日本経済新聞 2003/2/28

スイスのロシュ バイオVB 日本で育成

 スイス系診断薬・機器大手、ロシュ・ダイアグノスティックス(東京・港、平手晴彦社長)は5月にも、大学発のベンチャーなど創業間もないバイオ企業の育成事業を始める。オフィスや研究機器を貸し出すほか、事業計画の策定などを支援する。ロシュ・グループとして世界で事業化できる技術を発掘する。
 まず本社内に遺伝子診断やたんぱく質解析など、同社の事業と相乗効果が見込めるベンチャー12社前後を誘致する。出資はしないが、世界市場で競合する他社の情報や最新技術の動向などを提供するほか、特許の作成・出願も支援する。
 グループ企業で医薬品販売の日本ロシュが中外製薬と合併したのに伴い、退居したスペースを活用する。入居料は月40万円前後から。製薬会社や官公庁とのネットワークづくりが難しい地方の大学発ベンチャーなど数社が入居を希望している。日本で医薬関連企業がバイオベンチャーの育成を始めるのは珍しい。
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