2004/1/8 新日本製鐵
石炭部分水素化熱分解技術開発 補助事業採択について
2004/01/08
http://www0.nsc.co.jp/CGI/top/top.cgi?mode=jpn&key=newspick&seq=397
新日本製鐵株式會社(社長 三村 明夫)は、財団法人石炭利用総合センター(CCUJ)が資源エネルギー庁より受託しました「化学原料併産型石炭熱分解技術開発(石炭部分水素化熱分解技術)」補助事業に、民間2社(バブコック日立梶A三菱化学)とともに参画し、開発の推進を行います。
1. 事業の目的
石炭は可採埋蔵量が豊富で幅広く世界に分布するなど、供給安定性が高く、経済性も優れた重要なエネルギー資源であるが、他の化石燃料に比べ単位当たりCO2排出量が大きいことや固体としてのハンドリングのデメリット、石炭灰の発生などの課題を有しており、石炭のクリーンな利用技術(クリーン・コール・テクノロジー)の開発が進められてきている。この事業は、従来開発が進められてきたクリーン・コール・テクノロジーのCO2排出量削減や効率向上をさらに推し進めるため、単一業界における革新的プロセス開発から、エネルギーと物質生産システムを業界間で融合させた複合型の技術を開発することを目的としております。
2. 技術の概要
この事業で開発及び実証する石炭部分水素化反応炉は、当社で開発を進めてきました、上段の改質部と下段の部分酸化部を一体化した世界で初めてのガス化炉で、H2とCOを主成分とする合成ガスと、基礎化学品として重要なベンゼン等の芳香族化合物や石油中に賦存しないナフタレンなどの軽質オイルを併産いたします(図1)。この技術は、部分酸化部で石炭等のガス化により生成した高温ガスの熱を、改質部で石炭の熱分解反応などに直接利用できるため、これまでのガス化炉と比較して5%以上の効率向上が見込めます。また、発電やGTL、DME合成などに展開が容易なガスと高付加価値の軽質オイルを併産できるので、エネルギーと物質供給を業界間で融合させた石炭転換技術の核になるものと考えられます(図2)。
3. 事業の概要
この事業は今年度から平成20年度の6年間で、パイロットプラントの設計、建設、運転研究、解体研究とパイロットプラント運転の支援研究を実施する計画です。これにより、石炭部分水素化反応の反応確性や生成物評価、プロセス要素技術開発、トータルシステム評価を行い、次ステップである実証実機のエンジニアリングデータ取得や経済性評価を実施して実用化の見通しを得る予定です。
事業はCCUJが事業主体となり、CCUJの分室として当社はパイロットプラントの運転研究や支援研究などを実施すると共に、バブコック日立梶A三菱化学鰍ニ共同でガス化炉や生成物の評価・検討を行います。
また、(独)産業技術総合研究所
エネルギー利用技術部門がCCUJと共同研究を実施します(図3)。
日本経済新聞 2004/7/13
伊藤忠 中国でコークス合弁 需給ひっ迫、年100万トン輸出
伊藤忠商事は2006年からブラジルの資源大手リオドセ、中国の石炭会社と合弁で、中国で製鉄原料であるコークスの生産を始める。13日にも3社が合弁契約に調印する。総額約300億円を投じて年産能力200万トンの工場を建設、このうち年100万トン程度の輸出を目指す。
中国は世界最大のコークス輸出国だが国内需要の拡大で輸出を削減しており、世界的にコークス需給はひっ迫している。今回想定する輸出量は中国の今年の輸出量の約1割に相当する規模。伊藤忠が5%、リオドセが25%、中国第3位の石炭生産会社、エン礦集団(山東省)が70%を出資して、山東省に合弁会社「山東エン礦国際焦化」を設立する。資本金は8億8千万元(約110億円)。コークスのほか副産物としてのメタノ−ルも年間20万トン生産する。
伊藤忠はコークスの対日販売独占権を持つとともに世界で輸出先を開拓する。エン礦は原料の石炭を供給するとともに、中国での販売を担当。リオドセはブラジル向けの独占販売権を持つ。 中国は内需の増加に対応するため、今年のコークス輸出量を昨年実績の4割減に相当する900万トンにする方針。この影響でコークスの価格は1年前の3−4倍に高騰している。
中国の輸出力が拡大すれぱ価格低下につながるとみられる。ただ、伊藤忠などが年100万トン程度の輸出を目指しても、中国政府が内需向けを優先して合弁会社への輸出権発給を絞る可能性もある。