCP に比べ流動性が高く、また、オリゴマー(1) の量を極めて少量に抑制できるので、樹脂加工時の熱安定性が向上し、ハンダ工程でのブリスター(2)も著しく低減できます。さらにポリマーの色調(白色度)が向上するので、LED (発光ダイオード)部品のような白色度が要求される用途でも使用が可能となります。
 一方、このプロセスでは、ポリマー重合時の触媒の高活性により、反応速度が大幅に向上し、当社愛媛工場の生産能力を現在の2 ,000 トンから4 ,000 トンに倍増することができます。また、既存設備に触媒添加装置を付与するだけで改良できるため、設備投資はほとんど必要ありません。
 LCP の主要用途であるコネクターをはじめとする表面実装部品は、今後ますます、微細化、ファインピッチ化が進み、加工時の高い流動性や熱安定性が求められますが、このプロセスによる新グレードはこうした要求に応えるものであり、すでに実施しているサンプルワークでは、主要な需要家から好評を得ています。
 当社は、今後、新グレードへの切り替えを積極的に行い、市場からの製品機能の向上や、コストダウンへの要請に長期的にこたえてまいりたいと考えています。
 住友化学は、LCP をはじめとするスーパーエンジニアリングプラスチックをコア事業である情報電子材料事業の一つの柱と位置づけており、今後とも市場ニーズに合致した製品の研究開発に注力し、事業の拡大を図ってまいります。

(1) 低重度の重合物
(2) 240 ℃以上のハンダ溶融温度で、成型品からオリゴマー由来のガスが発生し、表面が発泡する現象

 


化学工業日報 2001/1/24 

住友化学、LCP原料ビフェノールを自社生産へ

 住友化学工業は、液晶ポリマー(LCP)の主要原料であるビフェノールの自社生産に乗り出す。工程を途中まで共有化できるBHT(2・6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール)の製造プラントを生かし、同製品と併産体制を確立する計画で、大分工場で関連設備の建設に着手した。投資の中心は後工程の精製プロセスとしており、今年秋にも生産をスタートする。同社は、LCPを年間3000トン供給できる能力を保有しているが、ビフェノールについては、あくまで自社製品の原料としての位置付けに限定し、外部供給は行わないとしている。投資額は数億円にとどまる見込み。


住化ホームページより

「スミカスーパーLCP」は、エンジニアプラスチックの中では最高の耐熱性を有する溶融型の液晶全芳香族ポリエステル樹脂で、国内で最初に住友化学により商業生産された液晶ポリマーです。


2001/11/12 石油化学新聞

住友化学がLCPで年5000トンめざす。需要を睨み手直し増強


2002/1/21 化学工業日報 

イーストマン ケミカル、LCP日本市場に参入

 イーストマン ケミカルは、商品名は「タイタンLCP」で、日本の液晶ポリマー(LCP)市場に本格参入する。ニートグレードの他、ガラス繊維やミネラル強化グレードを備え、テネシー州キングスポートに年産3000トンのコンパウンド設備を建設、供給基盤も固めている。
 同社は米国て99年にLCPを市場投入し、短期間でコネクター向けなどの市場に浸透してきた。日本では先行するメーカーが多いが、同製品の特徴を生かせる高機能分野を軸に市場を開拓していく。

 


1997/4/24 呉羽化学・ポリプラスチックス

フォートロン(PPS樹脂)事業拡大について

 呉羽化学工業株式会社とポリプラスチックス株式会社は、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド樹脂、商品名「フォートロン」)に関し、1986年に事業提携し、市場展開を行ってまいりましたが、この度、更に本事業の拡大および強化を図るため、
事業提携基本契約の改定に合意し、本日調印いたしました。

 今回の合意は、提携地域をこれまでの日本国内から
アジア太平洋地域に拡大すること、また、呉羽化学が持つ機能性コンパウンドの開発力も生かす等、両者の強みを最大限に生かす体制として品質ならびに価格競争力においてグローバル市場における「ベスト・サプライアー」を目指す枠組みを構築することが主な内容となっており、さらに、アジア太平洋地域をキー・マーケットとして、同地域における将来の設備投資や合弁提携も視野に入れた協力体制を協議していく枠組みが用意されています。
 なお、呉羽化学がPPSのニート・レジンの生産を担当し、ポリプラスチックスがそのニート・レジンのコンパウンドと販売を担当するという相互補完的体制は従来通りです。

 両者は1986年の事業提携以来、呉羽化学が独自に開発したリニアタイプのPPS樹脂をポリプラスチックスがコンパウンドにして、「フォートロン」の商品名で日本国内を中心に市場開発を行ってきました。この間、我が国におけるPPS樹脂の需要は年間約1万1千トン(1996年コンパウンドベース)に成長し、この中でフォートロンは耐熱性、耐薬品性、機械特性、寸法安定性などの高い物性と市場開発努力が電気・電子、自動車部品業界の需要家に認知され、約23%の国内市場占有率を有するに到りました。
 また、アジア太平洋地域においては、近年高い成長や組立加工産業の同地域へのトランスプラントに伴う輸出の伸び等により、高機能樹脂に対する需要は国内を上回る成長が期待されております。

 このような事業環境の中で、両者は過去10年間にわたる提携の実績を踏まえ、21世紀に向けた新たな事業の拡大を模索してまいりました結果、今回の合意に到った次第です。

 なお、「フォートロン」PPS樹脂については、上記アジア太平洋地域における事業展開の他に、フォートロン・インダストリーズ社(呉羽化学とヘキスト・セラニーズ社の合弁会社)が、米国おいて呉羽化学の開発したPPS樹脂を製造し、欧米においてコンパウンドの生産・販売を行っており、全世界的展開が図られています。


1999/12/21 ポリプラスチック

液晶ポリマー(LCP)プラント能力増強

  ポリプラスチックス株式会社(社長:神村安正、本社:東京都千代田区)は、スー パーエンジニアリングプラスチックスである液晶ポリマー(LCP、商標:ベク トラ)の需要の伸びに対応するため、2000年9月を目処に、ニートポリマーの 製造能力を年産2,800トンから
年産4,800トン(コンパウンド換算で年産4,200 トンから年産7,200トン)に増強することといたしました。

 液晶ポリマーは、高い耐熱性に加え、優れた薄肉流動性を有するスーパーエンプラで、電子部品用途を中心に、日本国内はもとより、とくにアジア太平洋地 域において、高い需要の伸びを示しております。
 アジア太平洋地域において、液晶ポリマーの需要が伸びている背景としては、 液晶ポリマーの代表的用途であるパーソナルコンピューター用コネクターなど の電子部品の需要が伸び、その生産が同地域にシフトされていることが挙げられます。

 こうした国内外での需要の伸びに対応するため、このほど富士工場内にニート ポリマー換算で年産2,000トンの設備を増設し、既存設備と合わせて、年産4,800 トンの製造能力にすることにいたしました。増設設備は、既存設備より高品質で、かつ、より幅広い物性範囲(高い耐熱性、高い機械特性等)のポリマーを 製造することが可能です。

 同プラントの能力増強により、液晶ポリマーの供給能力が強化されますので、国内外の製品ユーザーへの安定供給が今まで以上に図られることになります。


Chemical Week 2002/6/5

Ticona Completes LCP Expansion

Ticona has completed an expansion of its liquid crystal polymer (LCP) capacity at Shelby, NC, doubling capacity at the site to 13.3 million lbs/year. Ticona says it will consider a further expansion of 5 million lbs/year for 2005, if demand warrants. The Shelby plant will supply the American and European markets.
Ticona supplies the Asian market through its Polyplastics joint venture with Daicel Chemical Industries.


1999/9/8 ポリプラスチックス

マレーシア工場のコンパウンド設備完成と運転開始について
 
 弊社マレーシア現地法人Polyplastics Asia Pacific Sdn. Bhd. (PAP) が現在建設中のポリアセタール(POM)ポリマー製造プラントに併設するコンパウンドプ ラントが7月末に完工し、現在、10月からの商業運転開始に向けた試運転を実施しております。つきましては、今回完工したコンパウンドプラントの概要を下記のとおりお知らせいたします。
 なお、同コンパウンドプラントの稼動により、アジア太平洋地区で需要が増大しているPOM、PBT、PPSおよびLCPの供給能力が強化されますので、製品ユーザーへの各種樹脂の安定供給が今まで以上に図られることになります。

コンパウンドプラントの
生産能力
: 年産12,000トン
コンパウンドプラントの生産品目 : POM樹脂: 商標「ジュラコン」
PBT樹脂: 商標「ジュラネックス」
PPS樹脂: 商標「フォートロン」
LCP樹脂: 商標「ベクトラ」
主な販売先 : アジア太平洋(A/P)地域 (中国、東アジア、アセアン地域およびオセアニア地区)


PAPマレーシア工場について


 同社のマレーシア工場は、マレー半島東部に位置するパハン州クアンタン に300,000平方メートルの敷地を保有し、本年11月の完工と来年初頭の商業運転開始を目指して、ポリアセタールポリマー製造プラントを建設中です。
 完成後の
ポリアセタールポリマーの生産能力は年産30,000トンを計画しております。 同工場は、ポリプラスチックスグループでは、富士工場(ポリアセタールポ リマーの生産能力:年産100,000トン)、Taiwan Engineering Plastics Co., Ltd. (TEPCO) 高雄工場(ポリアセタールポリマーの生産能力:年産20,000トン)に次ぐ3 番目の生産拠点であり、同工場で生産される製品は、ポリプラスチックス株式会社の海外現地法人5社(マレーシア・シンガポール・香港・タイ・上海) を通じてアジア太平洋(A/P)地域のユーザーに供給されます。

Polyplastics Asia Pacific Sdn. Bhd.の会社概要:

(1)所 在 地 : 本社
 50-5-13A, 5th Floor, Wisma UOA Damamsara, 50, Jalan Dungun,
 Damamsara Heights, 50490 Kuala Lumpur, Malaysia
(2)資 本 金 : 159百万マレーシアリンギット(日本円約48億円)
  ポリプラスチックス株式会社全額出資
(3)従業員数 : 237名 (1999年7月現在)
(4)設立年月 : 1997年3月
(5)業務内容 : ポリアセタール、PBT、PPS、LCP等エンジニアリングプラスチックスの
製造販売および付帯関連する事業。
(6)代 表 者 : 澤田基司

2001/8/1 ポリプラスチックス

超高耐熱液晶ポリマーの販売開始について

 ポリプラスチックス株式会社(社長:神村安正 本社:東京都千代田区)およびチコナ(社長:エドワード・H・ムニオス、本社:フランクフルト)は、
超高耐熱液晶ポリマーの開発に成功し、液晶ポリマー「ベクトラ」の新シリーズとして、超高耐熱グレード「ベクトラTシリーズ」を8月から市場に投入します。

 「ベクトラTシリーズ」は、融点約370℃の超高耐熱液晶ポリマーをベースに開発された新グレードで、すでにガラス繊維30%強化グレードである「ベクトラT130」について、市場におけるサンプルワークを行ってまいりました。

 「ベクトラT130」は、熱変形温度が300℃(荷重1.8MPa)でしかも、市場から機械物性と流動性の点で高い評価を得ている「ベクトラE130i」と同等の機械物性と流動性を有しています。また従来の超高耐熱液晶ポリマーの大きな課題であった成形機内での滞留安定性の悪さが大幅に改善され、ユーザーにおける成形時の生産性向上に大きく貢献できます。

 液晶ポリマーの主要用途である表面実装電子部品の分野では、環境を考慮した鉛フリーはんだの使用拡大により、これまで以上に過酷な実装温度条件をもカバーする超高耐熱グレードが求められるようになってきています。「ベクトラTシリーズ」は、優れた機械物性、流動性ならびに滞留安定性を兼ね備えた超高耐熱液晶ポリマーとして、「ベクトラEiシリーズ」と共にお客様の多様な耐熱性能に対するご要望にお応えすることができるものと考えています。

 今後「ベクトラTシリーズ」では「ベクトラT130」に加えて、より幅広い市場要求に対応できるよう、低反りタイプや高剛性タイプ等のバリエーションを取りそろえることを計画しています。

 液晶ポリマーベクトラは、1985年の上市以来、機械物性に優れる「ベクトラAシリーズ」、耐熱性および流動性に優れる「ベクトラEiシリーズ」など、用途や使用条件に応じたシリーズをラインアップして、電機・電子部品をはじめとして幅広い分野に使用され、市場で幅広いユーザーの支持をいただいてきました。さらに、難燃剤を使用せずにUL94燃焼性でV-0ランクの材料であることから、最近は環境面でもユーザーから高く評価いただいています。

 両社は、このラインアップに、超高耐熱グレード「ベクトラTシリーズ」を加えることにより、液晶ポリマーベクトラの用途の拡大が図られることを期待するとともに、今後ともユーザーの幅広いニーズに応えていきたいと考えています。


Platts 2002/5/29

Korea Capro Corp plans to double CPL capacity by Q2 2004

Korea's Capro Corp plans to double the caprolactam capacity of its plant in Ulsan
by 120,000 mt/yr to 240,000 mt/yr, sources close to the company said Wednesday. Capro is the sole CPL maker in Korea and is owned mainly by three CPL consumers in Korea, namely Hyosung Corp, Kolon Corp, and Kohap. The company plans to commission the new capacity to the plant by the second quarter of 2004. It received a license to use the 'HPO plus' technology from Ube Industries of Japan. From its new expanded CPL capacity, Capro plans to export about 60,000 mt/yr to China.