2003/5/21 三菱化学

日本ポリケム株式会社の全額出資子会社化と今後のポリオレフイン事業の運営体制について

 三菱化学株式会社(本社:束京都千代田区、社長:冨澤龍一)は、東燃化学株式会社(本社:東京都港区、社長:工藤保男)との間で、ポリオレフィン事業における合弁会社である日本ポリケム株式会社(本社:東京都千代田区、社長:高下悦仁郎)の株式について、当社が東燃化学社保有の全てを買い取り、同社を
当社の全額出資子会社とすることで基本合意しておりましたが、本日、東燃化学社との間で本年6月2日付にて買い取りを実行することを内容とする契約を締結いたしました。

 また、日本ポリケム社は、ポリエチレン事業について、日本ポリオレフィン株式会社・三菱商事プラスチック株式会社と、3社の合弁会社を本年9月1日付で発足させることで本日基本的に合意し、ポリプロピレン事業については、チッソ株式会社との合弁会社を本年10月1日付で発足させることで、本日、同社と最終合意にいたりました。日本ポリケム社は、これら合弁会社2社の発足後は、両事業会社の共通業務の一部を担当するとともに、両事業の総合調整をする機能を担うことになり、この体制による効率的な事業運営によってポリオレフィン事業の競争カ強化を図ってまいります。
 当社は、当社グループの中で大きな位置づけを占める石化事業において、オレフィン及びその主要誘導品であるポリオレフインの競争力は極めて重要であると認識しており、そのために必要なアライアンス、投資などを推進してまいります。今回の日本ポリケム社の全額出資子会社化と合弁会社2社の発足もその一環であり、今後とも必要な施策をスピーディーに行うことで、2004年に向けての関税低減に伴う一層の輸入品価格の低下を始めとする様々な環境変化に対して迅速かつ効果的に対応し、オレフィンセンターから石化誘導品に至るまでの石化事業全体の競争カを強化してまいります。

〔日本ポリケム株式会社の概要]

発足   平成8年9月1日
本社   東京都千代田区有楽町一丁目10番1号
代表者   高下悦仁郎
資本金   200億円
出資比率   三菱化学社65%、東燃化学社35%
    (平成15年6月2日付で三菱化学社100%出資に変更)
事業内容   ポリオレフィンの製造、販売及び研究開発
売上高   約1350億円(平成14年12月期)
従業員数   約830名(平成14年12月31日現在)

2003/5/21 日本ポリケム/日本ポリオレフィン

ポリエチレン事業の再編について

 日本ポリケム株式会社(本社:東京都千代田区、社長:高下悦仁郎)及び日本ポリオレフィン株式会社(本社:東京都港区、社長:松下浩)は、本年9月1日をもって、日本ポリケム社と日本ポリオレフィン社両社のポリエチレン事業を統合することで、本日基本合意に至りました。また、両社は、三菱商事プラスチック株式会社(本社:東京都品川区、社長:古川和正)との間で、三菱商事プラスチック社が統合新会社に出資することについても、本日基本的に合意いたしました。

 今日の日本のポリエチレン事業は、海外での大型合併による超巨大メーカー群の台頭、2004年に向けての関税率低減、アジア・中東地区における大型設備の新規稼働などにより事業環境が厳しさを増しており、競争力の一層の強化が喫緊の課題となっております。

 こうした状況の中、日本ポリケム社と日本ポリオレフィン社は、ポリエチレン事業の生産、販売、研究開発などのあらゆる事業活動において、製品・技術のシナジー効果の追求、最適生産体制による合理化推進等を通じて、より高い効率をもって更に高い価値を生み出していくために、両社の事業を統合することが不可欠との認識において一致し、今回の統合を決断いたしました。加えて両社は、ポリエチレン事業においては、販売・流通面における競争力強化・海外市場に対する対応が特に重要であることから、三菱商事プラスチック社の統合新社への参画を求めることとし、三菱商事プラスチック社は、取引仲介機能の提供にとどまらず、統合新社事業により深く関与し貢献することが、合成樹脂専門商社としての競争力向上につながると判断したことから、本日の基本合意に達したものであります。

 今後統合条件の詳細検討を経て最終合意を行う予定ですが、統合新会社設立後、親会社は、各社それぞれに期待される貢献を果たし、一致協力して統合効果の早期実現を図り、統合新会社を市場において強い存在感のある会社として発展させてまいります。

(別紙)
【ポリエチレン新会社の概要(予定)】

 1.社名 日本ポリエチレン株式会社
 2. 社長 高下悦仁郎
 3. 本店所在地 東京都港区
 4. 営業開始 平成15年9月1日
 5.資本金 75億円
 6.売上高 1100億円
 7.出資比率
日本ポリケム社 50%
日本ポリオレフィン社 42%
三菱商事プラスチック社  8%
 8.事業内容 ポリエチレン樹脂の製造、販売及び研究開発
 9. 従業員数 約700人
10.生産能カ
LDPE   417.4千トン/年
L−LDPE   374.7千トン/年
HDPE   475.6千トン/年
11.営業拠点 東京、大阪

 

【親会社の概要】

日本ポリケム株式会社の概要
・ 発足   平成8年9月1日
・ 資本金   200億円
・ 売上高   約1 ,350億円
・ 総資産   約1 ,100億円
・ 従業員数   約830名
・ 株主   三菱化学株式会社(65%)、東燃化学株式会社(35%)
    但 し、平成15年6月2日付で三菱化学社100%出資に変更
・取締役社長   高下 悦仁郎
     
日本ポリオレフィン株式会社の概要
・ 発足   平成7年10月1日
・ 資本金   65億円
・ 売上高   約560億円
・ 総資産   約540億円
・ 従業員数   約430名
・ 株主   昭和電工株式会社(65 %)、新日本石油化学株式会社(35 %)
・取締役社長   松下 浩
     
     
三菱商事プラスチック株式会社の概要
・ 発足   平成2年4月1日
・ 資本金   5億1千万円
・ 売上高   約800億円
・ 総資産   約350億円
・ 従業員数   約130名
・ 株主   三菱商事株式会社(100%)
・ 事業内容   プラスチック関連商品の国内販売及び貿易業務、
プラスチックのリサイクル、プラスチック関連資機材のレンタル、
情報処理業務、ほか
・取締役社長   古川 和正

 

各社のポリエチレン事業に係る経緯

*1   昭和電工鰍ニ新日本石油化学梶i旧日本石油化学梶jが、PE 及びPP 事業を統合し、日本ポリオレフィン株ュ足
(出資比率:昭和電工鰍U5%、新日本石油化学鰍R5%。 PP 事業については、1999年6月にバセルグループ(旧モンテルグループ)と統合し、サンアロマー梶i旧モンテル・エスディーケイ・サンライズ梶jとして分離)
       
*2   三菱化学鰍ニ東燃化学鰍ェ、PE 及びPP 事業の販売部門を統合し、日本ポリケム株ュ足
(出資比率:三菱化学鰍T0%、東燃化学50%)
     
*3   日本ポリケム鰍ェ、三菱化学鰍ニ東燃化学鰍謔閧oE 及びPP 事業の製造部門を譲り受け(製販統合)
(出資比率:三菱化学鰍U5%、東燃化学35%)
     
*4   三菱化学鰍ェ、日本ポリケム滑博ョのうち東燃化学鰍ェ保有する全株式を取得(予定)
     
*5   日本ポリケム鰍ニ日本ポリオレフィン鰍ェ、PE 事業を統合、日本ポリエチレン鰍発足。(予定)
三菱商事プラスチック鰍ェ、日本ポリエチレン鰍フ株式の8%を取得(予定)

Chemnet Tokyo 2003/5/21

注目される三菱商事プラの参加、PE新会社

 日本ポリケム(JPC)は21日、ポリオレフイン事業の集約・再編について関係各社との間で基本合意に達したと発表した。同社が実現を目指してきたテーマは、(1)同社の全額出資子会社化(2)ポリプロ(PP)事業の再編(3)ポリエチレン(PE)事業の再編ーーの3件。このうちの全額出資子会社化については東燃化学と、またとPP事業の再編に関してはチッソとそれぞれ同日付で契約を締結した。PE事業の再編については、日本ポリオレフィン(JPO)ならびに三菱商事プラスチックと基本合意した。

 この中では、PEの統合新会社に三菱商事プラスチックが資本参加することになった点が特に注目される。新統合会社「日本ポリエチレン」の出資会社と出資率は、JPC50%、JPO42%、三菱商事プラスチック8%となる。

 当初はJPCとJPOの2社の共同出資でスタートすることでともに合意していたが、PEの場合、販売・流通面における競争力強化と海外市場に対する的確な対応が特に重要との判断から商事プラにも参加を求めることにして同社の同意を得たもの。ポリオレフィンの製造・販売会社に大手商社の樹脂会社が資本参加するのはきわめてまれなケースだ。


2003/5/21 日本ポリケム/チッソ

ポリプロピレン事業の再編について

 日本ポリケム株式会社(本社:東京都千代田区、社長:高下悦仁郎)とチッソ株式会社(本社:東京都中央区、社長:後藤舜吉)とは、両社のポリプロピレン(以下PPという)事業を統合し、統合新社を設立することで基本合意しておりましたが、本年10月1日をもって新社を設立することを内容とする契約を両社間で本日締結いたしました。

背景及び趣旨
 日本ポリケム(株)は、鹿島、川崎及び水島の各工場にて合計673千トン/年の設備を有しPP樹脂の生産販売を行なっており、チッソ(株)は、100%子会社であるチッソ石油化学(株)五井製造所及びその子会社の四日市ポリプロ(有)において合計401千トン/年の設備を有しPP樹脂を生産し、販売を行なっております。
 両社は、これまでそれぞれ独自に事業効率化、コスト削減等体質強化に努めてまいりましたが、PP事業をとりまく環境は、原料価格の高騰、海外品の流入や国内空洞化による市況の低迷など厳しい状況にあります。
 さらに、2004年に向けての関税率の逓減、海外での超巨大PPメーカーの出現、アジア・中東地区における大型設備の新規稼働などにより、今後一層困難な環境に置かれることが予想され、国内各社とも国際競争カの強化が事業存続のための喫緊の課題となりております。
 このような状況の下で、両社はPP事業の国際競争カを強化し、世界に存在感のある事業にするためには、生産、販売、物流、研究開発、管理のすべての部門において一社単独ではなしえないレベルの徹底した合理化が不可欠であるとの認識で一致し、今般両社のPP事業を統合し、共同で事業を営むための合弁会社設立に関する契約書に調印いたしました。
 両社は、一致協カして統合効果の早期実現を図り、統合新社がより高い効率をもってさらに高い価値を生み出す、強い存在感のある会社として発展させてまいります。

別紙1

【統合新社の概要(予定)】

 1. 社名   日本ポリプロ株式会社
    (英名: Japan Polypropylene Corporation)
 2.営業開始   平成15年10月1日
 3,本店所在地   東京都港区
 4.社長   高下悦仁郎
 5.資本金   50億円
 6.出資比率  
日本ポリケム社   65%
チッソ社(チッソ石油化学)   35%
 7.事業内容   ポリプロピレン樹脂の製造、販売及び研究開発
 8.売上高   1,300億円
 9. 従業員数   約730人
10. 営業拠点   東京、名古屋、大阪

(別紙2 )
【両社の概要】

日本ポリケム株式会社
・ 設立   平成8年9月1日
・ 資本金   200億円
・ 売上高   約1,350億円
・ 総資産   約1,100億円
・ 従業員数   約830名
・ 株主   三菱化学株式会社、東燃化学株式会社
    但し、平成15年6月2日付で、三菱化学社100%出資に変更
・ 取締役社長   高下 悦仁郎
     
チッソ株式会社
・ 設立   昭和25年1月12日
・ 資本金   78億円
・ 売上高   約1,200億円
・ 総資産   約860億円
・ 従業員数   約930名
・ 株主   株式会社みずほコーポレート銀行 他
・取締役社長   後藤 舜吉


別紙3 :両社のポリプロピレン事業に係る経緯

*1   チッソ鰍ェ、東ソー鰍謔閧oP 事業を譲り受け
      
*2   三菱化学鰍ニ東燃化学鰍ェ、PE 及びPP 事業の販売部門を統合し、日本ポリケム株ュ足
(出資比率:三菱化学鰍T0%、東燃化学50%)
     
*3   日本ポリケム鰍ェ、三菱化学鰍ニ東燃化学鰍謔閧oE 及びPP 事業の製造部門を譲り受け(
製販統合)(出資比率:三菱化学鰍U5%、東燃化学35%)
     
*4   三菱化学鰍ェ、日本ポリケム滑博ョのうち東燃化学鰍ェ保有する全株式を取得(予定)
     
*5   日本ポリケム鰍ニチッソ鰍ェ、PP 事業を統合、日本ポリプロ鰍発足。(予定)

Chemnet Tokyo2003/5/21

JPCの事業再編、コスト合理化目標はともに50〜60億円
  対売上高経常利益は当面5%を目指す

 日本ポリケム(JPC)の高下社長、チッソの前田常務、日本ポリオレフィン(JPO)の松下社長の3氏は21日に記者会見し、3社によるポリオレフィン事業の再編の計画概要と当面の経営課題について語った。

 この中で3氏は、統合・再スタートすることによって実現できる合理化効果は、PE会社、PP会社ともに50〜60億円になるとの見方を明らかにした。3社はそれぞれに今回の合意を前提に生産、販売、物流の各部門でコストの削減を進めてきているが、統合の実現によってさらに上積みが可能となり、コスト競争力を一層強化できることになったと説明している。また当面の収益については、総売上高の5%を経常利益として計上していきたいと語った。