化学工業日報  2002/7/16

筒中プラスチック、グループ戦略強化
     シート事業、製造ライン向け拡大

 筒中プラスチック工業は、シート事業のグループ展開を強化する。100%出資子会社のキョードーがラインパレット事業に本格参入するのにともない、製造ライン向けの拡大に乗り出す。キョードーは樹脂製パレットの製造販売のほか、全体を履うラインカバー分野などにも展開ずる方針を掲げており、筒中プラスチックでは培った実績を生かして本業であるシート事業の拡大に結び付けたい考えだ。
 同社は今年4月、製造・販売子会社5社を2社に統合、グループの経営効率化を図っている。
 
キョードーは、塩ビプレス板製造の協同プラスチック、塩ビプレス板・広告看板資材販売のキョードー、切削材料・同加工製品製造販売のツツナカ・ポリマックスが合併して発足した子会社。これまでラインパレット向けに塩化ビニル樹脂やABS(アクリロニトリルブタジエン・スチレン)樹脂などの素材を供給してきたが、ユニ・チャーム子会社のユニ・ハートスからラインパレット事業を7月15日付で買収することで、最終製品までの体制を整えることになる。 ユニ・ハートスは手掛けてきたラインパレット製品のうち木製が約9割を占め、家庭やOA通信機器メーカーなどの製造ライン向けを主体に展開してきた。キョードーは今後、木製パレットを手掛ける一方、耐水性、耐薬品性、加工性などに優れる樹脂製タイプの比率を拡大していく考えで、そのためプラスチック加工グループとしての強みを生かした展開策をとっていく。 また、食品や精密部品向けなど衛生・クリーン環境が求められる分野にも展開する。筒中プラスチックはこれまでの実績を生かし共同で取り組んでいく考えで、相乗効果により工業分野でのシート事業拡大に弾みをつけていく。


日刊工業新聞 2001/11/30

筒中プラスチック、経営効率化を目的に子会社を集約

 筒中プラスチック工業はグループ経営の効率化を目的に協同プラスチックなど子会社5社の業務を2社に集約する。対象子会社の業務は新会社のキョードー(大阪府柏原市)、ワイ・テックス(茨城県稲敷郡美浦村)にそれぞれ引き継がれる。合併期日は2002年4月の予定。

 
キョードーは協同プラスチックなど3社を合併。塩ビプレス板の製造販売を行う。資本金8500万円。ワイ・テックスは山田化工など2社が対象。ポリカーボネートの波板の製造などが主な業務になる。資本金は3500万円。


Chemnet Tokyo 2001/1/31

筒中プラスチック、インドネシアのPCフィルム、シート設備を増設
   7月から月産550トン体制に拡大

 筒中プラスチック工業は31日、連結子会社の
ツツナカプラスチック インドネシア(P.T. Tsutsunaka Plastic Indonesia)について、新たに工場用地を取得、月産300トンのPC(ポリカーボネート)フィルム、シート設備を増設する、と発表した。7月の生産開始を予定しており、生産能力は既存設備との合計で月産550トン体制に拡大する。
 今回同社は、既存工場と同じ西ジャワ州プカシ県のMM2100工業団地に新たに3万平方メートルの用地(ブロックNN−1−1)を取得、同地に7,500平方メートル規模の建屋に月産約300トンのPCフィルム、シート生産設備を建設する。投資額は1,200万米ドル(約13億円)。このうち900万ドルは株主割当増資による資金調達で、同社は設立時の出資比率に応じて新規発行株式9,000株のうち75%に当たる6,750株を引き受け、675万ドル(約7億5,000万円)を出資する。また新工場の建設に対応して60名の追加従業員を採用する予定。
 同社によると、PCフィルム、シートの需要は国内外とも極めて旺盛であり、グレードとして製品供給能力を高め、ユーザーのニーズへの適切な対応を図るとともに、事業の拡大を目指し、今回の増設を決定したとしている。
 なおツツナカプラスチック インドネシアは、1995年11月に設立、現在の資本金は1,100万米ドル(増資後2,000万米ドル)で、
筒中プラスチックが75%、三井物産が25%出資している。1999年度の売上高は1,056万6,000ドル。


化学工業日報アジア特集 2000/9/4

筒中プラスチック・インドネシア ローカル向け需要開拓

 筒中プラスチック・インドネシアは、ポリカーボネート(PC)樹脂および塩化ビニル樹脂(PVC)を原料とするシート、波板を生産、アジアおよび豪州向けへの販売活動を展開している。インドネシア進出は、海外への出荷は海外拠点で対応するという筒中プラスチックの戦略に沿ったもので、日本の関東工場、奈良工場に続く第3の主カ工場と位置付けられている。
 同社は筒中プラスチック初の海外拠点として、95年にそれぞれ月産150トンのPCシートおよびPVCシート設備を完成させ操業を開始、98年春にはやはり同150トンのPC波板設備を完成させている。その後、歩留まりの向上やラインスピードのアップなどにより「生産能力はさらに上がっている」(星野正雄社長)。
 PC波板は、豪州向けの輸出が出荷の90%程度を占めている。もともと日本から輸出していたが、インドネシア拠点の完成により切り替えた。一方、PCシートはコスト面で有利なインドネシアで生産し、日本へ輸出する体制。PVCシートは、銘板向けが主力製品で、台湾、香港などをはじめとするアジアの弱電メー力−向けに出荷している。
 当面の課題は、インドネシア国内をはじめとしたローカル向け需要の開拓。設備の平均稼働率は約5割と余裕があるため、新規需要を開拓して販売を伸ばすことに力を入れている。現在、3,4社の代理店と契約交渉しており、販路の拡大を進めている。ASEANユーザーの間での知名度も上がっており、100を越えるユーザーと新規商談を進めているほか、サンプル出荷の引き合いも増大している。


化学工業日報  1998/12/16

高収益体制へ拠点再編 筒中プラスチック
 関東工場に押出統合  カレンダー部門 住べと生産会社設立

 筒中プラチック工業は、高収益体制を目指した経営効率化計画を策定、具体化に乗り出した。集中と統合を主眼に、製品別の生産拠点の再編成を実施するとともに、研究開発部門の統合、管理部門の効率化を推進する。とくに大阪工場(柏原市石川町)の塩ビ板などの押出部門を関東工場(栃木県鹿沼市)に、プレス部門を子会社の協同プラスチックにそれぞれ移管・統合する。また、カレンダー部門を親会社の住友ベークライト・尼崎工場の包装フィルム部門と統合し、新たに生産会社を設立する。これらを具体化することで、固定費の大幅低減を実現し、2年後(2001年3月期)に売上高330億円、売上高経常利益率 4.8%、ROE(株主資本利益率)5%を目指す。

 研究開発機能も一元化
 筒中プラスチックは、今中間決算で22年ぶりの営業損失を計上するなど事業環境は厳しさを増し、抜本的な体質改善策が必要と判断、連結重視の経営と合わせて、このほど経営効率化計画を策定したもの。計画骨子は99年9月末をめどに、生産拠点の再編成、研究開発部門の統合、管理部門の効率化の3点を重点としている。生産面では大阪工場の塩ビ・エンプラ板など押出設備を関東工場に移設する。プレス部門は大阪工場に隣接した協同プラスチック(100%出資)と連携しながら展開してきたが、協同プラスチックの工場内に、大阪工場のプレス設備(4系列)を移設・集約化する。塩ビフィルムシートなどの生産を手掛けるカレンダー部門は、住友べ−クライト・尼崎工場設備と統合し、生産会社を設立する。
 筒中の厚物シート技術と住友ベークライトの医薬・食品包装向け薄物フィルム技術を融合させて、カード製品など市場開拓を図る。両社合わせて5系列の設備を有しているが、1系列ずつある最新設備を軸に、尼崎工場内で生産体制を再構築する。設備移設が完了する来年下期までに詳細を詰め、新会社を発足させる計画。
 また、水処理など環境関連製品を製造する奈良工場(奈良県五條市)には、大阪工場で行っていたバイオステージやサンバッキンといった環境機材の生産業務を移転、環境関連の専門工場とする。並行して、筒中シート防水の工事部門強化を目的に関連部門スタッフを投入、てこ入れを図っていく。
 さらに、研究開発部門は、東西にそれぞれ設けていた大阪研究所と大阪加工技術センターを解消し、関東工場内にそれぞれ統合し一元化する。管理部門では、現在の2本社制を維持しながら、経理部門など大阪から東京本社に一部本社機能を統合していく。
 今後2年間で固定費10億円の低減効果を見込み、社員数は現状820名体制から、700名体制へとスリム化を図る。移設費を含め一連の計画実施で約18億円を見込む。なお、大阪工場用地(約4万8千平方b)は売却も含めて有効利用を検討していく。


日刊工業新聞  2000/3/22

山田化工を再発足へ 筒中プラ 波板の拠点に育成

 筒中プラスチック工業は2000年3月期に清算するプラスチック加工の関連会社、山田化工(茨城県稲敷郡)を4月末に全額出資で再発足させる。社名はそのまま継続する方針。山田化工が持つ工場用地と設備を生かし、手狭になった関東工場(栃木県鹿沼郡)の樹脂製品生産設備を移管し、生産子会社として活用する。業績悪化で解散したが、本体の生産を委託して再スタートする。
 山田化工は加熱したシートを圧縮空気で型に圧着する圧空成形の有力メーカー。医療器など大型部品を主力にしており、年商約20億円の規模。筒中プラスチックは10%程度出資していたが、人材の派遣や資金面の支援で関連が深く、一部生産も委託していた。
 解散を決めたのは過大な投資で慢性的な赤字体質になっていたため。しかし、委託生産を増やせば再建できると判断した。
 筒中プラスチックは昨年秋に主力の大阪工場(大阪府柏原市)を閉鎖し、機能を関東工場に移した。しかし関東工場は余力が少なく、2万6000平方メートルの敷地を持つ山田化工を活用することにした。
 主力商品であるポリカーボネートや塩ビの波板の生産を移管し、波板の主力生産拠点に育成する。一方、圧空成形の商権も従来通り維持する。また山田化工が株式を持ち合っている射出成形部品メーカー、山田プラスチックも全額出資子会社にしており、両社とも連結子会社とする方針。


Chemnet Tokyo 2000/1/7

筒中プラスチック工業、大阪工場の一部跡地を譲渡
      譲渡価格は13億1,800万円〜八幸産業に

 筒中プラスチック工業は7日、工場再配置にともない閉鎖した大阪工場跡地(大阪府柏原市石川町6−1)について、一部を八幸産業(大阪府柏原市)に譲渡する、と発表した。譲渡面積は 18,181.7平方メートル、譲渡価格は13億7,500万円で、3月31日に所有権の移転を予定している。
 同社は、大阪工場の生産・物流機能について、他の2工場(関東、奈良工場)および関係会社へ移管するなど生産設備等の再配置を行い、同時に大阪工場を閉鎖している。今回、跡地の一部を売却することにしたもので、売却する土地の帳簿価格は5,600万円、譲渡価格は13億7,500万円で、譲渡益は13億1,800万円。全額現金で決済する。譲渡の結果跡地の残存面積は 29,813,95平方メートルとなるが、これについても売却を予定している。
 なお業績に与える影響について同社は、譲渡益を固定資産売却益として2000年3月期の特別利益に計上する予定だが、業績予想(1999年10月29日発表)および連結業績予想の修正(1999年10月18日発表)に含まれているという。