2004/4/26 協和発酵
中国アミノ酸合弁会社の出資比率引き上げ及び生産能力の増強について
協和発酵(社長:松田譲)は、輸液などの原料となるアミノ酸の生産・販売を行う合弁会社「上海冠生園協和アミノ酸有限公司」について、増資及び出資比率の引き上げを実施するとともに、新たに上海市青浦区に生産能力を増強した新工場を建設した上で、現工場を移転統合することを決定し、このたび修正合弁契約書に調印しました。
なお、今回の増資に伴い、社名を「上海協和アミノ酸有限公司」に変更します。
2005年末の竣工を目指す新工場は、アミノ酸2,500トン/年の製造能力を有し、協和発酵の全面的な技術指導による生産・品質管理に基づき、アルギニン、ヒスチジン、セリン、バリンなど12種類の高品質なアミノ酸を製造する予定です。
今後、「上海協和アミノ酸有限公司」は、中国内の輸液メーカーのみならず、近年需要が旺盛な日本や欧米のアミノ酸市場なども視野に入れ、協和発酵グループの重要なアミノ酸製造拠点として一翼を担ってまいります。
<合弁会社の概要>
新社名 | : | 上海協和アミノ酸有限公司 Shanghai Kyowa Amino Acid Company, Ltd. (旧社名)上海冠生園協和アミノ酸有限公司 Shanghai Guan Sheng Yuan Kyowa Amino AcidCompany, Ltd. |
所在地 | : | 中国上海市普陀区 |
代表者 | : | 翁 懋 董事長 |
総経理 | : | 星野 正明(協和発酵) |
資本金 | : | 1,890万ドル(増資前640万ドル) |
出資比率 | : | 協和発酵工業株式会社 70%(増資前40%) 冠生園(集団)有限公司 30%(増資前60%) |
総投資額 | : | 4,590万ドル |
設立日 | : | 1998年9月30日 |
事業内容 | : | 輸液用などアミノ酸の製造、販売 |
<合弁相手である冠生園(集団)有限公司の概要> | ||
会社名 | : | 冠生園(集団)有限公司 |
所在地 | : | 中国上海市静安区 |
代表者 | : | 徐 明輝 董事長 |
創立 | : | 1918年 |
事業内容 | : | 中国の大手総合食品会社菓子、調味料、飲料、酒類などの製造、販売 |
1998/8/19 協和発酵
中国に医薬用アミノ酸を生産・販売する合弁会社設立
http://www.kyowa.co.jp/netext/nr980819.htm
協和発酵(社長:平田
正)は、輸液などの原料となるアミノ酸の中国における需要増に対応するため、冠生園(集団)有限公司及び上海天厨味精食品有限公司の3社で共同出資を行い、医薬用アミノ酸の生産・販売を目的とする合弁会社「上海冠生園協和アミノ酸有限公司」を中国上海市に設立することにし、この度、合弁契約書に調印しました。
新会社の資本金は640万ドルで、その内訳は、冠生園(集団)有限公司が32.7%、上海天厨味精食品有限公司が27.3%、弊社が40%を出資します。
新会社の総投資額は840万ドルで、アミノ酸の生産能力300トン/年の製造設備が1998年12月に完成する予定です。
新会社は、アラニン、アルギニン、ヒスチジンなど輸液等の原料となるアミノ酸10品目を生産、大半を中国内輸液メーカーに供給し、一部輸出も考えています。2年目にはフル稼動させ、約20億円の売上高を目指します。
<合弁会社の概要> | ||
社名 | : | 上海冠生園協和アミノ酸有限公司 Shanghai Guan Sheng Yuan Kyowa Amino Acid Company, Ltd. |
所在地 | 中国上海市雲嶺東路621号 | |
代表者 | 翁 懋 董事長 | |
資本金 | 640万ドル | |
<合弁相手である冠生園(集団)有限公司の概要> | ||
所在地 | 中国上海浦東新区顧路鎮110号甲 | |
代表者 | 董 浩 林 董事長 | |
上級主管組織 | 中国上海軽工株式(集団)公司 | |
会社概要 | 中国で著名な超大手総合食品会社であり、1918年創立。
1997年の売上55.2億元、輸出外貨獲得1060万ドル、税引き前利益9億元、 純資産7.8億元。 |
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<合弁相手である上海天厨味精食品有限公司の概要> | ||
所在地 | 中国上海普陀区雲嶺東路621号 | |
代表者 | 翁 懋 董事長 | |
会社概要 | 冠生園(集団)有限公司傘下の100%子会社で、 主要製品 はグルタミン酸ソーダ、アミノ酸、調味料、ミネラルウ オーター。 中国で最初に発酵法でアミノ酸を製造した会社。 |
子会社の異動に関するお知らせ
http://www.kyowa.co.jp/netext/nr040427.pdf
当社は、平成16 年4
月27
日開催の取締役会で、下記の通り当社連結子会社
Agroferm Hungarian-Japansese Fermentation Industry Ltd.
の全株式を譲渡することを決議しましたので、お知らせいたします。
なお、当社は本譲渡にあわせ、飼料用途に限り、アミノ酸であるリジン、スレオニン、トリプトファンの知的財産権をDegussa
社へ独占的にライセンスしますが、日本国内における販売、流通は従来どおり継続いたします。
当該子会社の名称等 | ||
@名称 | : | Agroferm
Hungarian-Japansese Fermentation Industry Ltd. (”Agroferm 社”、アグロファーム社) |
A本店所在地 | ハンガリー共和国ブダペスト | |
B代表者 | 取締役社長Andras Kadar(アンドラスカダール) | |
2.異動の理由 当社は、飼料用アミノ酸事業を縮小し、医薬、食品、工業用原料向けを主たる用途とする高付加価値アミノ酸事業に経営資源を集中するため、当該子会社Agroferm 社の全株式をDegussa 社へ譲渡することを決定いたしました。 |
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3.当該子会社の概要 | ||
@事業内容 | 飼料用アミノ酸の製造販売 | |
A設立年月日 | 1987 年4 月 | |
B資本金 | 3,505,730 千ハンガリーフォリント | |
C発行済み株式数 | 350,573 株 | |
D総資産 | 4,572,373 千ハンガリーフォリント(2003 年12 月期) | |
E決算期 | 12月 | |
F従業員数 | 162 人 | |
G出資比率 | 協和発酵工業株式会社100% | |
4.最近3
年間の当該子会社の業績 単位:ハンガリーフォリント
2001 年12 月期 2002 年12
月期 2003 年12 月期
売上高 6,124百万 5,083
百万 6,458百万
営業利益 910百万 -271
百万 923百万
当期利益 872百万 -224
百万 814百万
(参考:2003 年12
月末日現在1ハンガリーフォリント=約51
銭)
5.譲渡先の概要
@名称 Degussa AG
(デグサエージー)
A代表者 取締役会長Utz-Hellmuth Felcht
(ウツヘルムートフェルヒト)
B所在地 ドイツ連邦共和国
C事業の内容 化学工業
6.異動の日程
平成16 年5 月1 日(予定)
株式譲渡契約締結
平成16 年6 月30 日(予定) 株式譲渡予定
7.業績への影響
当該子会社の異動による平成17
年3月期の損益に与える影響額は軽微であると見込んでおり、平成16
年5月12 日に公表予定の平成16
年3月期決算短信(連結および個別)に記載する平成17
年3月期(平成16 年4月1日〜平成17 年3月31
日)の業績予想(連結および個別)に織り込む予定です。
2004/6/25 鐘淵化学
コエンザイムQ10素材のトップメーカーとして、日米2極に、圧倒的な供給体制を確保
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米国に製造販売会社を設立。第1期として、年産100トン設備が06年春に稼働
―
http://www.kaneka.co.jp/news/n040625.html
◎ | 鐘淵化学工業は、機能性食品素材であるコエンザイムQ10の主力市場である米国に製造販売会社を設立する。第1期として、平成18(2006)年春に年産100トンの能力を有する設備を稼働させ、活発な需要に応えていく。投資額は土地取得費用等を含めて約90億円となる。 | |
・ | 新会社は、機能性食品素材の製造販売会社で、本年6月末に米国テキサス州パサディナ市に設立(社名:Kaneka Nutrients)する。敷地面積は約190千uで、従業員は約60名の予定である。 | |
・ | 設備能力については、<第1期>として年産100トンで稼働するが、米国市場での需要動向に基づいて柔軟に増産対応が可能な立地となっている。 | |
―
コエンザイムQ10素材。倍増となる、 年産150トン設備が今年7月初めに竣工 ― |
||
◎ | 鐘淵化学工業は、すでに発表した通り、機能性食品素材であるコエンザイムQ10の旺盛な需要に応えるため、当社高砂工業所(兵庫県高砂市。工業所長:芋生清美)に有する設備を従来能力のほぼ倍増となる年産150トンに増強し、今年7月初めに竣工する。投資額は付帯設備を含めて約40億円となる。 | |
・ | コエンザイムQ10素材の世界市場は、2003年で推定150トン規模とされ、そのうち3分の2が米国市場である。米国をはじめ欧州、日本でも、引き続き飛躍的な成長が期待でき、5年後にはほぼ2倍になることが見込まれている。 | |
・ | 当社のコエンザイムQ10は、昭和52(1977)年の生産開始以降、厳密なGMP管理のもと高い品質レベルとトップメーカーとしての安定供給責任を果たしてきたことが、サプリメントメーカーなどからの高い評価につながっている。 | |
▼コエンザイムQ10 (Coenzyme Q10) 人の細胞中のミトコンドリアに存在する補酵素で、細胞を活性化させ人体のエネルギー生産に不可欠な成分。加齢とともに不足がちになるが、栄養補助食品として摂取すれば、臓器の働きが良くなり、疲労回復や老化防止などの効果があるといわれる。 2003年のQ10の世界市場は業界推定で約150トン。前年に比べ約50%伸びたとみられる。3分の2はサプリメント需要の大きな米国向けで市場は5年後には倍増すると見込まれている。 |
2003/9/12 鐘淵化学工業
コエンザイムQ10素材、設備能力ほぼ倍増へ。来年春、稼働予定
http://www.kaneka.co.jp/news/n030912.html
◎ | 鐘淵化学工業は、機能性食品素材であるコエンザイムQ10の旺盛な需要に応えるため、当社高砂工業所(兵庫県高砂市。工業所長:芋生清美)に有する設備を、ほぼ倍増の年産150トンに増強する。稼働予定は平成16(2004)年春で、投資額は付帯設備を含めて約40億円となる。
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・ | コエンザイムQ10は、世界市場は2002年で100トン規模と推定され、今後とも引き続き成長が期待できる。 | |
・ | 当社のコエンザイムQ10は、昭和52(1977)年の生産開始以降、厳密なGMP管理のもと高い品質レベルとトップメーカーとしての安定供給責任を果たしてきたことが、サプリメントメーカーなどからの高い評価につながっている。 | |
機能性食品事業、3年後の平成18年度に 売上高200億円を目指す |
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◎ | 鐘淵化学工業は、平成13年4月より保健機能食品制度が開始されたのを機に、今後の成長戦略事業として機能性食品を新たに重点強化し、売上目標を3年後の平成16(2004)年度に100億円としていたが、1年早い平成15(2003)年度に達成の見通しである。 ・ 3年後の平成18(2006)年度には、売上高200億円を目指し、現在、具体的な計画を取りまとめ中である。 | |
・ | 現在新規素材製品のひとつとして、最先端分野として位置付けている「メタボリックシンドローム(代謝異常症候群)」に焦点を当てた素材を、平成17(2005)年春を目処に上市する。 |
2001年 4月に、それまで医薬品扱いであったコエンザイムQ10 が、厚生労働省によって、食品として認められ、サプリメントとして市場に出回るようになりました。
世界のコエンザイムQ10は、日本の4社、鐘淵化学工業、日清ファルマ、旭化成、三菱ガス化学が独占供給しています。
http://www.nature-g.com/news/news01.html
コエンザイムQ10の製造能力を増強
http://www.mgc.co.jp/news/2005/050804.pdf
三菱ガス化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小高英紀)は、コエンザイムQ10の製造能力を増強することといたしました。新潟工場(新潟市)において、年産40トンのプラントを新設することで、既存プラントと併せた生産能力を年産70トンに引き上げるもので、2006年中の完工を目指しております。
コエンザイムQ10は、細胞中のミトコンドリアでのエネルギー生産に関与する補酵素で、生命維持には必須の因子として生体中に存在しているものです。日本では、うっ血性心不全の治療薬として1974年から30年以上にわたって使用され、また、海外でも医薬用途のほか健康食品原料として広く使用されており、その効果と安全性は高く評価されてまいりました。
最近は、コエンザイムQ10が持つエネルギー代謝の活性化作用や抗酸化作用が注目され、世界中で健康食品原料としての需要が急速に増大しており、今後も大幅な市場の拡大が見込まれています。
当社は、コエンザイムQ10を醗酵法で25年以上にわたりGMP対応で製造し、医薬、健康食品及び化粧品向けに販売を行ってまいりました。当社のコエンザイムQ10は、醗酵法であること、高純度であること、極めて厳格な工程・品質管理が行われていることを特徴とし、国内外の市場で品質面における高い評価を受けております。
当社は、急速な需要増大に対応するため、今回予定している増強に加えて、更に第二期工事として同規模の設備増強を行うことも視野に入れております。
※ GMP…Good Manufacturing Practice。
WTOが加盟各国に対して整備を求めている医薬品等の製造等に関する規範で、日本では「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理規則並びに薬局等構造設備規則」として厚生省令で定められている。
日本経済新聞 2005/1/13
グルタミン酸ソーダ事業 JT、今春メド撤退 メーカー味の素だけに
日本たばこ産業(JT)は調味料として使われているグルタミン酸ソーダ事業から今年3月までに撤退する。価格競争の激化などで利益率が低下していた。JTの撤退で同事業の日本メーカーは味の素だけとなる。
子会社の旭食材(宮崎県延岡市)の延岡工場(同)で年間約2万トンを生産し、外販のほか自社の加工食品に利用してきた。
2003年の1キログラム当たりの価格が約170円と1996年に比べ約3割下がるなど価格競争が激化しているため、撤退を決めたという。延岡工場の社員のうち約50人を希望退職募集などで削減する。
JTの04年3月期の調味料事業の国内売り上げは85億円で、このうちグルタミン酸ソーダは約20億円。今後はパン酵母エキス、チキンの抽出エキスなどを使った調味料を強化し、2008年度をめどに同事業を100億円以上に伸ばす。
日本経済新聞 2005/1/28
味の素 食品・アミノ酸強化へ拠点
300億円投資 川崎に研究所・工場
味の素は神奈川県川崎市に健康食品や新素材などを扱う研究開発拠点や工場を新設する。総投資額は300億円超とみられ、まず来年6月にも食品研究所を建設する。同社は2004年3月期には連結売上高が1兆円を超えた。健康食品分野を中核事業のアミノ酸事業と並ぶ新規事業に育成し、競争力を高める。
新設する食品研究所は川崎事業所(川崎市)に隣接した敷地(約1万4千平方メートル)内に建てる。用地はメルシャンから購入済みで、近く着工する。
食品研究所建設の投資額は約40億円。中国の上海と米オレゴン州にある味の素の食品研究センターのほか、日本から研究員を派遣しているタイなどの現地法人と連携体制を強化する。野菜の残留農薬の検出技術や世界規模で需要増が見込める生活習慣病などを予防できる健康食品、新素材の開発を強化する。
完成後は川崎事業所内にある既存の食品研究所、調味料開発センターの食品や調味料、科学的な根拠のある健康機能などのある新素材の開発などを手がける研究員ら約300人が入居する。
既存の老朽化した食品研究所や調味料開発センターなどは解体する。跡地には加工食品やアミノ酸などの生産設備のほか、同社の稼ぎ頭であるアミノ酸の生産に使う微生物の基礎研究や遺伝子操作などを扱う既存の研究所の設備などを拡張する方向で検討している。
同社はアミノ酸を軸に食品、飼料、医薬など事業を多角化し、今期は連結売上高が4%増の1兆800億円、営業利益は同15%増の750億円になる見通し。連結営業利益に占める国内食品事業は同29%増の340億円、アミノ酸事業は同5%増の280億円、医薬事業が同11%増の115億円を見込む。
同社は4月をめどに、3つある社内カンパニーを再編し、食品事業をテコ入れする方針。現在「海外食品・アミノ酸カンパニー」が海外事業を統括し、食品事業は国内と海外部門が別のカンパニーに属している。新体制では国内外を問わずに一つのカンパニーが食品事業を統括するよう改める。
味の素の川崎事業所(川崎市)にある主な研究開発拠点と工場
生産施設
・川崎第1工場(アミノ酸などを生産)
・川崎第2工場(「ほんだし」など食品・調味料を生産)
研究所
・食品研究所
・調味料開発センター
・ライフサイエンス研究所
・健康基盤研究所
・知的財産センター
・生産技術開発センター
・アミノサイエンス研究所
・発酵技術研究所
・国際生産推進センター
・医薬研究所
2005年2月3日 味の素
ブラジルに建設中の医薬用・食品用アミノ酸新工場でグルタミン・BCAAを生産 全世界に供給
〜新工場の生産能力は年間4,000トンで世界最大規模〜
http://www.ajinomoto.co.jp/press/2005_02_04.html
味の素株式会社(社長:江頭邦雄 本社:東京都中央区)は、味の素インテルアメリカーナ有限会社(社長:酒井芳彦 本社:ブラジル サンパウロ州)がリメイラ市に現在建設中のアミノ酸工場で、医薬用・食品用のグルタミン*と分岐鎖アミノ酸**(BCAA=Branched
Chain Amino Acids)であるバリン・ロイシン・イソロイシンの計4品目を生産します。リメイラ新工場は世界最大規模の医薬用・食品のアミノ酸工場で、総投資額は188百万レアル(約66億円)です。
グルタミンは2005年後半、BCAAの3品目はその一年後より本格的に生産、販売を開始します。総生産数量は現在のところ年間4,000トンを予定し、ブラジル国内での販売はもとより、米州・欧州・アジア各国・日本等にも広く輸出をします。
新工場での生産品目を今回グルタミンとBCAAにした理由は、医薬用途・食品用途でのこれらの品目の世界需要が近年飛躍的に高まっていることが挙げられます。医薬用・食品用アミノ酸は従来の輸液・医療食原料としての利用に加え、免疫機能増強、神経系疾患の症状緩和、創薬研究等での利用が増えています。さらにここ数年は飲料、健康食品・サプリメント用途向け市場も拡大、現在の世界需要は年間約17,000トンにまで成長しています。グルタミン・BCAAはこうした成長市場において、特に重要なはたらきを持つアミノ酸として高く評価されており、現在も様々な商品開発が進められています。味の素グループは世界の医薬用・食品用アミノ酸市場において60%のシェアを保有しており、これらの品目の世界需要の伸びに対応すべく、既存の工場に加え新工場を建設し増産を図ります。
当グループは既に世界に8ヶ所の医薬用・食品用アミノ酸の生産拠点を設けており、今回のリメイラ新工場は9ヶ所目となります。医薬c−GMP***による生産管理、米FDA(食品医薬品局)の許認可取得、ISO9001−2000、ISO14001にも対応し、高品質なアミノ酸を効率的かつ安定的に生産します。
ブラジルに工場を建設する理由としては、(1)当社グループが既に「味の素」や飼料用アミノ酸の生産工場を同国内に複数保有しており、高い生産技術や経験豊かな人材を保有していること、(2)発酵主原料である‘さとうきび’由来の粗糖の調達に適していること、(3)今回の建設地がグループの既存食品工場と隣接、技術や資源の活用が容易であること、が挙げられます。
当グループはアミノ酸のリーディングカンパニーとしてさらにグローバルな事業展開を目指します。今後も高品質のアミノ酸とその関連製品及びサービスの提供を通して、世界の人々の健康、そしてQuality
of Lifeの向上に貢献します。
グルタミン * :
グルタミンは生体に最も多く存在するアミノ酸で、胃や腸の維持やエネルギー源となり、筋たんばくの維持、増量にも関わっています。また免疫能の維持改善にも重要なはたらきを持っています。さらに、体内のアルコール代謝を促進し、肝臓の働きを助ける作用もあります。これらのはたらきから、潰瘍治療薬、患者向けの栄養剤成分やスポーツ栄養食品、また基礎研究における細胞培養の栄養源(培地)として利用されています。
分岐鎖アミノ酸 ** :
必須アミノ酸の中で分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンは、特に骨格筋の維持、増量において最も重要なはたらきをなしています。また、運動時に体内で筋肉のエネルギー源としても利用され、疲労感を軽減する可能性も報告されています。これらのはたらきにより、手術前後の患者向けの輸液などの栄養剤に多用されているほか、スポーツ栄養食品などにも利用が高まっています。
医薬c−GMP *** :
Current−Good Manufacturing Practice
アメリカにおける現行の医薬品製造基準ですが、国際的に通用するとされています。
1.味の素インテルアメリカーナ有限会社の概要
・ 社名 : Ajinomoto Interamericana Industria e Commercio
Ltda.
・ 設立 : 1974年12月
・ 本社所在地 :
ブラジル共和国 サンパウロ州 サンパウロ市
・ 社長 : 酒井 芳彦
・ 資本金 : 72百万レアル(約24億円)
・ 株主構成 : 味の素(株) 99.99%
・ 生産販売製品 :
調味料、加工食品、甘味料、香粧品等の生産及びアミノ酸、甘味料の販売
2.味の素インテルアメリカーナ有限会社 リメイラ新アミノ酸工場の概要
・ 工場所在地 :
ブラジル共和国 サンパウロ州 リメイラ市
・ 生産開始時期 : 2005年後半
・ 生産品目 :
グルタミン・バリン・ロイシン・イソロイシン
・ 生産量 : 4,000トン
・ 工場建設費 :
工場建設に伴う総投資額は188百万レアル(約66億円)
【添付資料:アミノ酸事業の概要】
味の素(株)のアミノ酸事業は、「高品質のアミノ酸供給を通じ、世界の医療、ヒト栄養、そして科学の発展に貢献する」を事業理念として掲げ、活動を推進しています。アミノ酸の世界トップメーカーとして現在国内外8ヵ所の生産拠点を有し、技術力と安定供給力を背景に約20種類の医薬用・食品用アミノ酸の製造販売を行っています。世界トップレベルの発酵技術を生かした生産能力の高い菌や発酵プロセスの開発、グローバルな生産・販売ネットワークの推進に取り組んでいます。また、アミノ酸の有用性研究や新素材・新規用途開発など、顧客ニーズをサポートしながらマーケットの拡大に向け、さまざまな活動を展開しています。
医薬用および飲料・健康食品用の高品質アミノ酸市場は世界で年間約1万7千トンと推定されており、現在さらに急拡大を続けています。それらの中で当社は約60%のシェアを保有しています。アミノ酸の用途は幅広く、輸液や経腸栄養剤など臨床栄養分野をはじめ、医薬品原料、サプリメントやフレーバーなど食品、化粧品原料、医薬中間体原料など広い範囲に及んでいます。幅広い業界への利用とグローバルな広がりはアミノ酸事業の大きな特徴の一つです。
2006年1月17日 武田キリン
大象(デサン)株式会社と核酸系うま味調味料の生産合弁会社設立で合意
http://www.takeda-kirin.co.jp/news/news_20060117_1.html
武田キリン食品株式会社(社長:北村芳彦、本社:東京都中央区)と大象株式会社(Daesang
Corporation/社長:林東仁(リム・ドンイン)、本社:大韓民国ソウル特別市)は、両社で核酸系うま味調味料(当社製品名:リボタイド)の生産合弁会社をインドネシアに設立し、生産面で提携することを合意しました。両社で設立する合弁会社への総投資額は約80百万ドルで、核酸製品の生産能力は年間6,000トンを予定しています。当社が保有する核酸製造技術と、大象社がインドネシアに保有する経営資源(土地、設備、人員等)を合弁会社に持ち込むことにより、世界でもトップクラスの生産性と品質を合わせ持つ核酸製品の製造が実現できると考えています。合弁会社には、両社がそれぞれ50%出資し2007年度中の安定稼動を目標としています。
なお、提携は生産面のみで、販売面では従来通り独自のルートで販売を継続します。また、今回の提携に伴い、当社の高砂工場(兵庫県高砂市)の土地・建物・設備を、2008年末を目処に隣接地に工場を有している株式会社カネカ(社長:大西正躬、本社:大阪市北区)に譲渡し、一定期間既存製品の製造を同社に委託すると共に、新たな生産拠点の設置も含め、生産体制の再編を進めていきます。
核酸系うま味調味料は、グルタミン酸ソーダ(MSG)と合わせて使用することにより、「うま味」が格段に向上するため、加工食品業界や外食産業を中心として様々なお客様に使用されています。また、アジアを中心とした加工食品市場の規模拡大に伴い、同製品の需要は着実に伸長してきており、今後も世界的に安定した成長が見込まれています。当社は、新たに設立される合弁会社で同製品の生産性向上を図ることにより、調味料事業の一層の強化を目指します。
※核酸系うま味調味料とは:
・
アミノ酸系うま味調味料であるMSG(“昆布”のうま味成分)と合わせて幅広く用いられるうま味調味料で、当社は、「リボタイド」の商品名で1961年に製造・販売を開始しました。「リボタイド」は、“鰹節”のうま味成分であるイノシン酸ナトリウムと“干椎茸”のうま味成分であるグアニル酸ナトリウムを等量含んでおり、MSGと合わせて使用することで、より一層豊かなうま味を作り出します。主にスープ、ソース、つゆ、たれ等の加工食品に幅広く使用されています。
生産合弁会社の概要(予定)
1.会社名 キリン・ミオンフーズ株式会社(PT.
Kirin-Miwon Foods)
2.本社所在地 インドネシア国ジャカルタ市
3.工場所在地 インドネシア国ランプン省
(大象社のインドネシア子会社のMSG工場を転用)
4.資本金 20百万米国ドル(約24億円※)
(当社及び大象社が夫々50%を出資)
※1米国ドル=118.07円(2005年12月30日レート)
5.会社設立時期 2006年前半
6.社長:取締役会議長
会社設立当初の社長は大象社より、また、取締役会議長は当社より就任の予定
7.従業員数 約500名
8.事業内容
調味料、その他の食品添加物の製造
(ご参考)
●大象株式会社 概要
1.社名 大象株式会社(Daesang Corporation) <韓国証券先物取引所に上場>
2.本社所在地
大韓民国ソウル特別市東大門区新設洞96-48
3.社長 林東仁(リム・ドンイン/Lim, Dong In)
4.資本金 277億ウオン(約33億円※)
5.会社設立日 1956年7月14日
6.売上高
約1兆3,546億ウオン(約1,593億円※、2004年度実績)
7.従業員数 約2,400名
8.事業内容
調味料、食品添加物、澱粉、糖類、韓国食品の製造・販売
等
※100韓国ウオン=11.76円(2005年12月30日レート)
●武田キリン食品株式会社 概要
1.社名 武田キリン食品株式会社
2.本社所在地
東京都中央区築地6−19−20
3.社長 北村芳彦
4.資本金 50億円
(出資比率:キリンビール株式会社 66% 武田薬品工業株式会社 34%)
5.営業開始日 2002年4月1日
6.売上高
約250億円(2004年1−12月ベース)
7.従業員数 約250名
8.事業内容
調味料、その他食品添加物の製造・販売
食品機能材事業(医薬原料事業含む)譲受に関するお知らせ
三菱化学フーズ株式会社(本社:東京都中央区、取締役社長:佐藤
明、以下「三菱化学フーズ」)は、三共株式会社(本社:東京都中央区、取締役社長:池上
康弘、以下「三共」)の連結子会社である三共ライフテック株式会社(本社:東京都文京区、取締役社長:安藤
弘一、以下「三共ライフテック」)がもつ乳酸菌・酵素製剤などの食品添加物・医薬原料事業を譲り受けることで契約を締結しましたのでお知らせいたします。具体的には、三共ライフテックが食品添加物・医薬原料事業を会社分割し、新会社を設立したのち、その新会社の全株式を三菱化学フーズが平成19年3月30日をもって譲り受ける予定です。
三菱化学フーズは、三菱化学グループの機能商品分野における「集中事業」の一つである食品機能材事業を担う会社です。「日持ち向上」「健康志向」をキーワードとして、食品用乳化剤、天然色素、抗菌・抗酸化剤、機能性糖類などの食品機能材を、加工食品を中心にトイレタリー、化粧品、医薬などの分野に提供するだけでなく、かかる素材をいかすための技術サポートを同時にご提案することで、お客様から高い評価を頂いております。今回、三共ライフテックから有胞子性乳酸菌、酵素製剤、カテキンやα-リポ核酸などの特徴ある食品添加物・医薬原料及びその技術開発力を譲り受けることで、三菱化学フーズの既存の製品・技術力とのシナジー効果により、(1)三菱化学フーズが目指す「加工食品開発のベストパートナーとなる」ための課題解決能力・提案能力等の向上に繋がること及び(2)堅調な成長を続けている特定保健用食品市場などの「健康志向」の加工食品市場への対応力強化によって、今後のさらなる拡販及び成長が期待されることから、会社分割による株式譲渡を受ける方法で、同社から食品機能材事業を譲り受けることに合意いたしました。なお、新会社の従業員は、株式譲り受けの日以降、本人の同意を前提として、三菱化学に転籍いただいた上、新会社に出向となる予定です。
三菱化学フーズ及び三共ライフテックは、今後両社協力して事業譲受をスムースに取り進め、それぞれの分野においてお客様の満足度の高い事業構築を目指してまいります。
2006/10/03 ヤマハ発動機
ヤマハ発動機、ライフサイエンスビジネスを本格的に展開
“アスタキサンチン原料工場”が完成。10月より企業向けに供給開始
屋内生産により高品質で安定したアスタキサンチン原料の供給を実現
ヤマハ発動機株式会社は、静岡県袋井市に建設中だった“アスタキサンチン原料工場”を、この程完成させ、10月26日より量産を開始します。工場の生産能力はアスタキサンチンの原料であるヘマトコッカス藻の乾燥藻体ベースで年間約20トン。工場で生産された原料は、油脂メーカーによって抽出精製され、アスタキサンチン製剤「PURESTA(ピュアスタ)」オイルとして、同月末よりサプリメント・食品・化粧品等のメーカーに販売します。
(※)当社におけるバイオテクノロジー関連事業は、呼称を“ライフサイエンス事業”とし、これと併せて10月1日より部署名を「バイオ事業開発部」より「ライフサイエンス事業推進部」に変更しました。
完成した“アスタキサンチン原料工場”は、袋井市の「久能工業団地」に取得した約37,000m2の敷地内に位置した鉄骨2階建てで、建築面積約1,800m2、延床面積3,300m2です。同工場は、独自開発の屋内培養システム「ヤマハ高効率バイオリアクター」を中心とした最新技術を駆使した培養設備や健康食品GMP(適正製造規範)取得を前提とした生産体制により、濃度8%という高濃度、かつ高品質で安全性に優れたアスタキサンチン原料を安定的に供給します。
なお、2005年7月に完成したライフサイエンス事業の研究開発拠点であるライフサイエンス研究所も併設しており、研究開発から生産までを一元化することで一層の生産性向上を図ります。
アスタキサンチンを核としたライフサイエンス事業を次代の戦略ビジネスに位置づける当社にとって、今回の“アスタキサンチン原料工場”の完成は、事業の本格化を意味します。
当社では、10月より販売を開始する「PURESTA」オイルに加えてアスタキサンチンの水溶化製剤についても太陽化学株式会社の協力のもと開発を進めており、年内には商品化を予定。アスタキサンチンの用途拡大に向け、飲料メーカーへの販売を開始します。さらに、来年春には一般消費者向けの商品(サプリメント)の発売も予定しており、これら製品の販売により、初年度の売上高は約10億円、2015年には年間売上高300億円を目指します。
当社は、今後も、自社だけでなく大学および民間研究機関との共同により、大きな可能性を秘めた微細藻類研究の強化・充実を図り、ライフサイエンス事業を通じて、企業目的である“世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する” を実現します。
■ アスタキサンチン原料工場 概要
所在地 : 静岡県袋井市久能工業団地内
生産開始日: 2006年10月26日
建築面積 : 約1,800m2
延床面積 : 約3,300m2
構造種類 : 鉄骨2階建て構造
主要設備
: ヤマハ高効率バイオリアクター(ヘマトコッカス藻培養装置)
生産能力
: 年間約20トン(ヘマトコッカス藻乾燥藻体ベース)
投資額 : 約20億円(建物・設備)
アスタキサンチン astaxanthin は、ヘマトコッカスという藻類の一種に含まれます。それが食物連鎖により魚介類の体内に蓄えられています。カロチノイド系色素の一種で、鮭、イクラ、マス、オキアミ、エビ・カニ類などの赤色色素です。エビ、カニなどのアスタキサンチンはタンパク質と結合して青緑色で存在しています。加熱や酸処理を行うことでタンパク質から分離して赤色になります。
アスタキサンチンは体内で必要量だけビタミンAに変ります。抗酸化力はビタミンEの約1000倍、β−カロチンの100倍で、自然界最強の抗酸化作用をもつ物質といわれています。血液に乗り全身で抗酸化力を発揮します。特にアスタキサンチンは選ばれた物質しか通過できない血液脳関門を通過できるので、脳の活性酸素を撃退し、不眠症や痴呆症、記憶障害、脳の萎縮、脳出血、動脈硬化、脳梗塞といった活性酸素が原因となって起こる疾病の予防・改善の効果が期待できます。