2004年3月3日 東京応化工業

中国での半導体・液晶ディスプレイ製造用材料の合弁製造会社設立に関するお知らせ
http://www.tok.co.jp/news/news_pdf/jv-ch0403.pdf

 東京応化工業株式会社および長春石油化學股有限公司(長春石化社)は、半導体および液晶ディスプレイ製造用材料を中国にて製造、販売する合弁会社の設立について合意に達しましたので、お知らせいたします。
 中国では、半導体および液晶ディスプレイ分野での大規模な投資が行われ、その製造用材料は需要の大幅な拡大が見込まれております。この有望な市場において一層の事業拡大を図るため、新会社の設立により最適かつ効率的な生産、供給体制を構築するものであります。
 新会社は、半導体および液晶ディスプレイ分野でのフォトリソグラフィ工程で主として用いられる高純度化学薬品の製造、販売を行う予定であります。
 工場予定地の江蘇省常熟沿江工業区は、江蘇省常熟経済開発区にあり、上海の北西約95kmに位置し、蘇州、無錫、昆山、南通等の大中都市にも近く、立地面での優位性を有しています。また、対外開放港である常熟港に近くインフラも整備されております。
 当社グループでは、顧客に密着したグローバルなサポート体制の構築をアジア、北米、欧州の各地域において推進しており、本件はその一環となるものであります。パートナーの長春石化社とは、1999年より台湾東應化股有限公司を合弁で運営して事業を展開してまいりましたが、今後さらに強固な協力関係を結び、中国での一層の事業拡大を図ってまいる所存であります。

※長春グループにつきましては、こちらのホームページ( http://www.ccp.com.tw/)をご覧下さい。

新会社の概要(予定)

(1) 社名   長春応化(常熟)有限公司(Chang Chun Tok (Changshu) Co., Ltd.
(2) 所在地   江蘇省常熟沿江工業区
(3) 資本金   730万米ドル(約8億円)
(4) 出資比率   東京応化工業株式会社51% 長春石油化學股有限公司49%
(5) 代表者   董事長 小峰孝(東京応化工業株式会社 取締役兼執行役員 営業本部長)
(6) 事業内容   半導体、液晶ディスプレイ製造用シンナー・フォトレジスト現像液の製造、販売
(7) 売上規模   約5億円(初年度計画)
(8) 面積   敷地面積約8,500u 延べ床面積約3,400u
(9) 設備投資   約10億円
(10)生産開始   2005年4月稼働予定
(11)従業員数   13名(当初予定)

日本経済新聞 2004/3/20

ブリヂストンが軽量フィルター プラズマテレビ1割軽く シェア上位2社追撃

 ブリヂストンはプラズマテレビの軽量化や画質向上につながる光学フィルターを開発した。フィルター重量は従来の10分の1で、テレビ本体を約1割軽くできる。すでに大手家電メーカーから受注しており、近く量産を始める。ブリヂストンは同分野でシェア20%弱の世界3位メーカー。独自製品をテコに上位の旭硝子と三井化学を追撃する。
 フィルターはテレビ画面の一番外側に張り付ける。色調補正、強度向上、電磁波や赤外線の遮断といった機能を果たす。
 新フィルターは@赤外線防止A電磁波防止B画面の反射防止−−の機能をそれぞれ持つ樹脂フィルムを三層に重ねた。従来はガラスや接着フィルムを含む七層構造だった。ブリヂストンは特殊な塗工技術を用いて接着フィルムやガラスをなくし、軽量化した。
 重量は42インチサイズで約400グラム、厚さは従来比3分の1の1ミリ弱に抑えた。ガラスなどをなくしたことで材料費も2−3割下がる。重ねるブィルムの枚数が減ったため「画質向上も見込める」(ブリヂストン)という。
 供給開始に向け、7月に磐田製造所(静岡県磐田市)のフィルター生産能力を月産5万枚から10万枚に倍増させる。設備投資額は10億円。光学フィルターを含む高機能フィルム事業の売上高は2003年12月期で60億円強で、新製品投入をテコに1−2年以内に100億円を目指す。
 プラズマテレビ用フィルターは旭硝子と三井化学で合計70−80%の世界シェアを握る。プラズマテレビ市場の急成長を受け、昨年には三菱化学が参入するなど競争が激化している。


2004/5/20 旭化成

大型ペリクル新工場竣工及び第2系列新設について
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2004/el040520.html

 旭化成エレクトロニクス株式会社(社長:鴻巣 誠、本社:東京都新宿区)及び旭化成電子株式会社(社長:中尾 正文、本社:東京都新宿区)は、液晶パネル用大型ペリクルの新工場を竣工するとともに、さらなる品種拡大、大型化にともない第2系列を新設することを決定しましたので、お知らせします。

1. 背景、経緯
  液晶パネルの製造に使用される旭化成電子の大型ペリクルは、大型一括露光機用の
フォトマスクの防塵保護膜として使用されています。液晶パネルは、携帯電話、携帯情報端末、ノートPC、液晶モニター、液晶TV等に使われ需要が拡大していますが、なかでも液晶TVは、従来想定されていた以上に、大型化が急速に進んでいます。この液晶パネルの動きにあわせ、大型ペリクルも需要拡大、大型化が進んでおり、今後もこの傾向が続くものと考えられます。
  旭化成電子は、1990年に独自技術により事業化して以来、現在では実質的に世界で唯一大型ペリクル供給メーカーとしての地位を確立しています。昨年5月にお客様への製品供給および品質責任を果たすべく、新工場の建設および能力増強を決定し、建設を進めてまいりましたが、5月20日に、新工場が竣工する運びとなりました。これにより、大型ペリクル専用ラインでの生産能力は従来ラインの1.5倍規模になります。
  一方、大型ペリクルに対する需要の増加は急激で、今回の新工場竣工と同時に、更なる品種の拡大や大型化に対応するため、2005年3月稼動を目標として、同工場内に第2系列を新設することを決定しました。この第2系列の建設により、お客様の大型ペリクルに対する安定的供給、さらなる液晶パネルの大型化、パターンの微細化などのご要望に、より確実にお応えしていく予定です。
     
2. 新設する第2系列の内容
(1) 工場立地 : 宮崎県延岡市中川原町5−4960 (旭化成(株) 延岡支社岡富地区)
(2) 総投資額 : 約12億円
(3) 生産能力 : 竣工した新ラインも含めた既存生産ラインの1.7倍
(4) 工期 : 2004年5月着工、2005年3月完工・稼動開始

 
<ご参考>
[旭化成電子株式会社]

・事業内容      : 昨年10月の分社・持株会社制による、旭化成株式会社の事業会社である旭化成エレクトロニクス株式会社の100%子会社で、ホール素子、ホールIC等磁気センサーの製造・販売および液晶パネル用および半導体製造用ペリクルの製造・販売を行っています。
・資本金 4億円
・売上高 約150億円
・従業員数 約1,000人

 
[ペリクルについて]
  ペリクルは、半導体や液晶パネルの露光工程において、微細パターンが描かれたフォトマスクに塵が付着しシリコンウェハーやパネル基板に結像するのを防ぐために、フォトマスクのカバーとして使用されています。なお、今回増設する液晶パネル用大型ペリクルについては、現在旭化成電子が実質的に世界で唯一の大型ペリクル・メーカーとなっています。
  一方半導体製造用ペリクルについては、LSI配線パターンの微細化ニーズに対応したエキシマレーザー露光用ペリクル、従来型のg線i線露光用ペリクルと幅広い製品ラインアップを取り揃え、広く顧客ニーズに応えていきたいと考えています。

 

http://www.asahi-kasei.co.jp/ake/jp/pell/

 


2004/10/04 旭化成

韓国のペリクル販売会社設立について
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2004/el041004.html

 旭化成エレクトロニクス株式会社(本社:東京都新宿区、社長:鴻巣 誠)は、韓国においてペリクルの販売を強化するため販売会社を設立し、本年11月より営業開始しますのでお知らせいたします。

1.背景、経緯
 ペリクルは、液晶パネル製造用および半導体製造用のフォトマスクの防塵保護フィルムとして使用されています。近年、特に韓国では、液晶パネルの生産が活況でありそれに伴ってペリクルの需要も拡大してきています。液晶パネルは、携帯電話、PDA、ノートPC、液晶TVなどに使用されているため今後もこの傾向が続くものと思われます。
  現在、ペリクルの製造、販売は旭化成エレクトロニクス株式会社 100%子会社の旭化成電子株式会社が行っています。
 旭化成エレクトロニクスグループは、韓国を重要なマーケットと位置付け、新会社を設立することで韓国のお客様へのサービス向上を図ります。
 新会社は、旭化成電子株式会社からペリクルを購入、韓国内の倉庫に保管し、お客様に即納できる体制をとります。日本から輸入する場合、受注から納入まで3日〜1週間かかっていた事に比べて納期を大幅に短縮でき、その結果としてお客様の在庫負担も軽減いただけるようになります。

2.新会社の概要
(1)会 社 名:旭化成EMD韓国株式会社
          英文社名:ASAHI KASEI EMD KOREA CORPORATION
(2)代 表 者:代表取締役社長 塚田 泰男
(3)資 本 金:約8億Won (約8,000万円)
(4)本社所在地:韓国京畿道水原市
(5)株     主:旭化成エレクトロニクス株式会社 100%
(6)従 業 員:数名でスタートし順次増員予定
(7)売上高目標:2005年度 20億円を想定
(8)営業開始日:2004年11月1日

「ペリクル」について
 ペリクルは、半導体や液晶パネルの露光工程において、微細パターンが描かれたフォトマスクに塵が付着しシリコンウエハーやパネル基板に結像するのを防ぐために、フォトマスクのカバーとして使用されます。
 大型液晶用ペリクルにつきましては、現在、旭化成電子(株)が実質的に世界で唯一のメーカーとなっています。また、工場については、2004年5月に宮崎県延岡市に新工場を竣工しました。さらに現在2005年3月稼動を目指して同工場内に第2系列の増設中です。一方、半導体用ペリクルについては、LSI配線パターンの微細化に対応した幅広い製品ラインナップを取り揃え広くお客様のニーズに応えていきたいと考えています。

<ご参考>
[旭化成エレクトロニクス株式会社]
・事業内容:旭化成株式会社100%出資の事業会社。電子材料および電子部品の
        製造販売を行っています。
・代表者:代表取締役社長 鴻巣 誠
・資本金:30億円(旭化成100%)
・売上高:825億円(2004年3月期)
・従業員数:約1400人

[旭化成電子株式会社]
・事業内容:旭化成エレクトロニクス株式会社100%出資子会社。液晶用ペリクル、
        半導体用ペリクルの他、ホール素子、ホールIC等磁気センサーの製造・販売
        を行っています。
・代表者:代表取締役社長 中尾 正文
・資本金:4億円(旭化成エレクトロニクス100%)
・売上高:150億円(2004年3月期)
・従業員数:約1000人


朝日新聞 2004/6/6
 
新日石、中国に新工場 携帯向け液晶フィルム生産倍増へ
http://www.asahi.com/business/update/0606/003.html

 新日本石油は、携帯電話などの液晶画面に使われる光学フィルムの生産能力を2倍に増強する。中国・蘇州に建設中の新工場で8月から試験生産を始め、来年2月に本格生産に移行する計画。同社の製品はカラー液晶向けのシェアが高い。今後は海外でもカラー画面の携帯電話が標準になると見込み、有力な収益源に育てたい考えだ。

 フィルムは樹脂製で、液晶画面のガラス偏光板の間に数枚、層状に張られている。光の振動を整え、画面の映りをくっきりさせ、斜めからでも見やすくする効果がある。新日石は、分子構造の複雑な石油化学製品の製造技術をもとに、95年に商品化した。

 メーカーは世界で15社ほどあるが、同社の製品は、携帯電話用カラー液晶の5割強に採用されているという。03年度の売上高は前年の2倍近い約35億円。画面のカラー化と大型化が追い風だ。

 年産120万平方メートルの能力を持つ辰野工場(長野県辰野町)はフル稼働で、「需要の伸びに生産が追いつかない状態」(担当幹部)。増産のため、蘇州に約50億円かけて辰野と同じ規模の新工場を建設している。蘇州周辺にはセイコーエプソンやフィリップスなど液晶メーカーの拠点が集中しており、注文に迅速に対応できる利点がある。

 IT調査会社の予測では、携帯向け光学フィルムの需要は08年に現在の1.3倍になると見込まれる。新日石は06年までに採用率を7割まで引き上げる目標を掲げる。

*新日石の液晶フィルム
  
http://product.eneos.co.jp/lcfilm/


2004/6/5 日本経済新聞 

コニカミノルタ、表示装置用高機能フィルム、高速生産可能に

 コニカミノルタホールディングスは液晶や有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)表示装置向けなどの部材事業を拡大する。従来に比べ最大数百倍の速さでフィルムなどの薄膜をつくる技術開発に成功。年内をめどに表示装置に使う高機能フィルムを中心に事業化する。当面は光学関連部材の新規事業として育成する方針だ。
 開発したのはナノテクノロジー(超微細技術)を使った薄膜の積層技術。従来は真空状態で膜を積層する方法が一般的だったが、放電技術などを応用し、大気中で製造できる低コスト方法を確立した。研究開発拠点のコニカミノルタテクノロジーセンター(東京・日野市)に大型の試験プラントを設置し、第一弾として反射防止機能のある薄膜製品をつくった。
 コニカミノルタは携帯電話やパソコンなど各種表示装置向けの部材開発を進めていく計画で、高機能フィルムなどの新製品を液晶・有機ELメーカーに売り込む。表示装置用の材料市場は年平均で2割強伸びており、2006年には約1兆3千億円に拡大する見込み。


2004/6/21 出光石油化学

ゼオライト触媒によるアダマンタン新製造プロセスを開発
〜環境負荷を抑え、ArFフォトレジスト原料の安定供給に寄与〜
http://www.ipc.idemitsu.co.jp/

 弊社(社長:厩橋 輝男)は、特殊化成品の一つであるアダマンタン(商品名;出光アダマンタン)注1)および同誘導体(商品名;アダマンテート)を重点戦略商品と位置付け、半導体関連材料、光学材料などのIT分野において、アダマンタン誘導体の特性(絶縁性、耐熱性、透明性)を活かした用途開発を積極的に推進しております。

 特に、本年末には、次世代半導体製造技術であるArF(アルゴンフッ素)エキシマレーザー露光プロセス
注2)による半導体の量産化が開始される見込みであり、製造工程で使用されるフォトレジスト(感光性材料)の必須原料であるアダマンテートの本格的な需要の立上りが見込まれます。ArF半導体製造プロセスは、線幅90nm、65nmに止まらず、更なる技術革新(液浸技術等)による32nmへの応用が開発検討されており、中長期的な市場拡大が期待されます。

 弊社は、ArFプロセス用フォトレジストの初期開発段階から、国内唯一のアダマンタンメーカーとして、過去から蓄積してきた知見を駆使しユーザーのニーズに合致したアダマンタン誘導体を開発し、提供してきました。
 現在、弊社はArFフォトレジスト用アダマンタン系モノマーメーカーとして、
世界マーケットシェアの約70%を有し、No.1サプライヤーとしての地位を獲得しております。
 
 弊社では、アダマンテートの更なる供給安定性およびコスト競争力強化を目指し、出発原料であるアダマンタンの新プロセスの研究開発を推進してまいりましたが、今般、原料・設備の両面で保有資源を最大限に活用し、世界トップの競争力を有する製造プロセスを開発しました。
 また、新プロセスはゼオライト触媒を使用するため、従来プロセスの課題である「多量な廃塩化アルミ触媒処理(製品の約数倍発生)」が発生しない、環境負荷の低い画期的なプロセスと言えます。
 今後、新プロセスによる原料アダマンタンの早期事業化を検討し、更なるアダマンテートの安定供給、コスト低減を強化してまいります。
 アダマンタンの誘導体は、絶縁性、耐熱性、透明性等の優れた特性から、マーケットの高度なニーズに応え得る材料として期待されます。
 現在、弊社では半導体層間絶縁膜、半導体保護膜、コーティング材等の分野でこれらの特性を活かした材料開発を顧客の視点に立って進めております。


要旨は、以下の通りです。
1.新製造プロセスの特長

 アダマンタンの原料に石油精製工程で豊富に得られる未利用留分を使用しているため、安定供給性に優れます。
 ゼオライト触媒を用いる為、処理が困難な廃触媒が発生しません(環境負荷少)。また、ハロゲン含有廃棄物も発生しません。
 連続生産(従来はバッチ生産)による省力化プロセスであり、安定した品質での供給が可能です。

<注釈>

1) 炭素数10の炭化水素化合物。ダイヤモンドの構造単位と同じ構造を持っており、透明性、安定性に優れる。
2) 半導体を製造する重要工程の一であるシリコンウェーハ上に回路パターン(半導体の設計図)を転写する際に用いるプロセス。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)を光源に用いてウェーハ表面に薄く塗布されたフォトレジスト(感光性樹脂)に光を照射、回路パターンの投影、現像処理を行い、回路パターンを転写する。 従来のKrFプロセス(KrFエキシマレーザー、波長:248nm)に比べ光源の波長が短く、より微細な回路転写が可能である。

 


日本経済新聞 2004/10/6           発表

半導体の原板製造 凸版、米社を買収
 デュポン系 出荷額、世界首位に

 凸版印刷は5日、米デュポンの半導体フォトマスク(回路原板)製造子会社で米ナスダック市場に上場するデュポンフォトマスク(テキサス州)を約710億円で買収すると発表した。フォトマスクの出荷額で凸版は世界4位。同3位のデュポンフォト買収で、1位の大日本印刷を抜き一気にトップに躍り出る。半導体の微細加工の進展でフォトマスク業界も開発投資が増大しており、凸版の買収を機に業界再編が活発になる可能性が高い。
 凸版が買収のための受け皿子会社をつくり、この会社がデュポンフォトと合併。来年初めにも凸版の全額出資子会社「トッパンフォトマスク」(テキサス州)として発足する。凸版は買収に際し、デュポンフォトの既存株主に1株当たり27ドルを現金で支払う。
 凸版のフォトマスク事業の売上高は2004年3月期に325億円。デュポンフォトの04年6月期の売上高は円換算で約389億円。合計700億円強と、04年3月期の売上高が約550億円の大日本印刷を抜く。凸版の顧客は国内半導体メーカーが主でデュポンフォトは欧米メーカーに強く、顧客の重複も少ない。
 凸版は2、3月に社債発行で約1千億円を調達しており、今回の買収は手元資金で賄う方針。買収に伴うのれん代の一括償却で、05年3月期に約260億円を特別損失として計上する予定。

▼フォトマスク
 半導体基板のシリコンウエハーに電子回路を焼き付ける原板となる製品。写真のネガフィルムに相当する。半導体の回路線幅の微細化に伴い、フォトマスクの製造技術も一段と高度になっている。


競合企業躍進に危機感 凸版、米社買収 規模拡大で巻き返し


 凸版印刷が米デュポンフォトマスクの買収により、フォトマスク(回路原板)で世界トップの座を手にする。凸版を買収に駆り立てた背景には、大日本印刷などライバル企業が半導体メーカー大手を囲い込むパートナー作りを着実に進め、規模を拡大していることへの危機感があった。
 最先端の半導体は回路線幅が90ナノ(ナノは10億分の1)メートルまで微細化が進み、回路構成も極めて複雑になってきた。1つの半導体を仕上げるには30−40枚ものマスクが必要で、半導体メーカーと技術・生産面での強力な連携なしには受注拡大が見込めない。
 先行したのは業界トップの大日本印刷。1999−2000年に日立製作所、東芝のフォトマスク事業を買収し、富士通とも提携。02年には欧州のSTマイクロエレクトロニクスとも合弁会社を設立し、各社に独占的にマスクを供給する体制を確立した。一方、凸版はパートナー作りで出遅れ、関係の深いソニーも昨年にマスクを複数企業から購買する方針に転換。昨年8月にエルピーダメモリと先端マスクの共同開発と独占供給の契約を結んだが、劣勢のばん回には力不足が否めなかった。
 今回の買収で凸版は欧米での顧客基盤や生産拠点を手に入れ、国際的な供給体制を築く。世界シェアも大日本印刷を7ポイントほど引き離す。
 ただ、デュポンフォトは微細化対応が遅れており、供給するマスクも付加価値が高いとは言い切れない。買収総額もデュポンフォトの直近の時価総額に比べ5割ほど割高だ。買収効果を最大限に引き出すには、デュポンフォトの供給ルートに凸版の最先端マスクをどう乗せられるかがカギ。研究開発の効率化や製造拠点統合も必要となる。
 今回の買収劇はフォトマスク業界の合従連衡も促しそうだ。大日本印刷などが下位メーカー買収に乗り出す可能性があるほか、NECエレクトロニクスなどマスクを内製している半導体メーカーの動向も注目される。


2004年10月5日 凸版印刷

凸版印刷、デュポン フォトマスクを買収することで最終合意
― フォトマスク業界で世界トップに躍進 ―
http://www.toppan.co.jp/aboutus/release/article0157.html

 凸版印刷株式会社 (本社、東京都千代田区、代表取締役社長 足立直樹 以下、凸版印刷) (東証: 7911) とデュポン フォトマスク インク(本社、米国テキサス州ラウンドロック、会長兼最高経営責任者 (CEO) マーシャル ターナー、以下、デュポン フォトマスク) (ナスダック: DPMI)は、このたび、凸版印刷がデュポン フォトマスクの全株式を取得することで最終合意しました。これにより、半導体製造の基幹製品であるフォトマスクの世界トップメーカーが誕生します。

 本日、凸版印刷とデュポン フォトマスクが締結した契約に基づき、凸版印刷はデュポン フォトマスク株主に対し普通株式1株当り現金27.00米ドルを支払います。株式取得総額は約710億円 (約650百万米ドル)となります。買収完了後には、デュポン フォトマスクは凸版印刷の完全子会社となり、トッパン フォトマスク インクと改名され、本社は引き続きテキサス州ラウンドロックにおきます。新会社においては現凸版印刷専務取締役 エレクトロニクス事業本部長である永田明裕が会長を兼務、現デュポン フォトマスク会長兼最高経営責任者 (CEO)のマーシャル ターナーがCEOに就任する予定です。

 成長する情報通信機器やデジタル家電の高機能化や多機能化に伴う半導体の高性能化により、その製造に不可欠な最先端フォトマスクの重要性が増しています。世界の半導体メーカーのニーズにマッチしたフォトマスクをタイムリーに供給するためには、これまで以上の開発リソース、製造拠点などにおいてグローバルな顧客密着型の体制が不可欠となっています。このたび、凸版印刷がデュポン フォトマスクを買収することにより、米国、ドイツ、フランス、韓国、台湾、シンガポール、中国、日本を網羅する顧客密着型の供給体制が整います。また、最先端の技術開発力が強化され、高度化する顧客ニーズに最適なソリューションの提供が可能となります。今後、グループ全体で設備投資、開発投資の最適化、効率化を進め、さらなる収益力の強化を図ってまいります。

 凸版印刷の足立直樹代表取締役社長は以下の様にコメントしています。「凸版印刷は本業の印刷事業が成熟化する中、フォトマスクをはじめとするエレクトロニクス事業を将来の成長のカギを握る重点事業と位置づけています。デュポン フォトマスクの買収により、高い技術開発力をベースとするグローバルなフォトマスク供給体制が整います。これにより、凸版印刷とデュポン フォトマスクを併せて世界トップのフォトマスクメーカーとなり、事業の拡大や効率向上など大きなシナジーが期待できるとみています。私はこの買収が、個々の顧客ニーズへの対応にとどまらず、半導体業界の発展に寄与するとともに、我々の取引先、従業員、株主に大きな利益をもたらすものであると確信しています」。

 デュポン フォトマスクの会長兼最高経営責任者 (CEO)マーシャル ターナーは、以下の様に述べています。「顧客ニーズの多様化や技術の高度化が急速に進む中、デュポン フォトマスクと凸版印刷が相互の強みを統合させるタイミングとしては今が最適であると判断しました。デュポン フォトマスクと凸版印刷は強みおよび企業文化などあらゆる面で非常に相互補完性の高い理想的な組み合わせであり、今後は、あらゆる顧客ニーズに対して最適なソリューションを提供できるグローバルベースの製造供給体制と最先端の技術開発力を備えることになります。私は今回のディールは当社の社員にとっても新たなキャリアの広がりにつながる大きなチャンスであるとみています。このディールは我々の取引先、従業員、株主にとって素晴らしいものであり、私自身も今後は凸版印刷と協力して業界をリードする立場となることに大きな期待と希望を抱いています」。

 両社の取締役会は本件契約を承認しています。また、デュポン フォトマスクの発行済株式の約20%を保有する筆頭株主であるイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(以下、デュポン)も今回の買収に賛成の議決をすることで合意しています。なお、デュポン フォトマスクの株主総会および規制当局の承認を前提に、クロージングは2005年初頭を予定しています。

凸版印刷について
1900年創業。世界トップクラスの総合印刷会社。証券・カード、商業印刷、出版印刷、パッケージ、産業資材、エレクトロニクス、オプトロニクス、Eビジネスの8分野で事業を展開。2004年3月期の連結売上高は1兆2,974億円、うち、エレクトロニクス分野が約2割を占めている。従業員数は32,178名 (2004年3月末)。詳細はhttp://www.toppan.co.jp.

デュポン フォトマスクについて
会社設立は1985年。マイクロ・イメージング・ソリューションのグローバル・プロバイダー。デュポンの子会社からスタートし、1996年からナスダック証券市場に上場。本社は米国テキサス州ラウンドロック。フォトマスクおよび電子設計ソフトの開発製造の大手。世界の半導体メーカーおよびエレクトロニクス関連企業に製品サービスを提供。2004年度の売上高は354百万米j(約389億円)。全世界ベースでの従業員数約1,600名 (2004年6月末)。詳細は
http://www.photomask.com


日本経済新聞 2004/10/4

化学が日本産業救う ハイテク材料でリード

 かつて欧米に比べ遅れていた日本の化学産業が、ハイテク製品向け材料などで圧倒的シェアを次々に握り、存在感を強めている。目立たないところで日本製造業の救世主に文字通り「化け」つつある。

付加価値トップ
 国内の化学工業の出荷額は2002年以降、輸送用機械(自動車)に次ぐ2位。付加価値額では2001年以降首位だ。

 化学工業(プラスチック・ゴム製造含む)の2003年の出荷額は前年比2.9%増の約36兆3千億円。2001年まで電気機械、自動車に次ぐ3位の規模だったが、2002年に2位に浮上。付加価値額は2001年にそれまで首位の電機を抜いた。
 化学関連企業の業績も好調だ。樹脂などのユーザーである自動車や電機、サービス業向けの出荷が伸びている。
 収益性の低さがかねて指摘されていた日本の化学メーカーだが、最近は「機能性化学品」と呼ばれる付加価値の高い材料を中心に稼いでいる。デジタル景気を支える半導体や液晶では樹脂やセラミックス製部材が大量に使われ、性能が向上するにつれ、より高機能の材料が求められる。日本企業は半導体と液品の材料の約7割を供給している。
 米半導体大手のインテルが資材調達先の優良企業を毎年表彰する「最優秀サプライヤ−賞」で、今年は全16社中11社を日本企業が占めた。日本企業の受賞は一昨年4社、昨年8社と年を追って増えている。
 カメラ付き携帯電話のレンズ材料は合成ゴム大手の日本ゼオンがほぼ100%供給。米ボーイングや欧州エアバスが計画する次世代機の構造材向けの炭素繊維は、シェアの大半を握る東レなど日本系企業が事実上独占供給する。
 ハイテク製品が売れれば材料を供給する国内化学メーカーの仕事が増える、という構図が生まれつつある。国内化学メーカーは自動車や電機など組み立てメーカーと二人三脚で国内のもの作りを支えている。経済産業省の渡辺宏機能性化学品室長は「化学関連企業の集積は国内製造業のいわば虎の子。海外流出を防ぎさらに強くすることが重要だ」と話す。

独自の製品続々
 国内の化学関連企業による独自技術の製品が続々登場している。化学技術で日本企業がリードする局面が目立ってきた。

 1月に米国が火星に送り込んだ探査機の着陸時に使われた特製エアバッグ。これにクラレのスーパー繊維「ベクトラン」が採用された。スチール繊維と同等の強度と、セ氏零下100度の極低温に耐える性能が評価された。
 チョウの羽のような光を放つ帝人の「モルフォテックス」のような高機能繊維の開発は今や日本メーカーの独壇場だ。ナノテク(超微細技術)を駆使して天然繊維と同等の機能を実現した製品も次々に登場している。
 21世紀の技術革新は化学や材料技術が支えるとの見方が強い。エネルギー供給の様相を一変させる燃料電池、環境に優しい生分解性樹脂、電子部品やディスプレーなどを小さく・薄く作る技術はいずれも化学がらみだ。
 トヨタ自動車は自動車の内装や車体を植物由来の樹脂で作る研究を進め、国内化学メーカーとも協力。韓国サムスンが日本に置く研究開発拠点、サムスン横浜研究所は燃料電池開発を目的に化学系研究者の採用を始めた。
 リクルートによると「化学系の技術者を他の業種が中途採用する動きが昨年ころから目立ってきた」(岡崎仁美リクナビネクスト編集長)。
 産業技術に詳しい弘岡正明元神戸大教授は「欧米が強かった樹脂などの高分子化学の基礎研究でも今は日本の大学や企業が論文数でトップを占める。産業応用でも日本が主導権を握る可能性は高い」と話す。

 今年は6日に発表されるノーベル化学賞。2002年まで3年連続で日本人が受賞したように、日本の化学研究の水準は高い。材料の製造プロセスは組み立て産業と比べ「ブラックボックス化」が容易で中国などへの技術流出を防ぎやすい利点もある。同じハイテク産業でも欧米企業に主導権を握られっぱなしのバイオやソフトウエア開発よりよほど有望かもしれない。


2004/10/14 昭和電工

半導体・液晶向け高純度アンモニア 台湾で増設
http://www.sdk.co.jp/contents/news/news04/04-10-14.htm

 昭和電工株式会社(大橋光夫社長)は、半導体、液晶、LED用途に国内外で需要が急伸している高純度アンモニアに関して、今後の需要増大が見込まれる台湾に生産子会社を設立し、日本・台湾の2拠点体制を構築することにより供給能力を増強いたします。

 高純度アンモニアは窒化ガリウム(GaN)系の発光ダイオード(LED)、レーザーデバイス(LD)、電子デバイス等の窒化源ガス、および半導体や液晶の窒化膜形成用ガスとして使用されております。
 世界の高純度アンモニア需要は、日本、台湾、韓国における需要が増加することから、2004年の約3000トンから2008年には約6000トンに倍増する見込みです。需要用途別では、液晶向けは台湾・韓国を中心に年率20〜25%、LED向けは日本・台湾を中心に年率10%以上の伸びを予測しております。

 当社は、川崎事業所において年間約1000トンの高純度アンモニアを生産しておりますが、半量以上を台湾向けに輸出しており、現在、台湾の高純度アンモニア市場で約50%のシェアを有しております。
 当社は、液晶向けを中心とする台湾での高純度アンモニア需要増への対応として、本年10月、台北市に生産子会社「台湾昭和化学品製造股■有限公司(以下 新会社)」を設立予定です。新会社は、年産能力1,000トンの高純度アンモニア生産設備を建設し、2005年5月の営業運転を開始することで安定供給体制を構築いたします。
なお、新会社は昭和電工より、アンモニアの高純度化・精製技術および品質保証システムを導入し、川崎事業所と同等の製品品質および品質保証体制、技術・安全サービス体制を構築することにより、お客様へ質の高いサービスを提供し、本事業の競争力強化を図ります。

当社は、現在推進中の中期経営計画「プロジェクト・スプラウト」において、特殊ガス等の半導体プロセス材料事業を成長戦略事業と定め、経営資源を傾斜配分しております。当社は、半導体プロセス材料事業の売上高は現状の約200億円から2010年には約500億円に拡大すると見込んでおります。
なお、当社が川崎事業所で生産する年産約12万トンの液化アンモニアの約半分は、容器リサイクル法に基づいて家庭から排出される回収プラスチックを原料としております。

新会社の概要
1.社名 台湾昭和化学品製造股イ分有限公司
2.所在地  (本社) 台北市  (工場) 台南市
3.資本金 70百万台湾ドル (約228百万円)
4.出資比率 昭和電工(株) 80%
         永聖貿易股イ分有限公司 10%
         昭和特殊気体股イ分有限公司 10%

(ご参考)
永聖貿易股イ分有限公司、昭和特殊気体の概要

社名 永聖貿易股イ分有限公司 昭和特殊気体股イ分有限公司
本社所在地 台北市 台北市
資本金 231百万台湾ドル(約750M\) 52百万台湾ドル(約170M\)
設立 1988年4月 1995年10月
事業概要 化学品専門商社 特殊ガス、高純度薬品、廃ガス除害装置
輸出入および再生処理

(注) 昭和特殊気体股イ分有限公司は、昭和電工51%・永聖貿易40%・トーメン9% が
    出資する台湾での化学品販売会社です。


日本経済新聞 2004/10/26                発表

昭和電工 青色LED参入 2008年 売上高200億円目標

 昭和電工は25日、青色発光ダイオード(LED)に参入すると発表した。11月からサンプル出荷を始め、2008年に200億円の売り上げを目指す。同社が手がけるハードディスクの製造技術などを応用し、同分野で基本技術を持つ日亜化学工業(徳島県阿南市)の保有特許には「抵触しない」としている。
 昭和電工は青色LEDのチップを電子部品メーカーなどに販売する。サンプル価格は1個10−25円を想定。千葉事業所(千葉県市原市)に製造ラインを設け来年内に月産3千万個の量産を始める。研究開発費も含めた総投資額は約50億円。
 青色LEDは公共施設の大型ディスプレーとして使われるほか、白色LEDに加工して携帯電話や照明用に需要が広がっている。昭和電工は独自技術を使って出力が高く駆動電圧が低い製品を販売、先行組を追い上げる。


2004年10月25日 昭和電工

高出力 青色LEDチップ事業への参入
http://www.sdk.co.jp/contents/news/news04/04-10-25.htm

 昭和電工株式会社(大橋光夫社長)は、独自の技術によって市場最高級の高出力を有する窒化ガリウム(GaN)系青色LEDチップの開発に成功し、市場参入を行います。青色LEDは、携帯電話、屋外ディスプレイ、照明、車載用途に需要が拡大しております。

1.概要
 この度、当社が開発した高出力GaN系青色LEDチップは、当社が保有する化合物半導体の技術とハードディスクの技術を融合させることにより、独自のエピタキシャルウェーハ構造およびチップ製造プロセスを確立し、*1)フリップチップ構造で12mWの市場最高級の出力を達成いたしました。さらにこの製品は、市販品と比較し「駆動電圧が低い」、「消費電力が小さい」という特長も併せ持ちます。
 これらの優れた特長は、携帯電話等のモバイル機器用途で必要とされる性能に優位性を発揮するため、液晶ディスプレイのバックライトおよび携帯電話のカメラフラッシュ用高輝度白色LED等への利用が見込まれます。また、放熱特性や信頼性の向上が期待できるフリップチップ構造の採用により、車載用途、照明用途での利用が期待されます。

2.事業化計画
 当社は、月産30百万個の高出力GaN系青色LEDチップ生産設備を千葉事業所に新設中です。本年11月からサンプル供給を行い、2005年より生産を開始し、2005年中に月間30百万個の販売を目指します。
当社は本製品について、需要増大に合わせて生産能力を逐次拡充し、2008年には200億円規模の事業への育成を図ります。

3.高出力青色LEDチップの用途
 GaN系青色LEDチップは、近紫外から緑色の波長域(360nm〜530nm)におけるLEDとして使用されており、現在の主な用途は、携帯電話の液晶ディスプレイバックライト用とキーパッド用光源です。
 特に、高出力の青色LEDチップは、蛍光体との組合せによる白色LEDとしての用途向けに急激に需要が拡大しており、今後のさらなる高出力化の進展により、自動車用ヘッドライトおよび一般照明として用途拡大が見込まれております。 
 また、GaN系緑色LEDおよびAlInGaP系赤色LEDとの組合せにより、フルカラーディスプレイや液晶テレビ用バックライト等への応用が進みつつあります。
 このような背景の下、GaN系LEDの市場は年率20%以上の拡大が継続することが予想されます。

4.当社の化合物半導体事業について
  当社は、1970年代初頭からGaPをはじめとする化合物半導体オプトデバイス材料分野において、エピタキシャルウェーハおよびチップを軸として事業展開しており、現在、GaN系を除く化合物半導体オプトデバイス材料分野で、世界トップのシェアを有しております。
 また、下記のような特徴ある製品展開を進めることにより、更なる事業拡大を図ります。
1) 需要が旺盛なDVDおよびCD用*2)光ピックアップレーザーダイオード向けにエピタキシャルウェーハを供給
2) AlInGaP系4元LED市場において、世界最高レベルの輝度を誇るLEDを開発
3) 今後の市場拡大が見込まれるGaN系超高輝度LED分野における事業展開
 当社は、現在推進中の連結中期経営計画「プロジェクト・スプラウト」において、化合物半導体事業を重要な成長戦略事業と位置付け、積極的に経営資源を投入しております。

(ご参考)
1.当社の化合物半導体製品群
@ LED向けエピタキシャルウェーハ、チップ
   GaP(黄緑)
   GaAs(赤外)、AlGaAs(赤、赤外)
   AlInGaP(赤色〜黄緑)
A 光ピックアップ向けエピタキシャルウェーハ
   AlInGaP(赤色)… DVD用
   AlGaAs(赤外) … CD用
B 光通信向け単結晶ミラーウェーハ、エピタキシャルウェーハ
   InP
C 高周波通信向けエピタキシャルウェーハ
   InP、GaAs

2.用語について
*1)フリップチップ

LEDチップの上面(エピ面)側から両電極を取り、天地をひっくり返した状態で実装するタイプのチップ(図1参照)で、以下の特長を有する。
ワイヤーボンディングで実装するタイプの、発光面が上面にある最も汎用的なLED素子構造であるフェースアップ構造(図2参照)に対し、従来の下面である基板を透明化することで全面にわたって光を取出せる。
エピ面側に適切な反射機構を付加することで、さらに光の取出し効率を高めることができる。
下側となる電極面を金バンプ(ボール)またはハンダで直接実装できるため、小型化が可能となる。
放熱特性の向上や信頼性特性の向上が期待されるため、将来、車載用LED、一般照明用LED用として市場が拡大するものと期待されている。

*2)光ピックアップレーザーダイオード

図1 フリップチップの実装図     図2 フェースアップチップの実装図