クボタ、環境バイオ事業を拡充へ
クボタは、環境バイオビジネスの拡充を急ぐ。遺伝子や微生物などバイオ技術をベースに、低消費エネルギーで安価な次世代システムの開発など次世代新事業開拓に取り組むもの。戦略分野に位置付けたバイオセンターを環境エンジニアリング事業本部内に移管、技術開発体制を整えたことから、実用化研究を加速するもの。
具体的には、基礎研究段階を終えつつあるテトラクロロエチレン好気性分解菌利用の汚染水処理システム、生物由来凝集剤など独自開発のDNAチップによる監視制御・評価手法を基盤に据えながら、環境エンジニアリング事業の拡大に結びつける。 クボタは、環境エンジニアリング事業展開のなかで、微生物の高度利用・評価技術を活用した有価物・エネルギー回収や浄化プロセスの実用化に取り組む。
今年4月にバイオセンター(倉根隆一郎所長)を技術開発部門から移管し、環境修復関連やバイオモニタリング技術関連、環境汚染未然防止製品関連の3分野を機軸に、差別化戦略を推進中。なかでも、環境修復事業ではバイオレメディエーション分野でスティミュレーション(土壌微生物活性化技術)やバイオオーギュメンテーション(バイオ製剤技術)の両面展開で、ソリューションビジネスとして事業化を狙う。分解速度の速いテトラクロロエチレン好気性分解菌の単離に成功しており、汚染土壌修復システムの早期確立を目指す。
帝人グループ、米社技術で土壌浄化事業に参入
帝人グループは、ダイオキシンやPCBなどに汚染された土壌の浄化事業に乗り出す。帝人エンジニアリングが、米エンバイロメンタル・ケミカル・コーポレーション(ECC)の日本独占実施権を保有するファキュラ(本社・東京都新宿区、今井康雅社長)とこのほど提携、現場において高品質・短工期で土壌浄化できるECCの技術を用い、国内で共同事業を行うもの。
Environmental Chemical Corporation (ECC) http://www.ecc.net/
Founded in 1985, ECC is a privately held small business whose central mission is to provide high quality, comprehensive, and competitive environmental remediation, operation and maintenance, and construction services to our clients. Our primary client is the United States government. ECC's focus is to successfully manage and execute removal/remedial actions, on-site treatment, technology application, and waste management for federal agencies and installations.
Although we are a small business, ECC has demonstrated the technical and managerial breadth of a large business with the expertise to complete a variety of large-scale, concurrent projects worldwide. We are not limited to any one technology - we use well-established processes, as well as cutting-edge solutions, to serve our clients' needs. Above all, we value human health and safety and our clients' satisfaction due to our excellent performance.
The principal feature of our organizational approach is our streamlined, decentralized management and our empowerment of project teams. ECC's flat management structure facilitates better command, control, communication, and decision-making by allowing program and project managers to be more responsive to situations as they arise.
ECC pools the talents of over 400 professionals located at corporate and project offices worldwide. We have experience working throughout the United States, Europe, Central America, Japan, the Middle East, and the Pacific. Approximately 20 percent of our employees have advanced degrees or technical/professional certifications, and on average employees have 15 years of work experience.
株式会社 ファキュラ http://www.facula.co.jp/
本社所在地 東京都新宿区新宿1-11-12 岩下ビル5階 設立 2000年5月 資本金 1000万円 (2003年1月現在) 代表取締役 今井康雅 従業員数 7名 (2003年1月現在) 業務内容 ● 土壌の公害汚染物質・有害物質の処理に関するコンサルタント ● 処理設備の設計施工、処理工事一式 重金属や揮発性有機化合物による土壌汚染は、表層から地下水に至る複雑な汚染構造を有している場合が多く、地質汚染として社会問題化されております。
また、資産価値という面においても、この土壌汚染は汚染対策が遅れるとそれに比例してその対策費用が増大するという悪循環を示しております。
当社は環境省や都道府県のガイドラインに沿って土壌汚染調査・汚染土量の算出を行うとともに汚染対策の設計・施工を総合的に行っております。この度、株式会社ファキュラとEnvironmental Chemical Corporation(ECC)は、日本における事業展開のパートナーとして準備を進め、日本の環境整備に貢献すべく、さまざまな対応策を用意し準備は万全です。その高度な技術と信頼性を日本にそのまま直輸入、また日本のクライアントに満足していただけるサービスの提供が私たちの使命と確信しております。
最近では土壌汚染による土地の資産価値の下落が生じる等、土地取引の際の環境調査は必須となりつつあります。
化学物質による土壌汚染は土地再利用の遅れを招き、企業の大きなリスクとなります。
このようなリスクを避けるために汚染の早期発見・早期対策(浄化)が必要ではないでしょうか。
まずは汚染の有無を確認することから初めてみませんか?
調査から施工まで完全責任
2006/8/11 日本経済新聞夕刊
ダイオキシン土壌 焼却せずに浄化
大成建設、酵素使う新手法 工場跡地向け実用化へ
大成建設は猛毒なダイオキシンで汚染された土壌をバイオ技術で浄化する新手法を開発した。工場跡地などを再開発する際、従来のように土を焼却し産業廃棄物として処分する必要がなくなる。年内を目標に実用化、土壌浄化事業を展開していく。
自然界で木を腐らせる菌として知られる「白色腐朽菌」が作り出す酵素を利用する。ダイオキシンのように微量にしか含まれない難分解性物質でも効率よく分解できる、分解能力の高い菌株を選び出した。
環境基準の4倍以上の濃度のダイオキシンに汚染されたヘドロを使い、実証実験した。容積3立方メートルのタンクのなかに100キログラムのヘドロと酵素の培養液とを一緒に混ぜ合わせると、約1時間でダイオキシン濃度が環境基準を下回った。ポリ塩化ビフェニール(PCB)などほかの有害物も同じように分解できる。
2003年に土壌汚染対策法が施行され、工場跡地などを転用する際には、有害物で汚染された土壌を浄化することが企業などに義務付けられた。現在、汚染された土は主に焼却炉まで運んで燃やし産業廃棄物として処分し、新しい土に入れ替える。
大成建設の新手法だと土を入れ替えずに浄化できる。輸送費用がかからないうえ、タンクを足していけば、その分処理量も増やせる。浄化費用は1トン当たり約10万円。焼却・産業廃棄物処分するのとほぼ同額か安くなるメドが立ったという。
環境バイオネット http://pcb.jp/kankyoubio/bioremediation/white_rot_fungi.html
白色腐朽菌による難分解性化合物の分解 木材は、先に示したとおり、セルロースとセミセルロース、リグニンより構成されます。このうち、リグニンは芳香族化合物が複雑に結合した物質であり、このリグニンを分解できる微生物の中に、PCBやダイオキシン、DDTといった難分解性の芳香族化合物を分解できるものがいます。
1985年にBumpusらは、白色腐朽菌の一種であるPhanerochaete chrysosporium(ファネロキーテ・クリソスポリウム)によって数種のPOPsが分解されることを報告しました。これ以降、DDT(農薬)やPCP(防腐剤)、PCB、多環芳香族炭化水素(PAHs)、BTEX(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン)、ナイロン、そして、ダイオキシン類と多数のPOPsと言われる化合物の分解が報告されています。
表6-1.白色腐朽菌により分解される環境汚染物質 クロロフェノール(ペンタクロロフェノール(PCP)など)
PCB類
ダイオキシン類
農薬 (DDT、2,4-D、2,4,5-T、リンデン、クロルデン、アラクロル、アトラジンなど)
クロロアニリン
多環式芳香族炭化水素 (PAHs) (フルオレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ベンゾ(a)ピレンなど)
アルキルフェノール(ビスフェノールA、ノニルフェノール)
芳香族炭化水素(フェノール、アニリン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン)
ニトロ化合物(ジニトロトルエン、トリニトロトルエン(TNT)、ニトログリセリン)
染料(アゾ染料、アントラキノン系染料)
合成高分子(ナイロン(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエステル(PET)、ポリウレタン(PUR))メルシャンと九州大学は、環境庁が行うダイオキシン汚染土壌浄化の実証試験として選定され、実際の汚染土壌を用いたラボテストを実施します(大阪府能勢町の汚染土壌を使用する予定ですが、現在実証試験について地元と国がもめています)。
その他、企業や大学なども共同で実際の汚染土壌や焼却灰を用いて実験を行っており、実験室レベルでは、効果を確認しています(週や月ペースの分解ですが)。実規模での実証実験を行う準備をしています。近い将来の実用化が期待されています。
毎日新聞 2007/2/2
北区・ダイオキシン土壌汚染問題 日産化学に負担求める
覆土や舗装費など1億5825万円
北区豊島5丁目団地内の土壌のダイオキシン汚染問題で、同区は1日、以前この地域に工場を持っていた日産化学工業に対して、覆土工事やアスファルト舗装の事業費負担を求め、同社に通知した。事業費用は総額で2億1100万円。同社にはこのうち1億5825万円の負担を求めているが、同社は「争うつもり」とコメントしている。
区は、有識者による環境審議会(会長、丸田頼一千葉大名誉教授)を昨年12月から今年1月まで開いた。同社の工場(70年に撤去)がダイオキシン類を生成する製造工程を稼働させていたことなどを理由に、費用負担を同社に求める答申をまとめ、先月30日に区に提出。区はこれを基に決定した。
事業内容は、同地域にある豊島東保育園の園庭にアスファルト舗装をした上で人工芝を敷き、旧豊島東小、東豊島公園では50センチ以上の覆土工事をする。99年に制定されたダイオキシン対策特別措置法以前に汚染されたことから、総事業費のうち4分の1を減額した金額を同社に求めることにした。残りは国と区で負担する。
事業は保育園については年度内に、旧小学校と公園は来年度中に完了するとしている。
この決定について同社は「汚染は客土の搬入、外部からの降灰による土壌への蓄積などほかが原因と考えている」「審議会に意見表明したが、それには応えておらず、予断を持って結論を出している」とし、争うことを表明している。