(Chemnet Tokyo 2002/3/8)
三井化学、シンガポールのフェノール20万トン工場が8日竣工
三井化学は8日、シンガポール・ジュロン島で、三井フェノール・シンガポール社(MPHS、吉浦春樹社長)のフェノール年産20万トン大型プラントの竣工式を行った。式典にはシンガポール経済開発庁のテオ長官ら多くの関係者が出席した。
総投資額170万USドルで建設していたもので、8月から営業運転を開始する。
フェノール事業は、同社石化・基礎化学品分野最大のコア事業で、すでに国内では過半、アジア全体でも40%のトップシェアをもっている。シンガポールでは、すでに稼動中のビスフェノールAとの一貫生産体制が整う。
MPHSは資本金54百万USドル(三井化学90%、三井物産10%出資)。フェノール及びアセトンの製造・販売を事業目的としており、生産能力はフェノール20万トン/年、アセトン12万トン/年。フェノールは日本の50万トンと合わせて年産70万トン能力となった。
さらにMPHSに隣接して複数のフェノール誘導品プロジェクトも進行しており、本年11月にMPHSの生産能力を5万トン増強する計画。完成すると、同地区でのフェノール生産能力は25万トン/年、併産するアセトンは15万トン/年となる。ビスフェノールAも21万トン/年に増大し、世界でトップ
クラスの競争力を持つフェノールチェ−ン/フェノールコンプレックスになると同社ではいっている。
シンガポールのフェノール事業「量産拠点の強み生かす」と三井化学の田中さん
「フェノールやビスフェノールAの需要は、中国、アセアンを中心にまだまだ大きく伸びる。日本の電子・電機メーカーや事務機メーカーは、引き続きこれらの地域に積極的に進出していくと思う。われわれがシンガポールにフェノールとビスフェノールAの量産体制を構築する意味は大きい」と、熱っぽい口調で語るのは、三井化学の田中稔一・取締役フェノール事業部長。
同社は、昨年8月からシンガポールで稼動中の年産20万トンのフェノール(PH)新鋭プラントを今年10月25万トンに増強、さらに05〜06年には25万トンの第2号機を完成する。ビスフェノールA(BPA)も2月の第2号機完成に続いて、11月にはもう1系列増設する。1系列7万トンだから総能力21万トンと世界有数の工場になる。同社が目指す“世界のグローバル・リーダー”は目前といったところだが、需給バランスに心配はないと言い切る。
「理由ですか。1つは、ポリカーボネートなど樹脂の需要がアジア全体で1月を底に再び大きな伸びを見せようとしていること。それに、向こう2〜3年、アジアに完成するPHの大型計画がないこと」「だから、増設後もPH設備は90%以上の操業率を維持していける見通しです」と自信ありそうだ。 確かにアセアンや極東では、ポリカボネートなどフェノール誘導品の投資計画が相次いでいる。しかし注目はやはり中国市場の今後の動向だ。
「そう。私たちも中国市場には大きく期待している。しっかりフォローしていきたい。とくに需要好調のBPAでは中国を含めて最適生産体制を検討しているところだ」と田中さん、この点も歯切れがよい。だが、そのあと「とはいっても、その前にやらないといけないことがある。シンガポールに構築する大型生産拠点のもつ強みをまず十分に生かすこと、そして少しでも早くフェノールビジネス全体の拡充・発展を実現すること」と最後は優等生の答弁だった。
(三友新聞 2001/1/11)http://www.mki.co.jp/mitsuiPR/news/file/news685.htm
三井化学の全額出資子会社 シンガポールでBPAプラント建設
完成
東洋エンジニアリングが連続受注
三井化学(中西宏幸社長)は、100%子会社であるミツイ・ビスフェノール・シンガポール(MBS、坪井正雄社長)に、ビスフェノールA(BPA)の製造第三プラント(年産能力7万トン)を建設する。着工は5月で、完工は2002年10月になる。
同プラントの建設を受注したのは、東洋エンジニアリング(TEC、広瀬俊彦社長)で、所掌範囲は、設計、機器調達、建設、試運転までの一括請け負い。2002年6月に三井化学に引渡す予定である。
MBS敷地内の第一プラント(年産能力7万トン、既に完成)、第二プラント(年産能力7万トン、今年8月引渡し)も、TECが受注している。第三プラントのプロセスは、第一、第二と同じ「三井化学法」を採用す
る。
BPAを原料とするポリカーボネート(PC)樹脂の需要は、世界的に急拡大しており、特にアジア地域で著しい伸長を続けている。三井化学はこの需要の増大に対応するため、MBSにおいてBPA第三プラントを建設することにした。
なお、三井化学は、隣接地のミツイ・フェノール・シンガポール(坪井正雄社長)で今年四月の完工を目指し、フェノールプラントの建設を進めている。このためシンガポールは、同社のコア事業であるフェノール/BPAの海外戦略拠点として重要な役割を担うことになる。
一方TECは、アジアの重要拠点であるシンガポールを中心とした東南アジア地区への営業展開に引き続き注力し、さらに最先端の機能性樹脂関連分野も推進する方針である。
三井化学、シンガポール拠点でBPA輸出体制強化
三井化学のシンガポール法人・三井ビスフェノール・シンガポール(MBS)は今後、シンガポール周辺の国々でのビスフェノールA(BPA)需要の拡大が期待できることから、ジュロン島の同社工場内に輸出のためのシーバルク輸送用設備を新設、サイロから直接製品を投入してコンテナ輸送による輸出を開始する。現在設計段階で、年末までには完工する予定。同社は今年2月に第2プラントを立ち上げ、さらに9月には第3期設備も完成することから、原料からの一貫体制で結ばれた帝人ポリカーボネート・シンガポール(TPS)向け以外の市場を一定に確保することが狙い。
シンガポールにおけるビスフェノールA第3系列が営業運転開始
当社(社長:中西宏幸)の100%子会社であるミツイ・ビスフェノール・シンガポール株式会社(MBS)(社長:吉浦春樹)は、アジアの重要拠点として予てよりシンガポールでのフェノールチェーンの基盤強化に努めてまいりました。この度2001年5月に着工致しましたビスフェノールA(BPA)第3系列(能力7万t/年)の建設が順調に終了し、試運転を経て本年1月1日より営業運転に入りました。
この稼動によりMBSは第1、第2系列(共に能力7万t/年)と合わせて合計21万t/年のBPA生産能力を有し、アジア最大の生産拠点となりました。同時に三井化学のBPA生産能力は日本の21万t/年(日本ジーイープラスチックス含む)と合わせ、合計42万t/年となり、アジア最大メーカーのポジションを確固たるものとしました。
アジアにおけるBPA需要はポリカーボネート樹脂及びエポキシ樹脂等の原料として今後とも大きく伸長する事が期待されており、今回の増設はこうした需要増加に対応したものです。
また、当社のシンガポールプロジェクトはミツイ・フェノール・シンガポール株式会社(MPHS)のフェノール25万t/年と合わせて世界でも最大級のフェノールコンプレックスを形成しており、アジア全域で幅広い事業活動を展開しています。
BPA事業及びフェノール事業は当社のコア事業として今後とも更なる強化、拡大をはかり、引き続き増大していくアジアの需要獲得を目指して行く方針です。
ご参考
ミツイ・ビスフェノール・シンガポール社の概要
1.社名 | : MITSUI BISPHENOL SINGAPORE PTE LTD |
2.本社 | : 65 Chulia Street No.38-01,OCBC Centre,Singapore 049513 |
3.工場 | : ジュロン島 |
4.設立 | : 1997年6月 |
5.資本金 | : 113.6百万シンガポール$ |
6.社長 | : 吉浦 春樹 |
7.事業概要 | : ビスフェノールAの製造、販売 |
シンガポールでポリカーボネート樹脂製造プラント増設工事を受注
千代田化工建設は、このたび帝人グループのポリカーボネート樹脂(PC)製造会社であるTeijin
Polycarbonate Singapore Pte Ltd.(略称TPS)よりポリカーボネート樹脂製造プラント第3期工事のEPC(設計・調達・建設)業務を受注した。建設場所はシンガポールのジュロン島で、既設プラントに併設される。増設されるプラントの規模は年産5万トンで、完成は2001年央を予定しており、製造プラントと共に付帯する排水処理設備、ユティリティー設備、原料・製品倉庫の建設も担当する。
帝人グループは第4期工事(年産5万トン)の建設も決めており、千代田化工建設はこれ迄の実績を背景に引続き受注を狙う。第4期までの工事でTPS社の生産能力は年産18万トンとなるが、帝人グループではTPS社を世界的なPC戦略の重要な生産拠点と位置付け、トップシェアを誇るAD(Audio
Disk)グレードのPC需要に対応するため、今後も生産能力の増強を検討している。
千代田化工建設は昨年9月に完成した第1期工事(年産6万トン)の実績が高く評価され、第2期工事(2000年秋完工予定)に続き、第3期工事を連続で受注したことになる。また同社は、これまでの30年以上にわたるシンガポールでの豊富な工事実績と、現地子会社によるメンテナンスサービス体制を活かし、今後も大型石化投資が続くと予想される同地域での受注活動に注力していく考え。
なお、第3期工事の受注金額は明らかにされていないが、土建工事を含めた総投資金額は約百億円で、第4期工事も同規模と推測される。
シンガポールにおけるタフマープラント起工式開催の件
当社(社長:中西宏幸)は、本日ミツイ・エラストマー・シンガポール社(MELS)主催で、シンガポール・ジュロン島において、高機能エラストマー(商品名「タフマー」)のプラント起工式を行いました。式典にはシンガポール経済開発庁のテオ長官及び関係各位のご列席を頂きました。
タフマーは、当社のコア事業の戦略製品です。ポリエチレンやポリプロピレンの衝撃強度や柔軟性を飛躍的に向上させる樹脂改質材として、当社が他社に先駆けて開発上市し、積極的な用途開発研究を通して市場を創出してきた製品です。当社は日本を含むアジアでは最大シェアを有しております。近年では、当社は優れた高分子技術力とマーケティング開発力を結集し、軽量な軟質成形材としての用途開発に傾注しております。アジアの経済発展と産業の高度化と相俟って、タフマーの需要は、アジア市場を中心に、今後益々拡大していくと予測しております。
今回建設するプラントは、最新鋭の製造技術を駆使した世界最大規模の製造設備です。本プロジュクトは、当社タフマー事業基盤を更に確固たるものにするための重要な戦略的意義を有するものであります。
MELS及びプラントの概要は以下のとおりです。
1. | 社 名: | MITSUI ELASTOMERS SINGAPORE PTE LTD |
2. | 設 立: | 2001年2月26日 |
3. | 資 本 金: | 35百万US$(三井化学100%出資) |
4. | 所 在 地: | 65 Chulia Street #38−04 OCBC Centre |
Singapore 049513 | ||
(電話:+65-532-4030 FAX:+65-533-6423) | ||
5. | 社 長: | 吉 田 耕 |
6. | 事業内容: | 高機能エラストマー「タフマー」を中心としたエラストマー製品の製造・販売 |
7. | プラント概要: | |
生産能力: | 10万トン/年 | |
スケジュール: | 完工 2002年12月 | |
営業運転開始 2003年4月 | ||
総投資額 | 100百万US$ |
なお、プラント(立地:ジュロン島メルバウ地区)完成後は、日本国内(市原工場)と合わせて、当社グループのタフマー生産能力は年産20万dとなり、世界におけるトップメーカーの地位が更に強化されることになります。
(化学工業日報 2002/3/15)
三井化学、シンガポールで樹脂改質剤設備が11月完成へ
三井化学がシンガポールで建設を進めているメタロセン触媒を用いたアルファ−オレフィン共重合体(製品名・タフマー)の年産能力10万トン設備が、今年11月にも完成する見通しになった。タフマーは、その優れた耐衝撃性などを生かしてポリプロピレン(PP)の樹脂改質剤向けを中心に需要が拡大している。同社では今後、アジアを中心にした世界市場で需要が拡大すると判断、シンガポールを今後の戦略的な供給拠点と位置付けており、中期的なマーケティングを加速していく。
2003/4/10 三井化学
シンガポールにおけるタフマープラント営業運転開始
当社の100%子会社であるミツイ・エラストマーズ・シンガポール株式会社(MELS)(社長=吉田耕)は、当社の高性能エラストマー(商品名「タフマー」)のプラント建設を進めて参りましたが、本年4月1日より計画通り営業運転に入りました。
新プラントは、2001年9月着工以降順調に工事が進み,2002年11月完工、その後テスト運転を通して設備と品質を確認すると共に、顧客にサンプル供試し実用性能の確認を得て営業運転に入ったものです。新プラントは、当社の優れた高分子技術カがいかんなく発揮された最新鋭の製造技術を駆使した年産10万トンの世界最大規模の製造設備です。
タフマーは、樹脂の衝撃強度や柔軟性を飛躍的に向上させる改質材として、当社が他社に先駆け開発上市し市場を創出してきた戦略商品で、当社の機能性材料分野におけるコアー事業の中核をなすものであります。
タフマーの需要は、アジア経済の発展と産業の高度化と相俟って、今後益々拡大していくと予想しております。当社では、昨年10月MELSに営業部門を設立しアジアでのマーケティング活動を強化し、順調に需要開拓が進んでおります。新プラントの営業運転開始に伴う、日本とシンガポールの二拠点生産体制で、顧客からの多様な品質ニーズへの対応と安定供給体制を確保し、日本を含めたアジアでの最大シェア維持と事業拡大を図っていく計画であります。
ミツイ・エラストマーズ・シンガポール社の概要
1.社名 | Mitsui Elastomers Singapore Pte. Ltd | |
2.本社 | 65 Chulia Street No.38-05/06 OCBC Center, Singapore 049513 | |
3.工場 | Jurong島 | |
4.設立 | 2001年2月7日 | |
5.資本金 | 35百万US$(三井化学100%出資) | |
6.社長 | 吉田耕 | |
7.事業内容 | 高機能エラストマー「タフマー」を中心としたエラストマー製品の製造・販売 |
ミツイ・エラストマーがシンガポールで11日竣工式
高機能エラストマーの現地生産が順調に
三井化学の全額出資によるラストマーの製造・販売会社「ミツイ・エラストマー・シンガポール社(MELS)」は11日、現地のリッツカールトンホテル・シンガポールで高機能エラストマー(商品名・タフマー)新設備の竣工式を開いた。
この日に竣工が披露されたのは、同社がジュロン・アイランドに建設した年産能力10万トンプラント。メタロセン触媒による世界最新鋭設備で、設備規模はエラストマー専用では世界最大。建設総所要資金は1億米ドル。営業運転は今年4月であった。「タフマー」は、ポリオレフィンの衝撃強度や柔軟性の向上に大きく寄与する点がアジア地域の需要家の間でも評価され、需要も急速に拡大しつつある。こうした中だけに、今回の同プラントの建設の持つ意味は大きいと同社では説明している。
同プラントの稼動によって三井化学グループの「タフマー」の保有設備能力は、三井化学・千葉工場の同10万トンと合わせて同20万トンとなった。アジア地域で最大のシェアである。
三井化学は、シンガポールの設備では主として汎用に近いタイプの品種に重点を置き、一方の千葉では主に高機能・高付加価値タイプのグレードをメーンに生産していくことでそれぞれの設備を効率的に活用していく考え。
なお、三井化学のシンガポールにおける石油化学プラントは、既存のフェノール設備(年産25万トン)、ビスフェノールA設備(同21万トン)と今回の高機能エラストマー設備の計3種類となった。
2005/12/27 三井化学
シンガポールにおけるフェノール及びビスフェノールA子会社の統合について
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/2005_1227_2.htm
当社(社長:藤吉建二)は、フェノール事業の一体運営による事業の強化を図るため、シンガポールにおけるフェノール・アセトンの製造販売子会社であるMitsui
Phenol Singapore Pte. Ltd.(社長:竹本元、三井化学90%、三井物産10%出資)
と ビスフェノールAの製造販売子会社であるMitsui
Bisphenol Singapore Ptd. Ltd. (社長:竹本元、三井化学100%出資)
を2006年1月1日付けで統合し、Mitsui
Bisphenols Singapore Ptd. Ltd.として発足させることと致しました。
新会社の概要は、以下のとおりです。
1. 会社の名称 : Mitsui Phenols Singapore Pte. Ltd.
2. 資本金 : 120百万US$ (三井化学
95%、三井物産 5%)
3. 本社所在地 : 1 Raffles
Place #36−00 Centre
Singapore 048616
4. 社長 : 竹本 元
5. 事業内容 :
フェノール、アセトン及びビスフェノールAの製造と販売
6. 生産能力 : フェノール 25万d/年
アセトン 15万d/年
ビスフェノールA
23万d/年
7. 売上高 : 500百万US$ (2006年)
当社は、中期経営計画において機能性材料分野の拡大・成長とともに、石化・基礎化分野の収益力強化を基本戦略の一つとしており、その基礎化事業分野のコア事業としてフェノールチェーンの収益力の強化を図っております。
アジアにおいては住宅建設・電子材料向けを中心に、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂及び溶剤等の市場が拡大しており、その原料であるフェノール、アセトン及びビスフェノールAの需要は今後とも10%程度の高い伸びが見込まれています。この環境下、両社の統合により当社フェノールチェーンの効率的事業運営と合理化の追求を行い、コスト競争力の一層の強化を図ります。
<参考資料>
Mitsui Phenol Singapore Pte. Ltd. 及び
Mitsui Bisphenol Singapore Ptd. Ltd.の概要
社 名 | Mitsui Phenol Singapore Pte. Ltd. | Mitsui Bisphenol Singapore Ptd. Ltd. | |
事 業 内 容 | フェノール及びアセトンの 製造・販売 |
ビスフェノールAの製造・販売 | |
設 立 | 1999年 4月 | 1997年 6月 | |
資 本 金 | 54百万米ドル | 114百万シンガポールドル (約66百万米ドル) |
|
出 資 比 率 | 三井化学 90%、三井物産 10% | 三井化学 100% | |
本 社 | シンガポール | シンガポール | |
社 長 | 竹本 元 | 竹本 元 | |
売 上 高 | 420百万米ドル | 390百万米ドル |