日本経済新聞 2002/9/5 発表文
仏エア・リキードと英BOC 工業ガス、日本で統合 双方子会社来年1月に
工業ガス世界最大手の仏エア・リキードと同2位の英BOCは4日、日本での工業ガス事業を統合すると発表した。日本エア・リキードの汎用ガス部門を会社分割したうえで、来年1月にBOC子会社の大阪酸素工業と統合する。新会社は大陽、東洋酸素を抜いて国内4位に浮上。外資が再編に踏み切ることで、生き残りを目指した国内各社の合従連衡も加速しそうだ。
会社分割に先立ち日本エア・リキードの64.89%の株式を保有する仏エア・リキードが株式の公開買い付けを実施、完全子会社化する。期間は9月18日から10月10日までで、買い付け価格は1株530円。
統合会社は大阪酸素を承継会社とし、社名をジャパン・エア・ガシズに変更する。出資比率は日本エア・リキードが55%。BOCが45%。
日本エア・リキードの分割対象事業は、連結売上高の97%にあたる793億円。燃焼、溶接、冷却などに使われる酸素、窒素、水素ガスとその関連機器などを含む。酸素吸入器や麻酔など医療向けもある。
統合会社の売上高は1380億円で、日本エア・リキードの従業員の大半も合流する見込み。現在、日本エア・リキードは国内5位、大阪酸素は同6位だが、新会社は国内4位となる。利益面での改善効果としては、年50億円を見込んでいる。
日本エア・リキードは工業ガス全般を手がけてきたが、汎用ガスの国内需要低迷に直面しており、規模拡大で収益力の向上を目指すのが得策と判断した。汎用ガス事業分割後、同社は半導体製造用ガスやプラント建設事業に特化する。
一方、BOCは半導体用ガスなど特殊品を強化する戦略を打ち出しており、統合会社への出資比率も抑え、日本での汎用ガス事業の主導権を仏エア・リキードに手渡す形にしたようだ。
1999年7月に仏エア・リキードがBOCを買収する計画が浮上した際、国内2社も合併する計画があった。親会社間の計画が独占禁止当局などからの承認が得られず、国内2社の合併も白紙となっていた。
大手外資が事業統合に踏み切ることで、国内各社は工場建設のための資金力や研究開発力をつけるためにも、再編を模索することになりそう。国内トップの日本酸素なども「良い話があれば検討したい」(日本酸素首脳)と一段の再編に前向き。大陽東洋など下位メーカー、昭和電工、東亜合成など一部門として工業ガス事業を手がける企業がどう動くかが注目される。
2002/9/4 BOC
BOC
とエア・リキード、日本の産業用・医療用ガス事業を統合
BOC
とエア・リキードは、本日、大阪酸素工業株式会社(OSK)と日本エア・リキード株式会社(ALJ)のそれぞれの日本における産業用・医療用ガス事業を統合し、新会社を設立すると発表しました。新会社の名前はジャパン・エア・ガシズ株式会社となる予定です。
ジャパン・エア・ガシズ株式会社の設立は、今後、OSK
とALJ の株主の承認、及び公正取引委員会や欧州委員会など監督官庁の承認を得て最終決定となります。承認取得後、ジャパン・エア・ガシズ株式会社は2003
年の早い時期に設立される予定です。
補完的な2
社の事業を統合するジャパン・エア・ガシズには、BOC
が45%、ALJ が55%出資します。戦略を定め主要な決定を下す取締役会には両社が同数の取締役を出します。経営責任を負う最高経営責任者(CEO
)はエア・リキードが指名します。その他の上級幹部職は、OSK
とALJ の社員の中から功績や能力に応じて任命し、最強のマネジメントチームを編成します。
BOC
エドワーズの日本におけるエレクトロニクス機器事業、株式会社ジャパンヘリウムセンターへのBOC
出資分は、今回の統合の対象外です。ALJ
のエンジニアリング及びプラント建設事業、シラン製造事業、韓国・台湾・中国への投資、エア・リキード・グループの日本の研究開発センターも今回の統合の対象外です。
日本の産業用・医療用ガス業界は、市場の変化や、より充実した製品とサービスを望む顧客のニーズを満たすための構造変革を迫られています。産業界ではより市場に近づく為に生産基地を海外にシフトしており、主として国内での成長は新たな高価値を生みだす産業からしか期待できません。新会社ジャパン・エア・ガシズは、日本市場において一段と能力が強化され、かつ収益力のある事業会社となります。また顧客対応を充実・強化させ、ますます効果的に将来の市場チャンスを開発できるようになります。
新会社は2001 年の両社合計売上高が1,380
億円という日本有数の産業ガスメーカーとなります。
ジャパン・エア・ガシズでは統合によるシナジー効果を年間50
億円と見込んでいます。 BOC 、エア・リキード共に、シナジー効果が大きく現れる2
年目までには新会社設立による増益効果を見込んでいます。
BOC のCEO
であるトニー・アイザックは「日本に強力な産業ガス会社を誕生させるという今回の統合は、すべての関係者にとって朗報です。BOC
は持続可能な成長を目標としています。アジアはこうした目標にとって重要な役割を果たします。日本で強力かつ収益性の高い企業の1つとなることは、こうした目標達成の重要な要素です。ジャパン・エア・ガシズの設立は、アジアにおける我々の主導的な地位の維持と同時に、適切に、現地事業を統合するという戦略の一環でもあります」と語っております。
エア・リキードのベヌワ・ポティエ会長は「日本市場は近年、僅かしか成長していませんが、
こうした中で、世界の産業・医療ガス市場におけるリーディングカンパニーとしてエア・リキ
ードは日本における地歩を固め、収益性を改善し、成長の展望を維持していきたいと考えています。今回、日本での事業に長い歴史を持つ両社(エア・リキードの場合は1907
年から創業)の提携は、この地域における当社の開発方針と完全に合致しています。この提携のもとで、我々は自らの目標を追及し、アジア、特に日本はこれからも当社の戦略の中核であることを確認しています」と語っております。
大阪酸素工業の下畑豊文社長は「今回の合意によって、優れた2
社が一緒になるばかりでなく、新会社は国内市場での地位を一層強化するチャンスを得ることができます。日本エア・リキードと共に規模の大きな会社を形成することで、新会社は顧客対応を一段と強化し、経営効率を最大限高めることが可能となります」と語りました。
日本エア・リキードの佐藤康夫社長は「両社はお互いにうまく補完し合える関係であり、大阪酸素工業との新会社設立を大変嬉しく思います。新会社はいっそう充実した資源と士気の高い従業員に恵まれ、国内市場における顧客対応を一段と強化し、世界の2
大産業ガスメーカーが開発する技術を活用することができます。この提携によって我々はより一層成長の機会に恵まれることとなります」と語っております。
財務情報
日本エア・リキード及び大阪酸素工業の統合される事業の売上高、利益(特別項目は除く)、純資産は次の通りです。
売上高 | 利益(金利支払い 後、税引前) |
純資産 | |
日本エア・リキード (2001 年12 月期) |
793 億円 | 66 億円 | 280 億7,000 万円 |
大阪酸素工業 (2001 年9 月期) |
592 億円 | 44 億8,000 万円 | 332 億3,000 万円 |
比較のため上記の数字は日本の会計基準に従って共通のルールにより作成しています。
BOC グループについて
BOC
グループは世界有数の産業用ガスのサプライヤーであり、半導体産業向けの素材、システム、サービスの代表的なサプライヤーであると同時に、専門的な物流企業でもあります。BOC
は世界50 ヵ国以上の200
万もの顧客にサービスを提供しています。従業員は約4
万3,000 人で、2001 年の年間売上げは40
億ポンド以上に上っています。BOC グループに関する詳しい情報はインターネットをご覧下さい( http://www.boc.com )。
化学工業日報 2002/10/28
エア・リキード、中国で工業用ガスを拡大
エア・リキードのジャン・クロード・ブオノ経営委員会委員はこのほど本紙との単独インタビューに応じ、中国市場では上海、無錫、天津の3地域をターゲットに工業用ガス供給を行っていく方針を明らかにした。上海化学工業団地で米国5大ガス会社の1つであるプラックスエア(Praxair)と合弁会社を設立するほか、無錫でエアー・プロダクツと合弁会社を設立し、同地域の企業向けに工業用ガスを供給する。
日本エア・リキード http://www.jp.airliquide.com/jp/corporate/about_air/company/history.asp
1902年、それはフランスで始まった。
1902年、フランスの物理学者ジョルジュ・クロードは、独自の方法により液体空気の製造に成功。そして、彼と実業家ポール・デロルムにより設立されたのが「エア・リキード」です。この5年後には、日本で初の酸素製造事業がスタート。これが「日本エア・リキード」の創業であり、産業ガスのパイオニア企業として、つねにお客様のニーズを汲み取るソリューション・マインドを堅持してきました。
「帝國酸素」、「テイサン」、そして「日本エア・リキード」へ。
エア・リキードが日本に進出したのが1907年。その後、日本法人である「帝國酸素」が設立されたのは、1930年。以来、日本の産業ガスビジネスの発展を牽引し、1981年には「テイサン」へ社名変更。この間、エレクトロニクスやヘルスケア分野へもその領域を拡げ、1998年には「エア・リキード
グループ」の一員としてグローバル企業グループのアイデンティティーを明確にするために、「日本エア・リキード」に社名変更。産業ガス・医療ガスの世界のリーディングカンパニーの一翼として、つねにお客様に最適なソリューションを提供し続けています。
1934 | 初代社長故鈴木彦次郎は資本金100万円も以って大阪市西淀川区に当社を創立、メッサー社(独)及びハイランド社(独)より酸素製造装置一式を各1基輸入し、2基をもって操業を開始する。 |
1982 | ビーオーシーグループ社(英)と業務提携 |
1988 | 尼崎工場の窒素酸素製造装置を、業界初の夜間電力を利用した世界最新鋭のBOCクライオプランツ社製15,000m3/hにリプレース |
1994 | 伊那市に伊那工場を設置し、最新鋭の半導体材料ガス工場として操業開始 |
2000 | いわき市に酸素製造装置を設置し、小名浜ガスセンターとして操業開始、〔業界初のコージェネ、産業廃棄物の処理〕 |
2002 | 日本ビーオ−シー株式会社と株式交換を行い、BOCグループの有力メンバーとなる |
日本酸素 http://www.sanso.co.jp/jp/
日本酸素は1910年(明治43年)の創業以来、日本の工業ガス分野をリードし、現在では、わが国最大の工業ガスメーカーであると同時にプラントメーカー、食品・家庭用品メーカーとして幅広い事業を推進しています。
この日本酸素の企業活動を支えてきたのが、低温、高圧、真空、ガスコントロールの技術です。日本酸素はこうした卓越した技術を基盤に「進取の気概をもって常に新しい市場の創造に挑戦し、一層の飛躍を実践する」という経営理念のもと、「21世紀のサポーティブ・クリエーター」として、オリジナリティのある製品やシステムの開発を続けています。
1910 | 日本酸素合資会社として、山口武彦ほかの創業者によって設立。 翌年、大崎工場(現・日本酸素記念館)で酸素製造をスタート。 |
1918 | 日本酸素株式会社に改称 |
1935 | 国産第1号の空気分離装置が完成 |
1954 | 日本で初めて液化酸素製造を開始 川崎工場を新設し、液化酸素と高純度窒素・アルゴンの製造を開始。 |
1964 | サンソセンター第1号として、周南工場(現・周南酸素(株))を開設(現在、全国で10社12工場)。
川崎工場において、半導体材料ガスの生産を開始。 |
1983 | 特殊ガス事業拡大のため、アメリカの半導体材料ガス専門メーカー、マチソン・ガス・プロダクツ・インクを買収。1989年(平成元年)には、100%出資となる。 |
1992 | 米国の工業ガスメーカー、トライガス社をグループに加え、米国において総合的な工業ガスビジネスを開始する |
1999 | 米国の子会社マチソン・ガス・プロダクツ社とトライガス社を事業統合してマチソン・トライガス社を設立。 |
2001 | 大陽東洋酸素株式会社と共同で半導体材料ガスの製造部門を統合してジャパン ファイン プロダクツ株式会社(JFP)設立。 |
岩谷産業株式会社 http://www.iwatani.co.jp/jpn/
1930 | 大阪市港区に岩谷直治商店を創業。酸素、溶接棒、カーバイドの販売に取り組む。 |
1945 | 資本金19万8千円で岩谷産業株式会社を設立。 |
1953 | わが国で初めての家庭用LPガスを「マルヰプロパン」のブランドで供給 |
1964 | 東京オリンピック聖火にマルヰプロパンが採用される。 |
1975 | 大阪ガスと合弁で空気分離事業会社を設立 |
1978 | 液体水素製造プラントを完成 |
1981 | サウジ・ペトロミンよりLPGの直輸入開始 |
1984 | 三菱重工、大阪水素工業と合弁で日本液体水素(株)を設立。 |
1985 | 米国UCC社と工業ガス分野で業務提携。関係会社三社を合併し岩谷瓦斯(株)を設立 |
1992 | 日本最大級の貯蔵能力を有する鹿島LPG備蓄基地の建設着工 |
1994 | 大同ほくさん(株)と多角的な業務提携で合意 |
1996 | 米国プラックスエア社と日本で半導体ガス等を販売する「プラックスエア・イワタニエレクトロニクスガス(株)」を設立。 |
エア・ウォーター株式会社 http://www.awi.co.jp/
「エア・ウォーター株式会社」という社名には、「空気と水」が全ての生命の根源であるように、当社も、人と社会に役立つ永遠の企業でありたいという願いを込めております。
会社沿革(合併変遷)
当社、「エア・ウォーター」は、2000年4月に「大同ほくさん」と「共同酸素」が合併して誕生いたしましたが、その「大同ほくさん」は、1993年4月に、「大同酸素」と「ほくさん」が合併して誕生した会社です。
「大同ほくさん」は、北海道に主な基盤を持ち、新しい分野への事業展開を指向していた「ほくさん」の経営と、関西に主な基盤を持ち、産業ガスメーカーとして、グローバルな競争へのチャレンジを指向していた「大同酸素」の経営の2つを効果的に融合させ、「ガス・ビジネスの新たな可能性を切り拓く」ために生まれた会社でした。
そして、その「大同ほくさん」と、鉄鋼向けオンサイト事業をメインとして技術とノウハウを磨いて来た「共同酸素」とが合併して生まれたのが、「エア・ウォーター」です。
それぞれが、異なる特徴を持った3社が、強い部分をより強くすることによって、国内において、地域的には全国を網羅し、市場としては「川上から川下まで」、即ち、オンサイトパイピング供給からローリー・シリンダー供給に至る、産業ガスの総合的な事業基盤を持つ会社が生まれたわけです。
事業分野と分野別の売上・利益の内訳
当社の事業分野は大きく5つに分類されます。
・ | 産業関連事業分野: | |
当社のコアとなる事業分野で、売上の約半分を占めています。従来からの鉄鋼や化学工場向けのガス供給に加え、最近では半導体や光ファイバー関連向けの需要が増大しています。 | ||
・ | 医療関連事業分野: | |
病院向けの医療用ガス並びに機器の供給に加え、近年は、滅菌代行サービス等の医療関連サービスに力を入れています。また、介護福祉分野での事業にも参入しました。 | ||
・ | エネルギー事業分野: | |
燃料用LPGの供給や天然ガスの供給を行っています。天然ガスの供給は昨年度からスタートした事業ですが、今後の成長が期待される分野の一つです。 | ||
・ | 生活商品事業分野: | |
ユニットバスや冷凍食品を主力商品としています。 | ||
・ | その他の事業分野: | |
事業物流などが該当します。 |
2001/10/5
エア・ウォーターによる三井化学プラックスエアの株式取得について
三井化学プラックスエアは、三井化学と米国法人プラックスエア(Praxair)社の折半出資会社として、液化炭酸ガス及びドライアイス専業の事業活動を行なってきましたが、今般米国に本社を置くプラックスエア社が三井化学プラックスエア事業からの撤退を決めたため、エア・ウォーターが米国法人プラックスエア社保有の全株式(24,000株)を9月26日に同社から譲受けました。
これに伴い、三井化学プラックスエアは10月1日付で三井化学エア・ウォーターに社名(商号)を変更し、三井化学及びエア・ウォーターの両親会社の協力のもと新たな体制で、現行事業の一層の拡大を目指すことになります。同社の概要等は下記のとおりです。
1.三井化学エア・ウォーターの概要
(1)設 立 | 1971年 | |
(2)資 本 金 | 4億8千万円(48,000株) | |
(3)株 主 | 三井化学 50% エア・ウォーター 50% | |
(4)事業内容 | 液化炭酸ガス並びにドライアイスの製造・販売 | |
(5)売 上 高 | 約41億円 | |
(6)代 表 者 | 代表者
代表取締役社長 出川 純也 代表取締役副社長 永見 晋太郎 |
|
(7)拠 点 | 本 社:
東京都港区新橋4−23−4 工 場: 大阪府高石市、福岡県大牟田市 (製造委託先:神奈川県横浜市) 営業所: 東京、大阪、名古屋、福岡 |
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(8)従 業 員 | 約40名 |
2.今後の事業展開
(1) | エア・ウォーターは、炭酸ガス事業(液化炭酸ガスおよびドライアイス)の原料ソースとして、既設の室蘭(共同炭酸株式会社)、鹿島(エア・ウォーター鹿島工場)及び水島(旭化成水島工場)の生産拠点に、今回の出資により新たに三井化学エア・ウォーターの高石、大牟田及び横浜の生産拠点を加えて、全国的に拡充した供給網による安定供給を実現し、ユーザー及び取引各社からの高い信頼に応える所存です。 |
(2) | 三井化学エア・ウォーターは、9月28日に三菱レイヨン株式会社の液化炭酸ガスおよびドライアイス事業の営業権を譲受けるとともに、2004年には千葉県市原市に炭酸工場の建設を計画するなど、一層の業容の拡大へのステップを踏み出しています。親会社である三井化学とエア・ウォーターの幅広い技術力及び営業力の支援・協力のもとに、今後ともユーザー及び取引各社との安定的な取引関係の確立に努め、コスト・事業競争力の更なる強化に取り組む所存です。 |
2001/9/3 三菱レイヨン株式会社
「炭酸事業」営業権の譲渡について
三菱レイヨン株式会社(本社:東京都港区、社長:皇芳之)は、炭酸事業に関する営業権等を三井化学プラックスエア株式会社へ譲渡することを決定し、本日、同社と契約を締結しました。契約内容は、炭酸事業(液化炭酸ガスおよびドライアイス)に関する営業権譲渡、並びに当社関係会社である株式会社コステムヨシダの株式譲渡であり、営業譲渡日は2001年9月28日です。横浜事業所の製造設備は、三井化学プラックスエアからの製造受託により、2004年3月まで稼働させ、その後廃棄する予定です。
炭酸事業は、1998年旧日東化学との合併により受け継いだ事業です。主な用途としては、「液化炭酸ガス」は、溶接、製鋼、鋳物などの産業分野と炭酸飲料・ビール向けの飲料分野に、また、「ドライアイス」は、食品保冷用輸送や演出用などに使われています。
一方、当社はコア事業であるアクリル系事業体(MMA系・AN系事業体)を世界トップレベルの強い事業体に育て上げると共に、今後の成長期待分野である「水・環境」「情報通信」「建材」「ライフサイエンス」「エネルギー関連」の各事業領域で、当社が優位性を持つ技術や素材をベースとした新たな基幹事業を創出・構築するために、積極的な事業展開を推進しております。このような背景から、炭酸事業はコア事業との関連が少なく競争力で優位性を発揮し難いこと、並びに、製品ラインナップや技術面でも他の事業とのシナジー効果が見込めないことから、今回の譲渡にいたりました。
1. 当社炭酸事業の概要
・生産能力 | :
液化炭酸ガス 70,000トン/年 ドライアイス 110,000トン/年 |
・売上高 | : 約70億円(コステムヨシダとの連結) |
・生産拠点 | : 横浜事業所 |
・営業拠点 | : 東京、大阪 |
2.コステムヨシダの会社概要
・社 名 | : 株式会社コステムヨシダ |
・設 立 | : 1952年3月 |
・社 長 | : 高橋 努 (たかはし つとむ) |
・所在地 | : 東京都千代田区猿楽町2−5−3 |
・事業内容 | : ドライアイスの販売 |
・資本金 | : 4千万円 |
・出資比率 | : 三菱レイヨン 67%、その他 33% |
・売上高 | : 約46億円 |
・従業員数 | : 約80名 |
3.譲渡先会社概要
・社 名 | : 三井化学プラックスエア株式会社 |
・設 立 | : 1971年7月 |
・社 長 | : 出川 純也 (でがわ じゅんや) |
・所在地 | : 東京都港区新橋4−23−4 |
・事業内容 | : 液化炭酸ガス、ドライアイス事業 |
・資本金 | : 4億8千万円 |
・出資比率 | : 三井化学(株)50%、Praxair 50% |
・売上高 | : 約41億円 |
・従業員数 | : 約38名 |
エア・ウォーターによる、住商ファインガスの株式取得について
エア・ウォーターと住友商事は、水素ガス事業の効率化と業容拡充を図ることを目的に、住友商事の関係会社
住商ファインガスへのエア・ウォーターによる資本参加を検討してまいりましたが、このほど基本的な合意に達し、11月末をもって、エア・ウォーターは住商ファインガスの株式52.5%を、住友商事から譲受けることとなりました。
これにともない、住商ファインガスは、住商エア・ウォーター株式会社と社名を変更し、今後、大きな伸びが期待できるオンサイトを中心とした水素ガス事業について、エア・ウォーターと一体となって事業展開を進めていくこととなります。
1.住商エア・ウォーター株式会社(新社名)
(1)設 立 | 1970年 | ||
(2)資 本 金 | 4億8千万円 | ||
(3)株 主 | エア・ウォーター 住友商事 高圧ガス工業 住友精化 |
52.5 % 40.0 % 5.0 % 2.5 % |
|
(4)事業内容 | 水素ガス製造販売 約40%、酸素・窒素ガス・その他売上 約60% | ||
(5)売 上 高 | 4,108百万円 (2000年度) | ||
(6)代 表 者 | 代表取締役社長 松 本 正 基 | ||
(7)拠 点 | 本社: 東京都港区新橋 | ||
(8)従 業 員 | 約60名 |
2.今後の事業展開
(1) | 両社の水素事業を統合することにより、生産・物流コストダウンやメンテナンス費用の削減等、より大きな規模での経営効率化が可能になり、競争力強化と販売の拡大が図れることになります。 |
(2) | 住友商事が輸入元となり、住商ファインガスが国内販売を進めている、ベルギー製の無機交換膜電解(IMET)小型水素発生装置について、今後、新生住商エア・ウォーターとエア・ウォーターの両社で一層の拡販を進めるとともに、新規商材の拡充にも努めてまいります。 |
2001/2/15
エア・ウォーター及び米国キネティックス
グループ社と
半導体製造装置用ガス・ケミカル供給装置事業の合弁事業会社発足(キネティックス
ジャパン)
2001年2月15日、エア・ウォーター株式会社(本社:大阪市、青木弘会長)は、米国エアプロダクツ・ケミカルズ社との合弁会社大同エアプロダクツ・エレクトロニクス株式会社(本社:大阪市、半田勇社長)とともに、米国キネティックス グループ株式会社(本社:米国カリフォルニア州、デビッド・シモン社長)と半導体製造装置用のガス・ケミカル供給装置の製造販売合弁会社の設立契約に調印した。
合弁会社名は、キネティックス
ジャパン株式会社ーKinetics Japan
K.K。資本金は3億円、本社は大阪市におく。出資比率は、エア・ウォーター社10%、大同エアプロダクツ社41%、キネティックス
グループ社49%とエア・ウォーターグループが過半数をもつ。代表取締役社長には山田
進氏、代表取締役副社長にはDamashek
由美子氏、取締役副社長には田原 章博氏が就任した。
同社は、半導体製造の中核技術であるCVD・エッチング装置・CMP装置等に欠かせないガス・ケミカルの供給装置を製造販売する。半導体製造は、ガス・ケミカルを原材料として、薄膜の回路を形成しており、その供給ラインは、極めて重要な要素である。製品としては、半導体製造装置へのガスパネル・マスフローコントローラー・CMPスラリー等のケミカル供給装置、チラー等を手がける。キネティックス
グループ社は、ガスパネル・CMPスラリー供給装置では、世界第1位のシェアをもっており、マスフローコントロラー・チラーも世界有数のメーカーでもある。同社は、世界的にもトップグループを走る当該製品・技術をキネティックス
グループ社から譲り受け、製造販売をするとともに、エア・ウォーター社・大同エアプロダクツ社のもつ同ジャンルの製品・技術も譲り受け、当該製品群の製造販売事業を開始する予定である。
エア・ウォーター社は、1997年に、エレクトロニクス事業部門を分社化。工業ガスメジャーのエアプロダクツ社との合弁事業(大同エアプロダクツエレクトロニクス社)として事業拡大をめざした。その後、大同エアプロダクツ社は年率20%の成長を遂げ、本年度は、145億円の売上を見込む。2002年には200億円をめざしている。事業戦略として、特に特殊ガス・特殊ケミカル・あるいは特長のある供給装置に注力し、他社との差別化を図っている。
一方、合弁相手のキネティックス
グループ社は、ガス供給配管工事をベースに事業を展開し、近年ガスパネル、マスフローコントローラーなどのメーカー数社を買収し、急拡大している。特にエレクトニクス向け事業を拡大させ、本年度は、全売上高の80%、1200億円の売上を見込んでいる。また、本年8月、USフィルターの傘下からマネジメントバイアウトで独立し、目下、積極的な経営展開を行っている。
製造拠点としては、当初はエア・ウォーター社の鹿島工場・和歌山工場、キネティックス社の八王子工場のクリーンルームを活用するが、大規模な新クリーンルームの設置も視野にいれ、事業運営をする。営業拠点は、東京と大阪に置き、半導体製造装置メーカーとデバイスメーカーに営業活動を展開する。初年度は20億円、3年目には54億円の売上高をめざす。
大陽東洋酸素株式会社 http://www.saan.co.jp/
当社は、昭和21年8月旧日本製鉄株式会社兵器解体処理用酸素供給のため、同社大阪工場(大阪市大正区)の一角に酸素工場を設置するとともに同年12月資本金19万円をもって、会社の設立登記を完了し、大陽酸素株式会社が発足いたしました。なお平成7年4月1日をもって東洋酸素株式会社と対等の立場で合併し、大陽東洋酸素株式会社として新発足いたしました。
当社設立以来の沿革は、次の通りであります。
1946 大陽酸素株式会社を設立。 1953 溶解アセチレン事業に関し三菱化成工業(株)(現 三菱化学(株))と提携契約成立。 1968 三菱油化(株)(現 三菱化学(株))と合併会社鹿島酸素株式会社を設立 1969 日本酸素株式会社と合弁会社富士酸素株式会社を設立。 1995 東洋酸素株式会社と合併し、大陽東洋酸素株式会社と商号変更。
日刊工業新聞 2002/9/12
昭和電工、アジアで特殊ガス強化−統括機能を中国・上海へ
昭和電工は、アジアにかかわる半導体用特殊ガス事業の営業、品質保証、物流などの統括機能や権限を本体から分離・独立する。供給拠点のある中国・上海を受け皿の有力候補として、03年夏をめどに立ち上げる。成長市場のアジアで競争力を強化するには、需要に即した意思決定と迅速な対応が不可欠と判断した。機動力をてこに拡販し、同事業の売上高を05年に01年実績比1・5倍の230億円に伸ばす計画だ。
昭和電工がアジアに移すのは、半導体製造の工程で使うガス供給事業の統括機能。中国や台湾、シンガポールの現地合弁が運営している同ガス供給のほか、輸出対応の韓国向けを含めたアジア地域全般の事業を束ねる。現在は川崎事業所(川崎市)にしかない品質保証体制についても、アジア向けについては現地に移設する。
2001/2/22 昭和電工
半導体向け特殊ガス事業のシンガポール進出について
昭和電工株式会社(大橋光夫社長)は現在推進中のチータ・プロジェクトにおいて、半導体向け特殊ガス事業をコア事業の一つと定め、積極的な事業展開を行なっております。
当社はこれまで、ユーザーの海外進出に伴い台湾・新竹地区(1996年)、中国・上海(1999年)に合弁会社を設立し、営業拠点を開設しております。
これに続き、シンガポールに半導体向け特殊ガスおよび廃ガス除害設備・同再生事業を行なう新会社を設立し、この度本格的に営業を開始いたしました。
さらに、台湾の合弁会社である昭和特殊気体は、多くのユーザーとの取引拡大に伴う安定供給体制強化のため、本年4月に台南地区に第2工場を開設する予定であります。また、該社は2001年売上高を前年比2倍増の40億円と見込んでおります。
1. シンガポール進出の背景
現在シンガポールには6社9工場が半導体前工程の生産を行なっており、政府主導の下2002年には9社17工場となるものと計画されております。さらにマレーシアにおいても、半導体前工程3工場の稼動が計画されております。
当社はこれまでシンガポールにおいて、日系ユーザーに対し特殊ガス等の納入実績がありましたが、この度外資系ユーザーより特殊ガスおよび除害装置の受注に成功いたしました。
これを機に、マレーシア等の周辺地区への展開をも勘案し、今後更なる発展を図るためには独自の安定供給体制を確保することが不可欠と判断し、今回新会社を設立いたしました.。
新会社は、2005年に10億円の売上を計画しております。
新会社の概要は以下の通りです。
社名 Showa Specialty Gas Singapore Pte Ltd 資本金 100万S$(シンガポール・ドル :約65百万円) 社長 照岡 佳久 (昭和電工(株)ガス・化成品事業部ファイン製品部長) 出資比率 昭和電工(株) 80% 昭和特殊気体(台湾) 20% 2. 当社の半導体向け特殊ガス事業の概要
当社は、半導体産業の勃興期より化学メーカーとして保有する、有機・無機化学品に対する豊富な分析力、知見を生かし、高品質の特殊ガスおよび廃ガス除害装置事業を展開してまいりました。売上高は、2000年約170億円、2002年は200億円を見込んでおります。
(1)特殊ガス
1996年に米国のエアープロダクツ アンド ケミカルズ社と提携し、フッ素系特殊ガスの生産設備を当社川崎事業所内に設置し、1999年4月には旭硝子(株)より同社のフッ素系半導体向け特殊ガス事業を譲り受け、この分野の事業強化を図っております。
これらの施策により、半導体前工程で使用されるCl2、BCl3、CF4、等のエッチングガスは約40%、クリーニングガスのC2F6は60%のシェアを有し、この他にも成膜用ガスのN2O、成膜ガスおよび青色LED用のNH3は50%の国内シェアを有しております。
(2)廃ガス除害装置
廃ガス除害装置(クリーンエス・シリーズ)は、累計の出荷台数は既に1万台を超え、1999年には温暖化系数の高いPFC(Perfluorocarbon:フッ素と炭素からなる物質)用の廃ガス除害設備(クリーンエスPF)も上市しております。
(3)その他半導体関連周辺事業
この他にも、設備や配管のコーティング事業(クリーンエス処理)、ほぼ100%純度のフッ素ガスをユースポイントで発生させるフッ素発生装置(エフジェネ)、半導体各工程で使用される洗浄・リンス液用高純度有機系溶剤 (ソルファイン)、フォトレジスト向け高純度無機系溶剤(TMAH)等、半導体関連周辺分野にも積極的な事業展開を行なっております。
2000/9/7 東亞合成
工業ガス事業の分社化について
東亞合成は、今般工業ガス事業を分社化し事業構造改革に向けた新たなる一歩を踏み出すことを決定しました。営業開始は来春(2001年1月1日)の予定です。
工業ガス事業を取り巻く環境は、過当競争による販売価格の低下と深冷分離やPSAによるオンサイト化等により年々厳しさを増しております。東亞合成は東海地区を中心に、酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、水素、特殊ガス等の工業ガスを製造販売し、お客様から信頼をいただいておりますが、事業基盤をより強固なものにするためには地域経済環境の変化に即応できる体制づくりが急務であると考え、今回の決定に至ったものであります。
この度の分社化により地場産業との密着を更に強め、木目細かいサービス体制の確立、迅速な意志決定及び組織のスリム化を図り、地域密着型の工業ガスサプライヤーとして、事業基盤を強化し更なる発展を期す所存です。
社 名 | 東亞テクノガス株式会社 | ||
営業開始日 | 2001年1月1日(予定) | ||
資本金 | 4億円(予定) | ||
人員 | 約 30名 | ||
売上目標 | 年間 80億円 | ||
本社 | 名古屋市中村区 | ||
営業拠点 | 名古屋、富山 | ||
営業エリア | 東海・北陸地区 | ||
事業内容 | 工業ガスの製造販売 工業ガス関連設備の設計施工及び保守点検 |
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関係会社 | 中部液酸・名古屋サンソセンター・北陸液酸工業等10社に対する東亞合成の持分を引継ぐ |
(注) | ||
1. | 空気深冷分離装置 | |
空気を圧縮・膨張させることにより、液体空気を作り、それから液体酸素、液体窒素、液体アルゴンを製造する装置 | ||
2. | PSA(PRESSURE SWING ADSORPTION)ガス発生装置 | |
吸着剤を利用して、空気から酸素ガス、窒素ガスを分離する装置 |
日本経済新聞 2002/10/21
大陽東洋酸素工業 ガス販売・流通強化
大陽東洋酸素は工業ガスの流通・販売体制を強化する。東栄化学(東京都あきる野市)、飯泉熔材(千葉県市原市)、本間商事(千葉県市川市)の首都圏の小売り3社を買収。各社の全株式を取得するとともに、人材を派遣するなどして営業体制をてこ入れした。
また11月をめどに溶接機材商社の山川産業(大阪市)の営業権を全額出資子会社のサーンテック(兵庫県尼崎市)を通じて取得、社名をサーンテック山川に改めて営業を継続する。山川産業は大陽東洋酸素の有力販社で年商80億円程度だが、バブル期の投資負担が重く経営が悪化していた。