中国における高純度テレフタル酸の投資認可申請書提出について
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/040312.pdf
当社(社長:中西宏幸)は、コア事業である高純度テレフタル酸(PTA)事業の拡大を目指し、中国に生産拠点を確立すべく、建設予定地である江蘇省張家港保税区にPTA製造・販売会社設立に関わる投資認可申請書を、昨日(3月11日)提出しました。
<認可申請書の概要>
(1)会社名 :三井化学(張家港)有限公司
(2)出資形態:三井化学100%
(3)所在地 :江蘇省張家港
(4)事業内容:PTAの製造・販売
(5)設備能力:60万トン/年(三井化学技術)
当社は、新中期経営計画(04年度〜07年度)において、機能性材料分野の拡大・成長とともに、石化・基礎化分野の収益力強化を基本戦略の一つとしており、PTAを中心とするアロマチェーンについては、その収益力強化のため、アジアの最適な拠点での能力増強を事業戦略の一つとして位置付けておりました。
PTAは、ポリエステル繊維、ペットボトル等の原料としてアジアでの需要が拡大しており、1998年には1200万tであった需要が2003年には800万T増の2000万t(年率 平均11%成長)にまで達しています。特に需要拡大が目ざましく、今後も伸長が期待される中国市場における更なる需要獲得の為には、中国現地に生産拠点を構築することが必要との判断から、この度投資認可申請書の提出を行ったものであります。
当社のPTA事業は、現在、アジアで第2位の生産能力・シェアを有しており、日本・タイ・インドネシアに生産拠点を持ち、アジア全域で事業を展開しています。また、タイにおけるサイアムグループとの合弁であるサイアムミツイPTA社(SMPC)に第3号機(2005年秋操業開始予定、50万t/y)を建設中で、今回の中国当局への投資認可申請はSMPC第3号機稼動後のPTA生産拠点拡充策と位置付けております。なお、建設予定地の張家港市には、PTA60万tクラスのプラント3基が建設可能な50万m2の土地を確保しております。
当社は今後とも、PTA・フェノールなどのアロマチェーンの収益力強化のため最適な拠点での能力増強を行い、コア事業として事業の拡大と強化を図っていく方針です。
工場立地 | プラント | 稼動年 | 能力 (2004 年 3 月現在) |
能力 (2005 年秋) |
能力 (中国完成後) |
岩国 |
第1号機 |
1976年 |
190 |
190 |
190 |
第2号機 |
1985年 |
160 |
160 |
160 |
|
第3号機 |
1990年 |
400 |
400 |
400 |
|
インドネシア <アモコミツイPTAインドネシア> |
第1号機 |
1997年 |
450 |
450 |
450 |
タイ <サイアムミツイPTA> |
第1号機 |
1999年 |
450 |
450 |
450 |
第2号機 |
2002年 |
450 |
450 |
450 |
|
第3号機 |
2005年秋 |
+ |
500 |
||
中国(今回申請) <三井化学(張家港)有限公司> |
第1号機 |
+ |
+ |
+ |
600 |
合計 |
+ |
+ |
2100 |
2600 |
3200 |
2005/1/5 日本経済新聞 三井能力
合繊原料、タイ年産3倍 三井化学 ライン増設 2008年メド
三井化学はタイで合成繊維などの原料となる高純度テレフタル酸(PTA)の年産能力を2008年にも3倍強に増やす。現在、中国で08年前後の稼働を目指してPTAプラントの設立認可を申請中だが、中国政府の承認が遅れていることに対応する。
タイでの三井化学のPTA年産能力は現在60万トン。05年半ばには同80万トンの第3系列の稼働が決まっており、タイでの総生産能力は同140万トンとなる。08年には同60万トンの第4系列の増設を検討、実現すれば総生産能力は200万トンに拡大する。第4系列の投資額は200億ー300億円に上るとみられる。
一方、中国・江蘇省では08年前後に同60万トンのPTAプラントを稼働させる計画で昨年3月に設立認可を申請したが、政府承認が遅れている。中国計画を優先すればタイでの増産を2−3年延期し、タイを優先した場合は中国計画を同様に遅らせる考え。
2005年11月14日 三井化学
タイ国高純度テレフタル酸No.3プラントが営業運転開始
当社(社長:藤吉建二)のタイ国における連結子会社Siam
Mitsui PTA Co., Ltd.(SMPC)は、この度、ラヨン県マプタプットにおいて高純度テレフタル酸(PTA)のNo.3プラント(生産能力50万トン/年)の営業運転を開始しました。
本プラントは、2004年3月の着工以後、極めて順調に建設工事が進んだ結果、本年8月中旬に完工、9月初めからテスト運転を行ってまいりましたが、この度、プラント性能に問題のないことが確認されたため、営業運転に入ったものです。
今回のNo.3プラントの稼動により、SMPCの生産能力は、1999年のNo.1プラントの稼動開始(35万トン/年)以降、6年の間にアセアンでは最大となる合計140万トン/年となりました。
アジアにおけるPTA需要は、ポリエステル繊維及びPETボトル等の原料として年率7%の伸長が期待されており、今回のプラント増設はこうした需要増加に対応したものです。
当社は、コア事業としてPTA事業の強化・拡大を進めております。既に、日本、タイ、インドネシアに生産拠点を有し、アジア全域で事業活動を展開していますが、効率的な集中投資、3プラント体制による更なる競争力強化が期待されるSMPCを中心に、引き続き増大するアジア需要を獲得し、事業の拡大を図っていく方針です。
ご参考 Siam Mitsui PTA Co., Ltd.の概要
本社:1 Siam Cement Road, Bangsue, Bangkok 10800, Thailand
社長:津崎 明
設立:1995年9月
資本金:28億バーツ(約78億円)
出資比率:三井化学
49%、CCC*49%、SMH Co., Ltd. 2%
事業内容:PTAの製造、販売
注)* CCC:Cementhai Chemical Co., Ltd.
(Siam Cement 100%出資の石油化学会社)